修二と関係を持ち始めて、もう5年。
この不確かな状態がずっと続いている。


彼の事は兄として以上に「好き」だ。
だからといって簡単に恋人だの何だのになろうとは思わない。



社会的立場のあるお互いにとって、今更そんなハイリスクな事をする意味など無い。





修二だってきっと、そう。











「ただいま」
「お帰り。御飯出来てるよ」
「ぁ、ありがとう」



晩御飯は帰りが早かったほうが作る事になっている。
修二は大体帰宅が遅く、俺は俺で極端に早かったり深夜になったりとばらばら。

今日は俺が早く切り上げられたので、仕度をして修二を待っていた。


「お疲れ様」
「ぅん。でもなっちゃんの顔見たら元気出た」


21時過ぎ。
タイトな黒いスーツで全身を包んだ修二が、俺に柔らかな笑顔を向けた。


そのまま体重を任せられ、抱き合う。


「晩ゴハンの匂いするー」
「さっきまでフライパン握ってたからね」
「ぇへ、何だか僕が旦那様みたいだ」
「随分甘えたがりな旦那だな」
「知ってるよっ・・・ね、ちゅうして・・・?」
「御飯冷めちゃうけど?」
「ぅん」


ちゅ・・・く


「ん・・・ぅ・・・・・ふっ・・・」


じゃれるようなキスから始まって、次第に我慢出来なくなった修二が舌を絡めてくる。
修二はキスにも弱い。
求めるクセに、俺が舌先で口腔をなぞり返しただけで腰に力が入らなくなる。


ぴちゃ、ちゅぷっ


「っ・・・ん・・・・・・」
「ねぇ、もう勃ってるよ」
「ぁっ・・・ゃ・・・っ・・・」


濡れた唇を舐めてやりながら、反応を見せている部分を指でそっと突付いた。
それだけで全身をビクリと震わせ、修二は切なそうな吐息を漏らす。

淫らな体だと思う。

普段、冷静に仕事をしているのが想像も付かない程、敏感で、危うくて。


「スーツ、シワになるよ?脱がなくても良いの?」
「・・・ぅん・・・脱ぐ・・・」


ジャケットとズボンを脱がせて、シャツと下着だけの格好にさせる。
性器だけでなく、胸元の突起もシャツの中から存在を誇示するように小さく立ち上がっていた。


「ね・・・触って・・・」
「どこを触って欲しいの?」
「いろんな・・・とこ・・・」
「それだけじゃ分からないけど?」
「・・・ちくびとね・・・おちんちんがいぃ・・・」
「欲張りだな」

頬を紅潮させ、俺のシャツの袖を握りながら愛撫をねだる修二。

「こういうの?」
「ぁっ・・・ぁあん・・・」

シャツの上から乳首を軽く摘んでやると、待ち焦がれたように甘い声で応える。

「はぁ・・・ぁっ・・・あ・・・っ・・・」
「気持ち良い?」
「ぅ・・・ん・・・・・・ぁっ・・・」

左手で乳首を弄ったまま、右手は下半身へと落として行く。
下着の生地を突っ張らせている勃起には触れず、腰骨、足の付け根などの敏感な部分をそっと撫で、焦らす。

「・・・め・・・そこ・・・やっ・・・だ・・・ぁ・・・」
「嫌には見えないけどな」
「・・・はぁっ・・・ぁっ・・・おち・・ち・・・さわって・・・よぉ・・・」

性器にも愛撫が欲しい修二は、涙声になりながら腰もとを押し付けてくる。
だけど触れてやらない。

もっといやらしい修二を、見せて。


「っあ・・・ひ、ぁっ・・・ぁあっ・・・ぁあんッ・・・」


纏っていたシャツを脱がせ、乳首に舌を這わせる。
ゆっくり、何度も舌先を往復させて、修二が立っていられなくなるまで責め続けた。

「なっちゃ・・・も・・・ガマン・・・できな・・・っ・・・・・・」
「でも我慢して?」
「・・・だっ・・・て・・・・・・」
「言う事を聞けない子とはセックス出来ないよ?それでも良いの?」
「・・・ゃっ・・・」

グレイの下着に先走りでシミを作りながら、修二はふるふると首を振った。
気持ち良さに息を乱しながら、唇を噛んでイかないように堪える。

本来、修二は射精を我慢する事に慣れていない。
自慰を止めさせる事はあっても、愛撫中に射精を塞き止めたりした事は殆ど無かった。
寧ろイかされ過ぎて苦しいくらいでいつも行為を終えていた。


俺は頃合を見て修二を床に押し倒し、今度は乳首を口に含んで吸い上げながら下着の中に指を差し入れた。
ペニスには刺激を与えず、アナルに中指を飲み込ませてその内壁を引っ掻く。
前立腺に触れると我慢しても射精してしまうため、1番敏感なそのポイントだけを外しながら指を動かす。


ぐっちゅ、ちゅぷっ


「あぁっ・・・ぃ・・・おし・・・り・・・あちゅぃ・・・・・・」
「修二、そんなに締め付けたら指が千切れちゃうよ」
「は・・・ぁ・・・ぁあ・・・ん・・・・ぁは・・・ぁ・・・っ」


涎を垂らしながら、修二は自ら足を抱えて愛撫を受けていた。
アナルを弄られて、ねだるばかりだった声が無意識に男を誘うソレに変わって行く。