ガタガタガタ。


俺は、室内の異常な寒さに凍えていた。

真冬に起動している冷房が俺の体温を奪うのにそう時間はかからなかった。
衣服を全て剥ぎ取られ、大の字で拘束されたままの姿で一身に冷気を浴びているのだから。


旭飛はある程度長袖を着込んだまま、無言で俺を見ている。


何か話せば少しはこの寒さを紛らわせるかもしれない。
もしかしたら冷房を止めてくれるかも・・・。


そんな事も考えたが、ここ数時間の間で相手が本当に異常者だと言う事を思い知らされたため、自分から話し掛けるなんて事は出来なかった。
旭飛を余計に煽る事になりかねない。






体を震わせながらもしばらくは我慢し続けた。
が、更に困った事態が俺を襲った。



体があまりに冷えたために尿意をもよおしたのだ。

よくよく思い出してみれば、コイツが戻ってきてから1度もトイレに行っていない。
そう意識し始めると、尚更、尿意が強まってしまう。


「・・・う・・・・・・」



段々酷くなっていくそれに苦しくなって、くぐもった声が漏れた。
旭飛はそれを見逃さなかった。


「どうした?」
「・・・・・・・・・」
「言え」



また、元の冷たい口調で聞いてきた。
答たくなかったが、このままでは本当に漏らしてしまいそうで、仕方なく返答した。

「トイレ・・・行きたい・・・」
「分かった」
「・・・え?」
「用を足させてやる」



予想していなかったまともな言葉を返されて、動揺した。

手足を縛っていた縄を解かれ、起き上がらされた。
付いて来いと手を引かれる。



「ちょ・・・なんで・・・」


連れていかれたのは旭飛が入っていくところを見たトイレでは無く、台所だった。

「これからオマエはここで小用を足すんだ」
「ふ・・・ふざけんなッ・・・あっちでする」

手を振り払って本来のトイレに向かおうとすると

「無駄だ、あそこにも鍵が付いている」

と、無常な言葉を掛けられ、足が止まった。


「それと他にもオマエに言う事がある」
「なんだよ・・・」


頭を抱える俺に旭飛の命令は続く。

「俺に話すときは敬語で喋れ。汚い言葉は使うな。俺の事は様を付けて呼ぶか、ご主人様と呼ぶんだ」

SM倶楽部かメイドカフェか。
なんて馬鹿げた要求だ。

第一、旭飛の年齢は24で、俺は28。目上は俺だろう。


俺が不服そうな顔で黙っていると、スッと近付いて来た相手に、顎を捉えられた。


「オマエは立場をまだ把握できないようだな。今からたっぷりその体に教えてやる」
「ひ・・・ッ?!」

いきなりペニスを鷲掴みにされた。
その刺激で、必死に我慢していた尿が少し漏れてしまった。

パタ、と床に雫が零れた。



「やめ・・・」
「ここで漏らしたいのか?」



少量とはいえ、小さい子供のように漏らしてしまった自分が情けなくて目尻に涙が浮かぶ。
俺は必死に首を横に振った。







台所の流し台の上に、M字に足を広げてまたがされた。
悔しさと羞恥で唇を噛みながら、俺はそこで尿を放出する羽目になった。

「勢いが無いぞ?したいならちゃんと出すんだ」

外に零れないよう性器を下向きに抑えている上に、それをまじまじと観察されていては出るものも出ない。

「こんな事で恥ずかしがるな。これからずっとするんだからな」

旭飛はまた俺のモノを握り締めた。
そのまま強く擦られ、くずぶっていた俺の尿は激しい音を立てて全て流れ出た。

「・・・も・・・良い・・・だろ・・・・・・離せ・・・」

涙混じりの声で訴える。
こんな惨めな姿をもう見られたくない。



性器から手が離された所で俺は流し台から降りた。
それに対して旭飛は何も言わなかった。