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【個人撮影】金貸しチンピラ二人組が美人妻を眠る子供の横でガチの輪姦レイプ中出し
ブォン ブォン ブロロロロ・・・・オォン!
ココは首都から離れた山中の筈なのだが…けたたましいエンジン音が冬の冷たい風に乗って響いてくる。
そして、その音が響いてくる山頂の神社も迷惑をしていた。
「またですね。普通より耳が良いのは良い事ばかりではありませんね。」
そう言って眉を細めたのはこの境内を掃除している巫女である。
腰まで届く長髪が似合う美女で、その長い髪が巫女の衣装とよく合っており、神秘的な雰囲気を醸し出している。巫女装束は和服に近くゆったりしているが、その上からでもわかるくらいに胸が大きく張り出しており、大地母神に祈りを捧げていた太古のシャーマンを思わせる。だが美しいその姿にも、何処と無く儚げな面影があった。
巫女は手を止め、山々が連なる風景を見つめている。
「どうして、あんな危険な事をするのでしょうか…そうやっても得られることは何も無いというのに。」
その山が連なる風景には一部だけ人工物が見える。それはここら辺唯一の道路であった。
そこには赤い光が闇を裂くような速さで動いて行った。
たぶん、自動車か大型のバイクであろう。
このまま、この光景を見ていると人の頭が見え誰かが階段を上がってくるのが分かった。
「やっほー、お姉さま。」
「あら、いらっしゃい。」
それは、優しい面立ちの快活そうな少女であった。ボブカットの髪が活発そうな彼女には似合っている。身体はスマートで手足がきゅっと引き締まっているが、胸だけが傍目にもわかるくらい大きい。セーラー服は巨乳の所為でサイズが合わなかったらしく、ピチピチに胸で押し上げられている。
少女は嬉しそうに巫女の女性に声を掛ける。
それに女性もにこやかに返した。
「今日も音が鳴っていたけど大丈夫だった?」
「平気、へいき。あいつ等が走り回ってるのはもっと奥だし、この神社に近い道は走りにくいから大丈夫だって。」
どうやら、ここら辺一帯を走り屋もしくは暴走族が走り回ることが多くなったため女性は少女が何かに巻き込まれないか心配なようだ。
だが、少女が言うには神社近くにはめったに現れないらしい。
「…でも、もしもの事があったら。」
「大丈夫だって!ボクがそう簡単にやられやしないってっ。」
しかし、女性は気を病み顔を伏せてしまうが、少女が抱きしめ元気づける。
それに伴い、女性の顔は苦悩の表情から穏やかな顔つきへと変わっていった。
「あと、お姉さま…」
「なに?」
「今夜は泊るって言ってきたから…ね?」
「・・・もう///」
急に少女が尋ねそれに応じたが、その答えに女性は顔を赤くし照れていた。
そして、その間中…少女はその豊満な胸に頬を擦りつけていた。
こちらは陸良家、今日は休日であり新しく仲間になった優枝を含め全員家に居た。
その中で、優枝が空き缶を持ち唸っていた。
「むむむむむぅ……」
手の平に空き缶を置きじっと見つめる優枝、すると空き缶が震えたかと思うと一瞬で塵となってしまった。
「よっっっし、成功。次は…」
彼女は手の平の上の空き缶が消滅したのを確認すると、次は台所側のテーブルに置いてある複数の空き缶に目を付けた。
等間隔で並び、リビングに居る優枝にとっては離れた場所にある。
「よっ、と。」
優枝はそちらの方に向って手の平を向けると缶が一瞬、震え、
「…はっ。」
次に声を発した時、テーブルの上の缶は先ほど塵と成った缶と同じように消滅した。
「…やったぁ!ねぇねぇっ、一瞬で缶全部とそれだけを壊すの出来るようになったよ!」
優枝は声を上げて喜び、その様子を離れて見ていた雄喜達に伝える。
離れて見ていた彼らも嬉しそうであった。
「よく出来るようになったな。」
「ええ、最初のころと大違いですね。」
「ホントに、最初の頃は目的物以外は壊すわ、大きな音が出て耳鳴りが酷い事になったりで散々だったものね。」
「…昔の頃のこと言わないでよぅ。」
雄喜と愛美は素直に褒めたが亜里沙は今までの経緯を思い出し苦笑する。
それに優枝は頬を膨らませながら拗ね、その拗ねかたが子供みたいで雄喜と愛美は笑いをこらえていた。
「…ん、プっ。そ、それでどうだ?能力の掴み具合は。」
「…ユウさん、絶対笑ってるでしょ。」
「そ、ぷっ・・そんな事ないわよ。私も雄喜さんも。」
「メグさんまで…はぁ、もういいよ。んでね、『振動』の能力は良い感じに馴染んできたよ。」
優枝の能力、それは『振動』である。
『対象物』を『振動』するだけの能力であるが、使い方次第ではとても強い能力と変わる。
基本的な使い方は空気を振動させ目標に衝撃を与える事と、振動波を対象物質の固有振動数に同調させ、特定物質のみを破壊するソリタリーウェーブである。
先ほど、空き缶を塵にしたのはこのソリタリーウェーブだ。
そして、雄喜が優枝に付け加えたのはこの能力の補助である。
優枝はある振動波を発することにより、ソナーの要領で対象物の固有振動数を知ることが出来るようになっている。
実際に複数の空き缶を壊す前に発した振動波がそうだ。
理論上、彼女には壊せる固体は存在しない。
「でも、これ地味だよねぇ…メグさんやアーちゃんみたいな派手な事は出来ないからねぇ。」
「私の方が本当は地味よ。このグローブが無ければただ接近して相手の命を止める事くらいしかできないもの。」
「私のは、ほぼ目に見えないから派手かどうかは。」
優枝は自らの能力に華が無いと愚痴をたれるが、他の二人も同じような感じであった。
亜里沙は攻撃力が無く、唯一の殺傷技は心臓麻痺を起こす様なものだし、愛美は目に見えない力のため破壊は派手だが能力自体は無色透明で分からない。
三人は互いに見合いため息をついた。
このまま場の空気が重くなってしまう手前で、雄喜が話しかける。
「はいはい、それは置いといて。いい話と悪い話しがあるんだけど…どっちが良い?」
「はいは〜い!ここはもちろん良い話からっ」
彼が話すと優枝は急に切り替え陽気に発言する。
その切り替えの早さに他の二人は呆気に取られたまま話は進んで行った。
「そうか、じゃあちょっと待ってな。」
そう言うと雄喜は部屋から出ていき、暫くするとアタッシュケースを持ってこの部屋に戻ってきた。
「これが良い話し?」
「何が入ってるんでしょうか?」
「う〜ん、贈り物だけど物騒なもんだな。」
呆気に取られていた二人は復帰し、三人でマジマジと彼の持ってきたケースを見る。
そんな三人に彼は苦笑気味にその中身を言った。
そして、彼が三人に見える様にケースを開けると…
「綺麗…」
誰かがこう言った。
そこに入っていたのは大型のナイフであった。形状は大きめのコンバットナイフほどであろうか。柄にはそれぞれ『Θ』『Κ』『Ν』と刻まれている。
ココまでは普通の大きなナイフだがその刀身が際立っていた。
その銀色の刀身に映るのは見事な木目模様である。それぞれの木目がかすかに違う色をしておりそれが刀身を美しく際立てているのだ。
「それぞれナンバーズのコードが刻んであるのが自分のだ。これが良い話で贈り物って訳だ。少々物騒だがな。」
「でも、何故こんなものを?」
亜里沙は苦笑気味の雄喜に自らのナイフを手に取りながら尋ねた。
そのナイフが絶妙に手に馴染む事を確かめながら。
「ガーディアンの能力は基本的に遠距離で使用される。つまり、接近戦の手段が少ないわけだな。実際、正式ガーディアンで接近戦用を作るぐらいだからな。だから、最後の手段とか接近の際の護身用だと思ってくれればいい。まぁ、剛性も高くしなやかだし切れ味も抜群だから自分の戦法に加えてくれても何ら問題も無いがな。」
彼は話しながら皆が自分のナイフを持った事を確認すると鞘を出し始めた。
「それだけなんですか?」
