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辺りに爆発音が木霊する。
 
耳が痛い。
 
もう……何十回、何百回と経験したことだ。
 
私は戦う。
 
この世界に悪魔が存在する限り。
 
私は戦い続けるのだ。
 
『1』
 
『さあ。下山するわよ』
 
時間にしておよそ、三年間。私たちは修行を終えて、下山の準備をしていた。
 
「はい!」
 
「ええ」
 
彼女たちも自信たっぷりに返事をする。
それが三年間の修行が無駄じゃなかったことを物語っていた。
さすがは恵様。彼女たちに合った修行をしてくれたのですね。
 
『それじゃあ、ありがとうございました』
 
「ええ。お気をつけて……とは言ってもあなた達はやられる人ではありませんけれど」
 
「ああ。そうだった。栞……」
 
帷様が私の名を呼んだ。
 
『何ですか?』
 
「あの技はできるだけ使うな」
 
『…………』
 
私が押し黙る。あの技とは私が修行中に身につけた新たなる技だった。
 
「あの技はそれだけ危険すぎる。私の身でさえ危うかったからな」
 
確かにそれはそうだ。あれはそんな次元のものじゃない。
私自身でも、制御はできないかもしれない。
いや、制御とかそういう次元はとっくに超えている。
 
『ええ。分かってます。本当のピンチのとき意外は使いませんから』
 
でも、新たな技を授かったことには変わりなかった。
私はもう一度、彼女たちにお礼を言って別れた。
別れてから、開口一番にエルーノが言う。
 
「ところで栞様」
 
『何?』
 
「ランサーの居所は?」
 
『ええ。すでにもらっているわ』
 
そう言うと、私は一切れの紙を出した。
 
「ここに……彼女がいるんですね」
 
『ええ。早速行くわよ』
 
「…… はい」
 
『2』
 
ランサーの居所は学校みたいに広くて、堅い門で守られていた。
 
『大都会でもこんなところってあるんだね』
 
私は住所を確認しながら、やっとで着いた。
確かに、悪魔の感じがする。
中は古びた洋館だった。外からでは見えないけれど。
 
「ええ。でも、だからこそ、外からでは気づきにくかったかもしれません」
 
「確かに密度の濃い悪魔のにおいがしますね」
 
「それで……?作戦は?」
 
エルーノが聞くと、私は……こともなげに言う。
 
『別に……悪魔を殺せばいいだけでしょう?』
 
「えっと……それだけ?」
 
『ええ。それだけよ』
 
「………… 栞様はそういう人なのよ。諦めなさい」
 
翔子が言う。そういう人ってどういう人だ?
 
『………… 行くわよ』
 
そう言うと、私はドアを蹴破った。
 
「…… なんだ?」
 
奴等が一瞬の隙をついて、私たちが攻撃に入る。
ほとんどの奴らは悪魔だったのだが、中には人間も混じっていた。
かなり厄介な存在だけれど。多分、彼女たちなら大丈夫だろう。
 
「栞様……中には人間も混じっています」
 
『悪魔は任せて。あなた達は人間を……!間違っても殺しちゃ駄目よ』
 
「な、何者だ!?」
 
「どきなさい!」
 
そう言って、蹴り飛ばす翔子。
 
「つ、強すぎる!な、何者だ?こいつら……」
 
「はいはい。邪魔ですよ」
 
そう言って殴り飛ばすエルーノ。
もう、みんなやりたい放題だった。
中には逃げ出す人もいたけれど。それを逃す私ではない。
 
『やれやれ。準備運動にもならないわね』
 
全ての悪魔を一掃した後、やっとで館内に到着した。
 
「さて、ここからですね」
 
エルーノはごくりとつばを呑み込む。建物自体は二階建てだった。
 
『ええ。行くわよ』
 
私がドアを蹴り飛ばす。
中は広いホールになっていた。ちょっとだけ、ダンスができるぐらいの。
その中に一人だけ佇んでいる黒き羽の堕天使の姿があった。
 
『あら?最初から、あなたなの?』
 
「此度の騒ぎは貴様か……エルーノ」
 
「当たりです……お久しぶりですね。エターニア」
 
「………… 約十年ぶりか……堕天使としてのプライドも捨てたのか?この愚か者が」
 
どうやら、彼女も天使だとは気づいてないらしい。
 
「ええ。とっくに捨てましたわ。今の私は天使のエルーノです。堕天使なんかではありませんから」
 
そう言って、エルーノは純白の翼を広げる。
それに動揺するエターニア。
 
「ば、馬鹿な!」
 
「この通り。身も心も綺麗になりましたのよ。今はこの人の守護天使になっているの」
 
『まあ、綺麗になっているかどうかは微妙だけれどね』
 
私が言うと、彼女が憤慨した。
 
「だ、黙れ!忘れたというならもう一度思い出せてやるわ!貴様の主を殺してなぁ!」
 
そう言うと、私に向かって突進してくる。
 
『あら?つれないわね。もう少しだけ、感動の再会を楽しみなさいよ』
 
「…… なっ!」
 
いつの間にか、エルーノが私の前に来ていた。
 
「もう、二度と私の大切な人を殺したりはしません!私の主は私の手で守って見せる!」
 
そういうと、いきなり、エターニアに向かってアッパーカットを喰らわした。
そのまま上まで追いついて、下に叩きつける。
私が以前に見せたコンボをそのまま忠実に再現していた。
 
「ぐ…… がはっ!」
 
「あら?それは血ですか?堕天使でも血は吐くのですね。血も涙もない人かと思ったわ」
 
思っていた以上に実力が伯仲していた。
互いが様子を見ている。そんな感じがしていた。
エルーノの能力は人格転換。しかし、彼女はコブシを武器としていた。
おそらく、彼女は身体の強化ばかりを修行していたのだろう。
でも、いくらエターニアが本気を出しても、結果は火を見るよりも明らかだった。
 
「こ、殺してやる!貴様も主も全て殺してやるわ!」
 
あらら?それでも彼女はやる気は満々みたいね。
でも、それでも彼女は止まらない。
エターニアが攻撃をするけれど、彼女は避けるだけで、全然当たらない。
 
「ば、馬鹿な!貴様と私の実力は……五分だったはず!なのに……何故!?」
 
「あら?私も以前の私とは違うということですよ。あなたよりもずっと地獄のような日々に耐えてきました。あなたは同じ場所に留まり続けただけ。何度戦っても、あなたは私を超えることはできないわ」
 
