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【個人撮影】金貸しチンピラ二人組が美人妻を眠る子供の横でガチの輪姦レイプ中出し
今回も駄目だった。
今回は大丈夫だと思っていたのに。
自分で世界を壊してしまうとは思わなかった。
まさか、人間がここまで愚かしく、馬鹿であるとは思わなかった。
どんな言葉があろうと、私には流れで伝わってくるものがあるのだ。
大地の怒りは私の怒り、空の悲しみは私の悲しみ。
だからこそ、伝えたかったのだ。どんなに文明が発達しても、空の悲しみや大地の怒りには敵わないと。
『1』
『…………どうして私が生きている?』
私は自問自答した。
どうして、私が生きている?
あの時、確かにゴッド・セイバーを放ったはずだ。
普通は死んでいるはずだ。
私は確かに、化物だったけれど、これは異常すぎる。
「し、栞様……!」
横で声がしたと思って振り向いてみると、エルーノと翔子がいた。二人とも、天使の格好をしていて……私の眼を開けた姿を見るなり、エルーノが私に抱きついてきた。
よく見ると、私はアパートの3LDKのお兄ちゃんの部屋で寝ていたのだった。
今までのは夢だったのかしら?いいえ。そんなはずがない。それは私の痛みが物語っている。
全ては本当のことだ。
「うわ〜ん。栞様!もう眼を覚まさないかと思いました!」
そう言って泣いて来る彼女に鬱陶しいと思いつつも、私自身……どうしていいかわからず、困惑していると。
翔子が私の前にたって言う。
「栞様は一週間も眠っておられたのですよ」
『…………そうなんだ。それは悪いことをしたわね……麻生唯は?』
「それが…………一週間、学校には顔を出していません」
『…………そう』
「…………あの……栞様」
『何?』
「無礼を承知で失礼します!」
そう言って、私の頬がパァン!と鳴った。
しばらくして、痛みが伝わってきた。
翔子が私のほほを叩いたのだ。
「あなたはどうして一人で抱え込もうとするのですか?もっと、他の人を見てください!」
私は翔子が泣いているのに気が付いていた。
普段は泣かない翔子でもこんな風に泣くことがあるのだと始めて思った。
そして、それが自分の事だってことを……私は強く感じていたのだ。
『翔子…………』
エルーノが慌てふためく中、彼女の感情が爆発する。今までのことを堰を切ったように言う。
「私は……栞様のことが好きです。愛しています。そして、信じています。けれど、それ以上に恩を感じています。もしも、栞様が居なかったら、私たちは天使からも悪魔からも狙われていたかもしれません。主の亡き今……!栞様が居なくなったら、私たちは死んでしまうかもしれません。そのことに責任を感じてください!」
『…………うん』
「以上……!下僕の暴言と失言をお許しください……!」
『…………うん。ごめんなさい。今回は私が悪かったわ……』
今思えば、あの時……ゴッド・セイバーを撃たなかったら、私は麻生唯の下僕になっていたかもしれないのだ。
そして、私が死ぬと彼女達は絶対に悲しむか、自殺するかのどちらかなのだろう。
「本当に……心配したのですから」
そう言って、涙目になって私を抱きしめる。そして思った。この力は誰にも渡したくはないと。
『……うん。もう一度誓うわ。あなた達を抜きにしてもう、二度と戦わないって』
「……あの……栞様……いつだったかの答え。言います。もしも栞様が死んで、別の形に転生されても、必ず捜し出して……そして、お仕え致します」
『…………そう』
それは正解とは言えないけれど、彼女なりに出した答えだ。
『なら、私が転生されなくなったらどうするの?』
「そのときは栞様と一緒に死にます」
『……馬鹿ね。私と一緒に死ぬことはないのに』
でも、嬉しかった。私は一人じゃない。こうして、天使が二人もいるのだから。
「わ、私も栞様と一緒に死にます」
そのとき、エルーノが言って、私たちは笑い出した。
『フフフ……』
「ええ。そうね」
私がここにきて、初めて笑顔を出した瞬間だった。
『2』
『今の状況を教えてもらえるかしら?』
「はい。麻生唯は一週間、欠席しています。理由は風邪といっていますが、本当なのか調査したところ……一週間寝込んだままなのだそうです」