愛美はわざわざ其々のナンバーコードを刻んだナイフを持ち出して贈った雄喜が、このナイフに込めた意味はそれだけではないと感じ尋ねる。
「ん、そうだな。仲間の…ロストナンバーズの証みたいなもんだと思ってくれ。」
「ふ〜ん。女性に贈る贈り物じゃないけど、私は綺麗だから気にいったよ。それで、悪い話ってのは?」
彼は頬を掻きながらナイフの事を語ると、優枝は自分のナイフの刀身に顔を映しながら微笑して答えた。
それで、次は悪い話というのに移る。
「…次のナンバーズが見つかったんだが、」
「「「だが?」」
雄喜は次のガーディアンが見つかったと言うが、その口調は芳しくない。
ナンバーズが見つかったというのは本来喜ばしい事の筈なので、三人が語尾を復唱ながら尋ねた。
「どうやら一筋縄ではいかない様だ。」
「どういう事ですか?」
一般人であるナンバーズ未覚醒者を覚醒するのは色々と問題が付きまとってくるが、それでも実行してきたはずだ。
この雄喜の発言に愛美は意図が掴めず聞くと、
「結構、前に会っているから住んでる場所や名前は分かる。だから最近調査しに行ったんだけどな。…結構な問題児と化していたんだ。」
「「「はぁ?」」」
彼の答えが斜めを飛び抜けどこへ行くか分からない発言に三人は疑問詞を浮かべるしかなかった。
「それでその娘はと言うと…」
ここは山間にあるとある学校。
しかし、レンガ造りの校舎とそこに付随する新しい建物が見事に調和し一目でただの学校では無い事を知らしめられる。
ここは、超が付くほどのお嬢様学校『白鳥学園』である。
ここに…雄喜の言った問題児が居る。
(…つまんねぇ。ここは本当につまんねぇよ。)
窓側の一番後ろの席に座り、授業中なのに外ばかり見てる女学生がその人である。
黄に近い茶髪を肩近くまで伸ばし、くっきりとした良い輪郭をもつ目は退屈そうに窓の外を見つめていた。
「…さん。蘇武さん。蘇武凜火さん!」
「あ、はい。」
「私の授業を聞かずに何を考えてらっしゃったんですか?」
「…久しぶりに晴れたのでいい天気だなと。」
「…蘇武さん。罰として黒板に書いてある問題を解きなさい。しかし、解らなかったら正直に聞くのですよ。いいですわね?」
「はい。」
その問題児の名は蘇武 凛火(Rinka Soubu)といった。
ちなみに話しかけていたのはこの授業の担当の教師である。ちなみに数学。
どうやら、ぼけっとしていた凜火を注意しに来たらしいが…あまりの反応の無さに少しキていたらしい。その証拠に顔はにこやかだが口元が引きつっていた。
凜火は当てられたあと、特に問題が無く解いていき席に戻った。
「…正解です。しかし、簡単な部分と言え途中式を抜かすのはあまり良くありませんよ?そこからのケアレスミスと言うのが結構多いのですから。では、次に行きましょう。次は…」
教師は凜火が解いた問題が正解であることを確認するとちょっとした注意点を言って次の問題に進んで行った。
そして、凜火は相変わらず外を眺め続けていたのである。
(何もねぇ。何も変わんねぇ。そして、相変わらずクソつまんねぇ。)
凜火は特に問題なく学校で過ごすとすぐに放課後になった。
彼女は特に部活や委員会などに所属しておらずそのまま家路についた。
校門を出て暫くすると、後ろから車が来てクラクションを鳴らしてその存在を示す。
「凜火お嬢様。御迎えにあがりました。」
「ご苦労さん。」
どうやら彼女の迎えらしい。彼女は後部座席のドアを開けると、とっとと入り腰を下ろす。
それを運転手が確認すると車を動かした。
運転手は黒服のサングラス、まさにSPである。
しかし、車は小型車であるクーペというアンバランスな物であった。
「お嬢様、ドアは開けて差し上げますし、だいたいこんな安物の車でわざわざ学園から離れたところで出迎えをしなくてもいいのでは?」
運転手はバックミラー越しに凜火に話しかける。
その凜火はだらしない恰好でそれに答えた。
「あたいはあまりこういう事が好きじゃねぇんだよ。何でもかんでもして貰ってガキじゃねえんだしよ。それにそっち側に最大の譲歩をしてんだぜ?ちったぁ歩くけど家の近くまで行けるバスも在るには在るんだしよ。」
彼女は足を組み、腕を広げて後部座席にもたれ掛かって喋った。
しかし、その言葉づかいは到底お嬢様と言えるものでは無い。まるで、不良娘を相手にしているようだ。
「お嬢様がそういうのをお嫌いになっているのは存じております。しかし、その御身の立場をもう少し知ってください。」
「わーってるけど、嫌いなもんは嫌いなんだよ。」
運転手は表情を曇らせながら言うが、凜火の態度はあまり良くは無い物であった。
でも、顔を横にそむけ「あんた達に迷惑を掛けてるのも分かってるよ」と、聞こえない様に小声で言ったのであった。
暫くすると彼女の家に着いた。
しかし、そこはまるで外国の豪邸を思わせるものである。広い庭に宮殿とまではいかないが部屋が沢山ありそうな大きな屋敷。
そう、ここが蘇武家である。
「ただいま。」
「あ、お帰りなさいませ。お嬢様。」
「なんか連絡ある?」
「ほとんどがダイレクトメールで特にありませんね。あっ、旦那様から一通あります。」
「親父の手紙か、またつまんねぇ内容だろうな。まぁ、サンキュ。」
「いえ、それでは…」
凜火は出迎えのメイドから連絡事項を受け取るととっとと自分の部屋に向かった。
彼女の部屋はこの屋敷で一番に当たりの良い所にあった。部屋に入ると制服を脱ぎ、ハンガーに掛けると一応、父親からの手紙を読み始めた。
そして、読み切ったあと無造作にゴミ箱へと捨てるのであった。
「はっ、何がもっとお嬢様らしく振る舞えだ。いつもこれだ。」
凜火はベットに仰向けになると居ない父親に向かって愚痴をたれた。
そして、不意に横を見るとある写真が目に入ってくる。それは、両親の写真だ。
「テメーらはいつも強要してばっかだ。親とも呼べねぇくせに。」
その写真には父と母、二人しか写っておらず凜火の姿は無い。それもそのはず、その写真は彼女が生まれる前に取られたものだからだ。
彼女の父は巨大な総合商社の副社長で母はその秘書、生まれこのかた片手で数えられるほどしかあった事は無い。しかも、物心ついたかなり後での事だ。
彼女と両親を繋げるモノは稀に来る手紙のみ。しかし、それも凜火と両親との溝を深めるモノにしかならなかった。
父親からの手紙の内容は、大よそが自分に対して行動を強制するもの。愛情の欠片すら、文の中に感じる事はできず、母からの手紙の場合、逆に母親としての立場や愛情を訴え過ぎている感じがして、逆に受け付けはしなかった。まるで彼女が凜火ではなく、ただの『母親の娘』として見られているような感じすのである。
凜火にとって家族とは両親でなくこの家のメイドやSPなどであった。父と母は顔のよく似た他人でしかない。
凜火はその後、適当に時間を潰し早めの夕食をとった。
そして日が暮れる頃、彼女は令嬢としての顔の他のもう一つの顔を覗かせる。
凜火はクローゼットの奥にしまい込んである白く大きな服を引っ張り出す。
彼女はだぼついた白のズボンを穿き、胸はそこしか隠れない小さなチューブトップを着て、その上から引っ張り出した白の服をはおる。
そして、髪を軽く掻き毟りボサボサに成ったところをヘアバンドで前髪だけを後ろにやり留めた。
白の服にはなにやら文字が書かれており、『烈火参上!』とか『武雷』とか『喧嘩上等!』とか筆みたいな書体でデカデカとある。
これは…いわゆる特攻服というものであった。
今の彼女の姿は髪がボサボサになっているが、色合いとその広がり具合で獅子のタテガミを思わせる。形の良い目は何かを見据え何かを狙うハンターの様だ。そして特攻服からのぞく彼女の肉体は引き締められた身体と筋肉が見える。それは肉食獣を思わせるしなやかな強靭なものであった。
彼女の雰囲気は憂鬱なお嬢様では無く、まるでヒョウみたいな野性的な魅力へと変わっていた。
彼女は窓から屋敷を抜け出すと、その裏口へと回った。そこで待っている者がいるのである。
