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「見つけたぞ、ハルカ・リオーン!」

 昼間の街道。林を抜ける道は人通りが少なく、木に囲まれているので薄暗い。そこでハルカは背後から声をかけられた。

「誰だっけ?」

 首を傾げて相手を見るハルカの外見はまだ幼く、少年と言っていい年齢に見える。きょとんと相手を見ているハルカの顔は美形だが、格好いいというよりかわいらしいという言葉がぴったりだ。白いローブにフードを被っているが持ち物はベルトポーチだけで、旅装には見えない。

「俺か? ウィス・ディアトライブって言うんだ」

 ハルカの質問にウィスはどうどうと名乗る。ウィスは褐色の肌と、赤毛の短い髪から二房だけ髪を伸ばしたというヘアースタイルだ。巨大な剣と甲冑を着込んでいるところを見ると、戦士のようだ。にやりとしている顔は精悍だが、どちらかといえば女らしい丸みを帯びた愛くるしい顔だ。瑞々しいその体は若さに満ち溢れている。

「ふふふ、こんなところでおまえと会うとはな、賞金首ハルカ。大人しく捕まりやがれ!」
「いや、そう言われてもねえ」

 剣をビシッと突きつけるウィスに、ハルカは頭をポリポリと掻く。

「大体、大人しく捕まるような賞金首なら、もうとっくに捕まってると思うよ」
「うるさい! 嫌なら力づくで捕まえるだけだ」
「まいったなぁ……可愛い女の子とは戦わない主義なんだけどな」

 闘志を剥き出しにするウィスを見て、ハルカは心底困ったような顔をする。

「か、かわいい? お、お世辞を言って逃れようったって無駄だからな」
「本気なんだけどな。戦うとなったら、手加減できないから、嫌なんだよ」
「ふん、偉そうに。それならお前の本気とやらを見せてみろよ」

 ハルカの心情には構わず、ウィスが突然地を蹴って走る。信じられないような速さのダッシュでウィスはハルカとの距離を一気に詰めた。

「てぇい!」
「くっ!」

 薙ぎ払った大剣が完全にハルカを捉えたように見えた。だがウィスの手に硬い手応えを残し、剣はローブの表面を流れる。

「マジックアイテムか!?」
「いや、普通でしょ。しかし、思ったよりずっとやるなあ」

 一瞬で姿がかき消えると、ハルカは剣の間合いから離れた場所に空間跳躍していた。

「まあ、これならあんまり手加減は要らないかな? ほいっ」

 ハルカがローブの手元から一枚のカードを取り出す。そして素早く宙へと放り投げた。

「とりあえず戦士との接近戦は分が悪いから、こっちと戦って」

 空中をくるくると舞っていたカードが光を放つ。次の瞬間、轟音が轟き、大量の土煙が沸き上がった。

「でぇぇぇぇぇ!?」

 ウィスの前に現れたのは巨大なムカデだった。全長は二十メートルくらいあり、体高は二階建ての建物と同じ高さだった。静かに唸る巨体は粘液を帯び、腐った匂いが体中からする。

「ゾンビのジャイアントセンチピード。とりあえず、頑張ってやっつけちゃって」

 ウィスはいきなり巨大な怪物を目の当たりにして、全身から汗が吹き上がる。だがそれでも戦う意志は挫けず、剣を持って突撃した。

「でりゃあああああああ!」






「ち、ちくしょー」

 あれから三十分。ウィスの体は地上にぐったりと倒れていた。巨大なムカデはゾンビらしく動きがのろく、ウィスでも攻撃を充分に捌くことが出来た。だがムカデは恐ろしく身体が頑丈で、一向に動かなくなる様子がなかった。攻略の糸口が見えないまま、ウィスの体は時と共に疲労が襲ってきて、徐々に体力が尽きていった。おまけにムカデは時たまハルカに回復され、折角の傷も塞がってしまったのだ。狂戦士の力を引き出し、限界まで戦ってしまったため、ウィスは疲労困憊して最後には動けなくなった。

