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 唯の意識は闇の中を漂っていた。身体から力が全て失われ、微かな思考も油断をすればすぐに無意識に沈んでしまいそうになる。力を使い果たし、とにかく身体が休みを欲していた。だがこのまま寝てしまえば、当分の間は目覚めることは無いはずだ。式神達の無機質な邪悪な顔が思い浮かび、唯は何とか覚醒しようと闇の中でもがき続けた。





「何だったのだ、あれは……」

 半田は眉を寄せて、不可解そうに呟く。彼が居るのは、黄昏の会が作り上げた施設の一角にあるプレハブの一室だ。畳の上には半田の信奉者である大勢の学生達がおり、座禅を組んで座っている。彼らの手には一様に何か模様が書かれた布らしき物が持たされていて、それを掴んで全員が身じろぎもせず目を瞑って座っている。この布こそが魔術が描きこまれた式神の操作媒体だ。それを使って彼らがファミリアと呼んでいる式神を呼び出し、自在に操っているのである。
 畳の上には幾つか破れた布が落ちており、半田はそれを取り上げる。ファミリアは無限に近い再生力を持つが、再生不可能な損傷というのもあり、一定以上のダメージを受けた場合は破壊される。その場合は呪布が破け、操者自身はダメージを負うことは無い。式神自体はサウザンドの魔力供給施設がある限り、幾らでも作り出せるので問題は無い。半田が問題視したのは、麻生唯が一撃で大量のサウザンドを破壊する技を繰り出したことだ。ガーディアンの研究はし尽くしており、彼女達が長時間のチャージを行わない限りはあのような威力を持つ技を出せないことは学んでいる。

「何ゆえ、あの小僧が」

 ガーディアンの主にしか過ぎない唯が、自ら音を操る能力を使うばかりか、強大な術まで使ってみせたのだ。未知の脅威に、半田は背筋に冷たい汗が流れるのを禁じえない。思えば人間への転生までしたというのに、ガーディアンを支配下に置くことが出来なかったのは唯の所為とも言える。半田の企みを、中学生でしかない少年が悉(ことごと)く砕いている。

「麻生唯を草の根掻き分けても探し出せ。絶対に逃すな」
「分かりました」

 半田の命令に、彼の忠実な信者達が頷いた。





「唯殿……」

 エリザヴェータは主に心配そうに語りかける。エリザヴェータは唯が雨に濡れないように、山の急な傾斜に出来た小さな穴に身を潜めていた。エリザヴェータの呼びかけにも、肌が透き通るように青白くなった唯はピクリとも動かなかった。
 あのとき、ミシェルに雷を召還させた唯は、その轟音を増幅して想像を絶する爆音で式神を薙ぎ払った。気がついた直後には何があったのかわからなかったが、しばらく時を置いてからならエリザヴェータ達は何が起きたのか推理出来た。だがその能力をフルパワーで発揮したために、唯はエネルギー不足で半ば昏睡という状態に陥ってしまった。すぐさま唯を運び出し、ガーディアン達は安全な場所に退避するつもりでいた。だが思わぬことに、隊員達を追撃に出ていた式神達が引き返してきたのだ。

「唯様を連れて逃げろ!」

 その場に残った雛菊が敵を引き受け、ガーディアン達は山中に逃れた。途中、由佳が敵を引き付けるために囮の役を引き受けて別れ、他の者達も式神の集団との遭遇の度に敵を足止めするために一人、また一人とはぐれて行った。式神は大規模な山狩りを行っており、唯が吹き飛ばした式神達も既に補充されて、本拠から出撃したようであった。

「唯様を頼んだわよ、エリザヴェータ」

 最後まで主につき従っていた芽衣は、そう言い残すと自分達を見つけた式神の集団に突っ込んでいった。光を操り、姿を透明化出来るエリザヴェータが最後まで唯につき従うべきだという判断の元があったからだ。唯がここまで衰弱していなければ、全員がバラバラになることなく脱出できたかもしれない。だが意識の無い主を抱えての戦闘は、危険が高すぎるため、遭遇の度に誰かが足止めしなければいけなかった。最後には二人きりになってしまった。

「こういうときに限って雨とは……我々にはどうすることも出来ないが、天を恨みたくなるな」

 山に降り注ぐ雨水に、エリザヴェータが肩を落とす。雨さえ無ければ、透明化の能力はほぼ完璧なのだ。だが雨しぶきにより、既にガーディアン達は何度も偽装を式神によって見破られてしまっていた。気温は蒸すような暑さなので、唯の体温を奪うようなことは無かったが、それでも雨が無ければとエリザヴェータは思わずにはいられない。遠くの山々からは時たま轟音や、木々が倒れる音が響いて聞こえてくる。仲間が式神と戦っているのだろう。助けるためにすぐにでも飛び出したくなるが、今はただ耐えるしかなかった。エリザヴェータには雨音がやけに耳についた。






「全く、一体どういうことよ……」

 木々の上を滑空しながら、百合がぼやいた。巨大な轟音が響いた後に、追撃の式神が消えた。隊員達を安全な場所まで送り込めたと考え、調査のために他のメンバーと別れた地点に京、静香、円などと共に百合は戻った。だが、そこには巨大なクレーターだけが残っており、唯達の姿は影も形も見えなかった。考えたくも無いが、何らかの爆発に巻き込まれて、全員が吹き飛ばされたのかもしれない。ただ現場に爆発後に出来たと思われる、争った後があったため、唯達の生存に百合達はかけることにした。それに唯が死亡したのなら、半田が現れて自分達を支配下に置いているはずだ。百合、京、静香、円はそれぞれ別れて唯と残りのメンバーを探すこととなった。

「あれかしら……」

 闇夜の山中で衝撃波を出して滑空し、百合は音がする方角へと向かう。漆黒の闇に包まれた山中は視界が極端に悪く、百合は音を頼りに仲間を探すこととなった。木々を掻き分ける大きな音に、百合は衝撃波を手から出して減速し、着地する。

「ぬかったわ」

 周囲の闇夜にうっすらと浮かび上がったのは、式神の顔だった。百合が聞いたのは、式神が木々を掻き分けながら移動する音だったらしい。どうやら彼女は敵のど真ん中に下り立ってしまったようだ。相手にしてられないと、すぐさま百合は空中へと飛び立とうとするが、それを察知したかのように式神達が一斉に踊りかかってくる。

「くっ」

 百合は右腕を大きく横に振り、数体を咄嗟に放った衝撃波で吹き飛ばす。だが、背後から襲ってきた一体は対処できずに、百合は横殴りのフックをギリギリのところで身を屈めてかわす。大きく空振りした相手に、逆に身をすっと百合は寄せると、その胸に手の平を押し当てた。

「破っ!」

 式神に浸透した衝撃波が、胸の内部に炸裂する。小型爆弾が体内で爆発したかのように、式神は内部から膨張して爆発し、周囲に肉片を撒き散らす。すぐに破壊した式神から素早く百合は離れる。木々の奥からは次々と式神が姿を現わし、再びじわりじわりと百合を取り囲むように動き出す。

「やっかいなこと……」

 逃げ出すタイミングを逸したと判断し、百合は溜息をつく。接触して衝撃波で破壊した式神も、既に再生を開始している。視界もままならない状態で、死闘が始まった。







 いつからだろう、闇を恐れなくなったのは。音の能力が目を補い、周囲の状況を把握することが出来るようになってから、唯は漆黒の闇でも自由に動けるようになった。人を超えた能力を得て、唯はそれをとても頼りにしている。だが今は暗い闇の中、何一つ物音がしなかった。それでも唯には恋人達が必死に戦っている音が聞こえているような気がした。今こそ彼女達を、支えなければいけないときなのではないのか。たとえ、自分の命に代えてでも。

「ほう、そんなに大事なのか?」

 当たり前のことだった。自分が今生きているのは、彼女達へ愛を返すためと言っても過言ではない。

「それなら、目を覚まさせてあげるわ」

 助けてくれるの?

「但し、それから後のことは助けられぬぞ」

 ありがとう。

「彼女達によろしく。出来れば、もう会わない方がよかろうて」







「う、うぁ……」
「唯殿!?」

 小さく呻き声をあげた唯に、エリザヴェータが驚く。唯の消耗の度合いから、彼は京が肉体を回復させなければ到底覚醒するレベルでは無いと思ったからだ。瞼をだるそうに開けた唯の瞳に、心配そうに自分を覗き込むエリザヴェータの表情が映る。辺りを見回そうと唯は身体を起こそうとするが、それさえもままならないほどに身体が重い。指一本動かすのも苦痛であった。気絶している間、何かを見た気がするが、何も思い出せない。

「唯殿、動いてはいけない。身体はまだ本調子に程遠い」
「……み、皆は」

 唯が弱々しく掠(かす)れた声を出す姿に、エリザヴェータの胸が痛む。愛しい少年がこんなにも弱っているのを、出来れば代わってやりたかった。

「式神と懸命に戦っている。唯殿を脱出させる方策を見つけてくれるはずだ」
「早く、助けないと」

 エリザヴェータの言葉に、唯は焦りを覚える。周りにはエリザヴェータ以外の姿は無い。唯が倒れたため、彼が恐れていた消耗戦にガーディアンは巻き込まれつつあるのかもしれない。今のうちに手を打たないと取り返しのつかないことになる。

「大丈夫。楓や円、京の行方をきっと捜してきてくれるはずだ。必ずお守りするから、唯殿はここは休んでいてくれ」
「でも……」

 唯の心は焦るが、身体は言うことを一向に聞かない。危機的な状況を打開しようと、必死に脳を働かせる。体の自由が効かない唯に出来るのは、考えることだけだ。そんな唯の頭にとあるアイディアが浮かぶ。一瞬その考えに躊躇するが、背に腹は変えられないとばかりに唯は実行に移すことにした。