「おう、凜。時間通りだな。」
「すみません。わざわざ総長が迎えに来てくれるなんて。」
「んなこと言うな、特攻隊長。おっし、ケツに乗っかれ!」
「うっす!」
同じように特攻服を着た女を凜火は総長と呼び、そのバイクの後ろに乗っかり彼女は行ってしまった。
彼女…凜火のもう一つの顔は女の暴走族、いわゆるレディースで、そのチームの名は『武雷』そして、『武雷特攻隊長‐烈火の凜』が彼女のもう一つの顔であった。
まぁ、無差別に喧嘩したり器物破損したり警官に喧嘩を売ったりはしないまだマトモ?と言える方ではあるチームではあるが…
「…とまぁ、こういう事だ。」
「「「・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・・・」」」
雄喜が調べ上げた未覚醒ナンバーズ凜火の事を話したが、聞いていた愛美たちは開いた口が閉じられない状態に成っていた。
それはそうだろう。彼の口から問題児とでたのでどれ程までと思っていたら予想を突き抜けたのだから。
昼はお嬢で夜は族…かなり濃ゆい人物でありそうだ。
「は、はは…なんかかなり大変そうな気が。」
「同意するわ。」
何とか気を持ち直した優枝は嫌な汗をかき口の端を引きつらせたまま笑い、亜里沙はこめかみに指を当てため息をつく。
「はぁ、ちゃんと向き合えるかしら。」
だが、母性の塊である愛美は別の事に気を取られていたみたいである。
そんな彼女を余所に雄喜の所に式紙が新たな悪魔の情報を持ってきた。
「…ふむ。皆、悩むのも考えるのも後だ。新しい悪魔の情報だ。」
彼がそう言うと、皆はそちらの方に向き次の指令を待つ。
雄喜はそんな彼女たちを見て口だけが笑ってこう言った。
「悪魔の情報が入ったから凜火の事は後回しだ。そして、今回は丁度良い慣らしに成りそうだ。」
ココはとある研究所、と言ってもある企業のビルの地下にある小さな所で『極秘』と名がつくが。
何時もなら物静かなこの場所が今は別の意味で静かになっていた。
「緊急事態!こちらは第2研究s…グハァ」
「暫く眠っていてくれよ?一応、命までは獲らないからさ。」
白衣を着た男がこの部屋の緊急事態を伝えるため壁の電話を取ったが、伝えきる前に後頭部に衝撃を受け気絶した。
その正体は、雄喜であった。手を手刀の形にしたまま崩れ落ちた白衣の男を見下ろしている。
彼はそのままぶら下がったままの受話器を取り話し出した。
「あー、そっちはどうだ?」
「大丈夫!警備室は完全に制圧、他の所も制圧出来たみたいだよ。」
そして、受話器の向こう側から帰ってきた声は此処の警備員では無く優枝の声が返ってきた。
そう、雄喜一行はこの極秘研究所を制圧しに来ていたのである。
彼は制圧がほぼ完了した事を聞くと、他の事項を確認し始める。
「死傷者などは?」
「こちらに損害なし。警備員、研究者は軽傷を負わせちゃったけど全員命に別状なし。あ、そういえば悪魔がいたからそれは瞬殺★だよ。」
「そうか、重要書類やそれらが在りそうな所は分かるか?」
「う〜ん?ちょっと待ってね。…あ、ここかな?ユウさんの所から近いね。その部屋出て右の行き止まりの部屋みたい。」
「分かった。そこで会おう。」
「了解〜♪」
優枝と雄喜はこのやり取りをしたあと通信を止め、指定した場所へと向かった。
彼はその場所へと向かう最中に通信機で他の二人にそこへ向かうように指示をだした。
そして、ものの数分でそこに全員が集まったのである。
「で、雄喜さん。これから何をするのですか?」
「この研究所の研究を破壊だな。書類はそっちで処分してくれ。俺はこれに掛かる。」
彼等が集まったのはココの室長室。そして、雄喜はその部屋のパソコンに向かった。
彼がパソコンに向かっている間、ナンバーズはどのように書類を処理するか話し合っていた。
その結果、優枝の力で全部塵にしてしまう事に決まった。
暫くすると、不意に亜里沙がある事を雄喜に聞いてきた。
「そういえば、何でここを襲ったの?悪魔が居たから余り気に留めてはいなかったけど。」
「あ、そう言えばそうだねぇ。」
亜里沙は雄喜の方が気になるのか彼の作業している机にもたれ掛かりながら話し、優枝は愛美の持ってくる書類を片っ端から塵に変えながら喋った。
「ああ、悪魔が作り出した麻薬を分析して新種の麻薬を作り出そうとしていたからな。それの抹消と今後、こういう研究施設を襲う事が多くなるからその予行練習ってところかな。」
「悪魔って自ら麻薬を作れるんじゃなかったのですか?それをわざわざ解析するなんて非効率じゃ。」
愛美は優枝の前に書類を落としながら彼の会話から不自然な部分について尋ねた。
たしかに悪魔は自ら麻薬を作れる種が存在し、わざわざ人間に作らせるなんて真似はしなくてもよいはずだ。それは非効率である。
「確かに非効率だな。でも、そうする意味はちゃんとあるんだよ。」
「どんな?」
「悪魔はその作る悪魔一種で一種類の麻薬しか作れない。そこで人間を使って様々な麻薬を作らせるんだ。悪魔の目的は『人間を堕落させる』事。もし、自分が倒されてもその麻薬を作るノウハウは残るからな、居なくなった後もそれは作り続けられるという訳だ。」
「確かにそれは厄介ですね。だからこうしてるんですね?」
「そうだ。でも、まぁ…こちらにも他の目的があるけどな。」
「他の?」
雄喜は素早い勢いでデータを解析し消去しながらその問いに答えて言った。
優枝と愛美は彼の答えになるほどと思って聞いていたが、その後の言葉にまた亜里沙が尋ねる。
「ぶっちゃけて言うと…こういうのを手中に収めればこれを作っていた大元を揺する事が出来るからな。ついでにガーディアンと悪魔の技術は渡す気は毛頭ないし。」
雄喜のその過激な答えに愛美と優枝は口元を引きつらせる事しかできなかったが、亜里沙だけは「さすがです。マスター」と感心していた。
そして、電子データをすべて消し終わった雄喜は室長の机の中身を物色していると新しい書類が出てきた。
「何でこんな所から書類が?もしかして今日の分のか。」
彼はその書類を見てみると表情が凍った。
「…何でこんなモンが研究室に置いてあんだよ。」
「どうしたんですか、マスター?」
急に表情が変わった雄喜を見て亜里沙は声のトーンを落としながら聞く。
彼は無表情のまま、この場に居る全員に聞こえる様に喋った。
「新しい仲間が危ない。」
「そ、それって!?」
「まさか!?」
二人は驚き一人は目を窄ませながらその答えを待った。
「ああ、そうだ。しかも時間が無いみたいだ。…愛美っ」
「あ、はい!」
「この室長室を消し飛ばしてすぐに行くぞ。」
「わかりました!」
雄喜がそう言うと愛美はすぐに返し、全員がこの部屋からでたあとココは黒い何かにのみ込まれ消えてしまった。
消えた部分は綺麗に丸く削り取られていた。その理由は、愛美が在る一点に引力を集中させ瞬間的にブラックホールを作り出し室長室を丸ごと飲み込んだからである。
そして、彼らはもうすでに起こっているかもしれない新たな仲間の危機を救うべく行ってしまった。
ちなみに、警備室は崩壊し、他の電子情報はコンピュータウィルスによって破壊され彼らの足跡は分からない様にしていった。
「ぐ…うぅ…」
「はぁ、ようやく大人しくなったか。」
「ぐ、ふぅ…放しやがれ。」
ここはどこかの倉庫の様だ。
ココに居るのは男四人・女二人の計六人グループと少女であった。
しかし、少女はグループに向かって牙を剥き暴れたが取り押さえられてしまった。
暴れていた少女を縛りあげたあと、男が蹴り飛ばし強制的に大人しくさせたが少女はそれでも戦意を失わずに牙を剥いていた。
「勇ましいこって、お前を大人しくさせるには連れて来たお友達をどうにかしないといけないかねぇ?凜火ちゃん。」
「…! 総長を離せ!」
「お前が大人しくしてれば何もしねーよ。けど、お前がどうなるかは知らないけどな。」