「んー、もう終わり?」

 大胆にもハルカはウィスに近づくと、その顔を覗き込む。

「このやろう!」

 ウィスはボロボロの体を押して、倒れた姿勢から強烈な一撃を放つ。だが剣は顔を覗きこんでいたハルカの体を通り抜ける。

「危ない危ない。まだ余力があるみたいだね」
「く、くそ……」

 先程のハルカは幻覚による立体映像だったとウィスはすぐにわかった。遠くからのほほんとした表情で微笑んでいるハルカに、ウィスは心底悔しそうに彼を睨みつける。だが憎しみは募っても、もはや彼女には何も出来なかった。

「それじゃ、そろそろいいかな? 飽きちゃったことだし」
「ま、待て……ぐああああああぁ!」

 ジャイアントセンチピードが首をもたげると、ウィスの体を顎で掴んで持ち上げた。メキメキと身体が悲鳴を上げ、全身を苦痛が駆け巡る。

「あ、あ、あぁぁぁぁぁ!」

 鈍い音が響き、ウィスが断末魔の叫びをあげる。彼女の意識は完全に闇に沈んだ。二つになった肉体がムカデの口から離れて、地面へと転がり落ちた。





「う……あれ?」

 意識が戻ったウィスがぼんやりと目を開ける。その目に何処かの天井が映った。

「え、えっ!?」

 ウィスの身体がガバッと起き上がる。周りを見回すと、木で出来た壁に囲まれた何処かの部屋だった。調度品が特に無く、ベッドだけがあるところを見ると、寝室のようだ。

「お、俺……どうしたんだ?」

 記憶に無い部屋に居ることに、ウィスは困惑する。最後の記憶はジャイアントセンチピードのゾンビに自分の胴体を真っ二つにされたことだ。それなのに、自分はこうやって生きている。来ているシャツをめくりあげて調べてみるが、切断された腹には傷一つついていなかった。

「あれ、気がついた?」

 ウィスがまだ混乱している間に、入り口のドアが開いてハルカが入ってきた。手にはトレイを持っており、その上には食事の皿が乗っている。

「お、おまえはハルカ・リオーン!」
「うん、そうだよ。もう大丈夫みたいだね」

 ベッドの上から飛び起き、ウィスはハルカと距離を取る。だがハルカはのん気に近くにあった椅子に座るだけだ。

「くっ、何で俺は生きている?」
「そりゃ、生き返らせたからね」

 ウィスは身を低くしてハルカに飛びかかろうとする。その隙の無い動きは熟練した戦士の動きを思わせる。

「何で生き返らせた? 後悔するぞ」
「何を後悔するって?」
「おまえを殺すかもしれないのに……」
「ああ、それなら心配要らないよ。無理だから」

 ハルカのあっさりした言葉に頭がカッとなり、ウィスは魔道師に飛びかかろうとした。だが、その体は固まったまま動きが一切取れない。

「な、何をしやがった、俺の体に!? 呪いか?」
「いや、そんな生易しいものじゃないって。魂を貰った」

 ハルカが手元から一枚のカードを取り出す。そこにはウィスを鏡に映したかのような、肖像が描かれていた。

「ど、どういうことだ?」
「このカードに魂と肉体を繋ぎとめた。ウィスはもう僕の奴隷だよ」

 ハルカの言葉にウィスは呆然とする。自分の体は何とも無く、奴隷と言われても実感がわかない。だがウィスがハルカに攻撃することが出来ないという事実が、暗に既に奴隷になっているということを裏付けていた。

「お、俺をどうする気だ?」
「僕を殺そうとしたんだからね。生半可なことじゃ許せないかな?」

 口では恐ろしいことを言いながらも、ハルカは朗らかな雰囲気を崩さない。そんな彼は余計に不気味で、ウィスはゾッとした。

「とりあえず、レイプする」
「な、な、なっ!」

 ちょっと出かけてくるという風に、あっさりと言い放ったハルカに、ウィスは固まった。あまりの事にしばらくは声が出ない。

「れ、レイプする気か!?」
「うん」
「く、くそ……どうにでもしやがれ!」

 涙目になったウィスがベッドに転がる。一瞬だが逃げ出すことも考えたのだが、やはり体は言うことを聞かなかった。既に自分の体はハルカの意思通りにしか動かないみたいだ。全てを諦め、ウィスは開き直る。