「エリザヴェータさん」
「唯殿?」

 唯が弱々しく手招きすると、エリザヴェータは何事かと近寄る。

「ごめん」
「えっ?」

 顔を近づけたエリザヴェータの首に手を回すと、唯はぐっと引っ張って唇を奪う。突然の出来事に、エリザヴェータの頭が混乱する。力はほとんど入っていないが、エリザヴェータは振り払うのも忘れて唯のひんやりとした唇の感触を受け入れた。

「んっ」

 唯の動きは極めて弱々しい。だが彼は衰弱した体をおして、エリザヴェータの唇を貪る。

「ん……ん……」

 唯の舌が口内に侵入してきたのをエリザヴェータは受け入れ、軽く舌を絡める。だが唯の手が胸に伸び、その豊満な膨らみをそっと掴んだ時点で、エリザヴェータは少年の腕を掴んで止めた。

「ゆ、唯殿! 今は大人しく休まないと」

 唇を離したエリザヴェータは、珍しく唯を諭そうとする。戸惑うエリザヴェータの頬は紅潮している。だが唯はそんなエリザヴェータの首に手を回すと、再度体を引き寄せる。

「エリザヴェータさん……抱かせて」
「唯殿……」

 唯はエリザヴェータの目を覗き込みながら、優しく囁く。主の言霊にエリザヴェータの体から力が抜けて、唯の成すがまま、再び唇を奪われる。エリザヴェータには、唯が何故いま自分を求めているのかがわからない。だが主の命令には逆らえず、混乱したまま体を抱かれる。

「あ……ゆ、唯殿……こんなことをしている場合では」

 硬いボディスーツ越しに胸を揉まれつつ、エリザヴェータは少年に耳たぶを舐められる。それだけで、エリザヴェータの体の芯が疼き始める。唯はエリザヴェータの背に手を回すと、スーツのチャックに手をかけた。

「唯殿、そ、それは……」

 スーツ越しの愛撫なら、エリザヴェータはまだ軽い欲情で済んだ。だが肌を直接触られたら、エリザヴェータには自分を抑える自信が無い。そんなエリザヴェータの懸念を余所に、唯はスーツのファスナーを全開にしてしまう。銀髪の美女を脱がせ、唯は上半身を裸にする。

「唯殿……だ、ダメだ」
「ごめんね」

 エリザヴェータに悲しそうに微笑むと、唯は彼女の乳首にむしゃぶりつく。

「う、ああっ!」

 敏感な体の突起をいきなり吸われて、エリザヴェータが悲鳴をあげる。唯は舌で彼女の乳首を吸うと、余った方の胸を優しく手で撫でる。

「はっ、あ、あぅ……や、あっ」

 交互に乳首を舐められ、唾液に濡れた突起を触られる度にエリザヴェータは体を軽く震わせる。胸の先端から広がる甘い刺激は脳から理性を追い出そうとし、膣奥をじんわりと熱くさせた。

「唯殿……わ、私は……」
「エリザヴェータさん、とっても乳首が可愛いよ」

 唯は何度も胸に口を押し当て、生温かな舌を這わせる。毎日のように抱かれて、すっかり唯の女になっているエリザヴェータの体は、当然歓喜の叫びをあげる。膣内からじわりと滲み出た愛液で、股間が濡れていくのが自分でもわかった。

「あ、あぁ……はぁ、唯どの……」

 喘ぐエリザヴェータと体を入れ替え、唯が彼女へと圧し掛かるような体勢へと入れ替わった。微かに唯の肌に血色が戻っているのを、エリザヴェータはちらりと見やる。だが唯に唇を吸われ、両手で胸を揉まれると、そのことは意識の片隅へと追いやられた。

「ん、んんっ、んんー!」

 口内を舌でかき回され、メロンのような胸を揉みしだかれただけで、エリザヴェータの意識がグルグルと混濁する。体がますます熱くなっていき、頭の中は気持ちいいという意識で一杯になっていく。

「はう、うぐ……あ、あ、あぁ!」

 地面の上で身悶えするエリザヴェータの上で、唯は愛撫をひたすら続ける。彼が胸を揉むたびに銀髪の美女の体は震え、やがては背を大きく反らすほどの激しい反応に変わっていく。

「う、あぁ、唯どの……ゆ、許して」

 あまりの気持ち良さにエリザヴェータの目の端から涙がこぼれてしまう。訳も分からず抱かれていても、愛しい少年が求めて、体を触られるだけで彼女は幸福で胸が一杯になる。微かに残った理性を、唯の手が胸を揉むたびにゆっくりと溶かしていく。

「あ、ああぁ、胸が……お、おっぱいがおかしくなる」

 たっぷりと胸をこね回され、乳首を摘まれ、肌を擦られてエリザヴェータの体が完全に発情する。女として、唯に抱かれたいという感情が加速していく。そんな彼女の心情を察して、唯はエリザヴェータのスーツに手をかけるとそのまま脱がせようとする。

「ゆ、唯どの……私は」

 エリザヴェータは自分から腰を持ち上げて、唯の手助けをする。エリザヴェータのキュッと引き締まった尻肉が露になり、陰部が外気へと晒された。既に彼女の秘部は濡れており、女性特有の甘酸っぱい匂いが辺りに広がる。

「エリザヴェータさん、抱くよ」
「わ、わかった」

 そっと囁く唯に、エリザヴェータが恥ずかしそうに頷く。膝からボディスーツを抜いて、唯は脇に放り投げると、エリザヴェータに覆い被さる。エリザヴェータの片足を持ち上げると、唯はズボンから抜き出したペニスをそのまま突き刺した。

「う、うぁぁ……あぁ」

 ズブズブと沈み込む太い肉棒の感触に、エリザヴェータは深く息を吐き出す。

「あ、うわぁぁあ、あっ!」

 唯の亀頭がズンと子宮口にぶつかると同時に、エリザヴェータの口から大きな声が漏れた。膣奥に軽い振動が走っただけで、全身にビリビリと電気が走ったような感触が流れたのだ。脳に流れた強力な電気信号に、エリザヴェータの視界が一瞬、真っ白になる。

「あ、あうぅ、唯どの……」

 軽いエクスタシーに体が達して、エリザヴェータの膣内がキュッとシャフトを締め付ける。熱い吐息を漏らすエリザヴェータの姿に、絶頂に達したのが唯にもわかったが、彼はそれに構わず腰をゆっくりと動かし始めた。

「ひあっ! ゆ、唯どの!?」

 唯の動きはゆっくりだったが、片足を開いた状態ではペニスが深く突き刺さり、子宮にズシンという響きが広がる。

「あ、ああっ! やあああぁ! うあぁ」

 子宮口に亀頭がぶつかる度に、エリザヴェータが悲鳴をあげる。大きく跳ねようとする体を押さえつけ、唯はグイグイと腰を動かし続ける。

「唯どの、ま、待って……うあぁ、だめ、やめ……うああぁ!」

 少年のペニスを、エリザヴェータの膣内は優しく受け止め、熱いヒダで擦りあげて歓迎する。だがそれと同時に脊髄を快感の信号が走りぬけ、エリザヴェータが泣き叫ぶ。気持ちが良過ぎるのだ。

「ひっ、あ、あ、あぁ、ひあぁぁぁ」

 エリザヴェータの膣壁は主の男性器がスムーズに動くように、愛液を盛んに分泌する。生温かな粘液と柔らかな粘膜に扱かれて、唯の体も高まってくる。

「う、あ、あっ、唯どの、もっとゆっくり……ひ、あ、あぁ……ゆっくりにしないといく……い、いく」

 五分も経たないうちに、再びエリザヴェータの体が高まってくる。あまりにも短いペースに、エリザヴェータが恐怖の叫びをあげる。だが唯はおかまいなしに腰を動かし、逆にピッチを上げた程だ。

「い、いく、い、い、いくぅぅぅう」

びゅる、びゅっ、びゅ、びゅ、びゅうう

 エリザヴェータは我知らず絶叫をあげ、唯もそれに同調して尿道を緩めて精液を放つ。強烈な絶頂感にエリザヴェータの体が硬直し、括約筋が強く締まり、唯のペニスを締め上げる。精液を子宮に送り込むような律動を繰り返す膣の感触を楽しむため、唯は締まる膣内で陰茎を何度か動かす。

「あ、あぁん! あ、唯どの、許して……」

 ペニスが胎内を動く感触に、エリザヴェータのエクスタシーが二度、三度と繰り返された。ビクビクと震えながら、唯の熱いザーメンが子宮に吐き出されるのをエリザヴェータは感じる。

「は、腹が、あ、熱い……唯どのの子種が」

 半ば強引に犯されたというのに、それだけでエリザヴェータは恋人としても配下としても、無上の喜びを感じてしまう。そんなエリザヴェータの心情を知ってか知らずか、唯は余韻にあまり浸らずにグリグリと腰をグラインドさせる。

「ひっ、ゆ、唯どの、ま、待って……あ、あぁぁ!」

(大分、力が戻ったかな)

 エリザヴェータが奏でるソプラノの嬌声を聞きながら、唯は考える。エリザヴェータの体を責め立てる動きから、自分の体力が戻ってきているのを実感する。あまり取りたくは無い手段だったが、ガーディアンを抱くことによって、唯は力を取り戻そうとしていた。唯はガーディアンと性交することで力を多少得ることができる能力を持っている。唯としては、セックスを行うのは愛を確かめ合う手段であり、体力を取り戻すことを目的とするのは不本意であった。だが急を要するいま、他に選択肢が無かった。

「ゆ、唯どの……う、動かされると……う、うぅ、おかしくなる」

(まだまだ足りない、もっと力を蓄えなければ)