「ぐぅ…」
蹴り飛ばした男が凜火の髪を掴み、顔を上げさせて彼女に脅しを掛ける。
それを聞いた彼女は目を丸くし驚いたがすぐに相手を睨みつけた。
凜火の戦意は衰える事は無いが一緒に連れられてきた総長の事を切り出されると強くは抵抗できなかった。
「畜生…何がどうなってやがるんだ。」
凜火は今自らが置かれた状況を分からずにいた。
いつも通りに家を抜け出して、自分のチーム武雷に総長と一緒に行ったはずだ。
そこまではいつもと同じであった。
しかしその後、この目の前に居る訳も分からない奴らが銃器を持ってチームに襲いかかったのだ。最初は、何も持っていなさそうだからと油断しチームの数人が犠牲になった。死んではいないだろうがそれでも怪我をしたのは確かである。
そして、目当てである凜火を連れ出したついでに暴れる彼女の為の人質として総長までもが奴らに捕まったのである。
そして、今に至る。だが、凜火は今後の自らの不安よりも総長の安否の方が気になった。
今の彼女が在るのは全て総長の御蔭だ。家を抜け出して武雷の下っ端と喧嘩して、そしてそれを見た総長に入らないかと誘われて、チームの皆に認められ特攻隊長になったのも全て総長の御蔭である。
だから彼女は何とかしようと必死であった。まずは状況を把握しようと耳を澄ませていると奴らの会話が聞こえてきた。
「さて、先方は上手くいったのかね?」
「ああ、上手く潜り込めたし仕込みも済んだらしい。」
「そいつは何よりですね。」
「ああ、娘が手元に来る前に誘拐されたとなりゃな。」
「ふふ、あの副社長のスキャンダル間違いなし。」
「成功したら完璧。失敗してもさっさと逃げれば完了…どうなってもクライアントの思うつぼですわ。」
どうやら、丁度この企みの最終確認の様だ。
しかし、凜火にとって気になるキーワードが幾つも出てきた。
『潜り込めた』『娘』『手元』『副社長』『スキャンダル』
これ等から彼女は自分に関係するキーワードを結び付けていく。
『潜り込めた』は意味が分からないからパス。『娘』は今ここに居る自分のことだろう。総長も連れて来られたがそちらはオマケで狙いは自分の筈であるからこれで良いはず。『手元』は分からないが次のキーワードと繋がっていた。『副社長』は自分のクソ親父で先の『手元』はつい最近の手紙で近日に手元に置くと書いてあったからそれであろう。こうして見ると緻密に練られたっぽい身代金目当ての誘拐だが…真の目的は金では無い。
その理由は最後のキーワード『スキャンダル』。どうやら、内部か外部かは分からないがクソ親父が目の上の敵が仕組んだことらしい。つまり、真の目的はクソ親父の失脚を狙った犯行らしい。
そこまで行き着くと彼女は憤りを感じた。
(つまり、何だ?…クソ親父のせいで総長とあたいが捕まったって事か!?冗談じゃねぇっ)
今の状況の原因が自分にとって自称親のせいだと分かると怒りが今まで以上に込み上げてくる。
自分はどうなってもいいが総長の事は何とかしなくてはいけないと抵抗してみるが…動く事もままならなかった。
(畜生!ちくしょう!!チクショウ!!!)
すると、話し合っていたグループの一人がこちらの様子を見るために近づいてくる。
それを凜火は今まで以上の敵意をもった目で睨みつけた。
すると、近づいてきた一人はそれで何かを感じ取ったのか喋り出す。
「…もしかして、気づいたか?」
凜火は手負いの獣様に睨みつけたがそれが肯定を示していた。
「しょうがない。一段階繰り上げだ!」
「分かったわ。可哀想に気づくのが遅かったらもう少し生きていられたのに。」
近づいてきた男がめんどくさそうな顔をした後、声を張り上げこの犯行の段階を繰り上げる事を宣言した。
すると、憐みの目で女が近付いてきた。
そして、凜火の口を手で押さえつける。
「…!むぅ!!んん!?」
「ちょっと大人しくしてねぇ…」
凜火は押さえつけられた事に抗議の声を上げようとするが、押さえられているのでくぐもった声しか出ない。
しかも、何か嫌な感触までしてきた。
「!!?」
口の中にグミみたいな弾力のするものが押し入ってきたのである。それは喉の奥にまで入ってきて弄る様に動いているのだ。
凜火は嫌悪感と何かが喉に入っているので酸欠とで頭が可笑しくなりそうであった。
嫌悪と酸欠が頂点に達しようとした時、口から手を放されようやく声と酸素を取り戻せた。
「ぐ、がはぁ!ケホォ、ゲホ!…ハァ、ハァ、何しやがる!ババァ!!」
「うっせえ!クソガキが!!」
「?!!」
口を押さえられ変な事をされ怒りで頭を沸騰させた凜火だが、悪口の応酬に信じられない事を聞いた。
それは、自分の口を押さえた女の声が自分の声そっくりに成っていたからである。
「おー、相変わらずスゲーなその声帯模写。」
「はんっ、そうだろう。」
「だがな、性格や口調の真似は今しなくてもいいだろう?」
「あたいは声帯模写した後はその役者に成りきるって決めてんだ。少しでも慣れていた方がヘマはしないだろう。」
「ふぅ、私はオマケの方を見てくるわ…」
声を変えた女は本当に凜火が喋っているように言い、仲間はその豹変ぶりに引くか呆れるかのどっちかのようだ。
しまいには捕らえたもう一人の方を見に行く奴が出る始末であった。
そして、総長の様子を見に女一人が出ていきこの場に居るのが五人となった。
暫くすると、残ったメンバーの一人が凜火に銃を突きつけた。
「さて、この段階の仕上げだ。」
「悪く思うなよ。これには『自らの利益の為に娘を救えなかった哀れな副社長』を演じさせるためなんだからな。」
「…くそぅ。」
何の感慨も持たずに銃を突き付ける男、死にゆく凜火の為この犯行のネタをばらす男、そしてそれを見守る残りのメンバー。
凜火は、何もできない自分を情けなく思い愚痴と一筋の涙を漏らすしかできなかった。
だが、そんな彼女に…
キン!グアゴォーン!!
救いが来た。
「ふうぇ〜、よく切れるね。この刀。」
「ナイフと同じ素材で作った刀だからな。よく振動が伝導するだろ?…っと、ぎりぎり間に合ったみたいだな。」
音は倉庫の扉が切り裂かれ崩れた音、そして逆光のため分からないが声からすると男と女の様だ。
「ちぃ!」
姿を確認すると犯行グループはそれぞれの銃器を取り出し一斉に撃った。
だが、男女は横に跳び込む事でそれを避ける。
「人質の確保!」
「アイアイサー!」
指示を出したのは黒ずくめの男、雄喜。それを受けたのは活発そうな少女、優枝であった。
優枝は倉庫内の障害物を使い大きく回って移動したが、雄喜はそのまま犯行グループに突っ込んで行った。
「こなくそー!!」
真っ直ぐに突っ込んでくる雄喜にグループは脅威を感じたのか全員が彼に向って撃ち込む。
だが、掠りはするが直撃はしなかった。
そのまま撃ち続けていると弾切れの者が出て、当たらないと見ると一人また一人と彼に接近戦を挑んでいった。
ついには残っているグループの男全員が雄喜に襲いかかった。
「…すげぇ。」
凜火は我が目を疑う。四人同時に襲われているのに雄喜はあらゆる攻撃をいなし、挑発を続けているそれはまるで舞い踊るかのような見事なものであった。
「ホントに凄いよねぇ。」
「ああ、マジでな…って、うお!?」
「あ、驚いた?」
「驚くに決まってんだろ!」
凜火が雄喜に目を奪われた間に優枝が彼女に急接近したために返答と同時に驚きの声を上げた。
そんな、彼女に悪戯が成功した子供の様な笑みで優枝は応じる。
「まぁまぁ、縛ってるモン解いてあげるね。リッちゃん。」
「リッちゃんって誰の事だ?」
「凜火ちゃんだからリッちゃん。」
「何であたいの名前を…それでお前は誰だ?あの黒ずくめは誰なんだ?」
「はいはい、後で分かるから今は逃げる事が優先。」
凜火はいきなり変なあだ名を付けられニコニコしている優枝に苛立つが、彼女が言っている事は一応正しいので大人しくした。
その様子を避けながら見ていた雄喜はそれを見届けた後、反撃に移る!
