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【個人撮影】金貸しチンピラ二人組が美人妻を眠る子供の横でガチの輪姦レイプ中出し
恋というものは人によって違う。十人居れば十通りの、百人居れば百通りの恋がある。それは二千年を駆け抜けてきた戦乙女達でも同じこと。
「じゃんじゃじゃーん、これなーんだ?」
唯の言葉に、女性陣が一斉に彼を向く。見ると少年は、何か重そうな物が入ったビニール袋を掲げている。ビニール越しに箱と、それに書かれた文字がうっすらと見て取れる。
週末の夕食前。ガーディアン達は例の如く何をするでも無しに、リビングでのんびり寛いでいた。深夜になれば唯へとアプローチをかけるのが恒例になっているが、まだ夕方なのでそれには早い。
「あれ、それってあの『残月』じゃないですか?」
「そうそう。稲田の叔父さんがコネがあるっていうから、何本か買ってきて貰ったんだ」
円の驚きの声に、唯は満足そうに頷く。彼はビニール袋から縦長のパッケージを幾つか出して、テーブルの上に置いていく。パッケージの表面には銘酒残月と、墨で書かれたような字が印刷されていた。
「へえ、凄いわね。これってめったに手に入らないはずよね」
「そうそう。お酒好きな人も居るだろうからって買ってきたんだよ」
興味津々の百合に、唯は嬉しそうな顔を見せる。百合に限らず、リビングに居た女性の何人かがパッケージを手に取ったりした。
「この中でお酒飲む人って、どれくらい居るの?」
「それは……」
「全員だね」
由佳の言葉を早苗が繋ぐ。唯が見回すと、全員が確かに頷いている。
「麗も飲むの?」
「あのね、二千年も生きてるんだから、お酒ぐらい飲むわよ。水使いなんだから、二日酔いとかも無いし」
「そうか……うーん、確かにそうだよね」
バカにしたような目つきをする麗に、唯は苦笑を返す。外見とは違い、彼女も二千年以上の時間を生きているのだ。酒くらいは嗜むだろう。
「よし、酒盛りするか、久しぶりに。一応、ストックはあるしな」
「オッケー、飲もう飲もう。最近、エッチでストレス解消できてたから、全然飲んでなかったしねー」
エリザヴェータの提案に応えて、ミシェルが両手を合わせて同意する。他の者達も異論は無いようで、すぐさま各自が台所に向かい、思い思いの酒を持って戻ってくる。各種の瓶がずらりとテーブルの上に並び、更には全員分のつまみが揃う。
「唯様はどうします? お酒を飲まなくても、おつまみでも……」
「あ、僕はいいよ。全員で楽しんで」
芽衣の質問に、唯は両手を胸の前で軽く振る。ソファに陣取るガーディアン達とは逆に、彼はキッチンカウンターの前へと座り、ゲーム関連の雑誌を読み始めた。それを見て、邪魔してはいけないと思ったのか、ガーディアン達は全員リビングのテーブルへと顔を向ける。
様々な酒がコップやグラス、お猪口に注がれ、あっという間に酒宴の用意が出来た。準備の仕方も随分と慣れたものなので、よっぽど飲兵衛が揃っているものと見える。
「それではカンパーイ」
「乾杯!」
由佳が音頭を取り、陽気に全員が杯を掲げる。ガーディアン達にとって、新世紀が始まって以来、初めての宴会が開かれた。
「芽衣はワインか。相変わらず好きね」
「ふふっ、そうね」
「随分と高そうな銘柄だな」
「うん、フランスからわざわざ取り寄せたの」
百合と雛菊に向かって芽衣は艶然と微笑む。その顔はほんのりと赤く、早くも酔い始めたようだ。ワイングラスを手の内で小さな円を描くように動かしているその姿は、敏腕女社長というステータスに相応しかった。
「ねえねえ、芽衣。芽衣は唯君のこと、どう思う?」
「唐突ね。どうしたのよ、突然?」
早苗の言葉に、芽衣は不可解そうに彼女を見る。
「いや、他の人がどう考えているか気になるじゃない。折角のお酒の席だし、今日は皆の本音が聞きたくてさ」
「……そうね、いいかも。じゃあ折角ご指名があったことだし、私からいかせて貰おうかしら」
チーズの乗ったクラッカーを一口食べてから、芽衣が口を開く。
「唯様は私の本当の意味での主様かしらねー。心の底から忠誠を誓えて、尽くせるような」
「ああ、それは納得できる。私の中での主は唯殿とあともう一人しか居ない」
芽衣の言葉にエリザヴェータがうんうんと頷く。
「魂の芯から心酔できる魅力が唯様にはあるわ」
「魅力? 具体的には?」
「こう言っては何だけど、性的魅力ね」
詳細を求める円の質問に、芽衣は恍惚としながら答える。
「あの声で囁かれるだけで、全身が震えるような快感がはしるわ。最近は言葉が無くても、唯様の手に触って頂けるだけでゾクゾクしちゃう」
「ようは唯様のエッチのテクニックにぞっこんってこと?」
「もちろん、それだけじゃないわ。優しくて、強くて、逞しくて、可憐で、美形で、頭が良くて、可愛くて、それで純粋な方だから」
「ははは、要はベタ惚れってことなんだね」
芽衣が並べたてた賞賛を、ノロケと受け取った円はもう何も言えない。他のガーディアン達も、思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「でも、少しだけ不満があるわね」
「不満?」
意外そうに静香が芽衣を見やる。いつも笑顔で唯に接している芽衣に、不満があるとはとても思えない。
「唯様はとっても優しい方だけど……その……もっと、私を支配して欲しいわ」
「し、支配?」
何人かが芽衣の言っている事が理解できず、異口同音に聞き返す。
「私のことなんか考えず、好きにして貰ってもいいのに。色々と私に対して気を使って貰えるのはとっても嬉しいのだけど、もっと無理に我侭を通して、自由に私を使って欲しいわ」
「そ、それってどういうこと?」
芽衣の言動に妖しいところを見出したのか、ミシェルの額に冷や汗が垂れる。
「私は従者なんだから、好きに命令して欲しいの。もっと奴隷のように扱って欲しい……犬でも構わないわ。好きなときに犯して、好きなように命令して欲しい」
酒に酔って、とんでもないことを口走る芽衣に、全員とも声が出ない。
「ま、マゾね」
「元々サディスティックなところがあるから、反動が来たわね。ほら、マゾとサドは表裏一体だって言うし」
百合と由佳がコソコソと囁きあう。長い付き合いがあるので、芽衣の性格は知り尽くしている。ここ数百年、彼女が一般人に対等に接したことは殆ど無いのだ。常に高圧的で、無能な相手には容赦というものがない。それだからこそ、真の主と認める唯には、逆にとことん甘いのだろう。
「はぁ……唯様。芽衣のこと、もっと支配して下さい」
酒に酔ったのか、自分の言葉に酔ったのか、芽衣は熱い吐息を吐く。彼女はグラスを傾け、ワインをぐっと飲み干した。
「次は誰がいい?」
「私は楓の意見が聞きたいな」
早苗の言葉に、待っていたとばかりに雛菊がすぐに反応する。全員の視線が楓へと向かう。
「何が聞きたいの?」
ビールの缶を猛烈なペースで空けている楓が、首を傾げる。既に五缶もビールを飲み干したというのに、彼女は顔色一つ変えていない。
「唯についてどう思っているのよ?」
「愛してるわ」
「もっと具体的に聞きたいわね」
あっさりと一言で済ませてしまう楓に、京が更に詳細を尋ねる。
「心の底から愛している。唯様のためなら命が惜しくない。唯様が良ければ命が果てるそのときまで傍にいて、未来永劫に唯様を愛し続けたいわ」
楓の強烈な意見に、誰も何も言えない。楓が唯にベタ惚れなのは周知の事実だが、まさかここまで彼を想っていたとは、誰も想像していなかた。
「み、未来永劫って……もしかして……」
「ええ。多分唯様が死んだら、もう二度と他の主にはつかないし、恋愛もしないわ」
恐る恐る尋ねる静香に楓はきっぱりと答える。未来永劫というものがもつ響きを、二千年以上を生きて知っているガーディアン達は戦慄した。
「そ、そんなに坊やのことが好きなの?」
「ええ、そうよ。唯様が望むなら、今すぐ自分の心臓でも抉り出せるわ」
百合の質問にも、楓はきっぱりと答える。その表情は真剣そのもので、酒に酔って言っているのか、それとも違うのか区別し難い。
「あなた達は違うの?」
「そ、それはその……」
よもや唯がいきなり死んでくれとは言わないだろうが、万が一そんなことを言われても楓以外のガーディアン達は命までは捧げられない。だが、楓の覚悟には迷いが全く無かった。
「でも……」
「でも?」
珍しく言いよどむ楓に、ミシェルは先を促すように聞き返す。
「……私は唯様を愛している。これからもずっと。でも、唯様は私を愛し続けてくれるのか、わからない」
「疑っているの?」
「私はかわいげの無い女だわ。それは自分自身が一番良く知っている。唯様が飽きてしまうのが心配……」
楓の持つビールグラスが細かく震えている。表情には出さなくても、楓が唯に捨てられることを心底恐れているのが、誰の目には明らかだった。
「大丈夫だ……唯殿は楓を見捨てるようなことはしない」
エリザヴェータが力強く楓を励ます。彼女の真剣な表情には、強い確信がある。