「ほら、犯しやがれ! レイプでも何でもすればいいだろう」
「うん、一杯してあげるから」

 大声で怒鳴るウィスにも怖気づかず、ハルカはゆっくりとウィスに近づく。特に興奮したりしている様子の無いハルカに、ウィスは恐怖を覚えて目をぐっと閉じた。

「ん、んん、んー!?」

 ハルカはウィスの体に圧し掛かると、唇を奪った。ファーストキスをいきなり奪われて、ウィスの目が大きく見開かれる。

「ん、んぐ、ん、んっ!」

 抵抗しようとしてウィスは身体が全く言うことを聞かないの気付く。暴れたり、体を押し返したり、噛み付くことも身を逸らすことも出来ない。少年の柔らかい唇の感触をひたすら受け、それを感じることしかできない。

「ん、ん、んん……ぷはっ! な、何しやがる!? レイプするんじゃなかったのか?」
「だから、今やってるんじゃないか」

 困惑するウィスの頭をハルカが撫でる。優しく手の平で髪を撫で付けると、ハルカはウィスの顔にキスの雨を降らす。

「な、何しやがる! 変態、変態、変態!」

 叫びをあげるウィスに構わず、ハルカは頬や鼻、おでこに何度もキスを繰り返す。

「ん、んぐ……あ、う……」

 ハルカに再び唇を奪われ、ウィスが呻く。何度も何度も唇に柔らかな唇を押し付けられ、優しく撫でられる。ウィスの心に嫌悪感が募りそうになるが、初めて与えられる感触に困惑する気持ちの方が強かった。

「ば、バカ! 変態、変態、変態……」

 ひたすら優しくキスされて、ウィスが涙声を出す。強引に犯されるならともかく、こんな風にキスされては恐怖の方が大きい。

「ごめんね、怖がらせて。でも僕は止めないから」
「あ、ああっ……」

 ハルカに囁かれながら頬にキスされて、ウィスは震えてしまう。自分より年下に見える少年とは言え、見た目はかなり美しいのだ。そんな彼にキスされると、思わずドキリとしてしまう。ウィスとしてはもっと身体がごつい男が好きなのだが、こんな繊細なキスを続けられては、胸が熱くなるのを抑えられない。

「お腹空いたでしょ、いまご飯を食べさせてあげるからね」

 ハルカが片手を掲げると、食事が乗ったトレイが彼の手に収まる。彼は横になっているウィスの体をそっと起き上がらせた。

「だ、誰がおまえなんかの飯を食うかよ!」
「そんなこと言わないで。痩せちゃうよ」

 ハルカはパンを千切ると、ウィスの口元へと運ぶ。意思に反して口が勝手に動き、ウィスはパンを受け入れる。

「一杯あるからね。ゆっくり食べてね」

 ウィスの頬に何度も口付けしながら、ハルカはパンを少しづつ与える。ウィスはひたすらそれを受け入れる。悔しいが租借して胃の中へと入ってくる柔らかなパンは、自分の食欲を満たし、体を満足させていく。

「はい、スープ。熱かったら言ってね」
「や、やめろ、それくらい自分で飲める……あ、ああ」

 ハルカはスプーンに一さじスープを掬うと、息を吹きかけてからウィスに飲ませる。心は嫌がっているのに、ハルカの行為を素直に受け止めるしかなかった。小さな子供のように食べさせて貰うという行為に、女戦士は恥ずかしくて死んでしまいそうだ。

「パンはもっとあるけど、要るかな?」
「い、いらねえよ!」
「じゃあ、お腹が空いたら言ってね。まだまだあるから」

 トレイが再び空中を動き、椅子の上へとちょこんと収まる。ハルカにハンカチで口を拭いてもらい、ウィスは既に泣きそうな顔をしている。

「まだ食べてないものが消化できてないから、気分が悪くなったら言ってね」
「既に気分が悪い!」

 ウィスの叫びを無視してハルカは再びキスを始める。何度も何度もキスをされて、ウィスはおかしくなりそうだった。意思に反してキスを受け入れて、賞金首の思うがままに体を自由にされる。悔しくて悲しくて、虚無感がウィスを襲う。