目の前に居た男を蹴り飛ばすと同時に後ろに居た男も言うなれば空中逆回し蹴りでノックアウトする。蹴り飛ばした後、降り立つ前に三人目が殴りかかってくるが相手の頭を持ち、跳び箱の伸身中返りの様に後ろに回った瞬間、相手の背中を両足で蹴り穿った。最後の男は雄喜の超絶絶技に動きが止まり、彼が地面に手を付く瞬間に地面を突き飛ばして跳んだドロップキックが見事鳩尾に入り悶絶しながら倒れた。
「さて、残りはアンタか?悪魔。」
「きええええぇぇええ!!!」
残ったのはあの凜火の声を真似た女だったが、雄喜に奇声を上げながら姿を変えながら襲いかかってきたのである。
腕は翼に変わり、足は膝から下が鳥類の様になった。そう、女は悪魔であったのだ。
「だが…」
悪魔と雄喜とが交差する!
「もう終わった。」
悪魔と雄喜とがすれ違い、入れ替わった時にもう既に事は終わっていた。
悪魔は縦に唐竹割されて塵へと帰った。
「ふぅ。終わった…」
雄喜が一息つき、凜火が彼に駆け寄ろうとした時に新しい声が響く。
「凜火!」
「総長!」
それは別の所に捕われていた総長であった。
凜火は総長の所に駆け出し、二人は抱き合って互いの無事を喜んだ。
「総長っ、無事だったんだな!」
「意外と危なかったけどな。あの人が助けてくれたんだ。」
総長は自分の後ろに立っている胸の大きな女性に向かって指を指す。
言わずと知れた愛美であった。
実は総長も危ない所であったのだ。いわゆる目撃者を消すという場面に陥りダメかと思った瞬間、愛美が地面に向けた引力で犯人を気絶する程度に押しつぶし彼女を救出したのであった。
その同時刻…
「ふふ、一服盛れたし、スキャンダルのネタに成りそうな書類も入手できた。あとは向こうが上手くやっているかどうかね。」
「ええ、でも…必ず失敗するわ。」
「誰だ!」
人気のない道を歩いていた女性は独り言をしながら今後の事を考えていると、誰もいない虚空からその返答がきた。
女性は隠し持っていた銃を構える。どうやら、あの犯行グループの『潜り込んだ』の人物らしい。
「出てきなさい!」
そう女性が言うと目の前の暗闇から、灰色の髪をした女が出てきた。
その女は不敵に笑っている。
「…あんたは何者?答えないと撃つわ。」
「へぇ、撃てる?」
女性は女の挑発に乗りトリガーに指を掛けた!
「なら、望みどおり!」
「ココにコレが在るって言うのに?」
女の手には自らの銃が収まっており、自分の手の中がもぬけの殻に成っていた。
「え…?な、何で!?」
「誘拐の連絡の前に一服盛ってハッキリしない頭でその連絡を受ける。咄嗟の事に頭が回らずどんな相手でもミスを誘発させ、やっとの思いで救出したら人質は死亡。それと同時にスキャンダルを振りまいて社会的信用を愕然と下げさせる。…汚い手ね。」
「ど、どうしてそれを…」
いつの間にか無くなった銃と自分達の計画を暴露させる女性。
そのせいで恐慌状態に陥った。この女は普通じゃない!この女は危険だ!と。
「く!」
「あら、どこに行こうというのかしら?」
「あ、あぁ…」
女性は恐怖で足が震える。逃げようとした矢先に目の前の女が消え、自らの背後に回っているのだから。
恐怖で心が割かれそうになった瞬間…
「眠って頂戴ね。」
彼女は気を失った。
「さて……もしもし、亜里沙です。ええ、こっちは完了しました。あ、そちらもですか?はい、はい…分かりましたマスター。では、犯人は適当に縛って転がしときますね。」
女の正体は時すらも止める事の出来るナンバーズ・亜里沙であった。
彼女は別行動をしている犯行グループの一人を捕まえるために雄喜たちとは別行動をしていたのであった。
「さて、私も帰るとしましょう。…この書類どうしようかしら?」
そう言って彼女は姿を消した。
それから数日たった。
雄喜宅ではいつも通りの日常が流れている。
まぁ、その中に能力の特訓があったりとか悪魔討伐をしたりとかも含まれているが…
しかし、数日前から変わった事があった。
「なぁ、雄喜さん…あたいの特訓に付き合ってくれねぇか?」
「ん、ああ良いけど?でも、急だな。」
「ん、あぁ…力にも慣れてきたしあたいってどれだけ強いか確かめてぇんだ。」
「わかった。なら、あそこの公園が良いかな?広いし、今の時間だと人影もないしね。」
「ん、わーったよ。」
相も変わらずリビングのソファーでくつろいでいる雄喜に話しかけたのは凜火である。
なぜ、彼女が居るかと言うとガーディアンとして覚醒したのもそうだが、家から勘当状態にされココに居ついたというのも在る。
あの事件とあとやはり凜火の両親に伝わったが、その返答は心配では無く憤慨であった。
どうやら、彼女が暴走族だったのが原因らしい。
父親は今回の事件の原因は凜火にほとんど在るとして怒りまくり、母親は抱きついて安否を喜んだがどうしても自分を安心させようとしているみたいであった。
そして、父親は娘を勘当しようとしたが世間の目が在るため屋敷に閉じ込めようとした。
だが、雄喜による脅しと技術提供によるほぼ脅迫に近い交渉で彼女は此処に居る。
名目は凜火の社会勉強のための居候だが、実際は厄介払いであった。
さて、二人は先ほどの会話の通りある公園に来ていた。
この公園はアパート地帯のすぐそばに立地しており、駅や小学校幼稚園などの施設がアパート越しの対角に存在するため特に朝から昼の間に掛けては人影が無いのである。
そして、この公園は一種の自然公園と成っておりそこそこ広いのと森もあるため雄喜とナンバーズ達は部屋の中でできない特訓をよくしに来るのである。
「なぁ、始める前に言っとく事がある。」
「ん、何だい?」
凜火と雄喜はこの公園に着き、一番広い広場で行うようだ。
しかし、凜火が雄喜に向って真摯な顔で話し始まる。
「あたいを助けてくれた事、ナンバーズに覚醒してくれた事、その他全部を感謝している。けどな、あたいは確かめたいんだ。見るだけじゃなくて実際にあんたの強さを!」
凜火はそう言うと上に羽織っていたフード付きのパーカーを脱ぎ捨てる。
ちなみに彼女の服装は先ほど脱ぎ捨てたパーカーとチューブトップ、カットハーフジーンズである。そして、髪型はあのボサボサのライオンヘアーである。
「百件は一見にしかず…あたいはあそこ(武雷)で本当の強さはやり合ってみねーと分からないってのを知った。だから…」
「だから、俺と戦いたいという訳か?」
凜火はボクサーの様に構えて話し続け、雄喜は半身をずらし何時でもやり合える態勢を作り聞き続ける。
「ああ!だからあたいはっ…」
凜火は全部言い終わる前に掛かってきた。どこかその先の言葉を自分の内へ押し込むようにして。
雄喜はそんな彼女を正眼に見据えどんな攻撃も捌く心構えをする。
「はあ!せい!とうりゃあ!!」
凜火はパンチとキックを程よく混ぜ込みさせながら攻撃をしてくる。
彼女の戦法の基は武雷に居た時に培った喧嘩殺方と映画などであるエセ武術である。が、ナンバーズになった時に付随される身体能力の向上と彼女自身のセンスによってそれは恐ろしいモノに変わっている。
されに付け足すのであれば、彼女のナンバーズとしての追加点はさらなる身体能力の向上であるため、他の正・非正規ガーディアンの倍近く上がっている。
並みの悪魔では能力を使わずに仕留められるほどに…
「中々の踏み込みと速度だけど、まだ粗いな。でも、そこはしょうがないか。」
(ちぃっ、何なんだよ!?この手応えの無さは!しかも、確りとあと土産を残していきやがる…!)