「唯様は優しいけど……私には……」
「あの方が一度受け入れた者を捨てることなど絶対有り得ない。それは楓、おまえ自身もわかっているはずだ。おまえが信じなくてどうする?」
「……そうね」
エリザヴェータの心のこもった言葉に、楓は軽く頷く。無表情なその顔に涙が一筋流れて、雫がビールグラスの中へとポトリと落ちた。だがそれを見ても誰も何も言わなかった。
「しっかし、アンタ達って本当に真面目ね」
「どういう意味よ?」
ラム酒を瓶ごとグビグビ飲んでいる麗に、京が聞き返す。小学生が酒瓶に口をつけて飲む姿は機から見れば不安になる光景だ。しかし、彼女の血中アルコール濃度は一定の数値を保っている。水を操る麗だからこそ、出来る芸当だろう。
「唯のこと、そんなに真剣に考えちゃってさ。いいじゃない、あいつが主で私達は従者ってだけで」
「ラッパ飲みするの止めなさいよ」
「うるさいわね。これが海人の飲み方なのよ」
「まあ、確かにそんな風に割り切った方が安全に思えるかもしれないわね」
麗の一言に、一抹の真実を見て京が微かに頷く。
ガーディアン達は唯に惚れていて幸せなのだが、その反面で強い不安も抱いていた。今回の転生においては悪魔達の戦いが激しく、例外的に主が幾度も危険に晒されている。とことん惚れている側としては、唯が傷つく度に胸が張り裂けそうになる。確かに単なる主従関係の方が、冷静に対処できるに違いない。
「そういう麗はどうなのよ?」
「わ、私は……別に……唯なんて只の主だと思ってるわよ」
由佳の言葉に、麗は僅かにトーンを落として答える。
「そ、そりゃ、エッチだって気持ちいいし、性格にも不満は無いし……でも、そこまで好きってわけじゃないわよ」
「本当に? じゃあ、どんな人が麗の好みなのよ?」
「え、こ、好み?」
ミシェルに質問で返されて、麗は視線を宙にさ迷わせながら必死に考える。
「え、えっと……せ、背格好は少し低くて痩せていて、頭が良くて、性格は優しいけどビシッときめるとこはきめて、リーダーシップと包容力があって、それで顔が良くて……」
「それって誰かに当てはまらない?」
「………」
円の一言で麗が沈黙する。円を含めてガーディアン達は、面白そうにニヤニヤと麗を見ている。楓でさえも、目が僅かに笑っているくらいだ。
「う、うるさいわね! べ、別に唯のことなんてどうでもいいのよ!」
ラム酒の瓶に口をつけると、麗はそれを逆さにして一気に胃へ流し込む。やけくそになった仲間のむちゃな行動に、ガーディアン達は呆れたように彼女を見るしかなかった。
「ミシェルはどうなの? 意外に本音を話さないから、興味あるわね」
「私?」
百合に話を振られて、ミシェルが自分を指差す。各種のサワーを飲みまわしていた彼女は、手に持っていたカルピスサワーを机に置いた。
「そうね。唯様のことは好き……ううん、もう正直に愛しているって言ってもいいわね」
「そうかー、ミシェルも唯君にベタ惚れなの?」
「えへへ、まあね」
早苗のからかうような言葉に、ミシェルは幼い子供が見せるような笑顔を浮かべる。
「それって、やっぱりエッチのテクニックが凄いから?」
「うん、それもあるわよ、正直に言って。最初のエッチがやっぱり衝撃的でさ、その後もずっと天国に連れて行かれているわけじゃない。もう女として惚れるなって方が無理よ」
早苗に向かって、ミシェルはあけすけに笑って見せる。
「おまえはそればっかりだな」
「そうだね……そればっかりかな……」
ため息をつく雛菊に対し、ミシェルの出した声のトーンが急に下がった。不審に思って雛菊がミシェルを見ると、彼女は俯いて白いサワーが入ったグラスを眺めている。
「私はセックス好きだから、本当に今まで一杯、色々な主に抱かれてきたわよ。それでもって性欲旺盛な主だったら、逆に私が相手を壊しちゃうくらいだったし。だけど、唯様は私にとっては特別な相手なのよ」
「それはわかるわ」
心から同意して相槌を打つ芽衣に対し、ミシェルは首を横に振る。
「でも唯様には私の気持ちが伝わってるのかしら? 私は唯様とのセックスが好きだから抱かれているのじゃなくて、唯様が好きだから抱かれているって。セックスだけじゃなくて、唯様の優しさとか凛々しさとかも私は好きなの。唯様を主として心の底から尊敬してるわ」
カルピスサワーを飲み干すと、白桃ジュースに酒を混ぜてミシェルは新しいサワーを造り始める。
「絶対にすることが無いって思ってた少女みたいな純粋な恋、唯様は私にそれをくれた。だけど唯様は私がこういう想いなのを気付いてくれているのかしら?」
「……ミシェル」
雛菊が初めて聞く友人の想いに、切ない顔で彼女を見る。薄く笑みを浮かべて淡々と語るミシェルに、何と声をかけていいか誰もわからない。
「私は淫乱だわ。これは誰も知ってること……だけど、ちゃんとした恋心と愛する心がある。唯様にはいつか気付いて欲しい……伝えられないけど、それが私の願い」
「伝えればいいじゃないか!」
思わず声を荒げた雛菊だったが、ミシェルは悲しい笑みを浮かべるだけだ。
「無理よ。ずっと仮面をかぶって人を誘惑して動かしてきたから、今更素に戻れっていうのは難しいわ。せいぜい私の明るい部分を見せるだけで精一杯だわ」
ふっと軽く息を吐いて、一気にサワーが入ったグラスをミシェルはあおる。仲間が持つ思っていた以上の苦悩に、誰も声をかけられなかった。
「本音を言わないっていうと、百合も似たようなものよね」
「私?」
インドビールを飲んでいる百合が、麗の言葉に首を傾げる。他の人間が飲んでいるビールは日本産だが、百合だけが輸入してきた物を飲んでいるようだ。酒のつまみもヨーグルトとカレーを混ぜたものだ。
「いつも本音で私は話してるわよ」
「そうかな? 百合って、唯君の前では弱みを見せないからさ」
早苗がにっこりと微笑むと、百合は困ったような表情を見せる。
「それは当たり前じゃない。年上の私が、ボウヤに弱みを見せられるわけないでしょ」
「でも、年の差ってここにいる全員に当てはまるじゃない。麗だって唯様より年上なわけだし」
ミシェルの指摘に、何人かが頷く。ガーディアン達は誰もが既に二千年以上生きている。百合に限った話ではない。
「そういうことじゃなくて、外見的に年上なのだから態度も年相応にしないとおかしいじゃない」
「そうかな? 芽衣だって京だって、唯君から年は離れて見えるけど、ベタベタともう甘えまくってるよ。」
「私だってボウヤには甘えてるわよ。でも、年上なのだから、基本的にはこっちが甘えさせてあげなくてはダメなのよ」
円の指摘を百合はあっさりと跳ね除けた。ちなみに円に例えとして使われた芽衣と京は、酔って赤くなっている顔がますます赤くなっている。
「やっぱり外見通りに振舞わないと、周りだって、ボウヤだって違和感があるわけじゃない」
「顔の使い分けが出来ていればいいんじゃないかしら?」
「そうもいかないわ。多分、ボウヤだって、こんなオバさんが若い子みたいに甘えたら嫌がると思うわ。ボウヤが好きな大人の色気が無くなっちゃうじゃない」
由佳の的確なアドバイスにも、百合は頷こうとはしない。
「私は最年長として、ボウヤに熟女の魅力を与えるために居るから。ある程度は私の役目通りに振舞わなくてはおかしくなるわ」
「そんなに決め付けなくても……」
「それに今更、若くなることもできないしね」
由佳をあえて無視して、百合がじっと自分の手を見つめる。常人とは異なる代謝を持つガーディアン達は、身体の年齢をある程度はコントロールすることが出来る。加齢を遅くしたり、止めたりすることでさえ可能だ。円は高校生の時点で自分の加齢を止めている。それでも年齢を反転させるという自然に反したことは不可能だ。
「今回は少し年を取った方が有利な職についたから、老化を止めなかったわ。後悔はしてないけど……ボウヤは若い体の方がいいはずよね」
「百合!」
「……つまらないことを言ったわ。聞き流して頂戴」
気遣うように自分を見る由佳とは視線を合わさずに、百合はビールの入ったコップを飲み干す。繰り返し杯を空ける彼女は、わずかに寂しげな様子だった。
「それじゃ、次は雛菊に行ってみようか」
「わ、私か?」
円の言葉に雛菊は大げさに動揺する。危うく唯が持ってきた酒が入ったお猪口を落としそうになったくらいだ。
「わ、私はゆ、唯様が好きだ……これでいいだろう!」
「あのね、それだけならここに居る全員だって同じでしょ」
顔を赤くする雛菊に、京が呆れたように彼女を見る。他の者たちから見れば、何を今更という感じだろう。もう数え切れない晩を、唯と乱交して過ごした間柄なのだから。それに好きなどという言葉は、ベッドの上で何度愛する者に伝えたかもわからない。
「う、うう……その……本当に好きで好きで堪らないんだ。でも……正直その気持ちをどうしていいのかわからない。素直に唯様に伝えるべきか、抑えるべきか。どうやって唯様に接するのか。戦いのことを主に考えてきた私には、こんな恋愛というものにどう対処していいかわからない」