『ところで、私を助けてくれたのは誰なの?』
「エルーノです。本当に間一髪のところでした」
そう言うと、あのときの状況を説明してくれた。
あのとき、私がゴッド・セイバーを放った直後、彼女が私を受け止めて治癒。
そして、麻生唯が私の力を吸収したという。
『私の力を吸収した……ですって?』
「はい。おそらく、吸音だと思います。彼も必死だったのでしょう。あと一週間は目覚めないかと」
なるほど、彼が吸音材のような役割をしたから、ゴッド・セイバーも受け止められた。ということか。
つくづく厄介な能力ね。
『天界からの様子は?藍子から聞いていない?』
いくらなんでも、もうそろそろ重い腰を上げてもいいはずだ。
「……はい。藍子も見ていたはずです。しきりに栞様のことを気にしていたご様子でしたから。多分、そろそろ、天界も動き出すはずです……いずれにしても気をつけてください。栞様……堕天使の動きも活発になっています」
『なるほどね』
「あの……栞様?」
『何ですか?』
「いや……その……予定通りなんですよね?」
『まあ、ゴッド・セイバーを受け止められたのは予想外だったけれど』
「ということは本当に世界をぶっ壊すつもりだったのですか?」
『ええ。そうよ』
ただ、ゴッド・セイバーを放つとき、どこか手加減はしていたような気がする。でなければ、今ごろ私は宇宙の塵になってもおかしくないはずだ。
良くても墓の下に居てもおかしくない。
『大丈夫よ。二度とあんなことはしないわ。悪魔以外にはもう二度と使わないつもりよ』
「……そうですか」
『……まあ、あれだけ派手にかませば、その内……出てくるでしょうね。楽しみだわ』
「……私は怖いです」
『そうね。それが天使の感情だと思うわ』
「……はい」
『でも、あなたは私についてきてくれるのでしょう?』
「……勿論です。ご主人様から再び受けたこの命……一生付いていく所存に御座います」
『エルーノも……』
「はい。勿論です。私は栞様に受けた恩を返すためにここに居るのですから」
『ええ。そうね。じゃあ、私があなた達を愛してあげるわ。服を脱いでこちらに来なさい』
「はい!」
「ええ。よろしくお願いします」
二人が服を脱ぐと、私も服を脱いだ。
「あ。栞様も?」
『ええ。私も久しぶりに気持ちよくなりたいから。三人でトライアングルの形になって……互いの性器を舐めあいましょう……』
「はい……」
そう言うと、私はエルーノの性器をエルーノは翔子の性器を……そして、翔子は私の性器を舐め始めた。
『……あん。もう……翔子ったら……』
「栞様……ああっ!こら……エルーノ」
「……栞様が私の性器を舐めてくださって……ああん!」
『……翔子……何をしているの?早く私をイカせてみなさいよ』
「そ、そんなこと……言ったってぇ……」
私はエルーノの蜜壷に指を入れる。それはクチュクチュと淫靡な音を立てて、ヌルヌルしていた。
私は彼女の蜜壷から、ゆっくりと引き抜いて指先を舐めてみる。甘い蜜の味がした。
「ひゃあ!栞様……!そこは汚いですぅ!」
私たちは馬乗りになったり、されたりしていた。
そうやって、一通り舐め終わった後で、エルーノが先にイッた。
彼女達は人を征服する喜びを味わってもらいたくて、わざとこういうシチュエーションを取ったのだ。
私は彼女たちに言う。
『もうそろそろいいわね。あなた達……貝合わせは知っているかしら?』
「は、はい!」
『じゃあ、二人でやってみて』
「ええっ?翔子ちゃんと二人で……ですか?」
『そうよ。何か不満でも?』
「いいえ。その……栞様がしてくれるのではと……」
『私はあなた達の胸を揉んだりしてあげるわ……』
「は、はい……」
そう言うと、彼女達は二人で蜜壷を合わせる。
「…………ああ、気持ちいいですぅ。翔子ちゃん……」
「私もよ。エルーノ」
もはや彼女達は互いに快楽を求めるだけの存在になっていた。
二人が仲良くなっているのが何よりの証拠だ。
これも単に私の調教のおかげだろう。
彼女達は私の身体無しでは生きられない身体にすることによって、快楽だけを求めるようになり、互いが互いのことを思いやることによって、より良い団結感が生まれていた。
その兆候が見られたのは、私が怒ったときからだろう。
……また、別の天使が出てきたら、怒ってみようかしら?