そんな攻撃を雄喜は正面から受けるので無く、受け流す事でこの力を凌いでいた。しかも、流す直後に確実に凜火に一発あたえて。
その力は並みのガーディアンなら痣が出来る程度なのだが、身体能力が並みはずれている凜火は素の防御力も高く、強い一撃を当てられていると感じないだろう。
しかし、彼女はそれもいつでも仕留められるというメッセージにしか感じない。
そして、両者とも後ろに跳びはね距離をとった。
「ん、どうした。まだまだだろ?」
「ああ、あんたにはやっぱり通じねぇ…だから使うぜ!」
雄喜は不敵な笑みで凜火を見るが、彼女も盛大に笑い高々とガーディアンの力を使う事を宣言した。
凜火は駆けだすと、右手の平からロングソードが生え、左手の平からは小さめのトマホークが生えてきた。
これこそが彼女の能力『武具』である。能力は見たとおり名前のとおりである。凜火はありとあらゆる武器を作り出す事が出来るのだ。この能力のコンペティションタイプである正規ガーディアン『剣』と違って、剣はもちろん斧、槍など基本的な物からブーメランやこん棒など一風変わったモノを作り出す事ができ、銃やミサイルなどの兵器まで作り出す事が出来る。すなわち凜火は古今東西あらゆる武器を作り出す事が可能なのである。限度としては彼女が無意識化で武器・兵器として扱う物までである。ちなみに何故『剣』の方が正規採用となったかは聞かないでほしい。しょうもなく悲しい理由だから…
凜火はロングソードの間合いに雄喜が入ったら横殴りで切りつける。だが、彼はバックステップで後ろに避けるとすぐさま視界にトマホークが迫ってくる。
避ける事を予見して凜火がソードを横切りした後すぐさま投げつけたのである。
雄喜は己のエネルギーで防護した手でトマホークを跳ねのけ、上へと飛びあがる。
凜火が飛び道具を生成する前に上から押さえつけようとしたが、彼の思索ははずれた。
矢か又はまた斧が飛んで来ると思いきや、飛んできたのは…
「ぶ、文銅!?」
「しかも鎖付きだぜ!」
鎖付き文銅であった。遠距離にはちょうど良いし、ぶつかって絡まれば相手を引き寄せる事も出来るという中々の手だ。
しかも、相手が跳んで空中に居れば命中しやすくなる。…普通の場合だが。
「うぇっ!?弾かれた!」
雄喜はトマホークを弾いたように文銅も弾いた。だが、普通に弾いては巻き取られてしまう。それゆえに文銅が飛んでくる真正面から弾く。
凜火はこのままだと距離を詰められると知ってかすぐ鎖を放棄しさらに後ろへ跳び下がる。
そして、雄喜が着陸する瞬間を狙って鎌と巨大な風魔手裏剣、各二つずつを投擲する。
着地した瞬間、鎌が二本雄喜に襲いかかってくるが、彼は手を防護していたエネルギーをより合わせ棒状にする。すると、いつもの赤い光の剣がそこに握られていた。
赤い光は彼自身のエネルギーであったのだ。
鎌は切り落とされ、風魔手裏剣はその間を潜り抜け真っ直ぐ凜火へ向かう。
凜火は両手の平から剣を射出するかの様に高速で生やすが、雄喜は彼女から見たら内側から弾き、その反動で凜火は腕が外側に弾かれてしまう。
このまま、決着がつくと思った瞬間!凜火は何と、腹から大剣を生やしたのだ!!
切っ先は雄喜にしっかりと向かっており、この奇策は成功するかと思ったが、彼女はミスをした、刃の方向が縦では無く横向きで生成してしまった事だ。
凜火はニヤリと笑い、やった!と思った。
しかし、雄喜は剣の腹に手を付き、まるで跳び箱の様に飛ぶとそのまま後ろへ行き凜火が振り向く間もなく首筋に衝撃を受け、気を失った。
「んぅん、どう…なったんだっけ?」
「お、目が覚めたか?」
「!?」
凜火は横になっている事と硬い何かの上で寝ていた事は分かった。
だが、頭の下が硬いような柔らかいようなモノは何か分からなかったがすぐに気づく事になる。
雄喜の顔が横向きですぐ近くに映ったからだ。
つまり、凜火は雄喜に膝枕されてベンチに寝かされていたのだ。
「(近い近い近い!)近いって!」
「あ、すまん。」
雄喜の顔があまりにも近くて叫ぶように言う凜火。その顔は真っ赤であった。
言われてさすがに近すぎたと思った彼は一言謝って顔を上げた。
それで凜火はようやく一息つけたのであった。
暫くは、そのままの体勢であったが彼女はため息をついて話し始める。
「…はぁ、やっぱ強ーな雄喜さんは。」
「まぁね。伊達に長くは生きてないし、どこに行っても闘争はあったからね。」
凜火の愚痴にも似た称賛に彼はどこか遠くを見て話した。
彼女は始めてみるその顔にどこかドキッとするが、誤魔化す様に急いで彼の隣に座りなおした。
「さ、最後の奇襲は良かったと思ったんだけどなー!」
「?…ああ、ちょっと焦ったな。普通ならあそこで仕留められてたな。」
「へへ、でもそうじゃ無かった。流石だぜ。」
凜火はつっかえて話しだし、雄喜がそれを褒め、凜火は失敗した事も嬉しそうだった。
それを見ていた雄喜はある事を思い出し彼女に訊いた。
「そう言えば、あのとき言いかけたのは何だったんだ?」
「あ?あぁ…あ、あれはな…」
しかし、凜火は耳まで赤くし言い辛そうであった。
言葉もどこかしどろもどろでいつもの活発な彼女っぽくなかった。
「言いにくいんだったら聞かないけど。」
「いやっ、大丈夫だから聞いてくれ!」
「あ、あぁ。」
雄喜はそんな彼女に遠慮しようとしたが逆に凄い剣幕で止める。
それに頷くしかなかった。
「あ、あの言葉に続くのな…『惚れた男がどこまで強いか確かめたい』…だ。」
「…へ?」
「だから、あたいはアンタに惚れたんだよ!アンタの強さに憧れたと思った時には既に好きになっちまってたんだよ!!ちなみに好きはlikeじゃなくてloveの方だからな!!アンタみたいになりたかったんだよ!!」
雄喜は予想しなかった言葉で固まってしまったが、凜火は今までのが決壊したのか早まくりでガンガン喋り、喋り切ったら肩で息をしていた。
今度はどこか気まずい沈黙が流れる…
「あ、ありがとな。…でも、俺みたいになったら駄目だ。」
「何でだよ?」
雄喜は好意を寄せてくれる事に礼を言うと同時に忠告を言った。
凜火はそれに怪訝な表情を見せる。
「俺の強さは大事な事もくだらない事も全部ひっくるめて、憶え切れないほどずっと闘って、戦って、壊して、殺して、殺しまくって出来た強さだから。」
雄喜は遠い目をしながらその理由を語った。
凜火はその言葉はどれ程のモノを含んでいるのか分からなかった。でも、とてつもなく深い事だけは気づいた。
そして、雄喜は「だから…」と続けてある刀を出した。
その刀はナンバーズに渡されているナイフと同じ材質の様だ。しかし、刃がミネに付いている逆刃刀であった。
「この刀の様に強くなって欲しい。」
「…逆刃刀?漫画だけのしろもんじゃなかったのか。でなんでこれを?」
「あぁ、俺たちは場合によって人間を相手にしなくちゃならないからな。手加減しにくい凜火にって思ってな。」
「たしかに自分の持っている非殺傷武器だけじゃ心もとないからなぁ。で、何でこれなんだよ?」
雄喜の出した逆刃刀を物珍しそうに見て茶々入れながら聞く凜火であったが、その答えを聞いて納得するとようやく本題に入った。
雄喜は微笑しながら会話を続ける。
「強い刀ってどんなんだと思う?」
「へ?そりゃ、何でも斬れて堅くて丈夫なのだろ。」
突然の問いに凜火は呆気に取られるが、雄喜はその答えを聞いて刀を彼女に渡しながら話を続ける。