「そっか、そうだよね」
由佳が雛菊の告白に納得した表情を見せる。ちらりと由佳がエリザヴェータを見やると、彼女も自分のことのように感じているかのような神妙な表情だ。
「楓も言ったが、私もかわいげの無い女だろう。唯様が飽きないために、必死であがいている。唯様は優しいから、私も少しは安心しているが……それでも怖くて堪らない」
お猪口をぐいっと傾けて、日本酒を雛菊が飲み干す。
「私はいつまでも唯様の忠実な下僕だろう。だが恋人としては、わからない。お前達のように、悩みながら必死にあがいている。本当に……私には何もわからないんだ」
雛菊の表情に、ほんの僅かな間だが心底怖がっている色が現れていた。剣士の強い精神力で恐怖を雛菊は消してみせたが、心の奥にはまだ強い恐れがあるに違いなかった。
「しかし……何だか暗い話が多いわね」
紹興酒を飲んでいる由佳の言葉に、全員が沈黙で肯定する。確かに先ほどから聞いていると、唯との関係についてあまり明るい話題というのが出ていない。知り合ってからまだ数ヶ月しか経っておらず、お互いの関係が未成熟とも言えるからだろう。
「仕方ないわ。恋愛しているんだから、不安はつきものよ」
「そういうものかしらね」
芽衣の説明にも、由佳はいまいち納得ができない様子だ。解凍した冷凍にくまんを食べながら、由佳がうーんと唸るのを見て、芽衣が更に言葉を付け足す。
「本当に人を好きになるのが初めてって言う初恋の人が多いし、それは色々と考えちゃうわよ」
「確かに、恋愛には疎いものね、私たちは」
ガーディアンの二千年は悪魔との闘争に明け暮れていたと言っても過言ではない。そういう状態において、恋愛する余裕などほとんど無かったのだ。他の主との関係も一人の例外を除いて、希薄だった。ガーディアンが造られたときに、プログラミングされた基本的な性格が恋愛への興味を薄くしていたというのもある。
「じゃあ、今度は由佳の本音を聞かせてよ」
「え、私? そうね……」
興味深そうな円に話を振られて、由佳は顎に立てた人差し指を当てながら、しばらく考える。
「唯君は私にとって今は弟みたいなものかな?」
「弟?」
「そう。若いからかな、エッチまでしている相手なのに、まだまだ年下って感じちゃうのよね。だから、成長するのを待ってるの。立派な青年になるのを楽しみにしてるところっていうのかな」
心底嬉しそうな由佳の姿に、ガーディアン達はじっと考える。恋焦がれる主として、唯のことは対等か、もしくは格が上の相手と認識していたのだ。年長者として、上の立場から見守るという発想は由佳と百合ぐらいしか持っていなかった。
「何て言うのかな……そうそう、逆光源氏計画ってとこかしら」
「そ、それはちょっと……」
「その言い方はよせ」
由佳の突飛な発想に、静香と雛菊が苦言を呈する。
「唯君は大きくなっても、きっと私達の傍に居てくれるって確信があるから。私は今はゆっくりと彼が成長するのを見ながら、愛情を深めることが出来ればいいと思う」
他者より心のゆとりがある由佳の説明に、全員がなるほどと頷く。姉のように見守りながら、恋人の成長を楽しみたいという彼女の計画には、全員が共感できる部分がある。薄く微笑みながら紹興酒を飲んでいる彼女には、年上の余裕が見てとれた。
「ただ……一つ心配なのは、唯君が危ない目にあわないかどうかね」
由佳が一転して真剣な表情でボソリとこぼす。先ほどまでの精神的なゆとりは消え、微かに身体が震えているようだった。
「ケガをしたりする度に、心臓が止まりそうになるわ。唯君が命を落とすようなことがあったら、気が狂うと思う。それなのに、彼は自分への危険を顧みないところがあるから……」
女戦士の瞳に、恐怖という炎が見え隠れする。
「本当に怖いわ。想像もしたくない。私が心底恐れているのは、唯君が死ぬこと」
自らの想像に怯えたのか、由佳は急ピッチで紹興酒を数杯立て続けに飲み干す。
唯が悪魔との戦いで命を落とすのは、ガーディアン全員が強く恐れていることだ。それでもガーディアンの中には、悪魔との戦いに臨むのならば唯が命を落とす可能性もあるのを自覚している者もいる。だが由佳は唯をガーディアンの主というより、弟のような存在と認識して愛情を注いでいる。そんな彼が無用な危険に逢うのは耐えられないことだった。出来るならば、戦いは自分達に任せて、唯には平穏な生活をして欲しいというのが彼女の願いだった。
「さて、そろそろレズカップルのお話を聞きたいわね」
「ボク達のこと?」
意地悪そうに言う麗に、テキーラをちょびちょび飲んでいた早苗が反応する。ガーディアンの中でレズと言えば、彼女と静香しかいない。
「そうそう。恋人が居るのに、くっついちゃったから。ずっと疑問に思ってたのよ」
「うーん、何て答えていいのかな?」
大人しい性格の恋人を気遣ってか、静香より先に早苗が答えようとする。
「ボクは確かに唯君が好きだけど、尊敬してるってところも大きいんだよね」
「尊敬?」
早苗らしくない台詞に、芽衣が聞き返す。普段は何処か泰然としている早苗が、そのように唯を見ていたとは誰も知らなかった。
「何ていうかな、凄い懐が広いなって。だって個性が強い十二人の女と一緒に付き合ってるんだよ。普通はできないよね」
「そ、そうね……確かに……」
早苗の指摘に芽衣が考え込む。他のガーディアン達も早苗の意見に、多少の差はあれど驚いているようだった。タコスを一口食べた早苗が、苦笑を漏らす。
「ひょっとして、気がつかなかった? 普段は従者として、みんなは忠実だと思うし、恋人としても素晴らしいと思うよ。でも、それって唯君がしっかりみんなの忠誠心や愛情を受け止めているから、捧げられるものじゃない」
「……それは気付かなかった。いや、薄々とは知っていたが……不覚だ」
エリザヴェータが肩を落とす。素晴らしい主だとは思っていたが、彼女は唯をそのような度量の持ち主とはあまり考えていなかった。年の若さに、まだまだ甘く見ていたのだろう。エリザヴェータはそのことで自責の念を覚えたようだった。
そんなエリザヴェータの様子に気付いていないのか、早苗は話を続ける。
「唯君には全員を丸ごと受け入れてくれる度量がある。そういうことを評価して、静香お姉さまと一緒に唯君にこの身を預けようと思ったんだよね。結果、大満足してる」
「じゃあ、尊敬ってところじゃなくて、好きってところはどうなの?」
麗が早苗の話を聞いて、不満そうに再度訊ねる。正直なところ、麗には唯が広い度量を持っているなどという話は認めがたかった。
「うん、好きだよ。とっても可愛いし、格好いいし、エッチは凄いし。静香お姉さまとは別に、男の子っていう異性として好きだね。メロメロってこういうことかな?」
ふにゃーと早苗は表情を崩す。普通の惚気に近い早苗の意見に、自分と同じということを他の仲間達は確認する。早苗の意見は興味深かったが、根本的なところは一緒のようだ。
「それじゃ、静香の意見は?」
「わ、私の番ね」
円の言葉を待っていたとばっかりに、黒ビールの入ったグラスをテーブルに置いて静香は居住まいを正す。少し緊張気味の恋人に、早苗はわざと肩に頭を乗せて寄りかかってみせる。恋人の気遣いに少し安心して、静香はゆっくりと話を切り出す。
「私は……唯様のことを好きよ」
「うん、それは知ってる」
「さ、早苗とは別にね。というか、私達ごと一緒に付き合って貰ってるってところかしら」
静香は自分の言葉に自分で頷く。無意識に出た自分の説明が、一番しっくりくる答えだったようだ。
「唯様と付き合うように言ってくれた早苗には感謝しているし、早苗も私も受け入れてくれた唯様にも深く感謝してる。唯様は私に別の恋……異性との恋を教えてくれたわ。私も何だか……まだ若い頃、いや幼い頃に戻った気持ち」
自分で揚げたというワニの空揚げを齧って、静香は軽く話を区切る。咀嚼を終えると、彼女は再度話し出す。
「でも、たまにいいのかなって思うわ。私には早苗っていう恋人が居るわけだし、早苗と唯様を一緒に裏切ってるような気がして……」
「その点は心配無いんじゃない?」
静香の独白を百合が遮る。
「その早苗もボウヤとつきあってるんだし、ボウヤだって私達全員と付き合ってるんだし」
「そ、そうなんだけど」
「お姉さまは考えすぎだよ。この際、割り切っちゃおうよ、ねっ?」
早苗が静香の腕にぎゅっと抱きつく。早苗の明るい表情に、静香も顔をほころばせる。
「後は私が唯様のために何かをしてあげれればいいんだけど。私ってこれといった特技も無いし、引っ込み思案なところがあるから……」
「確かに静香は大人しすぎるわ」
楓が早苗に相槌を打つ。ガーディアン全員が心の中で、「唯のこと以外では、一番大人しいお前が言うな」と突っ込むが、あえて誰も口に出しては言わない。
「唯様は私と一緒に居て、楽しいのかしら? 自信が無いわ」
「あら、そういう大人しいところが逆にいいってこともあるわよ」
インドビールを自分のコップに注ぎながら、百合が静香に微笑む。