 快感に身を焼かれているエリザヴェータの媚肉を、唯は貪り続けた。







「全く、しつこいよね」

 全身を鋼鉄に包まれた早苗が、苦々しく呟く。自分を包囲するように周囲を囲む式神の多さに、彼女は辟易していた。唯を逃がすために式神を引き受けたのはいいが、その再生力に早苗は手を焼いていた。ダイヤモンドの槍で貫かれようが、地割れに飲まれようが、石つぶてを食らおうが、鉄の塊で殴られようが、この魔術の産物は延々と復活し続けるのだ。エネルギーを能力のベースとした由佳や百合、ミシェルなどと違い、瞬間的な攻撃力を引き上げるのが苦手なため、一体を破壊しただけに止まるのもまた苛立たしいことであった。時間稼ぎが任務なので、目的は果たせているのだが、早苗も徐々に疲労が蓄積されつつある。

「てりゃぁ!」

 自分の腹目掛けてボディブローをしてきた式神の腕を、肘と膝で挟んで早苗は止める。鋼鉄の肉体に挟まれた腕は、鈍い音を立てて折れる。早苗は式神の腹を蹴りつけ、その背後から迫ってきた式神にぶつける。更に続けて殺到してきた式神達に対し、彼女は地面に手をついて力を放出する。山肌が裏返ってそびえ立ち、土塊を壁にして早苗は敵の行く手を塞ぐ。反射的に式神はパンチを放ち、力尽くで壁を破壊しようとするが、その腕がずぶりと土の塊に沈む。腕を引き抜こうとして式神は力を入れるが、そのまま土が、がっしりと腕を掴んで放さなかった。早苗は跳躍して壁を越え、そのうちの一体の上に落下してストンピングする。全身が鋼鉄の塊である少女の体重を食らって、式神が空き缶のようにグシャリと潰れた。

「はぁはぁ、だからしつこいんだって」

 早苗は荒く呼吸をしつつ、走り出して式神達の群れから脱出しようとする。包囲網の一角を突破されつつも、式神の群集は落ち着いた動きで早苗を再び封じようと駆け出す。そんな駆け引きが五分程続いた後、式神達の動きが突然ピタリと止まる。何かを追うように、白い使い魔達は急に早苗と逆の方向へと疾走し始めた。

「……どうしたんだろう?」

 唐突な式神の動きに、早苗は立ち止まり、首を傾げる。

「僕が音で他の場所に誘導したから」
「ゆ、唯君!? 気がついたの?」

突如耳元で聞こえた主の声に、早苗が慌てて周囲を見渡す。

「ここから少し離れた場所に居るよ。疲れているところ悪いけど、誘導するから移動してきて」
「うん、わかった。すぐ行くよ」

 元気よく返事すると、すぐさま早苗は鋼鉄化を解除して、闇夜の山中を走り始める。唯の声を聞けて、早苗はほっとしていた。昏睡状態のようなぐったりとした唯を見て、一時は最悪の展開まで早苗は考えていたのだ。唯が意識を取り戻したというだけでも、幸いとも言えた。

「そのまま真っ直ぐ来て。右手には式神がうろついてるから、行かないでね」
「了解」

 唯の能力は、こういうときに頼りになった。山中の音を拾って唯は早苗の場所を突き止め、式神達の注意まで引いてくれたのだ。そして安全なルートを見つけて、早苗を導いてくれている。

「唯君、流石だな」

 唯の無事が確認できたことと、式神達から解放されたことで、早苗の声は弾んでいた。唯さえ元に戻ったのなら、後背の憂いは無くなる。ガーディアンが再び結集すれば、半田に対して勝機があった。

「そこの斜面をいったところの、窪んだ場所に居る」
「うん」

 暗い斜面を滑り降り、早苗は何とか目的地の窪地を探し出す。

「唯君居る?」
「ああ、早苗さん。良かった」

 早苗は最初、闇で視界が覆われて中の様子がわからなかった。だが徐々に目が慣れると、思っても居なかった光景が目に入ってきた。

「ゆ、唯君!?」

 小さな穴の中で、唯はエリザヴェータを腰の上に乗せ、繋がっていたのだ。

「う、う……さ、早苗か?」

 仲間が来たのを認識して、エリザヴェータは蚊が鳴くような小さな声を出す。快楽に晒されすぎて、彼女は既に意識が大分白濁していた。

「エリザヴェータ、これは!?」
「僕の力を回復するために、エリザヴェータさんにはちょっと頑張って貰った。でも、そろそろ限界みたい。早苗さんに代わって欲しいんだけど」
「う……」

 唯のお願いに、早苗は少し躊躇する。エリザヴェータの惨状を見る限り、唯が体力回復のためハイペースで彼女と性交したのは明らかだ。唯が本気を出せば、早苗達が発狂するくらいイかせるのは容易い。もし今回エッチするなら、相当な覚悟をしなければならないようであった。

「や、優しくしてね」
「……あんまり期待しないでね。じゃあ、最初はフェラチオしてくれる」
「う、うん」

 早苗は屈みこむと、エリザヴェータの膣内に入った唯のペニスに顔を近づける。

「う、うわっ」

 唯がエリザヴェータからシャフトを抜くと、栓が無くなった膣口からゴボリと精液が吐き出される。よっぽど唯に苛められたのだろう、ドロドロの精液は後から次々と漏れ出て、ドロリと垂れて白濁液が少年の陰茎を白く汚す。唯が抜かずに何度イったのか、想像するだに恐ろしい。その扇情的な光景に目を奪われながらも、早苗は恋人である唯のペニスに口を近づける。

「あ、う……」

 亀頭を軽く咥えただけで、唯の精液とエリザヴェータの愛液のカクテルが口内に溶け、苦くてしょっぱい味が舌に広がる。その咽せるような濃い味に、早苗は胸が高まる。

「ん、んむ、あむ……」

 口中に入れられた粘液を、唾液に絡めて早苗は次々と溶かす。生臭い味が口の中に広がるが、唯の精液が溶けていると思うと、それだけで体が熱くなっていく。

「あぁ、美味しい」

 精液が媚薬のように、早苗の興奮を強めていく。舌をペニスに絡め、早苗はクルクルとカリ首をなめ回す。その手慣れた舌の動きが心地よくて、唯が眉を軽く寄せる。

「ん、んん、んむ……」

 口内に暖かな唾液を溜め、早苗の唇が陰茎を締め付けて動き始める。シャフトを滑る柔らかな唇の感触が、唯を徐々に高めていく。つい先程までエリザヴェータの胎内を楽しんでいたから、尚更だ。

「う……」
「唯くん、気持ちいいかな?」

 唯が思わず声を漏らすと、早苗は嬉しそうににっこり笑う。主の反応に気を良くしたのか、早苗は唇でカリ首の周りを重点的に刺激する。繊細な場所を責められて、唯は射精感が一気に高まる。普段ならば我慢しただろうが、唯はそれに逆らわず、そのまま果てた。

びゅ、びゅ、びゅるるる、びゅ、びゅ

「ん、んぐっ」

 胎内で勢いよく射精した男根に、早苗が顔を歪める。何の前触れも無かったので、咽の奥に粘液が思いっきりぶちまけられてしまった。唯は苦しそうな早苗に構わず、口中でペニスを痙攣させて、何度も何度も精液を吐き出す。

「う、うぅ……ん、んー!」

 ようやく唯の射精が収まったのを確認して、早苗は男性器を口から離そうとする。だが少年は早苗の頭を掴むと、そのまま再び腰を振り始めた。

「ん、ん、ゆ、ゆひくん!?」
「早苗さん、もう一回させて。零したり、飲んだりしちゃダメだよ」

 早苗の口内に精液を溜めさせたまま、唯は少女にフェラチオをさせる。粘つく粘液を唯は亀頭でかき回しつつ、早苗の口内を犯す。

「あ、あぐ、うぐぐ、ぐむ」

 腔内に広がる青臭い臭いに、早苗はペニスを吐き出しそうになる。だが唯の言霊に縛られたのか、体は唇を窄(すぼ)めて懸命に主に奉仕しようとした。

「う、おご、ぐ、う、う、うっ」

 早苗は目に涙を溜めながら、懸命に耐える。だが苦痛より遙かに強く、早苗には己の肉体が興奮しているのがわかった。主の肉棒を咥え、精液を口中で掻き混ぜられているという事実に、早苗は子宮の奥がじんわりと熱くなっていく。

「ゆ、ゆひくん……だ、だひて」

 ネバネバする口という普段とは異なるフェラチオに、唯もいつもより強い興奮を覚える。上目遣いに見上げる早苗の肩を掴み、亀頭を突き込んで、口内粘膜を存分に味わう。そして陰茎に絡む舌先に向けて、尿道を解放した。

びゅる、びゅ、びゅ、びゅく、どびゅ

「うっ、うぐううううう、あぐぐ」

 新鮮な精子がペニスから吐き出されて、早苗の口に溜まっていく。だが唯の射精はすぐには収まらず、何度も何度も上下に跳ねて、通常では有り得ないような白濁液を吐き出す。

「うぇ、あ、あぷ……」

 口の中が精液で一杯になってから、唯の体はようやく精子を出すのを止める。唯は早苗が口から零さないように、スルリと彼女の唇からイチモツを抜き出す。

「ゆっくりと飲んで」
「う、うん……ん、んう、んっ」

 唯の優しい声を合図に、早苗はゆっくりと精液を嚥下し始める。粘性の高い白濁液を懸命に唾液で咽の奥に流し込み、胃に流し込む。消化器官に入り込んだ精液は、その感触だけで早苗の五体を熱くして、強烈に欲情させる。