「切れ味ってのもそうだけど、堅いだけじゃすぐに折れちまうんだ。だから、堅く、しなやかで鋭いってのが本当に強い刀って事なんだ。」
「う〜ん…分かるような、分かんねような?」
「今は分からなくていいから、頭の片隅に覚えとく様でいいよ。」
「ん、そうする。」
彼の禅問答の様な話に凜火は分かりかねるが後の言葉に従い今は覚えとけばいいか位にしとく様だ。
そして、彼女は逆刃刀を吸収するかのように自分の体内にしまう。
ちなみに彼女の能力は、『基』の武器を吸収しておかなくては使えない。そして、今の彼女が『基』として吸収した武器は雄喜が秘匿していた港の倉庫一個分以上である。
凜火が体内に逆刃刀をしまい込んだのを確認すると立ち上がって一緒に帰ろうとしたが、片手を彼女に掴まれてしまう。
「なに?」
彼は掴んでいる彼女に聞くととんでもない事が返ってきた。
「やっぱり自分が抑えられねえ…あたいを抱いてくれ!今すぐ!!」
「え!?」
「でも、ここじゃさすがにヤバぇよな。…たしか森の中にベンチとかがある所があったな。そこなら誰も来ねぇな。」
「いや、さすがに外では止めないか?」
「家に帰ったらあいつ等が居るし、ラブホは此処から遠いだろ?それに思い立ったら吉日だ!」
「む、無茶苦茶だねぇ…」
「と、とにかく来てくれよ!」
凜火は自分がどれだけ大胆な事をしているかを自覚しているのか顔が赤いを通り越して耳まで完全に真っ赤であった。
彼はそんな彼女に引っ張られるかのように一緒に森の中へと行くのであった。
暫くすると、ベンチが在り机が在って屋根が在る。いわゆる森の中の休憩所という所に着いた。
周りには樹しかなく、広場や道からこちらを見ても見えないだろう。
しかもここは公園内の森の奥なので滅多な事では人は来ないという、まさに青姦にうってつけという所であった。
「ベンチは狭いな。でも、地べたってのもな…机の上にするか。」
凜火はこの場を見渡し、するのにちょうど良い場所を探す。
そして、机の上に仰向けになった。
その様子はまさにまな板の上の鯛、据え膳と言ったところだ。
「…本当にするの?」
「ばっ、あっ当たり前だろ!何でこんなことしてると思ってんだ!!」
流石の雄喜も外で情事を行うのは気が引けるのか半信半疑で聞くと、凜火は相変わらず真っ赤な顔で声を上げる。
すると、彼は諦めたのかゆっくりと彼女に近づき机に手を付いて覗き込むように見た。
「後悔しないね?」
「するわけないだろっ、は、早くしてくれ…恥ずかしくて死にそうだ。」
雄喜は最後通達をすると凜火はそれを肯定した。
しかし、極度の緊張なのか薄っすらと涙が浮かんでいる。
彼はこぼれそうになった涙をキスで拭い、続けて彼女の唇にバードキスをする。
凜火は驚いて何もできないままなすがままに成っていた。
雄喜はそのまま下に下がり首筋にキスをした後、凜火のチューブトップを下へと下げた。
彼女は下へ脱がされた時に身を竦ませるがそれ以外は何の抵抗はしなかった。
どうやら、全部雄喜に任す気でいるようだ。
下げられたチューブトップの下から出てきたのは美しい乳房であった。
胸筋が鍛えられてるのか仰向けの筈の胸は横に流れる事なく、確りと形を保ち上に向かって自己主張をしている。
大きさは並みだが、ハリ、ツヤ、形は極上で美しかった。
「うんぅ…ん!はぁ!」
雄喜はその乳房に触れると凜火は普段から考えられない可愛い声を上げる。
彼は手に馴染ませる様に触れていくと彼女の嬌声がだんだんと上がっていく。
「んん…!あ、あたいの胸じゃないみたいっ、きゃっ、摘むなぁ…」
雄喜は十分に凜火の胸を堪能すると腹に手を伸ばす。
胸で感度が少し上がっていた彼女はくすぐったい様な気持ちい様な妙な今まで感じたことの無い感覚に戸惑いながら艶声をあげる。
そして、彼は鍛えられ薄っすらと腹筋の筋が見えるお腹を舐めはじめた。
きれいに割れた、でも男のそれのようにごつごつはしていない、 不思議で複雑な曲線をなぞる様に念入りに舐め弄っていった。
「う!はっぁ…そ、そんなところ舐めるな。く、くすぐったい ひゃ!」
凜火が弱弱しく声を上げるが、雄喜はそんな事をお構いなしになめ続ける。
「そ、それに…こんな筋肉女を弄っても楽しくないだろ。」
彼女はつい自分で言ってしまった事に自己嫌悪するが雄喜は舐める事を止め、彼女に告げる。
「そんな事ない。」
「だ、だってよぉ…腕も腹も筋肉が張ってる女なんて可愛くないだろ?」
「そんな事ないよ。昔より可愛く、いや…ずっと綺麗になった。」
「え、昔…?」
雄喜は凜火の言葉を否定し、優しく答える。
彼の目は確かに欲情し、彼女の美しく鍛え上げられた肉体…野生の魅力に魅かれていた。
しかし、凜火は彼の言葉の一言に気を取られていた。その言葉は、『昔』
「む、昔に会った事があるのか!?」
「忘れちゃったかな?たぶん凜火が初めて社交パーティーに出た時だと思う。」
凜火は驚いて聞いてみると雄喜からはそんな答えが返ってきた。
そして、その時が一瞬の間に思い出した。
『壁際で何やってるのかな?御嬢ちゃん。』
『別に何も…来たくないのに来て暇してるだけ。で、オジサンは?』
『この会場の馬鹿どもを相手するの嫌で避難してきた。』
『ふ〜ん、じゃ、何で来たの?』
『タダ飯食いに。』
『あっそう。』
『しかし、不機嫌なのは分かるけど、笑った方が君は可愛いと思うよ。』
『…変人ってよく言われない?』
『そうだね。』
初めて連れられて来た社交パーティー、だが、集まる奴らは全員自分の利権を得るための腹の探り合いばかりであった。
あたいの存在もそれの為の手札にしか過ぎなかった。そこが嫌であまり人がいない壁際に居たら来た一人の男。
よく分からない奴だったけど、不快に感じず…いや、何故か好感さえ持てた。
その記憶を凜火は思い出したのだ。
「あの時のオヤジは雄喜さんだったのか?」
「そう、だから断言できるよ。今の凜火は可愛いしとても美人だって。」
凜火は記憶の人物と目の前の思い人が同じという事と、その惚れ気に頭が沸騰寸前であった。
それもそうだろう。まさか昔に会っていた事も驚きなのにいまこうして情事を重ねているのだから。
「凜火、そういえば言ってなかったね。好きだよ。」
「あ、あたいも!?ぉぉおおぉっおおお!???」
凜火は雄喜に好きと言われたとたん今までの快感が今まで以上に、いや…急激に加速していく感じがした。
まるで自分が快楽の激流に飲まれるかのような錯覚を覚える。
「なぁ!?なひぃ!?くるっ、なんかきぃふぇる!!!」
「主にだけに許された言霊。でも、心から思わないと通じない『愛の言霊』だ。」
雄喜は今、凜火に起こっている事を説明するが彼女はそれどころでは無かった。
始めて感じる言霊の快感に流されるだけであった。
「あ、アソコが熱いのぉ…切ないのぉ!」
凜火は今まで触られていない女陰に刺激を求める。雄喜は彼女の懇願の為にジーンズとパンツを同時に下ろした。
凜火の女陰は恐ろしいほどに潤っており、パンツはすでにグシャグシャ、ジーンズも股の部分が大きな染みが出来そうなくらいであった。
彼は一応、彼女が初めてであった為ソフトに女陰を舐めはじめるが…
「だめぇ…それじゃ駄目なのぉ!もっと、強くしてぇー!!」
凜火はそれじゃ物足りないらしくもっと強くするように懇願した。
雄喜はそれに答えるべく一気に舐め上げ、彼女の股を広げ、両太腿を持ち、しゃぶり、貪りついた!