「静香って、大和撫子みたいじゃない。いつもボウヤをたてて、自分は大人しく控えてるし。そうやって男をたてる女っていうのは、男としては嬉しいものよ」
「そうかしら?」
静香はうっすらとはにかんでみせる。朱に軽く染まった顔は、確かに今時は珍しい大和撫子を思わせる姿だった。
「そういえば肝心の円に話を聞くのを忘れてたわ」
「私か……でも肝心のって、どういうこと?」
ミシェルの何かを含んだような発言に、円は怪訝な顔をする。ウォッカを飲んでいるため、円の顔はかなり紅潮している。
「円って、いつも私達や唯様のことについて色々と情報を集めてるけど、私達が円のことを聞くってことはあまり無いから」
「ああ、確かにそうかも。好きに聞けばいいのに」
水臭いと言わんばかりに、円は全員を見渡す。
トンカツなどという脂っこい物を肴に、円はアルコール度の高い酒を飲み続ける。胃が変になってもおかしくなさそうな食い合わせなのに、円はは平然としたものだ。
「まあ、唯様への思いで一番最初に来るのは、やっぱり好奇心ね」
「やはりそうきたか」
エリザヴェータが納得したように頷く。昔から諜報や宣伝などの活動を主に行っていた円なので、彼女の答えはある程度予想できた。
だが、円が次に出した話題は興味深いものだった。
「今までとは違い、私達を発情させる力を持つ主。それのみか、音という新たな能力を獲得している。ガーディアン二千年以上の歴史の中で初めての出来事だわ。これが意味するところは何か、考えたことってある?」
若作りの外見に似合わぬ鋭い視線で問い掛ける円に、全員が沈黙する。ガーディアンは破棄されたロストナンバーを除いて、常に十二人だった。だが一時的とはいえ、新たな能力者が増えたのだ。創造主によって仕組まれた運命、またはプログラミングなのか、それとも神の悪戯なのか、まだ誰もその答えを知らない。
「千年ぶりのミレニアム。前回と同じく悪魔の大量発生に伴って、統率力のある主が再び現れた。だが今回は前回と違って、更なる激しい戦いになりそうな予感があるわ。既に飯田という悪魔の裏切り者、数百年ぶりの奈落と繋がる巨大なゲート、ザウラスの再登場と、イレギュラーな出来事が立て続けに起こっているわ」
円の話に酒の酔いが吹き飛んだように、全員が集中して話を聞く。
「キーワードは唯様だと思うのよ。彼を中心にして、何かが進行している。悪魔や私達でさえも、その何かの一部に過ぎない。私は何が起きているかを見極めたい」
誰も何も言わなかった。円の話は衝撃的だったが、その推測を全員が素直に受け入れていた。無意識に誰もが感じていたことだったかもしれない。だが改めて言葉にしてはっきりと言われると、自分達がとんでもない状況に置かれているのを再認識してしまう。
「……まあ、この話はいずれちゃんとしましょう。酒に酔っていては、まともな議論もできないでしょうし」
「そうだな」
芽衣が話をまとめると、雛菊が相槌を打つ。確かに飲酒している席で、討論するような話題ではないだろう。
「それで、好奇心以外は唯様についてどうなの?」
「う、うーん……可能性かな?」
ミシェルが再び話題をふると、円は少し考えて新たなキーワードを言う。
「まだ若いのに、唯様はあっという間に私達の身も心も奪ってしまった。頭も良くなってるし、能力も急成長してる。この先のことを考えると、凄く楽しみだわ。あまり成長しない私達と違って、未来への希望っていうのが見えるからかな」
「何だか今日の円は真面目だな」
「あはは……でもぶっちゃけて言えば、唯様がどんないい男になるか、楽しみってだけなんだけどね」
急におちゃらけた円に、真摯に聞いていた雛菊が思わずよろける。
「だって今でも凄い美少年なんだよ。将来が凄く楽しみじゃない。おまけに今よりセックスに磨きがかかったら……私達、腹上死しちゃうんじゃない?」
「ふ、腹上死?」
性交のし過ぎで死ぬことを想像して、麗の顔が引き攣る。あながち有り得ない話でもないので、静香や雛菊などの顔も強張ってしまう。中毒になりそうな唯とのセックスが、これ以上に凄くなるなど想像もつかなかった。
「今も唯様は好きだけど、時間が経てば経つほど好きになっていく気がする。どこまで私達が彼を好きになることが出来るか、可能性を考えると、とっても楽しくなるわ」
美味そうにウォッカを円は咽喉に流し込む。彼女の脳裏は、幸せな未来への様々な可能性で一杯に違いなかった。
「ところで、京はどうなんだ?」
「私?」
雛菊に話を振られて、京が不機嫌そうに聞き返す。強面の京だが、仲間達は気にした様子も無い。優雅に飲む芽衣とは対照に、京は先ほどから赤ワインをまるでビールのようにあおっている。
「唯様のことをどう思っているんだ? 傍から見ていて、随分と惚れているのはわかるが」
「あなたには言われたく無いわよ」
偉そうな雛菊の台詞に、京はますます顔をしかめる。雛菊は唯と一緒に居るとしばしば顔を赤らめるし、京も唯にこっそり甘えていたりする。二人の唯に対する惚れ具合は大同小異ということだ。それなのに雛菊に大きな顔をされたので、京は少し面白くない。
しばらく無言でワインを飲んでいた京だが、やがて意を決したように口を開いた。
「わ、私は……唯と結婚したいと思ってる」
「結婚!?」
京の発言に全員が異口同音で聞き返した。あまり物事に動じない楓やエリザヴェータでさえ、目が大きく見開いている。
「そうよ。悪い?」
「け、結婚って……ちょっとそういうのを考えるには早すぎない?」
目が据わっている京に対して、由佳の額に冷や汗が流れる。
「唯君ってまだ中学生でしょ。恋人として付き合うのはともかく、結婚ってのはちょっと……」
「仕方ないでしょ、あいつが好きなんだから。唯がまだ若いのはわかってる。だけど、唯と一緒にバージンロードを歩く想像が、頭から離れないのよ」
京が心底弱ったように、顔に苦悩を浮かべる。こんな京の姿は、ガーディアンの仲間達でも初めて見る。
「唯殿はまだ若いのに……それでも結婚式をしているのを想像してしまうのか?」
「そうよ! 本当に困ったわ……」
エリザヴェータの言葉に噛み付いたかと思うと、京はぐんにゃりと身体の力を抜いてため息をつく。ボトルを抱えて何杯もワインを飲み干すが、一向に酔えないようだ。
「まあ、実際のところ、唯様が大きくなったときのことを想像して、夫婦の生活とか考えたりはするわよね」
「ああ、私もあるある。やっぱり結婚生活は想像しちゃうよね」
芽衣の意見にミシェルも同意する。好きになった相手や恋人と夫婦になった姿を思い浮かべるのは、確かにそれほど珍しいことではないだろう。
「でも、将来は誰が結婚するのかしら?」
楓の呟きに、全員が固まった。うっかり発言しようものなら、修羅場になりそうな一触即発の雰囲気に場が変化する。日本は一夫一妻制。ガーディアン全員が主に仕えるという名目で、上手く喧嘩や嫉妬をあまりせずにやってきたが、結婚ともなれば話は違ってくる。本妻から愛人十一号までランク付けされたら、たまったものではないだろう。
「ま、まあ、先の話だし、唯君本人の意見も聞かないとね」
「そ、そうね。やっぱりそれが一番よね」
早苗の言葉に静香が賛成して、何とか場の雰囲気が和らいだ。ガーディアン同士での血みどろの争いは回避できたということらしい。
「はぁ……結婚したいな」
顔に似合わず意外にロマンチストの一面を見せる京に、ガーディアン全員が彼女の印象を修正する。京の表情は戦士ではなく、恋する乙女そのものだった。
「最後はエリザヴェータね」
「……私が最後なのか」
市販のビールを物静かに飲んでいたエリザヴェータは、ミシェルの指名に姿勢を正した。意外なことだが、酒のつまみとして既にボテトチップスを三袋も彼女は食べている。
「私は唯殿を尊敬している。彼のリーダーシップは……」
「違う違う、そういうこと聞いてるんじゃないのよ」
円が手をパタパタと横に振って、エリザヴェータに待ったをかける。
「唯様に対する恋愛感情よ」
「恋愛感情……その私は……好きとしかいいようがない」
常ならば達観したところのあるエリザヴェータだが、視線をキョロキョロとさせて落ち着きが無い様子を見せる。
「な、何もかも初めてだったから……キスしたのも、セックスしたのも。今も唯殿に抱かれていると、夢だと思ってしまう。幸せなんだが、それと同時に怖いって気持ちもある。人をここまで好きになると、逆に人間は不安も感じるのだな」
エリザヴェータは言葉にして語ることで、自分の想いを整理しているようだ。
「初めての恋愛がこんなにも素敵な相手で、私は唯殿にも皆にも感謝している。唯殿は……私にとって白馬の王子ということだったんだろうな」
「白馬の王子?」
生真面目な表情のエリザヴェータが放った台詞に、ほとんどの人間がぽかんと口を開けてしまう。
「え、エリザヴェータって意外に乙女ちっくなのね」
「む、表現が悪かったのか?」
思ってもいなかった由佳の反応に、エリザヴェータは微かに照れているのか頬を掻く。こういう仕草の端々からも、初々しさが出ている。