「だ、黙れ!」
 
そう言うと、極大の火炎弾で攻撃をする。しかし、彼女はそれを指先で弾き返す。
 
「なっ?ゆ、指先で!?」
 
「由佳さんと比べたら、糞みたいな炎ですね」
 
そう言うと、弾いた指先で……彼女よりも極大の炎で攻撃する。
 
「ば、馬鹿な!」
 
本当に糞みたいな炎だったみたいね。彼女と比較してみても、だいぶ劣っている。
しかも、あいつは頭が悪いな。
あれでも、まだ五分の力だと思っている。これが堕天使たる所以か。
なんとか、炎から脱出したけれど、想像以上に焼け焦げた羽根が彼女を苦痛にさせた。
さすがに限界なのだろう。避けるだけで精一杯で、エルーノの動きについていけてない。
 
『それにしても……彼女……だいぶ成長したようね』
 
「そりゃあ……三年も修行ができれば、成長をするのは当たり前ですよ」
 
翔子が言う。実際、彼女がここまで強くなるとは思わなかった。
 
『そういうあなたも……』
 
「栞様だって……前と比べるとだいぶ立派になりましたよ」
 
『そうかしら?』
 
「ええ。私から見ても分かりますよ。栞様は強くなられたということが」
 
『ありがとう』
 
そういわれて、少しだけ、歯がゆいことを感じる。
私がやったことと言えば、新技の開発に全力を注いだだけ。しかも、技の発想に一年くらい費やして、後の二年くらいは新技の発展に力を注いだだけなのだ。
しかも、それは長い間続けていると、私自身の命でさえ危うい諸刃の剣なのだ。
けれど、必ず使いこなして自在に昇華してみせる。
 
『もうそろそろ、終わらせてしまいなさい』
 
「はい!」
 
「フン!終わらせるだと?…………き、貴様ッ!」
 
いつの間にかエルーノが彼女に追いついて、蹴り上げる。
 
「じゃあね……ごめんなさい」
 
そう言うと、叩きつける。
下に大きなクレーターのような穴が開いて……モクモクと煙が上がっていく。
大理石が削られる。
 
『さて、次に行きますか。エルーノは彼女を私の家に……』
 
私は彼女に命令をして行く。
 
「はい……!」
 
「ええ。そうね。しかし、彼女が一番手ですか」
 
『えっ?』
 
「いえ。私の杞憂であればいいのですけれど……」
 
『…………っ!翔子!右に避けて』
 
私は何とか叫ぶと、翔子が右に飛ぶ。
すると、いきなり、鉄球が投げられた。
地面に40センチくらいの穴が開いた。それほど重い鉄球だった。
私が見上げると、そこにいたのは屈強な女性だった。
エルーノよりも綺麗に整った顔立ちだった。しかし、それよりも綺麗な顔立ちにもかかわらず、胸が爆乳という二重要素に私は思わず、顔を逸らした。
どうして、こう……悪魔や天使って巨乳の人が多いのだろう。
 
「やはり、貴様か……堕天使だとは聞いてはいたが……」
 
「あなたは……ベルトーゼ!」
 
『知っている奴なの?』
 
「ええ。サキュバスに操られていたときの記憶の片隅に残っていた人です」
 
なるほど、漆黒の蝙蝠のような羽根。確かに悪魔だ。
 
『じゃあ、殺しても文句はないわね』
 
「栞様……ここは、私に任せてくださいませんか」
 
『あら?えらい自信ね』
 
「ええ。栞様は……早く、ランサーのところへ」
 
『…… 分かったわ』
 
「おいおい。何を二人で完結しているんだ?二人ともここを通すわけがないだろう」
 
「だったら、一瞬で殺して差し上げますわ」
 
そう言うと、翔子が槍を出して構えた。槍の角度がやや右下がりが気になる。
しかし、次の瞬間……!
一瞬にして、穴が開いているベルトーゼがいた。彼女が一瞬で奴の心臓に向かって突いたからだ。
奴が一瞬にして灰になる。正直、何が起こったのかも分からないだろう。
 
「あなたの顔はもう二度と見たくはないわ」
 
『………… 何よ。やればできるじゃない……』
 
私は無表情で言う。
 
「えへへ。ありがとうございます。栞様……」
 
私のほめ言葉に彼女は素直に受け入れる。
 
『さあ、さっさと行きましょうか』
 
すると、そのときだった。
いきなり、ドアが開け放たれ、中から大量の悪魔が出てきた。
突然のことにビックリする私たち。しかも、全員上級悪魔だった。
 
「な、何?これ……」
 
『フン……丁度いいわ。サクッと終わらせましょうか。準備運動には丁度いいわ』
 
「いいえ。栞様は先に行ってください」
 
『えっ?』
 
私は彼女の顔を見た。彼女は自信満々な顔をしている。
 
「私の仕事は栞様を守ることです。守護天使として、そして……下僕としての使命をもらっている私はその仕事をやるだけですわ。だから、栞様はお先にお急ぎくださいませ。第一、ランサーと戦って勝てる人なんて……この世で栞様だけですわ」
 