「そう!イイっ、イイの!!もっと舐めてっ、もっと穿って、もっと吸ッてぇええええ!!」
凜火は軽くイきながら叫びを上げた。そして、大量の潮が女陰を弄っていた雄喜に掛かる。
彼はそこで女陰を弄るのを止め、軽く肩で息をしている彼女に次のステップへの指示を出す。
「凜火、机に手を付いて尻をこっちに向けるんだ。」
凜火はその指示を聞いてその通りにしようとするが、軽くイって思いのほか力が出ないのか机に上半身をうつ伏せてしまった。
しかし、下半身は机から垂れる様に雄喜に向けていたのでこれからする事に対してはあまり支障は無かった。
雄喜は入れるの一言を掛けると、一気に凜火の女穴の奥まで男根をぶち込んだ!
凜火はあまりの異物感と圧迫感、そして刺激にまた軽くイってしまった。
雄喜の方は、処女の締め付けだけでは無く、鍛えられた肉体故の収縮に歯を食いしばった。
なんとか果てずにすんだ彼はゆっくりと動かしていったが…
「強く。もっと強く。もっと、もっと、もっと!もっと!激しく!あたいを貫いて!!」
凜火の声がするたびにピッチを上げ最後にはそこには快感を助長する技も無く、相手を思いやる心も無く、ただ…お互いにお互いを犯し合う獣の交尾があった。
「はぁっ、がはぅっ!ふぅっ、イイ!ハッハッハッ!はうぅ!!」
「ぐぅ!うぅ!!はぁはぁはぁはぁ!」
しかし、そんなセックスは長続きする物でも無く、すぐに限界が訪れた。
「射精すぞ!このまま射精すぞ!お前の奥にぶちまける!!」
「射精して!このまま射精して!あたいの奥にぶちまけて!!」
二人は互いに限界を近い事を叫び。
「〜〜〜〜〜〜!!」
「――〜〜―――!!」
叫びにならない声を上げ同時に達した。
雄喜の男根から出る精液は行き場が無くなるほど凜火の膣内を埋め尽くし。
凜火に女陰は雄喜の精液を一滴も逃さないように吸い続けた。
二人は肩で息をし、雄喜は抜かないまま凜火に覆いかぶさる。
「…からな。」
「?」
雄喜は覆いかぶさったままの状態で凜火が何か呟いているのを聞いた。
「あたいはちゃんと初めてだったんだからな!」
「え!?ちょっと落ち着いて。」
「なんか痛く無かったし!血も出てない様な気がするけどっ、ちゃんと初めてだったんだからな!!」
「はいはい、分かってるって。言霊の快感で分からなかっただけかも知れないし、幼少の頃から激しい運動してると処女膜が擦り減ったり破れたりする事が在るみたいだから。」
凜火はどうやら本当に初めてだったのに痛みも何も無く性交が出来て、非処女だと思われたくないらしい。
雄喜はそんな彼女をなだめながらその可能性を説いていった。
「…そういや、ガキの頃よくアクション映画の真似事したりSPの皆の訓練に面白半分でついて言った事もあったな。」
「それじゃないか?」
雄喜になだめられ彼の示唆した事を考えると何か思い当る事があったようだ。
そうして、落ち着いてくると凜火は覆いかぶさっている雄喜の体とまだ膣内に在る男根に意識が向いた。
そして、凜火は緩々と腰を動かし始める。
「なぁ、もう一回しないか?…すごく良かった。」
「…それじゃ、する?」
「そう言ってんだろ?ばか///」
その後、この場に獣の様な嬌声が響き渡ったそうだ。
全てが終わったのは日が傾いてきたような気がしてからであった。
いくら人が来ない場所と言っても長時間そこでヤっていて誰も来ず、ばれなかったのはある意味奇跡であろう。
凜火は家に着くとすぐさま風呂へと入った。
近所とはいえアソコからは雄喜の精液がダラダラ垂れ、パンツもジーンズもグチャグチャで気持ち悪かったからである。
「はぁ、洗って改めて思ったけど…凄く沢山射精されたんだなぁ。」
凜火は体を洗い、あふれ出る精液を流し湯船につかると今日の情事を思い耽っていた。
彼女の肌はお湯のせいでは無く羞恥によって赤くなっていき、顔の半分まで湯につかる。
(初めてなのにあんなに激しく動物の様にやって、しかも青姦…)
どうやら事が終ってその反動が羞恥としてきている様だ。
そうしていると、浴場の扉から声を掛けられた。
「凜火ちゃん、一緒に入っていいからしら?」
「あ、う!?うんっ!?」
「じゃ、入るわね?」
(そうじゃなくってーーーー!?)
別の事で頭が一杯になっている凜火に声を掛けたのは愛美であった。
今、彼女的に会い辛い人物に声を掛けられてちょっと混乱し曖昧な返事を返してしまったが、それが肯定の合図だと相手がそう思ってしまったみたいである。
「良いお湯ね〜。」
「う、うん…」
今の凜火の状態は湯船に愛美と一緒に入っているのはいい、雄喜の家の湯船は多少広く大人二人が入っても大丈夫なくらいだ。
だが、何故か愛美は凜火の後ろに座っておりまるで母親が子供を抱きすくむ様な恰好なのである。
こういうのに縁が無かった凜火は恐縮しており落ち着いて入っているとは言い難かった。
暫く愛美の話に何となく相槌を打っていた凜火であったが、何とか自分の言いたい言い辛い事を話せた。
「なぁ、愛美さん…怒ってないのか?」
「何の事?」
「あたいが雄喜さんを抱いたって事。」
「あぁ、それ?皆余り気にしてないわよ。」
「でも、雄喜さんは愛美さんの旦那みたいなもんだろ?」
凜火は恐る恐る聞いていく、彼女は新参者である自分が己の感情を制する事が出来ず情事に至った事を気にしていた。
暴走族というのは何だかんだで規律が厳しかったりするし、一応お嬢様であるからそこら辺の教育はしっかりされているのだ。
また、不義とかそういうのは凜火は嫌いであった。
「そうね。雄喜さんは私にとって旦那様みたいな人だわ。でも…」
そう言って愛美は凜火を抱き寄せた。
自分よりも背が高い彼女を抱きしめるのはどこか違和感があるがそれでも優しく言葉を続けていく。
「私にとって女の子達はみんな仲間であったり、娘であったり、恋のライバルでもあるの。だから、ちょっとの嫉妬と独占欲はあるけど気にはしてないわ。」
「…いいのかよ。それで?」
「雄喜さんって一夫多妻の経験があるから気にはしてないし、皆平等に愛してるのよねぇ。」
愛美はどこか困ったような口調でそう言うと凜火をギュっと抱きしめる。
「だ・か・ら、私達に夢中にさせて他の女に目をくれない様にしようって決めたの♪」
「ははっ、なんか良いなソレ。」
「でしょ?」
愛美の茶目っ気のある宣言に凜火が笑い彼女も笑った。
凜火は抱き寄せている愛美の腕に手を当てこう言った。
「なぁ、さっき娘って言ったよな?」
「ええ、そうよ。」
「じゃあさ。いつか『母さん』って呼んでいいか?」
「…いいわよ。私の可愛い『娘』の凜火。」
どこかで親への愛に飢えていた凜火は愛美に母への愛情を感じそれに縋った。
そして、それに愛美は答えたのだった。
「でも、抜けがけしたから今夜のセックスは禁止ね♪」
「ええ!マジかよ…って、雄喜さんは大丈夫なのか?」
愛美のお仕置きについ声を上げた凜火であったが、今日はもうたくさん出した雄喜にそれは辛いんじゃと思ったが、
「あぁ、雄喜さんね…今いる私含めて三人を一晩中抱いてもずっと勃てている超絶倫なの。」
「…マジ?」
愛美の『雄喜超絶倫超人』にある意味引いたが、まぁ彼ならあり得るだろうと納得してしまった。
そして、なんだか可笑しくなり二人で笑いあった。
凜火はようやくここの仲間、家族になったと心のどこかで思えた。
追記、その後、残りのメンバーにキッチリと絞られた雄喜であったが朝には愛美達は全員腰を抜かし、そこにはやり切った男の顔をする雄喜とその男根が勃っていた…
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