そんなことをしなくても思考を操作すればいいだけなのだが、それだと、私自身が疲れてしまうし、何より、団結感がそれ以前の状態に戻ってしまうのだ。
私がやるのではなく、彼女たちが自発的に行動することこそが狙いだったのだ。
自分で考えることによって脳が活発に動き、私が居なくなっても自分たちで考えて行動することが一番の私の狙いだった。そのために私が居ない間など料理を作ってもらったりしてもらったのだ。
そして、翔子はエルーノに翔子と呼び捨てを強要した。これが一番の成果といえるだろう。
これは翔子が自分自身で考えて出した答えともいえる。
人間は無限の可能性がある。お兄ちゃんが最後に言った言葉がすでに試されようとしている。そのことに私は嬉々として喜んだ。
「ああん。気持ちいいぃぃ―――――!!」
「あ……あ……私……もうすぐでイキそう――――――っ!!」
『ええ。イッちゃいなさい』
「ああん!イクうううううぅぅぅぅ――――――!!」
翔子がイキ……そして、エルーノも。
「イッちゃうぅぅ――――――!!」
そう言って盛大に吹いた。
二人はぐったりと横になった。
さて、私も加わりますか。そう思い、二人の上に跨る。
まずはエルーノの胸を揉んでその胸を吸う。
もう片方の手でクリトリスに触れる。
「あん。し、栞様ぁ……」
彼女の顔は相変わらず潤んでおり、もっとして欲しいという顔が見えている。
「栞様……下半身の担当は私にお任せください」
翔子が起きて言うと、彼女のクリトリスに触れる。
私はクスッと少し笑みを浮かべながら、エルーノの下半身を翔子に任せて私は上半身担当の胸を吸う。彼女は嬌声を上げながら、身をよじる。
「ああんっ!二人とも気持ちがいいですぅ―――――!!」
そう言うと、またイキそうな顔をしている。
『いいわよ。イッちゃいなさい』
「ああ……はい。イキます。ああん!栞様……!大好きです!イクううううぅぅぅ―――――――!!」
そう言うと、彼女は潮を噴いてぐったりとしていた。
母乳も少しだけ出ている。
『さて、次は翔子の出番よ』
「はい……私もエルーノと同じように愛してください」
『ええ。勿論よ。エルーノ……起きなさい』
「ふぁい……」
『エルーノ……彼女の胸を揉んであげなさい。私は下半身を担当するわ』
「は、はい。翔子ちゃん。失礼します」
彼女は翔子に断りを入れると、さっき私がしたと同じように彼女に跨った。
そして、胸を揉んで吸い始める。
そのことに彼女が嬌声を上げる。
「あん……エルーノ……私のおっぱい……美味しい?」
「ん……ちゅう……ちゅぱ……はい。美味しいです。翔子ちゃんのおっぱい」
『私もここが美味しいわ。甘くてトロトロよ』
そう言うと、私は彼女のあそこを舐める。
しかし、舐めても舐めても切りがなく、でてくる。
私は思わず、貪り始める。
「はい……ありがとうございます。ああん!」
私が強く吸うと、彼女が見たこともない声を上げる。
「あ……あ……あ……あ……あ……ああん!」
『エルーノ……もういいわ。今度は私のあそこを舐めて』
「あ……はい」
『ああ……そこよ。ああ……うん。気持ちいいわ』
いつの間にか一直線になっていた。私は四つん這いになって彼女のあそこを舐める。
エルーノは仰向けになって私のあそこを舐める。
そして、翔子は快楽を貪り始めていた。
「ああっ!栞様ぁ――――――!!そんなことされたらイッちゃいます!」
『駄目よ。私がイクまで我慢しなさい』
「……そ、そんなぁ」
すると、今度はエルーノに頼み込む。
「エルーノ……お願い。栞様を速くイカせてあげて……」
「……はい。じゃあ、ちょっと強く吸いますね」
『ええ。いいわよ。ああっ!』
クリトリスの方を強く吸い上げられた。
あまりの気持ちのよさに身悶えしてしまう。
「……ジュルジュル……チュパ…………はぁ」