『そうかしらね……』
 
「ええ。だから、栞様はお急ぎくださいませ」
 
『分かったわ。あなたは……そうね。十五分で決着をつけなさい』
 
「………… はい。分かりました」
 
そう言うと、私は先に急ぐ。悪魔が追おうとしたとき、彼女が割って入る。
 
「さあ。かかってらっしゃい!」
 
彼女がそう言うのを聞きながら、私は上を目指す。
 
『3』
 
『さて、ここが最後の扉ね……』
 
私が扉を蹴破ると、そこには……ランサーがいた。
鋼よりも固い鱗のような皮膚を持ち、顔は魚だが、それは魚人と称してもよさそうだった。
その男が私の前に立ち塞がる。
 
「………… やはり、貴様か!」
 
『ええ。そうよ……久しぶりね。ランサー』
 
私はいきなり、切りかかる。しかし、寸前で止められた。
 
「ブラックビーム!」
 
『セイントビーム!』
 
ほぼ同時に発動したために相殺した。
さすがは上級悪魔の上を行く存在だけのことはある。
戦いのセンスが半端じゃない。
 
「二百年ぶりの再会なんだ……少しぐらいは優しくしてもらってもいいんじゃねぇか?」
 
『あら?悪魔に優しくする意味はないわよ!』
 
私は上空に高く飛んで剣を出す。そして、それを奴に斬りつける。
しかし、奴の鉄よりも固い鱗に阻まれた。
…… さすがに硬いな。私は後ろに大きく後退した。
 
「フン……思ったよりも激情家だな。私を前と同じとは思うなよ」
 
『あら?じゃあ、私も前とは違うわよ』
 
二百年前の私ではできなかったことをする。
それはゴッド・セイバーよりも弱いけれど、突進力があり、さらに制御もきくというものだった。
 
「お、おい……ま、まさか……!」
 
奴が気づく、私の手のひらが小さく虹色に光っていることに。
 
『フラッシュ・セイバー!!』
 
それはゴッド・セイバーを手に小さくしたと言えばいいのか。
それでも、ゴッド・セイバーよりも威力は弱い。
掌にありったけの流れを詰め込む。
 
「なんだ?それは……」
 
奴が驚愕する。
 
『あら?私が司るものを忘れたのかしら?』
 
そう言うと、それを何のためらいもなく……奴を斬り捨てる。
ザクッという音が聞こえて奴が絶叫する。
 
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ――――――――っ!!」
 
『私怨はないけれど、あなたは放って置くと後々面倒になるから、今のうちに殺すわよ。恨むなら、自分が悪魔に生まれた自分を恨みなさい』
 
そう言うと、私はあっさりと殺して、幕を閉じたのだった。
 
『4』
 
『ただいま』
 
私が帰ると、待っていたのは翔子とエルーノだった。
 
「あ。お帰りなさい」
 
『あら?翔子も一緒なのね』
 
「ええ。そうですけれど……」
 
『ところで、彼女は?』
 
「それが……」
 
「放しなさいよ!」
 
『なるほど……』
 
今にも……割れんばかりの怒号に私は納得した。
 
『お兄ちゃんの部屋?』
 
「ええ。拘束してあります」
 
私はお兄ちゃんの部屋へと入る。
 
『エルーノ……入るわよ』
 
「あ。栞様」
 
『あら?あなたも起きたのね』
 
彼女は鎖で縛られている。私の顔を見るなり、苦渋の顔をしていた。
 
「…………ッ!貴様は……人間か?」
 
『ええ。そうよ』
 
「貴様、こんな人間に従っているのか?」
 
「ええ。そうよ。私の今の主様は栞様ただ一人なのよ」
 
そう言って、私に抱きついてきた。
 
「貴様は確かに……彼が堕天使にしたはずだ。なのに、何故天使に戻っている?」
 
彼女がありえないという顔をした。
 
『あら?あなたも天使に戻りたいの?確か、エターニアちゃんだったっけ?』
 
「………… 人間の貴様にちゃんづけで呼ばれたくはないわ!」
 
ああ。そう言えば、彼女よりも年齢が低いのだっけ?
 
「それよりも、まだ、あなたへの処罰が決まっていないわ」
 
翔子が来て言う。どうやら、彼女の中では処罰が決まっているらしい。
すると、エターニアが処罰と聞いて、ドキッとした。
相当、酷な処罰だったら……どうしよう?とか思っているのかもしれない。
 
「大体、こういう時って決まっていますよね?」
 
「ええ。私たちもされたものね」
 
彼女たちの中で勝手に完結される。
やっぱり、あれなのか。
私に彼女を犯せということか。
 
「フン……殺すなら殺すがいい!」
 
「いいえ。殺すよりも、もっと残酷なことよ」
 
「な、なんだと?」
 
そう言うと、彼女の顔が青ざめていく。
どうやら、相当の拷問を覚悟しているようだ。
私はため息を吐いて、彼女たちに口を挟んだ。
 
『それよりも、もっと具体的な問題があるでしょう?あなた達には……』
 
「えっ?」
 
『彼女を奴隷にするの?』
 
「ええっと。それは……さすがに私としても困りますね」
 
「ええ。私のこれ以上、奴隷が増えるのはちょっと…………」
 
「なんだ?貴様たちは何の心配をしている?」
 
『まあ、住む所は最低限、確保できたとしても問題は夜の時間よ』
 
私はエターニアの言葉を無視して、更に問題を提示し続ける。
 
「わ、私も栞様と一緒に楽しみたいです。それも毎晩」
 
「でも、我慢するしかないですね。毎晩すると、さすがに栞様にご負担がかかるだろうし」
 
『もしも、私と一緒に毎晩したいというなら、彼女を奴隷にするのは無理よ』
 
「栞様はどうなのですか?その……彼女と……したいのですか?」
 
『私は別にどちらでも構わないわ。ただ、彼女を天使に戻したいというのは本当よ』
 
それは私の個人的な意見だった。そして、それはエルーノも同じはずだった。
 
「はい。それは私も同じです」
 
『まあ、奴隷にするかどうかはあなた達が決めなさい。私は寝るから』
 
「あ。ちょっと待ってください」
 
『エルーノ……』
 
「は、はい?」
 
『私の身体を上げるから、あなたは……あなたのすべきことをしなさい』
 
「………… はい」
 
彼女は数巡考えを巡らせた後、頷きながら返事をした。どうやら、彼女の意志は固いようだった。
私は少しだけ微笑んで、彼女に身体を預ける。
しばらくして、彼女は私に、私は彼女に身体を交換する。
さすがにエルーノだと、行動が制限されるので、今日はもう寝るだけにしよう。
 
『5』
 
「ありがとうございます。栞様」という言葉を私は聞き逃さなかった。
それは今までに対する礼なのか、それとも悪魔を殺してくれた礼なのか、私には分かりかねるけれど、それでも、彼女は意志の強い瞳をしていた。
それは……今までに見たどの彼女よりも、強い眼をしていたのだ。
栞様じゃないと分かっていても、私でも思わず、たじろぐぐらいの感じがあった。
 