「脱がすよ……」
「勝手に脱がせばいいだろう! レイプするんだろ!」

 着せられていたシャツに手をかけるハルカに、ウィスは怒鳴り返す。既に残された自由は怒鳴ってハルカを威嚇することぐらいだった。

「ちくしょう……」

 スルリと服を脱がされると、ウィスの上半身が露になる。手にすっぽりと収まるくらいのサイズで形のいい乳房と、スレンダーで滑らかな肩や腹部がハルカの前に晒される。戦士になってからは誰にも見せたことのない裸身を見られ、ウィスは唇を噛む。
 ハルカも上着を脱ぎ捨てて床に投げ捨てる。少年らしい未発達でほっそりとした体が露になる。いよいよ本格的に犯されると思い、ウィスはぐっと覚悟を決める。

「ウィス……」

 少年はウィスを押し倒すと、再び唇にキスをする。お互いの胸がくっつき、それぞれが肌のぬくもりを感じる。

「ん、んん……」

 ウィスの予想とは別に、ハルカはひたすらキスをするだけだ。胸は晒されているが、それには手を触れず優しくキスを繰り返す。ウィスが何度も受けたキスによってボーっとしていると、ハルカが舌で唇を舐めてきた。

「ん、ん、んー、んー!」

 ゆっくり唇を湿らせると、ずぶずぶと口内へと舌が入ってくる。口に入ってきた異物にウィスは目を見開くが、噛むことも唇を閉じることもできない。自分の舌を絡めとる少年の舌をただひたすら感じる。

「ん、んく、ん、ん!」
「ん……」

 舌に生温かく絡みつく相手の舌に、ウィスはぐっと耐えるしかない。最初は気持ち悪いだけの感触だったが、徐々に慣れてくると身体がゾクゾクするような感触が生まれてくる。何度も何度も舌を舐められて、体がビクビクと細かく震えてしまう。

「ん、あっ……」
「ズボンも脱がすよ」

 唇が離れると、唾液がつつっと伸び、軽く糸をひく。荒く息を吐くウィスはハルカの言葉にも反応できなかった。頭が白くなっており、ぼんやりとハルカを見るだけだ。
 ハルカはウィスのズボンに手をかけると、上手にスルスルと脱がす。白い簡素なショーツだけの姿にウィスはなってしまう。手早く自分のズボンも脱ぐと、ハルカもパンツのみの姿で、ウィスに再び圧し掛かる。

「それじゃ、たっぷり楽しもう」

 自分達に蒲団をかけると、ハルカは再びウィスの唇を奪った。






「ん……ん……あむ……」

 あれから一時間、二人はまだキスを繰り返していた。

「ん、んふ……ん、ん……」

 ウィスがハルカと舌を絡ませあい、相手の舌を舐める。ハルカの細い体に腕を回して抱き、ウィスは自らの柔らかな肢体で受け止めていた。
 当初はディープキスにただひたすら戸惑うウィスだったが、ハルカの口内愛撫によって徐々に身体が熱くなっていった。初めて体感する性の刺激は甘く、ウィスは何も言わずにハルカとの口付けを楽しんでいった。レイプされているというのはわかっている。だがただひたすらウィスを愉しませようとするハルカの動きに、嫌悪感と恐怖を溶かされてしまった。

「ん、あん……あむ、ん……」

 先程からハルカの膨らんだ股間が、ウィスの股の間に当たっている。当初はペニスの感触にパニックになってしまったが、ハルカがキスをするだけで何もしてこないので、徐々に落ち着いていた。逆にじんわりと愛液が滲み始めた女性器を、少年の硬くなった男性器に押し当てて愉しんでしまう。軽くヴァギナをペニスで洋服越しに擦る感触に、ウィスはますます感じていく。

「は、はん……あむ、あむ……ん、んっ……」

 随分前から乳首も勃ち、少年の胸に擦れていた。ハルカの薄い胸に押し潰されるたびに、ウィスは声を漏らす。身体全体が熱くなり、ウィスはペッティングをただひたすら愉しむ。頭の片隅で浅ましい自分を非難する声が聞こえる。だがハルカが傷つけるような言葉をぶつけず、ひたすらウィスとキスを続けるので、奇妙な安心感に包まれてしまう。