「はぁ、初恋が唯君って、羨ましいかもね」
由佳の言葉に、何人もうんうんと頷く。だが口には出さないが、由佳も、その他大勢も初恋と言うべき恋愛感情の相手は唯が初めてだ。早苗と静香だけが、恋人同士なので違う。初恋がまだだったというのを言うのが照れ臭くて、誰も口にしないだけだった。
「そうだな……私は世界一恵まれている女かもしれないな。唯殿に感謝しないとな……」
エリザヴェータは己に伝えるように呟くと、軽く目を閉じた。その口元にはうっすらと軽い笑みが浮かんでいる。恋愛に戸惑って今は四苦八苦しているが、彼女にとって今はそれ自体が幸せでもあった。
「あの、悪いけど……そろそろ晩御飯にして欲しいんだけど」
一通り、全員が自分の心境を語り終えたのを見越したように、歩み寄ってきた唯が声をかけてきた。壁掛け時計を見ると、既に九時。すっかり酒宴に夢中になっていて、四時間近く経っていたのに誰も気がつかなかった。とっくに夕飯の時間は過ぎている。
「ご、ごめん。すぐに晩御飯の用意をするから」
由佳が立ち上がると、慌てて台所に飛び込む。唯のことをすっかり失念していて放置していたので、従者としては失格だろう。
彼を放置して飲んでいたという罪悪感が誰にもあったが、残りの者たちが新たに抱いたのは別の懸念だった。唯がキッチンカウンターに座っていたというのに、彼への秘めたる想いを語りながら酒を飲んでいたのだ。アルコールが入っていたとはいえ、大失敗だった。大声で話したわけではないため、普通ならば彼女達の言葉は聞こえないだろう。だが問題なのは、唯の能力は音を操るということだ。会話が筒抜けだったとしても、不思議なことではない。
「ゆ、唯様……私達の話、聞いていましたか?」
「え? いや、聞いてないよ」
芽衣の質問に唯はさらりと答える。きょとんとした彼の顔に偽りはなく、何人かが安堵の息を吐く。
「唯様って、嘘つくと鼻の穴が膨れるよね」
「え、うそ!?」
円の言葉に唯が自分の鼻を押さえる。そしてその瞬間、唯は自分の失敗を悟った。
「あ……」
「唯様……聞いていたんですね……」
ガーディアン達の目がうっすらと剣呑な光を帯びる。恋人兼従者達の危ない雰囲気に、唯は一歩後ずさる。このような危ない目つきで自分のことを見るガーディアン達は初めてだった。
「あれ、唯君何処に行くの? 晩御飯の用意が出来たのに」
僅かに後退した唯の行く手を塞ぐように、彼の背後に音も無く由佳が立っていた。小さな音も聞き分ける唯にも、彼女はけはいをまったく悟らせなかった。由佳の台詞自体はいつもと同じだが、その目は笑っていない。有無を言わさぬ由佳の静かな迫力に、唯はフラフラとリビングのテーブル前に座った。
「唯様、お酒はいかがですか?」
雛菊がコップにビールを注ぐ。彼女にしては珍しく愛想笑いを浮かべて、程よく泡立っているビールを唯の前に置く。
「いや、僕は未成年だから……」
「男たるもの、たまには付き合い程度は飲むものですよ。久々に私達も飲んだことですし、少しお付き合い下さい」
とても高校の教師とは思えないことを雛菊は笑顔のまま言う。もちろん唯を見つめる女剣士の目は普段と全く違う。雛菊は微笑んでいるのに、視線には強烈な威圧感があった。
仕方なく唯は一口ビールに口をつける。唯がビールを飲むのはこれで生まれて二回目だ。一回目は小さい頃に父親から少し飲ませて貰った。そのときはあまりの不味さに、二度と飲まないと思ったものだ。人生で二度目のビールも当時と全く同じ味に思えて、唯は一口も飲まないうちに顔をしかめてグラスを置いてしまう。
「あら、ビールはお口にあいませんでしたか? それならこのカルピスサワーはどうです?」
ミシェルが手早く作ったカルピスサワーを唯に渡す。にっこりと笑顔で圧力を加える金髪美女に、唯は仕方なく彼女から渡されたコップを受け取った。
「あれ、美味しい」
甘いサワーの口当たりに、唯は驚いたように白い酒を見つめる。ジュースとほとんど変わらない味で、これなら自分にも飲めそうな気になってくる。だが口の中にほんのりと広がるアルコール独特の風味に、彼は認識を改めた。これ以上飲めば、間違い無く酩酊してしまうだろう。
「唯様、もっと飲んで下さい。ささっ、ぐぐっと」
「だ、だめだよ。大人じゃないから、やっぱりお酒は良くないよ」
無理に飲酒を勧めるミシェルに、唯は美味しかったサワーの誘惑を振り切って、拒否した。だがガーディアン達も簡単に引き下がるつもりはない。
「唯君……」
「え? んんっ!?」
早苗に呼ばれて振り向いた唯の口を静香が塞ぐ。顔を軽く上げさせられて、唯の口内へと酒が流れ込む。早苗と静香に計られた形だ。一口分のカルピスサワーを唯は無理やり飲まされてしまった。
「ん、ぷはっ!」
「はい、もう一杯」
くいっとカルピスサワーを口に含むと、今度は百合が唯に近づく。頬に片手を当てて自分に振り向かせると、百合は唯へと接吻で更に酒を飲ませる。
「あ、あう。みんなやめてよ」
「うふふ、唯様。こんなグラスはいかがですか?」
いつの間にかミシェルが着ていたワイシャツのボタンを外して、大きく前を開いている。薄いピンクの下着に包まれた胸を寄せて彼女は谷間を作り、そこにカルピスサワーを溜めていた。唯はその光景に、ついつい見とれてしまう。
「さあさあ、遠慮なさらないで」
「う……」
唯は理性が働いて僅かに躊躇するが、両脇から円と由佳に腕を引っ張られて、ミシェルの胸元に顔を近づけさせられる。こうなると当然逆らうことが出来ずに、口を近づけてミシェルの巨大な両胸の間に溜まった液体を飲まざるを得なかった。
「ん、んう……」
「唯様嬉しいですわ。残った分まで舐めて下さいね」
ミシェルに言われた通りに、唯はカルピスサワーを飲み終わると、舌で胸の谷間を舐めて肌を綺麗にする。
「あん、もっと舐めて欲しくなっちゃいます」
胸元を這い回る唯の舌に、ミシェルは身体を軽く震わせる。少し酔っていることもあって、彼女の顔はすぐに赤くなった。
普段ならば唯も嫌がって、きっぱりと拒否するだろう。だが今日はガーディアン達の常とは違う雰囲気が、圧力をもっていて唯に拒否権を与えなかった。
「唯様、舐めるならこちらはいかがです?」
服を脱ぎ、上半身を晒した芽衣が唯に微笑みかける。芽衣の片胸には白いサワーがまぶしてあり、多少薄いが母乳で汚れたようにも見える。その扇情的な光景に、唯はごくりと唾を飲み込む。
「み、みんな……何でそんなに僕を酔わせたがるの?」
「あら、それは私達の本音を聞いたから、ボウヤにも話してもらわなくちゃいけないからよ」
着物を手際良く脱いだ百合の妖艶な微笑みに、唯は背筋がゾクリとする。なかなか手を出さない唯に、痺れを切らした芽衣が彼の顔近くに乳房を近づける。
「唯様、早く舐めないと垂れてしまいますよ」
「う、うん……」
白い酒でトッピングされた胸を出している芽衣の姿に、唯は再び注意力が向けられる。かなり直接的な誘惑に耐えられず、少年はおそるおそる彼女の胸を舐め始めた。
「あぁん……唯様、芽衣の胸をもっと舐めて下さい……」
少し舐められただけで、芽衣は官能的な声を漏らす。サワーで冷やされた肌を温かい舌が這うと、相反する感覚に身悶えしてしまう。酒が入っているのもあるが、芽衣は早くも呼吸が荒くなってきている。
「唯君、こういうのはどうかな?」
服を脱ぎ捨てて全裸になった早苗が声をかけてくる。ピッタリと閉じた股の間に、カルピスサワーが注がれていた。肝心な陰毛は白い液体で隠れてしまっているが、俗に言うワカメ酒というプレイだろう。竜太から聞いたことはあるが、見るのは初めてなので唯は心臓の鼓動がますます早くなる。
「さあ、召し上がって下さい」
「どうぞどうぞ」
静香と早苗のレズカップルに勧められた唯は、言われるままに早苗の股間に顔を近づける。最初は上手く飲もうとあれこれ試してみたが、我慢できなくなって口の周りが汚れるのもかまわずゴクゴクと口をつけて飲み始めた。
「唯君、美味しい?」
「うん、早苗さんの味がする……」
「あはは、そんなことないでしょ……あ、あん……最後まで舐めてくれるんだ……」
残滓まで舌で拭き取る唯にちょっぴり感動して、早苗が唯の頭を撫でる。
未成年でまだ飲みなれていないのに飲酒した所為なのか、唯はもうすっかり顔が朱に染まっている。目も徐々に焦点が合わなくなって、とろんとしてきていた。普段とは違って先ほどから誘惑に負けっぱなしなのも、アルコールの力によって思考が鈍ってきているからだろう。
「唯、私の酒も飲んでよ」
「ボウヤ、私からも」
「唯、ちゃんと飲みなさいよ」
京に顎を引かれた唯は上半身を軽い力で起こされる。すると京、百合、麗の順番で酒を口移しで飲まされてしまう。唯本人としては、飲酒はいけないことだという強い認識があるが、もう既に頭がグルグルしていて何も考えられなかった。言われるがまま胸の谷間、股間に注がれた酒を飲み、何度も何度も唯はキスでアルコールを口内に注がれた。
「はぁはぁ……あうぅ……」