「それで?貴様は私をどうするつもりだ?そんな人間の姿になって……みすぼらしいぞ」
 
エターニアが言う。
 
『なんですって?』
 
あ〜あ。彼女に火を点けちゃった。彼女は栞様のことになると、ものすごく怒るからなぁ。
 
『私のことはいいわ。自分でも……馬鹿だと思っているし。今でも、どうしても消せない罪があるから。でも、栞様を侮辱することは許さないわ!』
 
それに私も同意する。
 
「そうね。私も同感だわ。それにあなたの格好もすでにみすぼらしいけれど?あなたには羞恥心というものがないのかしら?」
 
「なっ!」
 
「さて、どうやって虐める?エルーノ」
 
『そうですね。手っ取り早く、痛覚から、与えていきましょうか』
 
「あなた……彼女は友達でしょう?」
 
私は呆れつつも、心のどこかではニヤニヤしている。
 
『もうすでに……その縁は切りました。栞様を侮辱した時点で……』
 
「あら?そうなんだ……あなたにとって彼女は唯一の味方だったのに……敵に回ってしまったわね。まあ、しょうがないか。私も栞様を侮辱した奴を許すわけには行かないからね」
 
『まずは手っ取り早く……これから行きましょうか』
 
そう言うと、取り出したのは鞭だった。
私は彼女から鞭を取る。
 
「さて、私は百回ほどで耐えられたけれど、あなたには何回耐えられるかしら?」
 
そう言うと、私は彼女に向かって……鞭を打ち据える。
すると、開始早々、彼女が悲鳴を上げる。
 
「ぎゃああああああぁぁぁぁ―――――――ッ!い、痛い痛いッ!」
 
絶叫を上げながら、悶え苦しむ。まるで、いつぞやの私を見ているようだ。
 
「まだまだよ。私の……いいえ。私たちの怒りはまだ収まらないわ」
 
そして、二回目、三回目と打ち据えていく。鞭のしなる音とそれが当たる音と……そして、彼女の絶叫が夜の街に響き渡る。
 
「い、痛い痛い痛い―――――っ!お願い……許して!」
 
そう言って……私に許しを請う。
 
「それは私じゃなくて、栞様にいうのではなくて?」
 
そう言うと、彼女が今度はエルーノに許しを請う。
 
「お、お願い。許して……エルーノなら許してくれるよね?」
 
『………… 以前、あなたは違ったのに……』
 
「えっ?」
 
『やっぱり、あなたは変わってしまったのね』
 
「えっ?」
 
『翔子ちゃん。続けてください』
 
「わかったわ」
 
「そんな……ちょっと待って。これ以上やったら、本当に死んじゃう……!」
 
『死ねばいいじゃない。あなただって、死を望んでいたはずでしょう?』
 
そう言って、彼女は残酷に言う。
私は彼女の過去を知らない。彼女に過去に何があったのかも何も知らないけれど、今回のことはどうもエルーノの方が原因のような気がする。
でも、まあ、そんな彼女がいいって言うんだから、私は楽しむだけだけれどね。
そう思って、私は彼女を打ち据え続ける。虐めるのって楽しいわ♪
 
「お、お願いですから……ぐずっ……止めてください……私が悪かったから……」
 
ようやく、誠意を感じ始めたころ、エターニアは涙を流しながら言った。
服がボロボロになり、顔は涙と涎と鼻水でぐしゃぐしゃになっている。
それでも、私はやめない。
 
『さて。どうしようか?翔子ちゃん』
 
打ち据える私に彼女が私に聞いてきた。
 
「もうそろそろ……許してあげてもいいんじゃない?」
 
いい加減……疲れてきたしね。
この鞭は腕を酷使する。最初は楽しいと感じていたとしても、さすがに疲れは感じるものだ。
 
『変わろうか?』
 
「ええ。お願いするわ」
 
『さて。顔を上げなさい』
 
「………… ひっぐ……ぐずっ」
 
彼女が泣きながら、顔を上げる。
 
『本当に反省してる?』
 
「………… はい…………」
 
『もしも、許して欲しいなら…………そうね……私の下僕になりなさい』
 
まるで、デジャヴだった。
いや、言葉がデジャヴっているのではなくて、彼女の言い方そのものがあれだった。
あれはもはや、似ているなんてものじゃない。栞様そのものだった。
 
「えっ?」
 
『いやなの?』
 
さすがに私は口を挟む。
 
「ちょっと待って。彼女をあなたの下僕にする気なの?」
 
『ええ。そうですけれど。私の命令なら、従うはずでしょう?それなら、栞様との蜜月だって、邪魔されないはずじゃないですか。私の邪魔をするなとでも言えば……それに…………これって、立派な罰でしょう?』
 
「あ。そうか……」
 
なら、当然、私の言うことだって聴くはずだ。彼女……案外頭がいいかもしれない。
 
『さて、どうするのですか?』
 
そう言って、私のあげた鞭で彼女の横にある壁をぶち壊す。
純粋すぎる子も切れると何をするか分からないわね。
私はひそかに思った。
 
「ひっ……!なります!なります!私は一生、エルーノの奴隷として生きていきます」
 
『あっ?何を言っているのよ。奴隷の分際で!!私のことはエルーノ様でしょう?』
 
き、鬼畜だ。以前の彼女からは想像もできない行動だった。
 
「ひっ!」
 
彼女が短く悲鳴を上げる。
 
『ほらっ!さっさと言いなさい』
 
「は、はい……!私は……一生、エルーノ様の奴隷として生きていきます」
 
『どう思いますか?』
 
「そうね。2回目は誠意がこもっていると思うわ」
 
それに……もう、反撃する気すら起きないだろう。こんなにも格上の相手に虐められては。
 
『そうですね。ほら。あなたもお礼をいいなさい』
 
「はい。ありがとうございます!」
 
「で?これから、どうするの?」
 
『勿論、彼女を天使に戻します』
 
「そうね。それが懸命だわ。じゃあ、私は寝るわ」
 
『ええ。お休みなさい』
 
そう言うと、栞様の部屋まで行く。
 
「栞様。起きてらっしゃいますか?」
 
「ええ。入ってもいいわよ」
 
今の栞様はエルーノの姿だった。ネグリジェが美しいけれど、あくまでエルーノの姿なので……今の姿を見ても、全然萌えない。
しかし、下着までスケスケなので思わず、ドキッとしてしまう自分もいるのだった。
私が栞様の衣服の感想を思ったとき、報告が先だったことを思い出して言う。
 
「栞様。エルーノが新しい奴隷を作りました」
 
一応、報告に入る。どうでもいいことなのだが、一応……報告をしないといけないので……というか、前回のあれが怖くて怖くて……仕方がないのだ。
 
「あら?そうなの」
 
思った通り……あんまり、関心のない様子。
 
「まあ、彼女のことだから、あんまり……無茶な命令はしないでしょう」
 
「栞様はどう思われていますか?」
 
「私?私は……無茶な命令をしなければ、それでいいと思っているわ」
 
私は……時々栞様の考えが分からなくなるときがある。
エルーノのときは私に服従強要までするし、今度のことは全て彼女任せだった。
どうしてそんなことをするのかが分からない。
 