「ん……はむ……あん……はぁはぁ」

 どれだけキスをしていたかわからないくらい、唇を合わせていたハルカがようやくウィスを解放する。ウィスはとろんとした瞳でハルカの整った顔を見つめて、荒く息を吐くしかできなかった。罵声が一切出てこない。

「お水飲んで。咽喉渇いたでしょ」

 ウィスの身体をそっと抱き起こすと、ハルカは彼女の口元へ水が入ったフラスコを近づける。汗と唾液の分泌によって失われた水分が補給されて、ウィスの身体が嬉しそうに水を胃に受け入れる。乾いた体には水が極上の酒のように思えた。

「また欲しくなったら言ってね」
「……ああ、うん」
「嫌だったら教えてね」

 ハルカはウィスの身体と並行に横になると、片手を胸に這わせた。

「あ、あぁ……」

 少年のほっそりとした手が胸を撫でると、ウィスは溜息のような声を漏らした。さっきから押し潰されて温められていた胸は、とっくにハルカの手を受け止める準備はできていた。

「あう……ふはぁ……や、やめてぇ……」

 円を描くように胸を撫でるハルカの手に、ウィスは甘い嬌声を小さくあげる。やめてという言葉にハルカは愛撫を止めるが、ウィスは目でもっとして欲しいと訴えかけてきた。ハルカは再び胸を愛し始める。

「あ、ああっ、はぁはぁ、ふあぁ、やぁ……」

 ハルカの手が乳首に達すると、ウィスの声がやや大きくなる。硬く尖った突起を指でクルクルとなぞられると、その刺激に身悶えしてしまう。見た目とは違い、テクニシャンな少年に歴戦の女戦士が翻弄されている。

「あ、あうぁ……ち、乳首が……ひ、ふうふう、あ、あ」

 羽で触られているようなソフトなタッチで乳首を指で擦られて、ウィスが軽い悲鳴をあげる。男勝りな自分とはとても思えないようなかわいい声が口から漏れて、ウィスの身体がブルブルと震えた。

「あ、ああっ、な、舐めるな……や、やめろ、やめて……」

 ウィスのピンクにぷっくり膨らんだ乳首に口を寄せて、ハルカがペロペロと舐め始める。初めて乳首を吸われて、先端から広がる刺激にウィスは熱にうなされているような嬌声をあげる。ハルカの愛撫はウィスにとっては、この世のものとは思えないような快感だった。無意識に、いつまでもこのままで居たいと思ってしまう。

「ふ、ふあっ……そ、そこは……だ、だめだって……ああっ!」

 ショーツ越しにふわりとヴァギナを指で撫でられ、ウィスがビクリと身体を跳ねさせる。ショーツはウィスの愛液をたっぷり吸い、重く湿っていた。陰唇をなぞるように触られると、ますます膣が愛液を吐き出す。胸の突起と花弁を両方責められて、ウィスの快感は爆発するように膨れ上がっていく。

「う、うあぁ……だめ、だめ……もうだめだって……」

 ショーツ越しにクリトリスの突起を押されて、ウィスの身体がプルプル震える。ギュッと目を瞑って、耐えようとする姿はまるで幼女がトイレを我慢しているかのようだ。硬くなった陰核を優しく布越しに触られるだけで、恐ろしいほどの快感がウィスの身に奔る。

「あ、あっ、あふ……や……くっ」

 円を描くようにクルクルとハルカの指が動き、それに合わせるかのようにウィスの身体がビクビク反応する。自分でもわかるくらい愛液がトロトロと膣から漏れて、ショーツをビショビショに濡らす。

「やっ、やぁ……だ、だめ……お、おれ……い、いっちゃう。こ、腰が……ふぁぁぁぁあ!」

 指での愛撫だけでウィスの意識が飛んだ。クリトリスを弄られて身体が高められて、自然に絶頂へと達していた。レイプされているなどという自分の状況などは考えず、体全体でただエクスタシーを感じる。

「あ、はっ……あ、あく……は、はぁはぁ……」

 ウィスは肩で荒く息をつき、ベッドの上にぐったりと身を投げ出す。一時間以上愛撫されて増幅した快楽の果てに感じた絶頂感は、最高だと感じた。ウィスが生まれてこの方、ここまで凄い体験をしたことは無かった。