彼女が息を吹きかけただけで、私は嬌声を上げてしまう。
『ああっ!』
彼女は尚も私のあそこを吸い上げる。
もうそろそろでイキそうだ。
『もうすぐでイクわ!翔子も一緒に……』
「は、はい!」
『イクうううううぅぅぅぅ―――――――!!』
「私もイッちゃう!ああああぁぁぁぁ―――――」
彼女の愛液が私の顔にかかる。彼女が潮を噴いて、私の顔にかかったせいだ。
『……ああ……凄い量の愛液ね。私の顔がベトベトよ』
「あっ!ごめんなさい!」
『しょうがないわね。エルーノ……私にキスしてくれる?』
エルーノが私にキスを迫ってくる。私はそれを受け入れた。
「はい……ん……」
『…………ん……チュ……はぁ……もういいわ。今度は私の顔にかかっている翔子の愛液を舐めて拭き取って』
「えっ?」
『早くなさい……』
「はい……それでは失礼します」
『翔子は…………ん……エルーノの顔を舐めてあげなさい。私の愛液を取ってあげなさいね』
彼女の舌がくすぐったいと感じながらも翔子へ命令する。
「は、はい」
二人の顔がすぐ近くにある。二人とも頬は赤く染まっている。
その表情が……その笑顔がものすごく可愛い。
その行為はしばらく続いたのだった。
『3』
時刻は夜中。私は眠れずに起きていた。この時間なら、お姉ちゃんも帰ってこない。
お姉ちゃんは連日連夜休まずに働いている。
私の笑顔を取り戻すために必死になって働いているのだ。
しかし、私が考えていたことは全くの別のことだった。
それは……麻生唯のことだ。
私は今となっては麻生唯の考えが分からない。
こんなことは初めてだった。
私の能力が効かない。
それは鉄壁の防御があるわけでも攻撃に突出しているわけでもなかった。
単なる『音』という能力があるだけ。
私の『流れ』と同じように能力の応用が効く能力。
そして、私と似たような能力。しかし、決定的に違う能力の差がある。
私では、どうしても超えられない壁があるのだ。
そして、最後に放ったゴッド・セイバーを吸収した。
いくら、私の力を吸収しても、その負荷は耐えられないだろう。
それは当然のように感じた。
しかし、それでも彼女は世界を救ったといえるだろう。
私では絶対にできないことを彼はやったのだ。
違う。私が決定的に足りない部分を彼は補っているのだ。
『全く、ガーディアンは日ごろの鍛錬を怠っているのに対して、主がどこまでも強さに貪欲なのね。どんな関係かしら』
やはり、私もそろそろ覚悟を決めないといけないわけだ。もう一段階進むためにも。
悪魔も強くなり始めているから、丁度いい時期かもしれない。
「栞様……」
『エルーノ……』
彼女はパジャマの姿をしていた。
「何をなさっているのですか?」
『ちょっとね。考え事をしていたのよ』
「…………麻生唯のことですか?」
『当たりよ』
もう完全に敵対してしまったのだ隠すこともないだろう。
「…………栞様」
『何?』
そう言って彼女が私の手を握る。
「……もしも、悲しいときや辛いときがあって心が折れそうなときは私たちの事を思い出してください。そうすれば、私たちやあなたでも知らない力があるはずです。このことをどうか、忘れないでください」
『……そうね。忘れていたわ』
「えっ?」
『昔は私も弱かったのよ……人は思いによって強くなれるわ。そのことをすっかり忘れていたのね』
「…………」
『私…… 心のどこかでガーディアンに頼っていた部分があるの。みんながいるから、私は頑張れる。死んでも転生されても悔いは無いと。そう思っていたから、今まで戦っていたの。でも、そんなんだから、廃棄ナンバーになったのかもしれない。そう思ったから、私は強くなる決意をしたの』
「…………」
『強くなることは簡単だったわ。もう一人の私が教えてくれたから』
「その人は誰なんですか?アンサー?」
どうして、彼女がその名前を口にするのかは分からなかったけれど、私は否定した。