「………… 何かいいたそうな顔ね」
 
「…… はい。どうして、栞様はそういうことをするのですか?」
 
「う〜ん。難しくはないけれど、珍しい質問をするわね」
 
これに関しては珍しく、栞様が虚に包まれた顔をしている。
 
「…… すみません。曖昧な質問で」
 
本当はもっと具体的な質問ができればいいと思っていたけれど。
 
「そうね。私がここで、あなた達に死ねと言えば。あなた達は死ぬんでしょうね」
 
「えっ?」
 
「私はそれが嫌なのよ。たとえ、私が死んでも……いいえ。私が殺されても……あなた達には生き延びて欲しいのよ。人生は一度きりだわ。私は勿論、転生できるし……死ぬことは怖くはないけれど、その後の未来を考えると、やっぱり、不安なのよ」
 
「栞様……」
 
「だから、あなた達には私のために私を庇って死んで欲しくないのよ。たとえ、そういう命令を受けたとしても……守るあなた達じゃないでしょう?だから、エターニアをエルーノに任せたのよ」
 
そのとき、唐突に分かってしまった。
栞様が何をしたかったのかを。
栞様は自分が何かあったときの自分のパートナーを作りたかっただけなのだ。
それは、本当の意味での自分の奴隷。
だから、栞様はエルーノを私に従わせようとして、エターニアをエルーノに任せたのだ。
 
「じゃあ、エルーノに任せるといったのは?」
 
「ええ。全ては彼女のためなのよ」
 
栞様は正しいと思う。そうでなければ、一生、私とエルーノの関係は崩れたままだった。
 
「じゃあ、どうして……こんなことを?」
 
「まあ、具体的なことは言えないけれど、そうね……責任……かしら?」
 
「責任……ですか?」
 
「ええ。あなたを奴隷にした責任よ。あなたを奴隷にしたときから、覚悟をしていたわ」
 
多分、栞様自身が唯一間違っていると思っているのは私を奴隷にしたこと。
それは前にも言ったことだけれど、本当は私を奴隷にしたくはなかったらしい。
けれど、私自身も記憶を消されるのは嫌だった。
だから、栞様はエルーノの奴隷にするとき、私自身に任せたのだ。
けれど……それは……。
 
「ずるいです。栞様……」
 
「翔子?」
 
「そんなことを言われたら、私の立場がないです」
 
私は涙を流しながら、そんなことを言った。
私はいままで栞様が良かれと思って行動してきた。
でも、それは……栞様にとって意味のない行動だったのではないか。
 
「立場がない……か。だったら、これから、あの子とも仲良くなってくれないかしら?」
 
「…… だったら……栞様」
 
私は涙を拭いながら言う。
 
「…… 何?」
 
「エルーノの身体で……私を犯してください」
 
「良いけれど、ほとんどの力をあの子に与えたのよ。私に残っている力はほとんどないのよ。あなたを快楽にすることもできないかもしれないけれど。それでもいいの?」
 
「………… はい。構いません」
 
身体がエルーノでも心が栞様なら、私は栞様を愛してあげられる。
それに、本当は関係ない。栞様の力がどうのとか、身体がエルーノの身体でも私自身がこの疼きを止められないのだ。
 
「じゃあ……キスして」
 
栞様がそう言うと、私は栞様とキスをした。
舌を這わせると、栞様も口を開けて、舌を絡ませる。
エルーノとのキスは栞様の味より濃厚な味がする。
 
「あんっ……んっ……むっ……んはっ……ふぁっ……あっ……」
 
「んっ…… はぁっ……はぅん……ふぁ……んむ……ふっ……」
 
私たちがキスをし終えると、そこの後に残ったのは流れる糸のような唾液の後だけだった。
そして、栞様が私の胸を揉み始めた。
なんか、おかしい。エルーノの身体なのに。栞様の力はほとんど残っていないのに……。
頬が上気する。ものすごく気持ちがいい。
 
「どうかしら?」
 
「えっ?」
 
「本当の私とされるのと、どっちがいいかしら?」
 
「そ、それは……」
 
勿論、本当の栞様にされるほうが気持ちいいに決まっている。
けれど、彼女に胸を触られると、ものすごく気持ちがいい。
なんだか、私の身体じゃないみたいに……気持ちがいいのだ。
 
「どうなの?」
 
私の理性が麻痺しつつあった。
 
「はい…………気持ちいいです。栞様に胸をもまれると、それだけでイッちゃいそうになります……」
 
「何を言っているのよ。私じゃないでしょう?エルーノでしょう」
 
「は、はい。エルーノに胸をもまれると……気持ちいいです。あんっ!」
 
「私も彼女たちほどじゃないけれど、性に関してはほとんど知り尽くしているわ」
 
彼女たちというのは……多分ガーディアンみんなのことだろう。
でも、彼女達……今はHをできないはずだ。何しろ、主が気絶しているから。
 
「あん。栞様……そんなにされたら……ああっ!おかしくなっちゃう!」
 
どんな手を使ったのか、分からないけれど……胸だけでイキそうになる。
ただ、胸の乳首を転がしているだけなのに、舐められているだけなのに。
ものすごく気持ちいい。
 
「どう?私を征服するという気持ち。分かってくれたかしら?」
 
「ああーッ!!イっちゃいます!」
 
「駄目よ。まだ、私が気持ちよくなってないでしょう?」
 
そう言うと、栞様が服を脱ぎだした。とは言ってもエルーノが服を脱いだこととなんら変わりはないけれど。
相手が栞様だからか……それとも、エルーノのことが好きなのか。
 
「エルーノの断りもないけれど、エルーノのあそこを舐めてくれる?」
 
「あっ!はい……」
 
『6』
 
エルーノは自分の変化に気づいていた。
下半身がうずいている。
それは決して目の前の少女に対して欲情しているのではない。
勿論、彼女を征服したという喜びだからでもない。
でも、それだとしたら、理由が分からない。
 