すっかり酔いが回り、唯はぐったりと床に横になってしまう。楓の膝枕に頭を乗せ、ぼんやりと彼は天井を見続ける。そんな唯の周りに服を脱ぎ捨てて、裸身を晒した美女が集まって彼を取り囲む。
「唯殿、私達の会話をまだ覚えてますか?」
「うん……ごめんね、聞いちゃって」
エリザヴェータの問いを、意外にもちゃんと少年は受け答えする。外見はすっかり酩酊状態に見えるが、喋ることはできるようだ。滑舌がおかしくなっている様子は無い。
「まだ記憶があるみたいね……どうする?」
「もっと唯様にお酒を飲ませて、忘れさせないといけないわ」
由佳と芽衣がヒソヒソとかなり危ないことを語り合う。唯の耳にも確かに聞こえているのだが、彼は会話の意味をちゃんと理解できていない。
「待って、アルコール分は充分に足りているわ。ここは唯の本音を引き出してみない?」
「それはグッドアイディア」
京の思いつきを、円は素直に賞賛する。酒を大量に無理やり飲ませているように見えるが、実際は京が唯の血液中のアルコール濃度を測定しており、危険な状態になるのは回避していた。だがそれが災いしたのか、唯は配下によって酒をしたたかに飲まされることに繋がった。
「ボウヤ、女の秘密を知ってしまったのだから、代償に私達のことについて喋ってもらうわよ」
「代償?」
「そう。ボウヤはどんな風に私達を見ているの?」
百合の囁きに、唯は考えるそぶりを見せる。
「うーんと……みんなのことがどういう風に見えているか言えばいいの?」
「そうそう」
百合の質問に唯は催眠術にかかったかのように、素直に答えようとする。唯の言動に全員の注目がぐっと集まる。
「えーっと、やっぱり女神様かな」
「め、女神?」
思いもかけない高い評価に、異口同音に全員が叫ぶ。
「だって、凄い綺麗だから……そうとしか言えないよ」
「い、いや、そんな……そこまで言って頂かなくても……」
唯に褒められて雛菊が真っ赤になって照れる。他のガーディアン達も多かれ少なかれ恥かしくなってしまう。よもや女神などと言われるとは思っていなかったのだ。楓でさえ、ほんのりと頬を染めて、唯から視線を逸らしてしまう。
「じゃ、じゃあ、外見ではなく、私達の関係はどう思っています?」
何かを期待するかのような静香の問いに、唯は再び軽く考える。
「家族かな……」
「か、家族ですか?」
唯の答えに、ガーディアン達は軽く落胆する。てっきり恋人やそれに近い関係だと思っていたのに、家族と言われると随分とニュアンスが違ってしまう。
「僕のことを支えてくれて、一緒に暮らしてくれて……一度失った物をまたくれた……僕はかけがえのない家族だと思う。年は離れてるし、一対一の関係じゃないけど、皆は僕の大事な婚約者だと僕は思ってる。いつかは本当の家族になりたい……」
「婚約者……」
朦朧としている唯の婚約者という言葉に、ガーディアン全員が例外無く頬を染める。酔ってさえいなければ、プロポーズととれる台詞だからだ。恋心が燃え上がって、誰も彼もが手で頬や口を押さえたり、視線を彷徨わせたりと全く落ち着きが無くなってしまう。
「ゆ、唯様……一生お傍に居ますね」
裸の芽衣が唯の華奢な身体に抱きつく。すると他の女性も次々と唯に身を寄せる。すっかり唯の言葉に酔ってしまい、全員の心に熱い欲情が燃え上がり始めていた。だが肝心の唯は、泥酔状態でぼんやりとしていて反応が薄い。
「唯、そんなことを言うなら、責任取りなさいよね」
麗が唯の頬に口付けする。小柄な身を寄せて、首に腕を絡ませて抱きつく。
「ふふふ、唯様の婚約者ですか。将来が楽しみですね」
円が麗とは反対側の頬にキスをする。クスクス笑いながら、何度も何度も口付けを繰り返す。
「ずるいな、二人とも。いいポジション取っちゃって」
「じゃあ、私達はこちらでご奉仕しましょう」
不満げな早苗を宥めて、ミシェルが唯のズボンに手をかける。手慣れた動きでホックを外して、彼の下腹部を外に出す。
「唯様、ごめんなさい。でも……私はもう我慢できません」
「め、芽衣さん……」
火照らせた身体を持て余した芽衣が、唯の股間に顔を近づける。唇でペニスを咥えると、口内で肉棒をしゃぶり始める。
「あらあら、芽衣ったら。もう我慢できないみたいね……ん?」
情欲に耐え切れなくなった芽衣を見てミシェルは苦笑したが、我慢出来なくなったのは彼女だけではないようだ。芽衣の身体を押しのけるように京が割り込んで、唯の陰茎を口に含む。だがフェラチオしている京から、別の角度から顔を近づけた由佳がペニスを奪う。そして反対側からやってきた雛菊が由佳から再びペニスを奪う。
「ん、あむ……唯様……私、おかしくなりそう」
「ん、ん、んんっ……唯、好きよ」
「んあ、ぷはっ……唯君、もっともっと気持ち良くしてあげるね」
「はむ……んんっ。は、はしたないと笑っても構いません、でも唯様のが欲しいのです」
四人の美女が代わる代わる唯の一物を舐め、吸い、しゃぶり回す。欲情している四人の口淫は酔いもある所為だろうがかなり激しい。性に関してここ数ヶ月で相当な耐性がついた唯でも、油断するとあっという間にイってしまいそうな刺激だった。
「み、みんな……も、もうちょっとペースを落として……」
「ごめんね、ボウヤ。私達、今日はかなり酔ってるから……それに、ボウヤが火をつけたのが悪いのよ」
百合が唯の口を紅い唇で塞ぐ。甘い香りの酒が少年の口内へと流れ込み、再び酒を飲まされる。性的快感とアルコールの刺激に、唯は意識がクラクラしてしまう。
「みんな、いいなー……」
唯の陰茎と唇を占拠されてしまったので、見ていた早苗が不満そうな声をあげる。唯の告白に興奮しているのは全員同じなのに、他にも何人かあぶれている者がいる。
「そうね、こうしましょう。唯様、ちょっと失礼しますね」
群がる美女達を押しのけ、ミシェルが寝ている唯の身体を抱き起こす。力が抜け切った唯の肢体を、ミシェルはいとも容易く引き起こし、正座をした自分の膝上に座らせた。
「これなら、大丈夫でしょ」
笑みを浮かべたミシェルの真紅の唇が唯の首筋へと押し付けられる。全くの無防備である主の口を、残る者達が奪おうと動く。
「唯君、さあ飲んで飲んで……んう」
「唯様、私からも……ん」
「唯殿、良ければ受け取って下さい……んっ」
早苗、静香、エリザヴェータから立て続けに酒を飲まされ、唯は意識が朦朧としてくる。
「唯様、お酒のお味はいかがです?」
円の囁きは耳に入るのだが、唯は最早意識が白濁して返事を返すのもままならない。
「う……ああっ……あ、あくっ……」
どびゅどびゅどびゅ、びゅるるるる
警告を発する間もなく芽衣の口に射精してしまい、京や由佳、それに雛菊に精液の残滓を舐め取られてしまう。かなり大量に出したというのに、芽衣は全部を飲み干してしまう。主がエクスタシーに達したのを見て、エリザヴェータや楓が乳首を舐めて更に高めようとする。唯がこれほどセックスで受身になるのは初めてだった。酒の効果で、いつものような力が全然出ないのだ。
「や、やめて……ぼ、僕……ああっ……」
美女達に交代で酒を飲まされ、フェラチオで奉仕して貰う。酒池肉林とはまさにこのことを言うだろう。酒と美女の味を両方味わえるのだから、至上の快楽に違いない。
「だめだよ、こんな……お、お酒飲みながらエッチするなんて……」
「どうして? 気持ちいいからいいじゃない」
完全に酔っている唯の懸念を、邪な笑みを浮かべた麗が一蹴する。
「怖いんでしょ、自分を晒すのが。いいじゃない、私達だって本音を曝け出したんだから、唯も正直になりなさい」
「だ、だけど……う、うくっ……」
京と雛菊のダブルフェラに唯が軽く仰け反る。雛菊に亀頭を口に含まれて、竿を京に舐められる快感が、今日は耐えられないほどに気持ちいい。
「もうダメだ……どうなってもいいや……」
アルコールにやられても必死に理性を保とうとした唯だったが、遂に抵抗を放棄した。正気を奪う酒気を受け入れ、快楽に身を任せて流される。唯は口移しされる酒を自分から飲み干して、早苗や百合の口内を舌でかき回す。
「ん、んんっ……あ、あむっ……」
「や、んむ、ん、んん、んっ」
フェラをしていた由佳の肩を掴むと、ミシェルの膝から下りた唯は彼女を押し倒す。そして酔った勢いに任せて、前戯を抜きにそのまま挿入してしまった。
「や、ああん、唯くん……おちんちん入ってるよぉ……」
愛撫をしていなかった由佳の膣内は、やや湿り気が足りなかったのだが、挿入による痛みや圧迫感などは酒の力で緩和されてしまった。そして唯が動き出すと同時に、膣内はドロドロという表現が似合うくらい、あっという間に愛液が溢れ出した。
「あん、ああっ……いい、いいよー。唯くーん……」
由佳の肌は赤みを帯びて、興奮の度合いを周囲に伝える。彼女はうっすらとよだれを唇の端から垂らして、嬌声をあげる。
「次はミシェルさん……」
「はい、どうぞ」
しばらく腰を動かしていた唯だが、何の前触れも無くおもむろにミシェルに相手を変える。ミシェルの秘穴にペニスを挿入し、再び腰を動かし始めた。
「ああっ! やっぱり唯さまのは最高……き、きもちいい!」