「はぁはぁ……は、は、はぁはぁ」

 苦しそうに呼吸して肺に思いっきり息を吸い込む。そんなウィスをハルカは呼吸が整うまで、ずっと撫でてやる。

「はぁ……あ、あのさ……」
「何?」
「れ、レイプするんじゃなかったのか?」

 寝ているウィスは自分の顔を見つめているハルカを見上げて不思議そうに聞く。

「レイプしてるじゃないか」
「いや、普通レイプって言ったら……その……」
「同意無しでエッチしてるんだから、レイプだよ」
「そういうものなのか?」

 自分で犯行を認めているハルカに、ウィスが首を傾げる。自由を奪われて性交を強要されて、最初は確かに死ぬほど悔しかった。だがそれでもハルカは優しく接してくれたのだ。確かにレイプはレイプだが、こんなソフトなレイプは聞いたことが無い。

「もっと酷いことするけど、いいかな?」
「ば、バカ! 俺に聞いたってするんだろ」
「嫌なら、さっきくらいのエッチで止めるけど?」

 ハルカの言葉に、ウィスが返事に詰まる。確かにクリトリスへのペッティングは恐ろしく気持ち良く、もう一回味わいたかった。だがその先にあるものをつい期待してしまう。それほどまでにハルカの性技は卓越していた。

「……れ、レイプするなら好きにしろよ」
「うん。嫌だったらすぐに言うんだよ」

 ウィスのオーケーのサインをしっかり受け取り、ハルカは彼女の頬にキスする。一度達した後のキスは心地良く、ウィスの頬が思わず朱に染まる。

「脱がすよ」
「……ああ」

 ハルカがショーツの端に指をかけると、ウィスは自分で腰を上げて脱ぎやすくする。自分でも思いがけない行為にウィスは思わず自己嫌悪に陥りそうになるが、これはレイプされているからだと自己暗示をかけて、自分で自分をごまかした。

「ふあ……あ……」

 ハルカの指が膣の入り口を軽く擦る。愛液で充分すぎるほど濡れたアソコは、少し指を沈めただけで一気に飲み込んでしまいそうだ。それほどにヌルヌルしている。

「少し足を広げてくれる?」
「へ、変態……こ、こうかよ?」

 口調とは裏腹に、乙女のように恥らってウィスが股を広げる。体に柔軟性があるのか、太ももはハルカが思っていた以上に広がり、大きく股間を晒す。薄く生い茂った恥毛に、ピンクの陰唇がハルカの目の前で露出した。

「舐めるよ」
「ばか、汚……はふっ、やっ」

 制止しようとするウィスに構わず、ハルカは口を大きく開けて彼女の秘部へとむしゃぶりつく。口を大きく開けて陰唇全体を口に含むと、舌を大きく使って割れ目を擦る。

「く、くふん……あ、あん……や、や……」

 シーツを掴んでウィスが大きく身を捩る。思った以上にウィスに負担をかけていると判断したハルカは、口を一旦離す。そしてチュッチュッと下の口に何度もキスをする。

「や、やめろよ……は、恥ずかしいって……そんなとこキスしないでくれよぉ……」

 柔らかな唇を陰唇に感じて、ウィスが顔を真っ赤にして手で覆う。ハルカのソフトなキスは、一度達して敏感になった体に程よい快感として染み渡る。

「ふ、ふわぁ……あ、ああ……んあぁ……」

 キスに慣れてきたと見ると、ハルカは舌を出してウィスを責める。チュプチュプと膣口を舌で突付き、漏れでる愛液を啜る。ウィスの中からは尽きることの無いかのように透明な汁がこぼれ落ち、尻を伝ってショーツに染みを広げていく。

「ひゃ、あああっ、あ、あった、ふあ……」

 クリトリスを舌で穿られ、ウィスの柔らかな肢体が激しく動く。突起をクルリと円を描くように舐められ、ウィスは逃れるように必死に体を動かす。だが股間に顔を埋めたハルカは太ももに腕を絡めて、巧みに彼女を逃さないようにする。