『(ひょっとしたら、栞様と翔子ちゃん……)』
 
ありえる話だ。エルーノ自身もこの力の全てを知っているわけではないのだが、精神を共有するということはそれと同じように相手に関する感情も共有できるのだ。
これは双子と似ている。片方に好きな人がいれば、もう片方もその人が好きという理論だ。
 
『(ということは……栞様と翔子ちゃんが愛し合っているという話ですね)』
 
「…………?」
 
目の前の少女が首をかしげる。
エルーノの独り言を聞いていたのか。それとも、何かを察知して……私に気づいたのか。
でも、まあ、そんなことはどうでもいい。と思ったエルーノは目の前の少女に深化の度合いを深めていく。
これは栞様にも言われたことだし、自分も体験をしたことだけれど、相手を奴隷にするのは気持ちいいことを強要すればいいのだという。
けれど、私の場合は最初から、常軌を逸していた。
まず、最初に相手に痛覚を与えて、自分が絶対に敵わない存在であることを知らしめる。
相手を殺さないように刺激を与えつつ、自分に絶対服従を誓わせるのだ。
そして、次の行動として、彼女に快楽を与えて……完璧に奴隷として嬉しく思わせることが大切だった。
しかし、問題はそのやり方だった。
問題はエルーノがどうしたいかではなく、どうやったら、彼女が快楽に溺れさせることができるのかだった。
しょうがない。とエルーノは覚悟を決めて……彼女に言う。
 
『さて、あなたが……本当に私の奴隷として働いていくのか……試させてもらうわね』
 
「えっ?」
 
これで許されたわけじゃないの?という顔をしている。普段からの彼女では考えられない脅え方だった。
 
『大丈夫よ。今までのはお仕置きだったから……今度は……』
 
そう言って、エルーノは彼女の頭に触る……今度は彼女に快楽を与える。これはエルーノも栞様からやられたものだから、目に沁みて分かっている。エルーノは彼女の鎖に触れる。
 
「あん……!」
 
彼女は全身で快楽を享受し始める。
 
『あなたを気持ちよくさせてあげるわ』
 
「そ、そんな……!……ああ。どうして……?」
 
どうして、こんなにも気持ちよくなっているの?と、自分自身に問いかけるような顔だった。しかし、そう言っている間にもエルーノの追及は揺るがない。
 
『その服が邪魔ね……』
 
そう言って、服をビリビリと破き捨てる。
ほとんどが翔子の鞭によってボロボロになっているので破くのは簡単だった。
 
「そ、そんな……止めて!」
 
『あら?奴隷がそんなことを言える立場?』
 
「ひっ!…… そ、そんな……」
 
彼女は先ほどのことを思い出したのか急に震えだした。
 
『…… あなた……処女?』
 
「えっ?」
 
『処女なのかと聞いているのよ?』
 
「は、はい……」
 
ほとんど消え入りそうな声で彼女が呟いた。
道理で彼女があんなにも反応するはずだった。
けれど、命令に逆らったら、またお仕置きされる。
 
『まあ、いいや。こっちのこれはあとで栞様に取っておこう……』
 
エルーノがいただいてもいいのだが、それだと……栞様に愛してもらえないかもしれないから、後で聞くのが一番だ。
エルーノも処女を栞様に奪われたから、彼女の処女も栞様が奪ってしまえばいい。と、勝手に考える。
しかし、それ以上に別の興奮があったのだ。栞様の身体でやってみたいことだった。
そのためには一刻も早く彼女を屈服させる必要があった。
エルーノは彼女の鎖を触る。それが彼女に伝わってより強い快楽を生み出す。
 
「ああっ……!」
 
『気持ちいい?』
 
「ああ……はい!気持ちいいですぅ――――――!!」
 
彼女自身、相当溜まっていたのだろう。それとも、彼女自身……性に関してはあまり……詳しくはないかもしれない。
しかし、それが逆に仇となった。
 
『鎖なんかで触られて気持ちいいなんて、恥知らずの何者でもありませんね』
 
「いやぁ……そんなことを言わないでぇ……」
 
そんなことを言いつつも、彼女は次第に喘ぎ声を上げ始める。
エルーノは彼女の胸をブラジャー越しに掴む。
舌で軽く転がしながら、乳首を吸う。
 
「ああ。気持ちいい。触って……もっと触って。私の身体に直接……触れて欲しいの」
 
『ええ。いいわよ。夜は長いから、一緒に楽しみましょう』
 
彼女はもうすでに性欲に溺れていた。
それは彼女が経験したことのない未知のものだった。
それまでの彼女はエルーノと同じ、人間を殺すために生きてきたのだ。
しかし、それが今は人間に仕えることが気持ちよかった。
それまでの彼女の人格が失われようとしているのだ。
エルーノは頃合いを見計らって、彼女の鎖を外した。
そして、彼女に裸になるように命令する。
 