「ゆ、唯くん……お、お願い……抱いて」
「うん。悪いけど、犯させて貰うよ」

 熱に浮かされたように言う早苗に、唯は済まなそうに答える。早苗の背部にあるジッパーを開き、ボディスーツを脱がして、全裸の早苗を唯は地面へと四つん這いにさせる。

「う、うあっ!」

 ちょこんと亀頭の先っぽが膣口に入っただけで、早苗は大きな声を漏らす。いつもながら少年の性器は触れただけで、脊髄が痺れるような歓喜を下僕である早苗にもたらす。

「ひ、ひあああああっ!」

 奥にズブズブと沈む性器の感触に、早苗は背を反らして大きな悲鳴をあげる。既に蜜で一杯になっていた秘所はグチュグチュと鈍い音を立て、ペニスに押されて胎内から愛液が溢れ出す。透明な粘液が早苗のなだらかな太腿へと垂れて流れる。

「う、あ、あ、あっ!」

 ちょこちょこと子宮への入り口を亀頭で小突かれる度に、早苗は切羽詰まったような悲鳴を漏らす。それに呼応する形でキュンキュンと悦ぶように締まる膣壁の感触を、唯は楽しむ。

「ゆ、唯くん、だ、だめぇ、な、何だかいつもより、か、感じるよぉ……うああああああっ!」

 振り返って見た早苗に対し、唯は深い一突きで答えを返す。いつもならば、より優しく、より長く繋がっている唯だが、今は恋人の媚肉を貪り、犯すことしか考えて居なかった。優しい言葉をかけることなく、唯は音を立てるくらい強く腰を振り出す。

「ひ、ひぃぃぃい、だ、ダメ、ダメ、す、すぐいっちゃ……ああああああ!」

びゅっ、びゅ、びゅ

 早苗の膣がギュッと締まり、柔らかな粘膜が唯のシャフトを圧迫する。その感触に合わせて、唯も軽い絶頂を感じて、尿道から精液を少し吐き出す。

「う、うああ、あっ、ゆ、唯くん、ひああ!」

 胎内に熱い精液を感じて、早苗の快感が更に増す。だが射精してもなお、唯はピストン運動を止めようとはしなかった。

「やっ、あっ、止めて、す、少し休ませて……あああああっ!」

 早苗の体は絶頂の余韻を感じる暇も無く、再び高みへと押し上げられる。脳はあまりにも強い快感を鎮めようとするが、唯を受け入れている体がそれを許さない。

「あ、あ、あっ、あく、あぁ」

 金魚のように口をパクパクと広げ、早苗は必死に空気を取り入れようとする。しかし、呼吸が上手く出来ない。唯の肉棒が秘唇に突き入れられる度に、杭打ち機を打ち込まれているかのような衝撃が女子高生の体を震わせて、快楽に脳髄を焼かれる。

「や、やっ、だ、だめ、し、死んじゃうよ……ああああああ、あん、唯くんんんんぅ!」

 再び絶頂を迎え、早苗の膣が再び唯の性器を強く包み込んで奉仕する。その感触が唯のペニスに何よりの刺激を与える。柔らかな膣壁が持っている凹凸の感触を楽しむには、女性をイかせるのが一番だった。

「出すよ」
「ま、待って。ああああああぁ、や、やっ、あぁ!」

びゅ、びゅるる、びゅ、どびゅびゅ

 子宮に流れ込む精液に、早苗が思わず前のめりになって逃げようとする。だが唯はそれを許さず、がっちりと腰を掴んで離さなかった。本来ならもっとスローペースでセックスすれば、早苗も楽しめるのだろうが、今の唯はガーディアンの体を味わい、力を得る必要があった。

「……早苗さんを壊さずに済みそうだ。追加が来てくれた」
「はぁはぁ……えっ?」

 唯の言葉に早苗が顔を上げる。

「さ、早苗!?」
「お姉さま……それに芽衣」

 目を見開いて自分を見つめる静香と芽衣に、早苗は助けを求めるように、右手を差し出した。






「てやあああああっ!」

 麗が木々の枝を足場に跳ぶ。クルリと上下逆さになって背後を向くと、彼女は水の弾丸を空中で飛ばす。バラ蒔(ま)かれた水は、高速の弾幕となって、麗の背後から迫って来た式神達に直撃した。拳大の穴を大量に体に作りつつ、何体かの式神が地上へと落下していく。だがその後ろから、次から次へと式神が後に続く。

「ま、全く、どうしろって言うのよ」

 くるりと一回転して太い枝に上手く着地した麗は、枝を蹴って再び跳躍する。暗中で多数の敵を引き付け、一定の距離を保って戦い続けるのは、百戦錬磨の麗でさえ困難なことだった。何しろその数が減らないのだ。ガーディアンほど強化されていても、疲労は溜まる。ほぼ無限に回復し続ける式神を相手に、いつまで囮を演じていられるか、麗には自信が無かった。雨が降っていることだけが、麗にとっては幸いと言えた。

「えっ?」

 暗中を移動する麗の耳元に、聞き覚えのある声が聞こえる。それと同時に、山中に轟音が響いた。式神達の注目が、僅かの間だが音がした方向へと向けられる。そして式神が注意を戻したときには、先程まで必死に追っていた麗の姿が消えていた。式神達はウロウロとその場で周囲を見渡すが、ガーディアンである少女の姿は見えない。目標を見失ったことで、式神達はしばらくその場に止まっていたが、仕方なく音のした方向へと駆けだした。

「助かったわよ、唯」
「無事で良かったよ」

 地面に出来た水溜まりから、水がゆっくりとせり上がり、人の形をとっていく。水溜まりに見えたのは、麗が水に肉体を変えた姿だった。唯が式神の注意を惹くために音を立ててくれたため、咄嗟に隠れる事が出来た。ボディスーツが黒色であったため、水に変化して地面に落ちた麗のことを式神に気取られることもなかったようだ。それに注意を引くための騒音が、麗が地面にぶつかる音をかき消したため、尚更気づかれにくかったに違いない。

「それで、唯は何処に居るの?」

 スーツを身につけながら、多分遠くに居るであろう主に麗は問いかける。その自然な様子は、さも闇の先に唯が居るかのようだ。

「いや、麗にはこの先にあるダムへと向かって貰う」
「何で? 唯は大丈夫なの?」
「僕の方は、早苗さんや静香さん達と合流してるから、大丈夫」
「でも、何でダムなんかに?」

 唯の命令に、麗は首を傾げる。確かにダム程の水量があれば麗の能力は、かなり強力になる。だが水圧の攻撃だけでは式神殲滅は難しいと、唯も前回の戦いで承知のはずだ。

「由佳さんと楓さん、それに百合さんもそちらに向かわせる。そこで式神と決着をつける」
「決着って……四人で?」

 唯の話を承服出来ず、麗が若干戸惑った声を出す。

「もしかして、囮? それなら、水場は最高だけど……」
「囮なんかじゃない……決定的な一撃を与える」

 唯はそこで麗に自分が考えている計画を彼女に伝えた。

「出来る?」
「で、出来るけど……それって、むちゃくちゃ危なくない?」
「やっぱり難しい?」
「まあ、でもその方法しかないでしょうね。分かったわ、何とかするわ」

 麗は溜息をつくと、唯の案内を受けつつ、ダムへと向けて駆けだした。





「えっと……唯様、これは何がどうなっているんでしょうか?」

 早苗が能力で拡張した洞穴の内部を見て、円が呆然とした声を出した。唯は地面の上で、雛菊のことをバックから犯し、ミシェルの胸を揉みながら、京の唇を吸っていた。洞窟の奥では、早苗、静香、エリザヴェータ、芽衣が息も絶え絶えという様子で、倒れている。
 円は音を聞き分ける唯の能力によって、他のガーディアン同様山中で発見された。唯に誘導されて、上手く合流出来たのはいいが、思いもよらない光景に、どう反応すればいいかわからない。

「どうなっているって、見ての通りだよ」
「うーん、実は見てもよくわからないのですが」

 京から唇を離さず、能力によって返事を返した唯に、円はあははと乾いた笑いを浮かべる。唯に唇を吸われている京は気持ち良過ぎるのか、腰がガクガクと震えており、今にも崩れ落ちそうだ。唯に貫かれている雛菊はペニスが膣内を擦る度に、仲間のこともはばからず絶叫をあげている。

「体力を回復するために、皆に力を貸して貰ってる」
「ああ、なるほど。だからエッチしているわけですね」

 唯の説明に漸く納得がいったのか、円は手をパンと合わせた。性交した唯は睡眠が不要になるなど、肉体の回復が出来ることは周知の事実だ。

「丁度いいところに来てくれたよ。雛菊さんも、もうあまり持ちそうにないから、変わってくれる?」
「え、えっと……」
「円さん、交代してあげて」
「は、はい!」

 ぐったりと横たわるガーディアン数人の姿に円は躊躇するが、唯の言霊が彼女のことをあっさりと縛った。円はスーツを脱ぎ捨てると、恐々と唯の傍へと寄った。

「円さん、キレイだよ。抱かせて」
「お、お手柔らかに」

 唯の囁きに、円の体がじんわりと疼く。壊されるくらい犯されるかもしれないというのに、恐怖心に反して、何度も抱かれた体は主の命令に喜びの声をあげているのだ。

「あ、うあっ、唯さま……」

 ペニスを抜かれると、力尽きたように雛菊が地面に倒れて呻く。彼女の股間は精液にまみれ、開いた膣口からは白濁液が次々にドロドロと零れ落ちる。唯は一瞬だけ済まなそうに雛菊を見てから、円の手を取って地面に寝かせた。

「ゆ、唯様……」
「前戯は無しでいいかな?」
「え、ちょ、ちょっとそれは無理です」

 いきなり挿入しようとする唯に、円が慌てたような声をあげる。唯は京とミシェルを解放すると、円の上に圧し掛かる。股を閉じようとする円の股間を片膝で無理やり割り、少年は彼女の手首を掴んで身動き出来なくする。