『いいえ。私に……能力の全てを教えてくれた恩人というところかしら?私もたびたび世話になっている人よ。その人がいたから、私は強くなれた……と言っても過言じゃないわね』
「えっ……?誰なのですか?」
『その人はコピーという能力を使うわ。だから、もう一人の私なのよ』
「こ、コピー?」
『そうよ。技も姿も何もかもが私と同じ……だから、私の事なんて全てお見通しなのよ』
「そ、そこまで?」
『……ところで、あなた……私に何か用があってきたんじゃないの?』
「あ。いえ。用と言うか……その……お願い事を言いに来たのですけれど、もういいです」
『何を言っているのよ。私に気を使っているんだったら……余計なおせっかいよ』
「あ……す、すみません」
『で?何のお願い事?』
「その前に聞きたいことがあるのですけれど、栞様は私が堕天使になったわけをご存知でしょうか?」
『そうね。確か、あなたは純粋すぎるから、堕天使になったのではなくて?』
「はい。堕天使になるのは人を殺すことです。これは天界でも禁忌とされています……」
『…………』
「私は人を殺すという大罪を犯してしまった。だから、堕天使になってしまったのです」
『で?願い事って?』
「…………はい。栞様にとある堕天使を元に戻してほしいのです」
また……少し、難しい注文をするわね。
まあ、できないことは無いけれど。
『…………どうやら、切羽詰った話のようね』
「はい。お願い…………致します……」
彼女の眼からは大粒の涙が見て取れる。
どうやら、相当の覚悟があったらしい。それとも、別の理由からか。
『一つだけ聞かせて。あなたが……今まで黙っていたのは私がその堕天使を下僕にするかもしれないから?』
「…………それもあります」
『別の理由もあるわけね』
「…………それは……今の段階では、栞様がやられてしまうかもしれないから」
『…………』
私が黙る。
「その人は私と同等の力だったのですけれど、堕天使の力を得てからは……栞様と同等かそれ以上の力を持っているかもしれないから……私のたった一人の友達でした」
『なるほど。その友達があなたを堕天使にした理由だったのね?』
「…………いいえ。直接は関係ないのですけれど……堕天使になったのは彼女の後ろにいる黒き影。黒幕がいるのです。そいつは奈落からやってきたのです」
『……大体は見えてきたわ。あなた達はその奈落からやってきたけれど、返り討ちにあったのね』
「概ね合っています。ですが、あの男は彼女を守護天使にして……一日で堕天使にしたんです……私も殺されかけて、その拍子に堕天使になったのです」
なるほど、彼女が泣くわけだ。こんな理不尽なこと許されるはずが無い。しかし、いくら頑張ってみても、彼女では勝てない。
だから、こうして私の下僕になった今は私にすがるしかないのだ。
「お願いです!!栞様っ!!彼女を……助けてあげてください」
『……一つだけ聞かせて。その男……名は『ランサー』というのでは?』
「栞様……っ!どうしてその名前を?」
私は大きくため息を吐いた。
現世になっても戦わなければならないのか。
そう思ったら、馬鹿馬鹿しくてため息が出てきた。
『もう一つだけ聞くわ。あなたが殺した相手は……あなたの恋人。もしくはあなたの大切な人なのね』
「…………はい。殺した相手は……私のかつての恋人です」
思い出すだけでも辛いのか、彼女は苦々しく口をはいた。
なるほど。ランサーの堕天使か。これは思ったよりも厳しいわね。
『分かったわ。明日、翔子とお姉ちゃんに言って……準備させて、明後日に行きましょう』
そういった瞬間、彼女がぱあっと明るくなった。
「あ、ありがとうございます」
……明日、一日でなんとかなるか。
『分かったら、あなたも寝なさい』
「はい。お休みなさい」
そう言うと、彼女は自室へ戻っていった。私も明日のために寝るのだった。