「ああ。でも、恥ずかしい」
 
『何よ。恥ずかしがることないわよ。私もあなたも共に慣れているでしょう』
 
「そうだけれど。でも……」
 
『あなたの胸は誰のもの?』
 
背中を抱きしめる。
 
「あんっ……それは……」
 
『………… 答えて』
 
「…… はい。この胸や身体は全てエルーノ様のものです……」
 
そう言うと、彼女は全ての服を脱いだ。
 
『いいわ。じゃあ、あそこを見せて』
 
「………… はい。どうぞ、私の汚いあそこを見てください」
 
少し、濡れている彼女のあそこに触れる。
 
『………… エターニア』
 
「ああっ!……はい」
 
『ここ、濡れているわよ。どうしたの?』
 
「…… はい。エルーノ様に触られて気持ちよくなってしまいました」
 
『………… で?どうして欲しい?』
 
「…… はい。触ってください。指を中に入れてください」
 
『…… 分かったわ』
 
そう言うと、エルーノは彼女の陰部に触れる。
クチュクチュという音を立てて、彼女は身をよじらせた。
どうやら、相当気持ちいいらしい。喘ぎ声が半端じゃなかった。
 
「ああっ!……気持ちいい……!」
 
エルーノは彼女の巨乳に触る。
もうそろそろ、最終段階に入ってもいいかな?
そう思うと。急に触るのを止めた。
 
「ああ。どうして、止めちゃうの?」
 
『…………』
 
まるで、彼女以外の時が止まったのかのようにエルーノが黙る。
 
「もっと触って。メチャクチャにしてぇ」
 
『…………』
 
彼女が擦り寄ってくるけれど、それだけでは快楽はやってこない。
 
「ああ。お願いします。私……なんでもしますからぁ……」
 
『…… 本当に?……』
 
「はい。私はあなた様の奴隷ですから」
 
『じゃあ、まずは……私のモノをしゃぶってくれるかしら?』
 
そう言うと、エルーノの股間からいきり立つものが見えた。
 
「えっ?」
 
彼女がビックリしている。
 
『ああ。これ?これは……擬似ペニスといって……まあ、いわば栞様の能力で作られたものよ』
 
「おっきいですぅ……」
 
そう言うと、彼女が恍惚そうな表情でカリを舐め始めた。
すると、すでに先走り液が飛び出してきた。
 
『ああ。気持ちいいわ。そこよ…………』
 
彼女は自らの口で私のチ○ポをしゃぶり始める。
始めから激しくされたので、私も負けじと彼女の股間に手を入れる。
彼女が気持ちよさそうに腰を振る。
 
「んあ……!ああっ!私……もうイっちゃいますぅ―――――――!」
 
『いいわよ。私もイキそうよ』
 
「ああっ!イッちゃう……っ!あああああああぁぁぁぁぁ―――――――っ!!」
 
エターニアがイクと同時にエルーノも精液を噴出した。
かなり凄い量の精液が飛び出した。それを彼女が全て飲む。
 
「んぐ……んぐ……凄い量……私でも飲みきれないですぅ」
 
エルーノはそのとき、ちょっとした脱力感に襲われた。
身体の力が抜けるような感覚だった。
 
『(さすがに……栞様の格好だと……疲れも溜まる……ということですか)』
 
それとも、栞様も愛液を漏らしているということなのか?とエルーノが思った。
ならば、この脱力感も理由になる。
けれど、それは栞も同じはずだった。
 
『7』
 
「なんか、身体がおかしいわね」
 
さっきから、疲れが溜まっている。妙な脱力感があるのだ。
さすがに二回もイッちゃうと、それほどまでに疲れも溜まるということなのか?
いや、違う。これは別のところから感じる。
まさか、エルーノが私の身体を使って、無茶なことをしているのでは?と思ったけれど、どうにも違うようだ。
 
「はっ?」
 
「なるほど。私とエルーノは互いに精神を共有しているから、あっちが疲れを溜まるとこっちも疲れが溜まるのね。エルーノの能力は私でも図りかねるから、楽しいけれど、さすがにこの状態はやばいわね」
 
「ああ。さっきから、身体がおかしいとはそういうことですか?」
 
「ええ。そうよ」
 
「私は栞様から、愛を感じていますから、元気ですけれど」
 
「ええ。私も元気よ。けれど、疲れは寝てれば治るから、今日はこの辺で止めて起きましょう。明日は学校だから、早めに寝ないと遅刻しちゃうし」
 
「………… そうですね」
 
しかし、彼女としてはもっとやりたいのだろう。
 
「ごめんね……この埋め合わせは私の身体が戻ってからするわ」
 
「いえいえ。私も楽しかったです。その……エルーノも頑張れば気持ちいいということが分かりましたから」
 
「そう。ならよかったわ」
 
それに対して、私は笑顔で答えた。
 
『8』
 
エルーノはちんたらしている余裕はないと踏んだのか、彼女をメチャクチャにして犯していた。
しかし、それでも彼女は嬉々としてそれを受け入れる。
 
「あはぁ!また、イッちゃいます!」
 
それから、三時間ほど……彼女を犯しつくしてようやく、彼女が気絶した。
 
『さて、ここからね』
 
エルーノは彼女の頭を触って、栞の能力を使って年齢退行をかける。
これも栞から聞いたものだ。
普通……堕天使は天使に戻ることはできない。
それは天使が人を殺した罰だと思われてきた。
けれど、栞はそれを覆したのだ。天使や神ですらできなかったことを……。
エルーノも栞になりきることで、それを可能にできるのだ。
エルーノは彼女に年齢退行をかけ続ける。
多分、彼女は二年、三年と若返っているだろう。
肌では感じられないが、エルーノには分かる。
分単位で彼女の年齢が若返っている。
さすがに疲れてきたとき、彼女に変化がおきた。
黒い翼から、白い翼に変わって綺麗なものへと変わる。
ウットリとその光景を眺める。
 
『綺麗…………』
 
綺麗な純白の翼。それが目の前にある。
私が見たかった光景。
私が待ち望んでいた光景。
そして、そして……。
私の大切な友達が戻ってきた。そのことに私は涙した。
 
『よかった…………本当に……よかったわ』
 
私の幸せがそこにあった。
 
『9』
 
『栞様……』
 
エルーノがやってくることを私は事前に察知していた。
というより、気配で分かったというべきか。
程なくして私が現れる。いや、私の姿をしたエルーノといえばいいのか。
 
「あら?彼女とはいいの?」
 
なんか、近寄りがたい雰囲気だったから、近づかなかったけれど。
 
『もう……私と彼女はそんな関係じゃないと分かっているのでしょう』
 
「でも、犯したのでしょう」
 
『翔子ちゃんは?』
 
「自室で寝たわ」
 
『そうですか……あの……ありがとうございます』
 
「いや、私に言われても、強くなったのはあの人のおかげでしょう?」
 
『それはそうですけれど、栞様にはそれ以上に多大な恩を感じていますから』
 
そう言うと、私の身体が元に戻る。
 
『あの子……あなたが調教するのよ?』
 
「ええ。分かっています。これが栞様がいつか、言っていた……覚悟という奴なのですね」
 
『ええ。責任は全て、あなたにあるわ。だから、あなたには私から、たった一つの命令を言うわ』
 
「栞様から、命令ですか?」
 
珍しい目で私を見つめてくる。今まで私は彼女に奴隷らしいことを強要したことはない。
せいぜいで……彼女にセックスの対象として……としか、命令をしたことはないのだ。
だから、セックス以外で彼女に命令をするのはこれが最初で最後かもしれない。
 
『ええ。あなたはこれから自分で選び取った道へと進み続けなさい。それがたとえ、私の教えのそむく道だとしてもよ』
 
「えっ?」
 
『私…… 天界からの誘いを断ろうと思うの』
 
「…… それって……まさか……っ!」
 
『ええ。天界と全面戦争になるわね。私は自分自身で堕天使を天使に治す方法を探すわ。あなた達にはきつい命令になるかもしれないけれど、だからこそ、言わなければならないと思っていたのよ』
 