「ゆ、唯様、これは怖……あ、あああああっ!」

 まだうっすらとしか濡れていなかった膣に、ゆっくりとペニスが挿入されていく。最初こそは唯の精液と雛菊の愛液がたっぷりとついていたため、それが上手く潤滑油の役割をしたが、流石に奥へと入り込むにつれて摩擦が強くなっていく。まだあまり濡れていない粘膜を擦られて、円は胎内に強い異物感を覚える。

「や、あ、唯さま、こ、これ、きつい……」
「すぐに良くなるよ」

 唯はそのまま腰を動かさずに、円の巨大な双乳に顔を埋める。彼女の手首を離すと、唯はゆっくりと胸を揉み始める。

「あ、あん……あ……」

 少年のスラリとした手が胸をゆっくりと変形させると、円は小さく喘ぎ声をあげる。普段とは逆に、挿入されてから愛撫されるという経験に、円は戸惑いを隠せない。

「あぁ、あっ、う、あん……」

 唯は手でスイカのような巨大な胸を揉みつつ、舌で表面をベトベトにしていく。乳首の周りに生温かな舌が近づく度に、円は軽く身を震わせる。胸から広がる熱い感覚に、円は体から緊張が解けて、自分の胎内に入っている肉棒が徐々に心地よいものへと変わっていく。

「唯……」
「唯さま……」

 先程まで愛撫されていた京とミシェルは、恍惚とした表情で唯の横顔に胸を押し付ける。既に何度も犯されていたうえ、二人は長時間の愛撫で理性がすっかり溶かされている。京とミシェルは、精液まみれの膣に自分の指を入れて弄りながら、唯の胸をサンドイッチする。

「あ、あぁ、ふぁ……あ、あん」
「ん、んぅ、あ……」
「唯さま……はぁ、はん……あぁ」

 三方向から柔らかな爆乳に揉まれつつ、唯は三人が奏でる嬌声を楽しむ。本来ならば優しく円を愛撫して、ゆっくりと高めてあげるのが愛情だと唯は思っている。だが体力を大きく消耗した体は、エネルギーを求めてそれを許してくれなかった。

「う、あぁん! や、あっ、ああっ! ゆ、唯さま、おちんちんが!」

 肉棒に大きく強いストロークで突かれて、円が大きな声をあげる。亀頭が子宮口をズンズンと圧迫する度に、彼女は電気ショックを受けたように体が跳ねようとする。既に膣は溢れるほどの愛液を分泌しており、唯の動きは円にいつものような強力な薬物に匹敵する快感を脳にもたらしていた。

「円さん、もっと喘いで」
「ひっ、ひゃああああ、やっ、あ、うあああ、こ、声が……ふあああっ」

 唯の言霊に操られ、円は自分の声を抑えることが出来ない。カリ首が膣壁のひだを掻き分ける度に、洞窟に響き渡るような嬌声をあげてしまう。

「う、うあ、あっ、ひ、あ、ふあ……ひゃああ、あぁん!」

 膣から体全体に強烈な刺激が迸り、円は快楽に身を焼かれる。唯とのセックスは常に刺激的なものだが、今日は彼が強引に円を高めているため、いつもより凄まじい快感だ。唯が肉棒を動かす度に、息も出来ないくらいの衝撃が脳内に走る。

「や、う、うあっ、あ、あぅ、うあああ、いっちゃう、いっちゃう、いっちゃうよ!」
「いって、円さん」
「ひ、ひっ、ひあああああ、いくぅぅぅう!」

 乳首に軽く歯を立てると、それが引金になったかのように円が身を捩って悶絶する。膣内がシャフトを握るようにギュッと締め付け、射精を懸命に促す。そのきつい締め付けで円の柔らかな膣内を存分に楽しみつつ、唯はそのまま欲望をぶちまけた。

どびゅ、びゅくびゅく、びゅるるるる

「う、ああああっ、や、あああああっ!」

 胎内を熱い精液で焼かれ、円が一オクターブ高い悲鳴をあげる。特に唯のザーメンに何か効力がある訳ではない。だが心から惚れている相手に膣内射精されて、円は平静ではいられない。温かな子種汁が円にとっては、まるでマグマのように熱く感じる。

「はっ、は、はぁはぁ……あぁ」
「気持ち良かったよ」
「はい……んっ」

 唯が円の中からペニスを抜き出す。収縮した膣から押し出されるように、ドロリと粘液が円の胎内から押し出される。

「あ、あう……ゆ、唯さまぁ……」

 絶頂の余韻で頭がぼんやりとして、円が軽い呻きをあげる。普段は聡明な円も、強烈なエクスタシーの後遺症で思考能力が落ちて、何も考えられない。そんな円に乗ったまま、唯はミシェルと京の胸を交互に吸う。

「ふぁ……あん、やん……」
「だめ、そんなに吸っちゃ……あっ、あ、あ」

 京とミシェルは焦点の合わない目で、唯の愛撫に弱々しく喘ぐ。二人は既に何度も唯に挿入され、幾度も犯されているので、理性が大分前に飛んでいる。

「二人とも、入れさせて」
「いいわよ」
「入れて下さい」

 唯の求めるがまま、京とミシェルは体を差し出そうとする。二人は仰向けに寝ている円の上に、うつ伏せになって重なるように乗り、尻を唯に向けた。ミシェルが京と円にサンドイッチされているような形だ。少年は遠慮なく京の尻を掴むと、自分の精液でドロドロに汚れた膣内に性器を思いっきり突っ込んだ。

「う、ああっ!」

 粘液でスムーズにペニスが挿入され、亀頭がズンと京の子宮を突き上げる。散々に陵辱されたというのに、膣内はかなりのきつさで唯を締め上げる。軽く腰を振って膣壁の感触を楽しむと、恋人を離すまいと収縮する京のヴァギナからペニスを抜く。そして今度はミシェルの中へと唯は突きこむ。

「あぁん! 凄い!」

 胎内を蹂躙する異物に、ミシェルが蕩けたような嬌声をあげる。ミシェルもまた違った感触ではあるが、括約筋を使って主のペニスを強い力で迎え入れる。彼女の柔らかな膣壁を堪能し、唯はミシェルから円へと肉棒を入れ替える。

「うぅ、あぁっ……ゆ、唯さま……ちょっと待っ……あぁ!」

 先ほどエクスタシーに達した円は、再度の挿入にミシェルの下でもがく。一度絶頂に達した性器は敏感で、唯のシャフトが膣壁を擦ると、全身を引き攣らせるような快感が円の五体を駆け巡る。

「やっ、だめ、あっ、唯さま、止めて……あ、あっ! お、オチンチン動かしちゃだめぇ!」

 グチョグチョと音を立てながら、膣内をかき回されて、円は必死に逃げようとする。だがミシェルの豊満な体が邪魔をして、円は思うように動けない。その間にも、唯は腰を振って円を責め立てる。

「うあああっ、ひ、や、あぁ!」

 円は気がおかしくなりそうになると思いかけたとき、漸く唯はペニスを彼女から抜く。そして唯は再び京へとペニスを突き込んだ。

「ひゃあっ、唯……は、激しくしたらだめぇ」
「唯さまぁ、もっと下さい」
「ああ、これ以上はもう……」

 絶世の美女三人が少年の男性器によって弄ばれる。代わる代わるに突き入れられる度に、喘ぎ声をあげ、互いの体にしがみついて必死に耐えようとする。三人のヴァギナにペニス一本しか無いというのに、快楽で京、ミシェル、円はどんどんと高まってしまう。

「あ、だめ、いく、イっちゃう……」
「やん、あぁ、いいの、いいの、おかしくなるぅ」
「ひいぃ、き、きつい、ひゃあ……」

 三人ともがそれぞれ突かれる度に、別々の喘ぎを漏らす。だが一様にその反応は激しく、膣壁を陰茎で擦られる度に狂わんばかりの痴態を見せる。

「あ、あっ、唯の激しい……か、硬くていいの」
「ひ、こ、壊れちゃう。唯さまの激しい」
「だ、だめっ、そんなに突かないで、い、いやあああぁ」

 主に対して、一人の女というより、雌であることを示すが如く、それぞれが淫猥なことを口走りながら悶える。三人は股間を愛液で濡らし、子宮から漏れる精液が膣内で混ざり合う。狭い洞穴の中で粘液が響き、悶絶する美女達の悲鳴が反響する。

「や、やあああ、い、いく、いきます……あうううぅ」

 最初に達したのはミシェルだった。柔らかな膣が唯のペニスを強く咥えて、懸命に射精を促そうとする。

「う、うあ、あっ、あう……うぅ」

 ミシェルが白目を剥きそうになるまで、唯は肉棒で子宮口を叩いて、狭い膣内の感触を楽しむ。だがあまりに快感を貪るとミシェルが気絶してしまうので、唯は次に京へとターゲットを移す。

「やっ、ああぁ、こ、これ以上はもうだめぇ!」

 既に十二分に興奮している京は、すぐさま過敏な反応を示す。普段とは違い甘えきった声をあげて、京は唯のピストン運動を受け止める。

「あっ、あぐ、くっ、くうぅ……やぁ、いっちゃう、唯、ペース落として!」

 強く膣壁を擦りたて、子宮口を何度も叩く硬い男性器に、京は懇願する。ガーディアンの中で一番肉体的に強化された京も、唯のペニスには耐えることが出来ない。余りにも強い快感に苦しむ京に反して、彼女の性器は唯を楽しませようと熱い粘膜でシャフトを包み込む。