『4』
次の日。私は彼女たちを連れて山を登っていた。
足尾山というところだ。
かなり、上にまで登ったというのにまだ頂上まで辿り着けない。
それほど高いわけでもない。標高は富士山の半分くらいだから。
それでも辿り着けないわけはこの地形にあるのだろう。
道路も舗装されていないのでガタガタだし、石畳の道が連ねられているだけだ。
その道が永遠と続いている。そして、それは起伏も激しいので登ったり降りたりしないといけないわけなのだ。
どうして、そのような山を登っているのかというと、私が修行をしに言うから、一日家を空けるわ。というと、彼女たちが行きたいと言い出して、結局、三人で来る羽目になってしまったというわけだ。
「栞様……まだですか?」
『まだよ』
「それにしても、凄い起伏が激しいですね」
彼女たちも飛び疲れたらしい。
『もうそろそろ着くわ』
しばらく、歩くと私が言う。
「えっ?」
「うわ〜。凄い綺麗なところです」
そこは紅葉が生い茂り、川の水も綺麗なところだった。
『さてと。いるかしら?』
「えっ?いるって……」
私が行きついた先はとある古びた一軒家だった。
『久しぶりね。あの時と全然変わらないわ』
「栞様……ここは?」
『ここがもう一人の私がいるところよ』
「えっ?ええっ!?」
翔子がわけの分からない顔をしている。
当然か。もう一人の私は彼女たちの中では多重人格の私だと思っていたのだろう。
しかし、そんな中でエルーノが。
「ということはこの中にコピーの能力者がいるというわけですか?」
『まあ、そんなところね』
そう言って私がインターホンを押す。
すると、ドタドタと降りてくるのが聞こえた。
「どちら様ですか?」
『栞です』
「あら?栞ちゃん?」
『ええ。あの……実は……』
「ええ。分かっているわ。ちょっと待っててね」
『ええ。分かったわ』
しばらくして、彼女が出てきた。年齢は二十代前半だった。
やっぱり、変わってないわね。と思う。
「久しぶりじゃない……千三百年ぶりね」
本当に目の前の人は変わってない。
『ええ。お久しぶりです。恵様』
「まあ、積もる話もなんだから入りなさい。あの人ももうすぐで戻ってくると思うわ。翔子ちゃんやエルーノちゃんも……一緒にね」
「えっ?どうして、私たちの名前まで?」
彼女達はビックリして私と彼女を見た。
まあ、自己紹介もしていないのにいきなり、名前を言い当てたのだから、仕方がないわね。
「あら?説明してなかったの?」
『ええ。あなたも知っていると思うけれど……』
「ええ。そうね」
そう言うと、彼女が中に入ってと促した。
私たちは中に続いた。
中も以前見たときとは変わっていなかった。
『あら?中の内装も変わってないのね。ビックリしたわ』
「ええ。あの人がね。あなたが来ると思ったから、わざと残したのよ」
『それは逆に礼をいわなければならないわね』
「あの……栞様……」
『ああ。そうだったわね。彼女の名前は恵様よ』
「恵……様?」
「栞様が様をつけるほどの人ですか?」
『ええ。そうよ。彼女は長年この家に住んでいるのよ。そりゃあ、敬うってもんでしょう』
「長年って……大体、千三百年ぶりって……彼女は一体何者なんですか?」
『う〜ん。一言で言うと、精霊みたいな存在かな?もっと言うなら神霊』
「まあ、そうね。その表現が正しいわ。まあ、神様と同列の力を持つ人なんて……あの人しかいないけれどね。その点……私からしてみたらまだまだだわ……」
『ご謙遜を……私が前にここに訪れたとき、私を半殺しにしたじゃありませんか……』
「し、栞様を半殺し!?」
「あら?やだわ。そのことは忘れてと言っているでしょう?」
『いいえ。でも、そうね。私とエルーノ、そして翔子、麻生唯とガーディアンが共闘して戦ったとするわね』
「ええ。それで勝てると?」
『いいえ。三十分も持たないでしょうね』
