「ひっ・・・ァ・・・あぅ・・・ア、ア・・・」
ジュブッ、ズブッ、グチュゥ・・・
ビュクッ・・・ドロ・・・
射精と失禁を幾度も繰り返し、尚も揺さぶられ続けた体はもう自分では動かせなくなっていた。
「まるで人間便器だな」
腰を打ち付けながら男は鼻で笑う。
「ぁ・・・ああっ・・・ぐ・・・ッ」
「使って貰えて嬉しいだろ?」
「ア・・・・はぁ・・・ぁ・・・ンンッ」
また体内に精液が注がれる。
先に放たれていたものが溢れて逆流し出しても、男は一向に行為を終わらせようとしない。
「・・・・・・・・・・・・ッア・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・。
突然激しい嘔吐感と頭痛が俺を襲う。
呼吸が浅くなり、次第に息が出来なくなる。
・・・・・・・・・・・・。
俺は・・・・・・死ぬのか・・・・・・・・・?
「・・・・・・ぅ・・・・・・」
ふわふわとした感触で目が覚めた。
・・・・・・・・・。
ベッド・・・・・・?
「どうして・・・」
目覚めた俺は自宅のベッドで横たわっていた。
その光景が信じられず体を起こす。
俺は廃ビルで死のうとしていた。
しかし、そこで男に陵辱されて・・・。
まさか、全部夢だとでも?
・・・・・・いや、俺みたいな男を犯したがる男なんているのか・・・?
自殺を志願しているうちにおかしな夢でも見たんじゃ・・・。
「・・・イッ・・・ぁ・・・・・・」
キッチンにかけてあるカレンダーを見ようとベッドから降りようとすると、下腹部に鈍い痛みが走った。
「・・・・・・う・・・」
恐る恐る下着の中に指を潜らせ“ソコ”を触ってみる。
「や・・・っ・・・」
軽く撫でただけなのに指3本を軽々飲み込んでしまった。
あれは夢なんかじゃない。
俺は確かに男に犯され・・・そして乱れたのだ。
「・・・・・・あ・・・・・・」
しかし後孔に挿入されていた缶は綺麗に取り除かれていた。
その部分に触れると、クスリを塗り込んだような独特の感触がする。
どうしてだ。
あの男が俺を運んだ・・・?
ゴトッ
「いて・・・・・・」
考えている内に俺はベッドの下に落としていたテレビのリモコンに足をぶつけた。
プツ、と何とは無しにスイッチをオンにしてみた。
“×月×日のニュースをお伝えします。”
「そうか・・・もう3日も経ってたんだ・・・」
俺が自殺しようとした日から既に3日が過ぎていた。
真新しいニュース速報が視線を掠めていく。
「・・・ここ・・・」
そんな中、一つの事件に目を奪われた。
映っているのは自分がこの間いた、廃ビル。
「自殺・・・・・・」
内容は、若い男が服毒自殺をし、遺体で発見されたというものだった。
「・・・・・・・・・」
俺はその報道が信じられなくて、何度も画面を見直した。
そこに大きく映し出されれていたのは、間違いなく俺を犯したあの男。
俺を陵辱し、嘲笑ったあの男。
あの男は俺に言った。
「死ぬ気だったんならこれくらい出来るだろう」と。
「・・・・・・なんだよ・・・それ」
本当に死ぬ気だったのはオマエなんじゃないか・・・・・・・・・・・・。
分からない。
分からないけれど、俺は泣いた。
男は俺の死への道だけを書き変えて、消えた。
終.