「う、うぅ、あっ、あう、いく、いく、いくぅぅぅぅ」

 唯の打ちつける腰に合わせて、京がガクガクと震え始める。短時間の間に何度も絶頂を迎えた体には、セックスは負荷が大きいに違いない。それでも京の体は従順に反応し、唯のペニスを締め上げて受精したいとメッセージを送る。

「あっ、く、う、う、う、うぅぅぅぅう」

 唯は京の喘ぎと胎内の粘膜を堪能していたが、京が苦しそうな声を出すに至って、漸く彼女を解放することにした。唯は京からペニスを抜くと、何も言わずに円の膣内へと挿入する。そして何も言わずに、いきなり射精した。

「え!? あ、あ、あっ、あああああああぁ!」

ぶびゅ、びゅ、びゅく、びゅるる、びゅ、びゅ

 何の警告も無く、いきなり膣内射精された円は熱い白濁液の感触に絶叫する。目を大きく見開き、半ば失神している京とミシェルの下で円はもがく。普段から射精を受け入れている子宮から、すぐさま気持ちよいという電気信号が背を走り、円の脳を揺さぶる。

「あ、ああっ、あぅ、唯さま……あ、あっ、ふあ」

 キュッと円は唯のシャフトを締め付けながら、あっさりとエクスタシーに達する。それに合わせて、唯はたっぷりと尿道から精液を吐き出し、その開放感を存分に楽しむ。

「うぅ、あっ、おかしくなる……うぅ」

 脳がオーバーヒートして、円の意識が朦朧とする。視界がぼんやりとして、目の焦点が定まらない。いつもの唯ならば、もっと時間をかけて性交しようとするだろう。だが今は作戦を成功させるために、唯には力が必要であった。

「円さん、もっとしよう」
「や、いやぁ……唯さま、無理です」

 円の弱々しい抵抗を無視して、未だ衰えぬ怒張で唯はゆっくりと彼女の性器をかき回し始めた。





「はぁはぁ、全く損な役回りだわ」

 森の木々を蹴って、百合が闇夜を疾走する。彼女の後ろには、無数の白い影が蠢き、ついてくる。ガーディアン十一人と唯が姿を消し、残った百合が山中を捜索する式神達を引き付ける役割を受け入れることになった。本来なら空中を疾駆することも可能な百合だが、敢えて派手に木々の合間を飛び、視界の悪い闇夜を走る。木にぶつかりそうになる度に衝撃波で吹き飛ばしているので、衝突の危険性はあまり無い。だが相当な数の式神を一人で引き付けているので、横合いから攻撃を何度も食らいそうになった。それでも主の命令となれば、己の身の危険を顧みず任務を百合は遂行する。

「百合さん、準備は出来た。目的地に向かって」
「ようやくね。ボウヤ、後でたっぷりお礼して頂戴ね」

 耳元で聞こえた唯の言葉に、百合は若干ほっとしたような声を出す。百合は空中で手から衝撃波を放って方向転換すると、あらかじめ指定された場所を目指す。式神の群れを連れているため、百合は着かず離れずという距離を保つが、目的地が見えた時点で百合は一気に加速した。森の中から飛び出すと、百合はダムの建造によって作られた人工の湖畔に着地する。

「準備は大丈夫かしら?」
「こっちは万全。いつでもいけるわよ」

 百合の問い掛けに、麗が自信たっぷりに答える。目的地には腰まで水に浸かった由佳、楓、麗が既に待っていた。

「破壊力は保障するけど、くれぐれも防ぐのを失敗しないで」
「初めてだから加減が分からないけど、とりあえず全力は尽くすわ」

 自分も湖の中へと入っていく百合に、由佳が注意を促す。百合が三人の傍に寄ると同時に、林の中から式神達が姿を見せた。式神達は百合の他に、由佳や楓、麗が居るのを見て、素早く取り囲もうとする。あっという間に百体以上の式神が、四人を扇状に包囲した。それに対してガーディアン四人は攻撃を仕掛けるような真似はせず、体内のエネルギーを溜めているかのようであった。

「あの小僧は何処に行った?」

 クワガタのような顎を持つ式神の一体が、若干しわがれた声を出す。恐らくは半田の言葉だろうと、ガーディアン達は検討をつける。

「さあ、何処かしらね? まあ、知っててもあんた達には絶対に教えないけど」
「小娘が……」

 馬鹿にしたように舌を出す麗に、式神達はじりじりと距離を詰めようとする。それを見て麗が片手を上げ、彼女に呼応して水中から巨大な水柱がゆっくりとせり上がった。立ち上がった水は、竜の形を作り出す。

「無駄なことを」
「果たして、そうかしら?」

 半田は既に以前の戦いで、麗が操る水竜による水圧のプレッシャーや水による窒息が、式神にはあまり有用では無いのを知っている。だが半田の予想に反して、水竜は四人の体を螺旋状に囲むように回転した。やがて水は球状のバリアを模(かたど)った。

「由佳!」
「吹き飛べ!」

 球の中で、由佳が式神の群れに向けて指を鳴らす。それに合わせて式神達の真ん中でごく小さな火花が散る。その刹那、巨大な爆炎が湖畔を覆い、天を焦がした。

「くっ」

 一気に押し寄せた爆発の衝撃を、百合は能力を使って必死に緩和しようとする。麗が水の壁を幾重にも張り、その間に楓が真空の層を作って爆発を防ぐ障壁を作り出しては居る。だが気を抜けばそのバリアさえ簡単に突破する程の爆発だった。由佳も熱波を抑えて、水を吹き飛ばされないよう懸命に防御する。四人は力を合わせて必死にバリアを維持しようとした。
 式神をわざわざ水場に誘き寄せたのは、唯の一計であった。水を操れる麗ならば、水を水素と酸素に分離することが可能ではないかと考えたからだ。だが水素は非常に軽いために、そのまま爆発させた程度では威力は低い。これは大気を操る楓の力によって、水素を溜め込むことで解決した。空気の組成をかなり操れる楓の力によって、一帯の酸素濃度を高め、更に殺傷力を上げることも怠らない。だが、ちょっとした拍子で引火しては危険なため、着火と火の制御は由佳が受け持った。後は爆発の衝撃を緩和できる百合が揃えば、敵を誘き寄せて一網打尽にする準備は整ったと言えた。
 爆発は一瞬だったが、四人のガーディアン達にはかなり長い時間に感じられた。それだけ爆破の力が強力で、フルパワーを振り絞ったのだから無理は無い。下手をすれば、自分達が吹き飛んでいただろう。

「……何も無くなったわね」

 大量の木々が薙ぎ倒され、大地が抉れた様を見て、百合が呆然と呟く。空中に飛んだダムの水が、時間を置いて四人の体に降りかかる。あれ程たくさん居た式神達も、今は一体も見当たらなかった。

「下手したら、死んでたわね」
「そうよね。今思うと、ちょっとゾッとするわ」

 ボソリと呟いた由佳の言葉に、麗の背筋に寒いものが走る。水のバリア越しに、式神がいとも容易く吹き飛ぶのを見たからだ。

「唯様のために死ねるなら、本望よ」
「あんたはそうだろうけどね、私は唯のために死ぬのは真っ平よ」

 今まで静かだった楓の台詞に、麗が噛みつく。無表情の楓は、いつもながら本気で言っているに違いない。

「またまた、照れちゃって。唯君がピンチなら、幾らでも身代わりになるつもりのクセに」
「う、うるさいわね。また式神が戻ってこないうちに、とっとと合流するわよ」

 ツンツンとほっぺたを突く由佳に対して、麗は顔を真っ赤にする。恥ずかしくなったのか、麗はさっさと湖から上がると、一人で先に行こうとした。

「全く、素直じゃないんだから」
「いいじゃない、傍で見てて、本心がわかるなら」

 微笑む由佳に対し、百合も笑ってみせる。一仕事終えて、二人はほっとした様子であった。

「でも確かに式神達が戻って来ないうちに、撤収した方が良さそうね」
「麗、飛行して連れていくから、戻って」

 百合の言葉に頷くと、楓が麗の背に声をかけた。






「何が起きたのだ!?」
「は、半田様!?」

 バラバラになった布きれが舞い散る部屋で、半田は驚愕した声を出した。親指を噛み締め、彼は落ち着き無く視線を彷徨わせる。ガーディアン四人を取り囲んだと思ったら、指揮下の式神全てを倒されていたのだ。前回同様に、半田には何が何だかわからない。

「半田様、どうしますか?」
「うるさい、黙っていろ!」

 オロオロと尋ねる配下の青年に、半田は怒鳴りつける。半田はガーディアンのスペックは把握していたつもりだ。だからこそ、彼は対ガーディアン用に眠らせたサウザンドによる魔力供給装置と、それにより無限再生するファミリアを作り上げた。消耗戦に引きずり込む半田のアイディアは完璧だったはずだ。だがあの四人のうちの誰かが放ったと思われる一撃は、半田の想像を超えていた。長時間のチャージ、または生命力を使い切るならば、あのような攻撃を行うことも可能かもしれない。だが四人にそこまでエネルギーを溜めていた様子や、命を賭すような悲壮感は見られなかった。ガーディアンは半田の知らない能力を、いつの間に身につけたのか……。

「ええい、ファミリアは幾らでも出せる。もう一度捜索に出せ!」
「わ、わかりました」

 半田の怒鳴り声に、彼の信者達は再度式神を出すために、彼の作った布を手に取った。そうだ、ファミリアは無限に作り出せる、半田はそう自分に言い聞かせることで冷静を保とうとした。戦いの潮流は変わったというのに。






「本当、信じられない! 人が戦っているときに普通、エッチしまくる!?」
「だから、悪かったと言っているだろう」

 大声で喚き立てる麗に対し、雛菊が苦虫を噛み潰したような表情を見せる。彼女達が居るのは唯が隠れていた穴のすぐ外で、ガーディアンは全員揃っていた。今は麗が雨水を巧みに操り、シャワーのように集中して落として雛菊達の汚れを落としていた。全身が精液塗れになっていた八人は、全裸で必死に汚れを落としている。