「ええっ!?」
『あの人なら、10分も持たないでしょうね……』
「彼女は……私の半身だ。当然だろう」
「帷様(とばりさま)……」
そこに現れたのは一つの魂だった。赤く燃え上がっているだけの存在。
『久しぶりですね。帷様』
「よく来てくれたな。栞……歓迎するよ。それから……そこの天使二人も」
『…………また……あなたを頼ることになるわね』
「栞様……この人が?」
『ええ。そうよ。彼こそが現世の生神……』
「どうやら、その顔だと今度の主にだいぶ苦労しているようだな」
『ええ。そうよ。説明は?』
「不要だ。そこの天使の二人の能力ももらっていいのか?」
『構いやしないわよ。ねえ』
「ええ。それはいいですけれど、この人……本当にもう一人の栞様……なんですか?」
『ええ。そうよ。翔子……この人に触れて見なさい』
「ええっと。こう……ですか?」
翔子が炎の一部に触れると、光が発生する。
しばらくして、光がやむと、翔子が二人になった。
これがこの人の力なのだ。
「し、翔子ちゃんが二人!?」
「わ、私が二人?」
「これが私の能力よ。恵……すまないけれど、お茶を頼む」
「はい。分かりました」
『それで?私の要求はわかっているわね』
私が恵様から運ばれたお茶を飲むと、彼女に言う。
「ああ。分かっている。なるほど、昔のように戻りたくないのだな。だが、そのためには己自身の力を高めなくてはならない。だが、時間も無いようだな。だから、手っ取り早く強くなるためにここに来た……」
まるで、今理解したようなそぶりだ。
しかし、私は分かっている。彼女達は最初から、自分たちの家に招き入れることを知っていたのだ。
『そうよ』
「分かった。恵には彼女たちの面倒を見てもらう。それから、ランサーのほうも精霊たちに居所を探るように言っておいた」
なるほど、それで今朝はいなかったのね。
『対価は?』
「もうすでにもらっている。あなたが世界を救ったという事実が何度もあるしね。充分すぎるほどの対価だよ。後はそこにいる天使たちしだいだけれど?」
『そうね。あなた達……今よりももっと強くなる自信はある?』
「えっ?はい……それはもちろんです」
それは前にも言っていたことだった。
『大丈夫だってさ。彼女達は私よりも世界を知らないから、うんといじめてあげてね』
「まあ、構いやしないさ。ようやく、彼女にも加減を覚えさせたところだからね」
『そう…………なら……いいわ』
「でも、栞様、いくらなんでも、半日というのは……」
『そうだったわね。あなた達には説明して無かったけれど、ここは通常で感じる時間が違うのよ。向こうでは十二時間がここでは3年くらいも長いのよ。ほら、麻生唯や他のガーディアン、天使の気配も感じないでしょう』
「あっ!そういえば…………」
「まあ、究極の娯楽施設ってところだな」
「じゃあ、彼女たちは……まさか……!」
『ええ。千三百年とは言ったけれど。本当はずっと長い年月をここで守っていたのよ』
し、信じられないとでも言ったような顔になる。
「まあ、全ては廃棄ナンバーであるあなたのためだけれどね」
『そうね。さっさと修行を始めるわよ』
「ああ、そうだね」
そう言うと、私は外へと出て行った。
「始める前に言っておくことがあるわ。あなたが……この身体の子を好いている理由は分かるわ。でも、それは理由じゃないのよ。それは目的であって理由じゃない。あなた自身のためにこの子の身体が存在するようにこの子自身のためにあなたが存在しているのよ」
『…………はい』
「さて、始めるわ」
私は彼女の身体に触れた。
瞬間に光を発して、私と同じ人物が現れた。
……待っていて。私、強くなって帰るからね。
私がそう思うと、私自身に向かっていった。
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