大声で叫びをあげて悦ぶミシェルを、ひとしきり唯は可愛がってやる。だがまた何かの気まぐれだろうか、今度はエリザヴェータに相手を替えてしまう。
「ふ、ふわぁ……ゆ、唯どの……も、もっと……あああああぁ!」
唯はこのように次々と女を乗り換えて、クルクルとセックスの相手を替えていく。適当に目についた美女を押し倒して性器の感触を貪り、次へと移る。その間にも酒は飲み続け、女達も飲酒を止めようとしない。組んず解れつ女と交わり、好きなだけ淫行を繰り返す。
「あ、唯さま……わ、わたし、い、いきそう……や、やあっ、抜かないで!」
エクスタシー寸前で、唯は円の中から男性器を抜き取ってしまう。いつもなら優しく、パートナーが達するまでセックスするのに、今日の唯は相手を気遣わずに自分の好きなように性交し続ける。
「あ、ああああああぁ! い、いく……や、やあああっ! う、動かないで、び、敏感なんだから、ひいいいいいいっ!」
逆に絶頂に達した麗に構わず、猛ペースで唯は彼女の幼い膣を犯し続ける。普段ならばエクスタシー状態になった相手には余韻を楽しませる余裕や、敏感な性器に配慮するのだが、今は全くそのような優しさを唯は見せない。
「ゆ、許して……や、やめ……あ、ああっ、あん、あん、あ……唯、唯……」
唯はひたすら自分の快楽を満たそうとして、麗の膣に自分の一物を擦りつける。酒が愛情や優しさを曇らせ、唯の本能だけを突き動かしていた。
どびゅ、びゅるるる、びゅく、びゅく、びゅ
「あ、熱い、や……唯くんの精液が……」
麗の膣内からペニスを引き抜くと、由佳の顔に唯が特濃の精液をふり掛ける。彼女の髪に少しかかっても、唯はまったく気にする様子が無い。いまや唯は自分のオスを満たすだけに動いている。
「あ、唯殿……な、何をなされるんです!?」
唯がエリザヴェータの腰を持ち上げ、首で身体を支えさせるように逆さにする。唯はカルピスサワーが入ったグラスを掴むと、エリザヴェータの割れ目を広げた。
「ひゃあああっ! つ、冷たい!」
膣口を指で横に開き、唯は器用に少量づつカルピスサワーをエリザヴェータの胎内へと流し込んだ。冷えた液体が銀髪美女の体奥へと溜まっていく。
「あ、ああっ! ふあ、や、だめ、ダメです!」
口をつけて、唯はエリザヴェータのヴァギナから酒を吸い出す。愛液が混じったサワーはぬるくなっているのに、唯は美味そうに啜る。エリザヴェータの膣穴をコップに見立てているという趣向だろう。
「あ、あ、あ……お、音を立てないで……」
顔面を真っ赤にして悶えるエリザヴェータの腰を唯は床へと下ろす。自然に流れ落ちる酒を唯は最後の一滴まで舐めようとする。零れ落ちる愛液に混ざる酒を彼は飲み続けた。
「唯君、かなり酔ってる?」
「ん?」
静香と百合を片腕で抱き、交互に二人の胸を吸い始めた唯に、早苗が声をかけた。唯は顔を上げると焦点が合っていない瞳孔で女子高生を見る。
「うん、かなり酔ってるよ」
「大丈夫? 気持ち悪くなったりしてない?」
「大丈夫大丈夫」
気遣う早苗に、唯は普段よりもっと幼い笑みを浮かべて平気だとアピールする。だが、その表情だけでも普段とは随分と様子が違うのがわかる。
「あ、ああぁん、唯さま……か、噛んではダメぇ」
「ボウヤ……そんなにおっぱいばっかり弄っちゃイヤ……」
美女二人の胸を唯は揉んだり舐めたりを唯は繰り返す。常ならば女性を楽しませるためや、快感を与えるために愛撫をする唯だが、今日は欲望のまま女の胸を弄っている。
「やっぱりかなり酔ってるんじゃない?」
「酔ってないって……大丈夫だよ。その証拠に……」
「わわっ!?」
唯は早苗の腰を両足で挟み込むと、自分に向かって引き倒す。
「ちゃんと早苗さんの本音も覚えてるよ。尊敬してくれてるんだよね?」
「あ、いや……あはは、そう面と向かって言われると、照れちゃうよ」
早苗が唯の指摘に頭を掻く。中性的な面持ちに、何処と無く妖艶な笑みを唯は浮かべる。
「尊敬か……そんなに僕って偉い?」
唯は早苗の腰を足から解放して、今度は手でがっしりと掴む。太ももを広げさせると、少年は年上である少女の中へと突き入れた。
「きゃ、きゃん! うん、偉いと思う……唯くんはボク達の主様として、す、凄いと思う」
「それはセックスが上手だから? それとも……」
「せ、セックスは凄いけど、そ、それだけじゃ無いって……」
一転して、言霊の力で唯は早苗の性欲を一気に燃え上がらせた。愛のこもった言葉を浴びせられて、早苗の身体が硬くなってしまう。筋肉を硬くさせた早苗の緊張をほぐすように唯は腰を動かし、蜜壷をペニスで突いてリラックスさせようとする。
「や、やぁん、あっ、あっ、唯くん! ひゃ、あああっ、ふあっ!」
「嬉しいな。早苗さんが、僕のことをそういう風に思っていてくれたなんて」
唯の意図とは逆に、ペニスを動かせば動かすほど早苗の身体がぐっと硬くなっていく。
「や、いや、唯くん、そんなに動かさないで! だ、ダメだよ、だめ、だめ」
早苗の切羽詰った声が、唯には何処と無く現実感無く聞こえる。激しく喘いでいる早苗の腰を掴み、唯はがむしゃらに腰を突き上げた。
「ひ、ひ、ああああああっ! や、うわあああああ、だめ、やめてええええぇ!」
早苗は大きな叫び声をあげると、ビクンビクンと痙攣する。ペースなど考えずに無理やりペニスで膣内をかき回されたため、急にエクスタシーへと押し上げられてしまった。あまりにも早いペースだったので苦しいほどだ。
早苗の膣がギュッと締まると同時に、唯は彼女の中からペニスを抜く。早苗の体を横にのけて今度は百合へと圧し掛かる。
「ボウヤ、ど、どうしたの?」
「百合さんは僕に甘えられないんだっけ?」
身体に抱きつきながら、唯は百合の耳をペロペロと舐める。
「そ、そんなことは無いわよ……今だって、こうやって……」
「嘘つき。もっと女の子らしく甘えればいいのに」
「ひ、やっ……」
甘い唯の囁きに、百合がぎゅっと太ももを強く閉じる。唯の言葉が持つ魔力に、耳を舐められているだけなのに、百合は自分でもわかるほどヴァギナが濡れているのがわかった。
「ほら、もっと甘えていいんだよ。何か言ってみて」
「そんな、ボウヤに甘えるなんて……」
「主として命ずるよ、心の底から甘えて……」
「う、ああっ!」
唯の命令を聞いた百合の背が大きく反る。既に愛の囁きで溶かされていた理性の鎖が、主の命令で無理やり引きちぎられてしまったのだ。
「ボウヤ、好きなの! 百合の頭を撫でて、もっと好きだよって言って。私、凄く寂しいの!」
「うん、幾らでもしてあげるから」
百合の股間を広げて、唯がスムーズにペニスをインサートする。既にグショグショの膣内は何の抵抗も無く唯を受け入れた。
「あ、あああっ、あっ!」
「好きだよ、百合さん……百合、百合……」
「や、ああっ、あっ、私もボウヤのことが好き……」
百合が唯に抱きついて涙を流す。幼子のようにグスグスと泣きながら、我を忘れて百合は甘えた声を出し続ける。
「ボウヤ……唯……好きなの、好き。こんなオバさんでも嫌いにならないで……」
「嫌いになんかならないよ」
「うん、信じる。ありがとう、ありがとう……」
百合が少女のように泣きじゃくる。彼女がこのような姿を見せるのは初めてだ。
「う、ああん。あっ、あ、あ……」
涙を流しつつ、百合は亀頭が子宮に当たる度に、呻くような声をあげる。身体もそれにあわせて、唯の下で痙攣するように跳ねる。幼児が号泣するときの様子と、それは何処と無く似ていた。酒の影響もあって、理性が飛んでいる百合には恥も外聞も無く、泣き続けた。
「ふわああああぁ、唯、唯……ボウヤ……」
甘えきった声で叫びをあげると、百合はわんわん泣きながら達してしまう。今まで我慢していた反動だろうか、その声は幼女そのものだった。
「あ、あん、あ、ああっ、ひっくひっく、あああん!」
いつもより遥かに早くエクスタシーを得てしまい、百合はぐったりと床に横たわる。百合が満足したと見ると、唯は手近な静香を引き寄せた。
「ゆ、唯様……そ、その……私……」
「おしとやかな静香さんは、僕は大好きだよ」
「唯様……」
酔っているとは言え、真心が感じられる少年の言葉に、静香は胸がぎゅっと締め付けられるような感動を覚える。静香の素直な感情の昂りを受けて、身体は淫猥な方向で反応して膣内にじゅんと愛液が溢れ出す。
「僕は静香さんの奥ゆかしい性格を好ましく思っているよ。だから心配しないで……」
「唯様、私嬉しいです……あ、ああん」
温かな台詞とは逆に、唯の手は静香の胸をまさぐるように動く。豊満な乳房の一部を手の平で包み、乳首を押し潰しながら圧迫しながら愛撫する。
「あ、ああっ、あん……ふあ……」
「静香さん、可愛いよ。おっぱい触られて気持ちいい?」
「え……あ、その……あん……気持ちいいです」
消え入りそうな声で静香は唯に返事する。彼女の主は、静香の恥ずかしがる反応を楽しんでいるようだった。唯は片手で胸を揉みつつ、反対の手を股間に動かして陰唇全体を手の平で押さえた。