「雛菊達だけずるい。不公平」
「いやだがな……唯殿の体力を回復させるためだから、こちらも負担だったのだ」

 淡々と恨み言を言う楓に、エリザヴェータは懸命に説明する。唯とのセックスは激しく、エリザヴェータは何度も気絶し、起こされてはまた犯された。性交自体は気持ちいいが、体力を著しく消耗して疲労したのは確かだ。その苦労をエリザヴェータは懸命に説明しようとする。

「でも、気持ち良かったわよね」
「うんうん」
「ああいうのも、たまにはいいものよ」
「マゾヒスト達は黙っていてくれ」

 芽衣、ミシェル、京の言葉に、雛菊が頭を押さえる。主にちょっとくらい乱暴にされても逆に喜んでしまう彼女達が会話に加わると、話がややこしくなる。雛菊やエリザヴェータも激しくされてもいいが、口に堂々と出す勇気は無かった。

「全く、こっちは命を賭けていたのに、いい気なものね。少しくらいは私達にも役得があってもいいんじゃない、ボウヤ?」
「えっ? あ、うん」

 水を浴びている恋人達から少し離れていた唯を、背後から抱き締める。だが誘惑されても、唯はどことなく上の空だ。

「……唯君、大丈夫? まだ調子悪いんじゃない?」
「い、いや、そんなことないよ。みんなに頑張って貰ったし」

 心配そうに尋ねる由佳に、唯は強がってみせる。だが由佳には唯の体温が、いつもより若干下がっているのが見て取れた。それだけで無く、夏だというのに闇に浮かぶ唯の顔は酷く青白い。

「後は私達に任せて、ボウヤは休んでた方がいいんじゃない?」
「ああ、そのつもりだよ」

 後ろから顔を覗き込んだ百合に、唯は微笑んでみせる。恋人達を抱いて回復したとはいえ、広大な山中からガーディアン達をかき集め、式神達を音で巧みに騙して誘導するのは唯を随分と消耗させていた。唯は自分の手を見つめながら握ったり、開いたりしてみる。

(体力は普段の半分くらいか……万全には程遠いか)

 唯は水浴びを終えて、スーツを着込む恋人達に目を転じる。

「準備はいい?」
「えっ? あ、はい」

 突然の唯の発言に静香が答える。物静かな佇まいの唯を見て、先ほどまでじゃれあっていたガーディアン達が緊張した面持ちに変わる。全員の注目が自分に向いた時点で、ガーディアンの主は全員を見回した。

「目的地は探り当てた。この一戦で半田と決別するよ」
「はい」

 唯の一言に、芽衣、由佳、楓、雛菊、静香、円が返事を返し、エリザヴェータ、京、早苗、麗、百合、ミシェルが無言で頷いた。唯の真剣な表情に、ガーディアン達は強い信頼感を感じていた。戦闘経験から言えば、唯はガーディアンに遥かに及ばない。だが現代の若者らしい機転が良く利き、スタンドプレーに走りがちなガーディアン達を上手く纏めていた。パーフェクトには程遠いが、経験豊富なガーディアン達には十分だった。

「今回は正面から力押しして、叩きのめしたい。みんな、協力して欲しい」

 唯の力強い決意に、芽衣達は驚きながらも、すぐさま彼が語る計画に耳を傾けていった。





 降りしきる雨が止んだ。警備に残っていた式神を通して信者達は最初そう思った。先程までかなり降っていた雨が、突然に止んだことに違和感が無かったのは、警戒心が足りなかったのかもしれない。遠くで雨音がまだ聞こえているにも関わらずだ。星が見えない雨雲で、暗かったのも災いだった。信者が気づいたときには、轟音と共に天から降ってきた巨大な物体が建物の上にぶつかっていた。

「な、何事だ!?」

 あまりの音に、半田や信者達の多くが建物から飛び出してくる。当初は隕石か何かが落ちてきたのかと、誰もが思った。だが建物の屋根に食い込んでいたのは、よく目を凝らすと、凹凸がある巨大な鉄塊のようであった。

「さて、今までの鬱憤を晴らさせて貰うわよ」

 闇を背景に、紅い人影が金属の上に現れる。メリハリの効いたシルエットは京だった。彼女は、ゆらりと上背を曲げる。その背から血が迸り、長く伸びると無数の腕を作り出した。背にびっしりと腕が生えた京の姿は、さながら千手観音だ。

「ま、まずい、奴を止めろ!」

 鉄塊が落ちた建物が、サウザンドを眠らせている施設なのに気づき、半田が引き攣ったような声をあげる。だが既に時は遅し。

「おおおおおおおおぉ!」

 京が拳を金属に叩きつけると同時に、彼女の背にある幾多の血腕が、一斉に鉄の塊を叩き始めた。

「うふふ、あははははははは! 潰れろ! 潰れろ! 潰れろおおおおお」

 見る見るうちに、巨大な塊が建物の屋根に沈み始めた。闇夜に血の狂戦士の咆吼が響き渡る。
 ガーディアン達は早苗の能力によって巨大な鉄塊を作り出し、これを射撃武器に見立てて飛ばした。静香の重力操作で重さをとことん軽減し、楓の風力と百合の衝撃によって飛ばしたのである。重力が軽減されていたので、衝突時の衝撃は比較的軽かったが、猛烈な京の乱打により巨大な鉄は建物にゆっくりとのめり込み始めている。

「ファミリアを呼び戻せ! 施設を死守しろ!」

 半田の必死な叫びに、信者達は漸く反応を見せる。式神を呼び戻し、建物へと向かわせようとする。だがそれよりも早く、天から三つの影が垂直に落下し、真っ直ぐに鉄塊へとぶつかる。

「チェストー!」
「はあああああっ!」
「えぇい!」

 百合、楓、静香の蹴りが巨大な金属塊に直撃する。衝撃波、風圧、重力波を伴ったキックが金属を一気に押し下げ、轟く音と共に天井を突き破った。巨大な鉄は真下にあった水槽に落下し、巨大な水飛沫が上がった。建物に侵入されたのを見て、半田の顔色が真っ青になる。遅まきながら、戻って来た式神達が扉や窓に飛び込み、建物の中へと突入していく。バランスを崩したのか、縦長の金属塊は斜めに突き立っており、その上には十人の戦女神の姿があった。

「雛菊! 早苗!」
「委細承知」
「任せてよ」

 芽衣の命令と共に、鉄の塊から大量の棘と剣が生える。巨大な金属の真ん中から、鋼鉄となった早苗と彼女に抱かれた雛菊の上半身がゆっくりと迫り出す。異様なオブジェに立ち竦む式神達の群れを雛菊と早苗の二人は睥睨する。

「撃って!」
「はぁぁぁぁぁ!」
「切り裂けっ!」

 金属から生えた棘と剣が、一斉に射出された。無数の武器が建物一杯にバラ捲かれる。水槽に着弾した武器が派手な水飛沫をあげ、弾幕に晒された式神達がボロ雑巾のように切り裂かれていく。

「派手にやるわよ。イッツ……」
「ショウターイム!」

 珍しくテンションが上がったのか、サディスティックな笑みを浮かべた芽衣に合わせ、ガーディアン達が叫んだ。全身から稲光を放つミシェルの体から幾筋もの電光が放たれる。電撃が宙を奔り、着弾した棘や剣を介して四方へと乱れ飛び、式神の体を焼く。由佳が両手に拳大の火球を作り出すと、次から次へと眼下へと投げつける。

「弾けなさい!」

 百合が火の球に自らのエネルギーを注入して、爆破する。榴弾発射装置のように、由佳と百合の合体攻撃で辺りが爆撃される。衝撃で揺れる波が麗の意志で更にうねりを強くし、芽衣が作り出した氷の塊を運んで、水槽のガラスを片端から破壊していく。

「凄いわ……」

 敵を圧倒するガーディアン達の攻撃に、静香が呟く。幾つもの力を合わせた攻撃によって、今までより遙かに効率的に攻撃が行えていた。

「唯様に感謝しないとね」
「ええ、そうね」

 円の微笑みに、静香も釣られる。ガーディアン同士の攻撃を掛け合わせることを提案したのは、唯だった。早苗に巨大な鉄の塊を用意させ、奇襲攻撃に際しての攻撃方法を事細かく恋人に唯は指示した。芽衣やその他の者達は、彼の作戦を運用しているにすぎない。改めて、静香達は唯の聡明さに感心せざるを得なかった。

「お喋りは止めて、手を動かして」
「あらあら、楓ったら、張り切っちゃって」

 楓の注意に、静香がクスクスと笑う。唯から指示を出されたことで、彼の信奉者とも言える楓は張り切っているのだろう。静香が片腕を上げて、一気に振り下ろす。静香が放った重力に合わせて、楓もカマイタチを放つ。重力波と真空刃が合わさり、水槽の水を真っ二つに断ち割った。その衝撃でサウザンドの体が水中から飛び出す。
 多くのサウザンドは覚醒しないまま、ガーディアンの攻撃で死んでいった。だが一部には、目を覚まし、水槽から逃げ出そうとする個体も居た。風雷と爆炎が飛び交う状況に混乱しつつも、水槽から這い上がり、数体のサウザンドが破れた窓から逃げようとする。だが後一歩というところで、体が空中に舞い上がり、奇妙に体が揺れたと思うと地に伏した。

「気をつけろ。サウザンドは一体も逃がすな!」

 窓枠に飛び乗り、アクセラレーションを解除したエリザヴェータが警告を発する。先程のサウザンドは彼女が高速状態で拳や脚を叩き込んで、倒したのだ。エリザヴェータはサウザンドが逃げないよう、監視を任されていた。