しばらく沈黙が降りる。
私はエルーノのためを思っていっているのに。
これから、彼女は絶対に標的にされるかもしれない。
 
「………… 栞様は怖いのですね」
 
沈黙からしばらくして、ポツリと彼女が漏らした。
 
『えっ?』
 
「………… 私も怖かった。大切な人が死んで、いいえ。大切な人を殺して……本当は殺したくないのに……その事実は揺るがなかった。そして、私は自分の鏡で……自分が堕天使だってことを知った」
 
『エルーノ……』
 
私が彼女の名前を呼ぶ。
 
「栞様。私は今、幸せなんですよ」
 
『でも、彼女は違うでしょう!あなただってそうよ。私が無理矢理仕込んだ偽りの幸せでしかないのよ。それでもあなたは満足だって言うの?それでもあなたは幸せだって言うの?』
 
本当は彼女には彼女なりの幸せがあったはずだった。
しかし、それをぶち壊して、奴隷にしたのは他ならない私自身だ。
私はそのことを悔いている。
 
「ええ。幸せですよ」
 
『えっ?』
 
「だって、私が天使に戻れたのも……大切な人を救えたのも全てはあなたのおかげです」
 
『エルーノ…………違うの…………』
 
「えっ?」
 
私はへたり込んだ。
 
『こないだのデートの日……麻生唯が私に告白をしてきたのよ』
 
「えっ?そうですか。だから、栞様は彼らと対峙していたのですね」
 
彼女は理解が速い。
 
『私がもっとも恐れていること。それは……私の過去が暴かれることなのよ』
 
「えっ?」
 
『私の何代か前の前世……私自身だったけれど。本当に最低な奴だったわ』
 
「どういうことですか?」
 
『本当に怖いのは『無』の能力の私なんかじゃないわ。そういうのを考えてしまう私自身なのよ』
 
「あっ……」
 
彼女は理解したのだろう。
私は自分自身が怖いのだ。こないだはそれが原因で……地球そのものを滅ぼしにかかった。
 
『いつか、あなたに言ったことがあるわね。私が道を踏み外したとき、私を止めてあげるって……でも、もしも、そうなったときは……私を殺して欲しいの。それが私からの命令よ』
 
「そ、そんな命令は……訊きません!絶対に訊きませんよ!」
 
『ええ。翔子にも言ったことだけれど、事前に断られたわ。私なんかでは栞様に歯が立ちませんって……でも、私自身も感じているのよ。このままだと、強くなっていく一方だって、だから、帷様に相談しに行ったのよ。でも、駄目だった。私の力が強くなると無関係だから、精霊に悪影響が及ばない限り、力を貸すことができないって。でも、もしも、そんな中で麻生唯と対峙なんてしたら』
 
今度こそ、地球が滅ぼされる。
 
「だったら、どうして告白を引き受けなかったのですか?」
 
『私自身も最低な選択だと思っているわ。でも、決断したのよ。私のこの力は人を幸せにするためにあるんだって、そのために証明したいのよ。天界で胡坐をかいている人や世界に蔓延る悪魔を殺して……だから、その証明のために私を殺害して欲しいのよ』
 
これは私自身の出した答えなのだ。
そして、お兄ちゃんも教えてくれた。人間には無限の可能性があるんだって。
 
『だから、あなたに命令しているのよ。もしも、この力が悪魔の力になったとき、あなた自身の手で、私をこの力ごと抹消して欲しいの』
 
私は泣いた。人前でめったに泣くことはなかったのに……。
 
「………… 栞様……」
 
私の目の前にいるエルーノが言う。
 
「栞様は今まで私に対して、正しいことをしてきてくださいました」
 
『…………』
 
「私がもっと早く、栞様に会っていれば、犠牲が少なくなったと思っていたのに」
 
彼女が私の手を掴む。
 
『えっ?』
 
「だから今、栞様にあえて幸せなんです」
 
『…………』
 
「だから、もしも、栞様が間違っている道を進んだとしても、私は栞様に付いていきます」
 
『でも、世界がどうなってもいいの?』
 
「構いません。それが……栞様が選んだ道ならば、私も間違った道を選びましょう」
 
『えっ?あっ』
 
私は思った。
彼女はそれでも、私についていきたいというのだ。
それが彼女の出した答え。
私は迷っていただけだ。
だからこそ、答えを性急に出しすぎたのだ。
 
『………… だったら、私も間違えた答えを出すわけにはいかないわね』
 
「そうですね」
 
『でも、あなた達を犯したときから、間違った答えを出している気がするわ』
 
「でも、栞様が私を犯さなければ、私は救われませんでした。ですから、それは多分、正しい答えなのですよ」
 
『そうね。そう思うしかないのね』
 
「ええ。そうです……」
 
『10』
 
麻生唯が目を覚ました。
 
「…………」
 
あのとき、吸音を使ったのは一種の賭けだった。初めて使った技だし……おそらく、もう二度とこんな奇跡は起こらないだろう。
ふと、隣にいるガーディアン全員の顔を見た。
全員がすやすやと眠っているのだが、その中で静香がいなかった。
 
「あ…… 唯様。目が覚めましたか?」
 
彼女は起きていて、顔を洗い終わっていた後だった。
 
「うん。たった今ね……ごめんね。今まで寝ていたせいでみんなにも迷惑をかけて……」
 
「いいえ。私たちが至らないばかりにこちらこそすみませんでした」
 
「うん。でも、栞さん…………ううん。栞は強かったよ」
 
「栞は……口には出さない子でしたけれど、自分の強くなりすぎた力はどうにもならないと悟ったのですね。だから、唯さまに…………」
 
「違うよ……」
 
「えっ?」
 
「僕は栞にゴッド・セイバーを受けたとき、はっきりと感じたんだ。この星の痛みに……栞はその痛みすらも耐えられる。だから、強いと言ったんだ」
 
「…………っ!」
 
「ところで、栞は?」
 
「分かりません。多分、死んではいないかと」
 
「…… そう……なんだ。今日……飯田さんのところに行くつもりだけれど」
 
「そうですか……わかりました。学校へは?」
 
「明日行くよ」
 
どうしても行かなければならない気がした。栞ともう一度会うために。
会って、何を話す?といわれれば分からないけれど。
というより、逃げたら駄目なような気がする。と唯は思うのだった。









     




















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