「うっ……ああっ、あ、あ……こ、こんな……」
「我慢しなくていいよ、もっと乱れても」
両腿の間にある花弁を、唯は絶妙な動きで手の平全体を使って刺激する。柔らかな手に愛撫されて、静香の身体がビクビクと震えてしまう。
「そ、そんな……わ、私、恥ずかしいです……」
「じゃあ、もっと乱れさせてあげるね」
唯は静香の両膝の裏を持ち上げると、大きく彼女の足を開脚させて、そのまま流れるような動きでペニスを突き込む。
「ひっ、ああっ……あああああぁん!」
自分の中に異物が入る感触に、静香が思わず小さく悲鳴をあげる。どんなにセックスをしても、唯と繋がると自分を抑えきれないのだ。
「あ、あっ、あう……唯さま……う、動いちゃだめ……や、あっ」
唯の亀頭がGスポットに擦れて、静香の脳内に火花のように快感が弾ける。普段なら唯はもっと優しく、ゆっくりと性交してくれるのだが、今日は容赦なく静香のことを責め立ててくる。
「い、ああっ、ひあ、ああああっ、あっ!」
口の中でくぐもった声をあげて、静香の背がガクガクと痙攣したように反り返る。無理やりエクスタシーを感じさせられ、清純な雰囲気を持つ美女は床へとがくりと身体を崩れさせた。
「次は雛菊さんとエリザヴェータさんにしようか」
「は、はい」
妖しく誘う少年の雰囲気に押され、二人の女戦士がふらふらと唯に近づく。口調は命令に近いのだが、唯が激怒したときとは違い、相手を幻惑させるような目つきを彼はしている。
「二人とも、僕にどう接していいのかわからないの? 戸惑ってるの?」
「はい……」
「どうすればいいのかわからないんです」
魔物に魅入られたかのように、エリザヴェータと雛菊は素直な心情を吐露してしまう。アルコールを摂取したこともあるだろうが、酔った唯の醸し出す妖艶さにあてられたため、二人はいつに無く正直だ。
「それなら甘えればいいんじゃないかな。甘えるんだよ」
「あ、甘えるんですか?」
唯が小声で二人の耳に命令を吹き込む。強制力を伴った言葉に、雛菊とエリザヴェータの意思に反して身体が指示を遂行しようとする。
「唯さま……私を可愛がって下さい」
「いっぱいいっぱい、優しくして下さい」
「うんうん。いいよ」
雛菊を仰向けに寝かせ、エリザヴェータをその上にうつ伏せに唯は寝かせる。そしてすぐに唯は二人へと圧し掛かっていった。
「あああぁん、唯さま!」
「ああ……ああ、ひゃん……唯どののおちんちんが……」
唯は女戦士達の膣内へと交互に肉棒を突き入れる。静香のときとは一転して、ソフトに緩々と動く。
「二人ともあんまり甘えてくれないから、ちょっと心配だったんだ。普段、もっと抱き締めた方がいい?」
「は、はい……お願いします……」
「でも、恥ずかしい……」
「いいじゃない、バカップルでも。もっといちゃいちゃしよう」
緩やかな動きと共に、唯は次々と両者に甘い言葉を投げかける。
「デートもしたいよね。二人っきりで公園とか映画館とかに行ったり」
「ああぁん……行きたい……」
「私も行きたいです……」
二人の秘められた願望を次々と暴き、唯は両者の意識を溶かしていく。耳元に囁かれるすてきな提案に、雛菊とエリザヴェータの心がどんどん熱を持って温度が上がる。
「唯さまぁ! 私、もっと甘えます、甘えさせて!」
「一生この身を捧げます! 死ぬまで私を愛して下さい……」
やんわりとした動きなのに、雛菊もエリザヴェータも瞬く間にイってしまった。胸の内に宿った熱い思いに、身体が押し負けてしまったのだ。エクスタシーは長く続き、二人の意識を揺さぶって気を失わせた。
「さてと、次は……」
唯がゆらりと肉食獣が獲物を探すような目つきで辺りを見回す。その迫力に残された女性達の胸の鼓動が跳ね上がる。それでも嫌な気持ちではない。唯に堕とされても良いと誰もが思った。
「えっと……あれ?」
軽く呻いて唯の意識が戻る。だが目覚めてもなお、頭の中は霞がかったような感じで、クリアな思考が戻らない。おまけに下半身を痺れているような感覚が包んでいる。
「え……うわわっ!?」
「ん、あん……ん、ん……んっ、んっ……」
目を開けた唯の眼中に、腰の上に跨った芽衣の姿が飛び込んできた。
「お、お目覚めですか、ゆ、唯さまぁ……」
「め、芽衣さん。ど、どうしちゃったの!?」
腰を一定間隔で上下に振る芽衣の全身は頭からバケツでかぶったように精液まみれだ。慌てて周りを見回すが他の女性達は力無くソファや床の上で寝ている。幸いなことに、芽衣のように白濁液に汚れきった女性は居なかった。
「ゆ、唯さまの命令で……こうやってご奉仕させて頂いていますわ」
「ぼ、僕の命令!?」
恍惚とした表情で動いている芽衣の告げた言葉に、唯は衝撃を受ける。正直なところ、唯には命令したという覚えが全く無い。それどころか、昨晩の記憶が大分欠け落ちている。だが芽衣に命令できる人間など自分しか居ないし、この家で男は自分しか居ないのだ。
「う、あ、ああっ、唯さま……わ、私またイキますわ……あ、ああっ!」
「芽衣さん!? ひああっ」
どろどろの粘液が詰まった芽衣の熱い膣内の感触に、寝起きの唯も腰から快感が駆け上がってきた。
「い、イク、僕もイっちゃうよ」
「嬉しいですわ。唯さま、ご奉仕できて芽衣は幸せですわ……あ、ああ、ひあああああぁ、イクぅぅぅぅ!」
びゅるるるるるる、びゅっ
ぐちゅりと膣壁がシャフトに絡みつくと共に、唯の尿道から駆け上がった精液が放たれる。
「あ、ああ、嬉しい、嬉しい……」
同時に達したことに感激したのか、芽衣の目尻から涙の粒がつっとこぼれ落ちる。既に卵管に達するほど精液を注ぎ込まれた子宮にスペースは無く、どろどろと精子が膣内から溢れて唯の腰を濡らす。
「唯さま、私の願いを叶えてくれて嬉しいですわ……」
「はぁはぁ、願い?」
「私に唯さまの性欲を処理せよと命令して、私を一晩中抱いてくれて……私は幸せです」
心底嬉しそうに言う芽衣だが、唯は罪悪感を禁じ得なかった。本当に一晩中奉仕したのだろう、ザーメンに汚れた芽衣の顔には疲れが見える。相当タフなはずのガーディアンが疲れているのだから、その姿には察してあまりあるものがあった。
「とりあえずシャワーを浴びよう。芽衣さんも汚れていることだし、洗ってあげるよ」
「はい、わかりましたわ。ご一緒させて頂きます」
芽衣はぽっと頬を赤らめると、腰を起こして唯からゆっくりと離れた。ごぼごぼと垂れてきた精液の量を見て、唯は改めて自分の節操の無さを痛感した。
「実は昨日の記憶が無いんだよね……」
頭痛に顔を顰めながら、唯が正直に告白した。二日酔いの所為だろう。
遅い朝食の席、既にガーディアンの面々が揃っている。芽衣だけが疲労が激しいので、唯は彼女を自室に寝かせていた。
「そうでしたか。すみません、お酒を無理やり飲ませてしまって」
雛菊が全員を代表して、頭を下げて神妙に謝る。だが彼女を含めて、ガーディアン達はほっとしていた。当初の目的通り、唯の記憶が飛んでいるのなら僥倖だった。
「お酒を飲まされるところまでは覚えているんだけど……」
目玉焼きを突いていたフォークを離し、唯がうーんと考え込む。その一言に全員の動きがピタリと止まった。
「それじゃ、私達の話は……」
「えっ? ああ、由佳さん達のお喋りの内容ね。ごめん、それは覚えてる」
恐る恐る訊ねた由佳に、唯はあっさりと白状した。肝心なところは覚えているという唯に、ガーディアン達は全員戦慄した。
「き……」
「き?」
「記憶を無くしてー!」
京の腕から伸びた血で作られた巨大な腕が、ダイニングの広いテーブルを持ち上げた。結婚したいなどと聞かれていたのでは京としては堪ったものではない。おまけに記憶が抜けているとはいえ、京は唯にプロポーズの練習まで昨晩はさせられたのだ。何時またそんな恥ずかしいことをさせられるか、わかったものではない。
「ま、待って。京さん、落ち着いて」
「大丈夫、頭の打ち所が良かったら、すっかり忘れるはずだから……」
くくくと凶暴な目つきで笑う京に、唯は椅子から飛び上がるように立ち上がると、慌てて彼女と距離を取ろうとする。
「観念しなさい、唯!」
「ちょ、ちょっと麗まで……」
ダイニングに置いてあった、人間の頭ほどもある花瓶を掴んで持ち上げた麗の姿に、堪らず唯はダイニングルームから飛び出した。
「待ちなさい、唯!」
後を追ってドアから出て行く麗の姿を見ると、京は多少落ち着いたのかテーブルをそっと下ろした。
「はぁ、とんでもないことになったわ……」
「とんでもないのは、おまえだ……だが、確かに問題だ」
「そうね」
テーブルに肘をついてため息をつく京に、エリザヴェータと百合が同意する。京の言う通り、とんでもないことになったと、全員が頭を抱えてしまう。
二千年を生きてもガーディアン達は乙女と言ってもいいくらい純情だ。その乙女の秘密を知られてしまっては一大事。想い人への秘めた恋心を知られたガーディアン達は、この先どうなることやら……。
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