「分かってるわよ。任せて」

 円はまだ水に沈んでいるサウザンド達を狙い、影で作ったナイフを投げつける。麗が大分排水を行い、無数のサウザンド達の体が現れ始めていた。寝ている魔物達を、ガーディアン達は己の能力でそのまま永眠させていった。
 京や雛菊はガーディアン達の援護を受けつつ、式神に接近戦を挑む。式神達はやはり数に任せて二人を屠ろうとした。だがそんな式神達にも異変が起きていた。雛菊や京の攻撃で体を切りつけられても、体がなかなか再生しないのだ。動きも鈍くなり、式神達は木偶のように刀と血鎌で切り倒されていく。

「魔力の供給さえ絶てば、怖くは無いな」
「全くよ。最初からこう出来てれば苦労は無いわね」

 軽口を叩きつつも、二人の戦士は縦横無尽に刃を振るい続ける。その度に式神の体がボロボロと崩れ落ちていく。

「う、うげっ!」
「げはあっ!」

 施設の外では、式神を操っていた青年達が次々と悶絶し、倒れていく。彼らは地に伏すと、白目を剥き、痙攣する。

「まずい、終わりだ」

 半田はその様子を見て、悔しそうに言葉を吐き出す。魔力供給装置が破壊されつつあるいま、使い魔へのダメージが術者にフィードバックしているのだ。これはファミリアの再生力が落ちて、次々と消えていっていることを意味する。半田は踵を返すと、脱兎の如くその場から走り出した。もうこうなっては手の施しようは無い。三十六計、逃げるにしかずと半田は判断した。

「何処に行くんだ?」

 施設を抜けて、森に到達する直前に半田は呼び止められた。聞き覚えのある声に、半田はギョッと立ち竦む。木々の間から、青白い肌をした唯が、幽鬼のように現れた。

「あ、麻生唯……」
「前回は逃がしてあげた。その人生を無駄にしたのは、残念だ」

 小柄な少年から殺気を感じ取り、半田の背に冷や汗が流れる。ガーディアン全員を戦線に投入して、唯自身は半田を狙って待機していたに違いない。

「どけ! 俺はこんなところで死ぬ訳にはいかん!」
「残念だけど、行かせない」

 喚く半田に対し、唯は哀れむような視線を投げかける。その目を見て、唯が本気で自分を殺そうとしているのが半田には分かった。

「ち、ちぃっ! 俺は死なん、死なんぞ!」

 半田はズボンのポケットに手を突っ込むと、小さい石のような物を取り出す。その石を彼はそのまま地面へと叩きつける。すると、爆発的に煙が広がり、中から身長三メートルはあろうかという巨大なシルエットが姿を現す。

「隠していた最強のファミリアだ! こいつを止めるのは容易では無いぞ!」

 半田が召喚した三面六臂の巨大な白亜の式神に、唯が眉を軽く寄せた。自分に残っている体力を考えると、唯はまともに相手をしないのが得策と考える。即座に唯は頭で計画を組み立て始める。

「ダメダメ、往生際くらい良くないと。もう夏だから、桜なんて残って無いし」

 突然の降って湧いた声に、唯と半田の両方が固まる。木の上から飛び降りた青い影は、式神の肩に飛び降りると、逆手に持っていた日本刀で一息に首を掻き切った。体力が低下していたため、唯もその者の存在に直前まで気がつかなかった。

「ちわー、三河屋です」

 首を失い、ドッと倒れた式神の肩からバク宙で華麗に飛び降りた青のボディスーツ姿の怪人物が、地面に着地する。青いマスクとスーツに、日本刀を背負い、腰にサブマシンガンを差した小柄な姿に、唯は相手が何者かを悟る。京や平坂から聞いていた、エージェント・ウェイドに違いない。

「悪いが、その男はこちらで引き取らせて貰う」

 更に背後から声がして、木々の奥からもう一人の男が姿を現す。黒いボディスーツにロマンスグレーの髪をした中年の男は、唯を回り込み、半田へと近づく。

「誰だ」
「お初にお目にかかる。ケリーという者だ。内閣特殊事案対策室のエージェントをやっている」

 ケリーは片手で巨大なライフルを楽々と持ちつつ、唯を警戒しながらゆっくりと歩く。その歩みには唯から見て、隙などが全く見られなかった。

「何故半田を……」
「危険な身柄を拘束するのは当たり前だろう」
「研究所の所長がご執心でね。こんな中年の何処がいいんだか」
「ウェイド、余計なことを言うな!」

 あっさりと内情を暴露したウェイドを、ケリーが叱りつける。その瞬間、唯は何があったのかを悟った。

「元から目的は半田だったんだ」
「……お察しの通りだ」
「そのために平坂さんや部隊を使い、ガーディアンと式神を噛み合わせたのか」
「流石はガーディアンの主だな」

 唯の推測に、ケリーは素直に感心したように少年を見る。見た目通り、少年は利発なようだ。

「半田から悪魔の知識を引き出すつもりか。いや、ガーディアンの知識を得るためか!」
「それには答える義理は無いな」

 ケリーは長身のアサルトライフルを唯に向け、ピッタリと狙いをつける。その行為が唯の質問に答えているとも言えた。対策室は半田が持つガーディアンについての知識の有用性に、目をつけたに違いない。

「手を引け。ガーディアンと戦うのは任務に入っていない」
「半田は渡さない」
「我々ウェポンGに、二対一で挑む気か」

 闘志を剥き出しにする唯に、ケリーがライフルのセーフティーを外す。

「アクセラレーション!」

 唯のかけ声と共に、少年の姿がぶれてかき消える。それと同時にケリーのライフルが火を噴いた。ケリーは前方に大量の弾丸をバラ捲くが、何かを察したのか前方に身を投げ出す。その後頭部を唯の拳が軽く掠めていく。空振りした唯を、ウェイドが背後から日本刀で襲いかかる。片手で軽く薙いだ斬撃は、唯がアクセラレーションを使っていて尚、必死で避けなければいけない速さだった。上半身を反らした唯は、すんでのところで刀を避けた。

「ちっ!」

 素早く起き上がったケリーは、即座に背後を見渡すが、唯の姿は影も形も見あたらなかった。ウェイドも刀を構え直したが、辺りを見回すと、すぐに背の鞘に刀を仕舞った。

「惜しい惜しい、ニアピン賞を後で要求しないとね。逃げるとは思わなかった」
「……目的は果たしたからだろう」

 ウェイドがケリーの視線を追うと、目と耳から血を噴き出した半田の姿が見えた。オカルト教団の祖は、ドサリと崩れるように倒れる。

「……あれ、悪い物でも食わされたのか?」
「俺達への攻撃はフェイクだったというわけだ。ただの人間のこいつは一撃入れれば良かったわけだから、注意は一瞬逸れれば充分だったろう」

 半田の耳からゲル状の物質が流れ出ているところを見ると、唯によって脳にダメージを食らわされたらしい。

「今回は最後の最後でしくじったな。俺達の負けだ」
「三田所長には何て言うんだ?」
「ありのまま伝えるさ」
「はあ、やっと帰れるわ。今朝はだらり途中下車の旅の再放送があるから、丁度良かったわ」

 ウェイドが小柄な体で半田の体を担ぎ上げると、ケリーは無線で合図を送った。






「みんな、悪いけど回収してくれるかな」

 施設から少し外れた山林で、唯は五体を投げ出すように倒れていた。意識はしっかりしているが、仲間に声を飛ばして案内する程度の体力しか最早残って居なかった。あまりにも酷い疲労に、唯は最早指一本動かすことも出来ない。

「……今回は痛み分けだな」

 半田を倒すという目的を果たせて、唯は弱々しくひとりごちた。遠くから多数のヘリコプターが接近する音を聞きながら、唯はガーディアン達が回収しに来るのをじっと待った。






「うぐおっ!」
「気がついたようね」

 飛び起きた半田に対し、女の声が楽しそうに答える。半田が周囲を見回すと小さなオフィスのような部屋で、半田は床の上に書かれている魔方陣の上に寝かされていた。半田が見たことのない術式だ。そして三十代前半と思わしき美しい白衣を着た女が、キャスター付きの椅子に座って自分を見下ろしている。

「こ、ここは何処だ? おまえは誰だ?」
「助けた恩人に対して、大層な口の利きようね。ここは内閣特殊事案対策室、第二研究室。私は三田八重子という名前で通っているわ」
「おまえ、俺に何をした?」

 自身の体に違和感を覚えて、怯えたように半田が叫ぶ。その様子に三田は楽しげに微笑む。

「人間のあなたの体は、脳が破壊されていて、もうダメだったわ。半田、貴方ほどの邪悪な執念と理知を持つ者は、人間や奈落の悪魔にしておくのは惜しいわ」
「ま、まさか……」
「半田、我々地獄の悪魔はあなたの思っている以上に、こちらの人間の世界に浸透しているわ」

 覗き込んだ三田の目が、禍々しい紅い光を放つ。それだけで半田は自分の体に起きた出来事を悟った。

「あなたの魂をデビルへと再構築させて貰ったわ。私のために働いて貰うわよ」
「何をさせる気だ!」
「簡単なこと……」

 三田が白衣から取り出したリモコンのスイッチを押すと、オフィスの窓の外に備え付けてあったシャッターが音を立てて開く。半田の眼前が一気に開けた。

「これは……」
「ガーディアンの研究を続けて貰うわ」

 窓の外に広がる景色に半田は絶句する。巨大な円筒形の水槽が広大な部屋に大量に並んで、人間を培養しているようであった。そしてそれぞれの中には少女らしき姿があった。









     

































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