「や、やだ……ま、またイクって……だ、ダメだって……」

 クリトリスから広がる快感のパルスにウィスは切羽詰った声を出す。その声に含むものを感じ取り、ハルカは舌での愛撫を止める。唾液と愛液でウィスの股間はグショグショになってしまう。

「そろそろいいかな?」

 ハルカはパンツを脱ぎ捨てると、自分のペニスを取り出す。硬く反り返った陰茎は、サイズ的には大人と同じと言っても遜色が無い。

「抵抗できないんだから、好きにしろよ」
「嫌だったら止めるって」

 ハルカの言葉に、ウィスは考え込んでしまう。
 快感に火照った体は、ハルカに抱かれるのを今か今かと待ち構えている。だが相手は自分を殺そうとした……というか一度自分を殺した相手なのだ。かなり高額の賞金が掛かっている賞金首でもある。自分は既に彼の奴隷で、もしかしたら一生性の玩具として弄ばれるかもしれない。
 だが結局はセックスへの好奇心が勝った。今までウィスにアプローチをかけ、口説いてきた相手はろくでもない奴ばかりだったので、全てをぶちのめしてきた。こんな美少年に抱かれてロストバージンする機会など、男勝りの自分にはまず無いだろう。もしかしたら、一生を惨めな奴隷として暮らすかもしれないが、今だけは快感に身を任せたかった。

「好きにしろよ……」
「わかった。気持ち良くしてあげるからね」

 ハルカはウィスの膣へと軽く指を入れると、軽く目を閉じる。ふわっと魔法特有の光が輝き、すぐに消える。

「今の呪文は?」
「痛くしないようにおまじない」

 首を傾げるウィスにハルカはウィンクして答える。
 ハルカはウィスの腰を抱えると、膣口に亀頭の先を合わせる。いよいよ生まれてからずっと守ってきた処女を失うと知り、ウィスの身体が強張った。

「ウィス。惚れてるから」
「バカ、嘘つくなよ」

 オデコにキスをされて、ウィスの胸中が恥ずかしさで一杯になる。奴隷にされたとはいえ、命を狙った相手を生かしたのだから、ハルカもウィスに対して何か感情があるのかもしれない。

「ん、んん……」

 ズズッとペニスがヴァギナに飲み込まれていく。

「あ、ああっ……は、入ったのか?」

 自分の何かを押し広げるような感触はあったが、思っていた以上にあっさりとペニスは中へと収まった。破瓜に伴う痛みは全く無く、ハルカが言っていたおまじないが聞いたのかもしれない。

「あ、あん……や、はっ……そ、そんな」

 ハルカが腰を動かし始めると、ウィスの体に震えが奔る。生まれて初めて侵入を許した陰茎に膣壁を擦られ、体にゾクッとした感覚が広がる。

「う……やん、あ、ああっ……こ、これって……ふ、ふわあ……」

 ペニスの動きに合わせて、ウィスが甘い声を漏らす。感じたことのない未知の快感に腰が震えてしまう。男女の営みというものが、こんなに凄いものだとはウィスは思っても居なかった。

「や、やん、あっ、あん、ああ、す、凄いよ。こんなの凄いよ……」

 肉壁を掻き分けてズルズルと擦れるペニスが、ウィスの体を熱くする。下腹部から広がる快感に、涙を流してよがってしまう。

「あ、あう……ふ、ふあ……こ、こんな……お、俺、レイプされてるのに感じてる」

 ハルカに自由を奪われ、処女まで奪われたというのにウィスはセックスを楽しんでしまっている。身体は悦びのシグナルを発して、愛液を漏らしてペニスを楽しむが、心の何処かでは罪悪感が芽生えていた、こんな性の奴隷みたいになっていいのだろうかと。

「レイプされると感じちゃう人も居るらしいよ。恐怖と快感って似てるらしいから、勘違いしちゃうらしい」
「あ、ああっ、そ、そんなこと……」
「だからレイプされて感じちゃうのは仕方ないんだよ。ウィスが悪いんじゃないんだ」

 ハルカにギュッと抱き締められ、優しく囁かれてウィスは震えてしまう。先程からあまりの気持ち良さに、小刻みに揺れる身体が止まらない。腰を振られてペニスで突かれるたびに、どんどん胸の奥へと熱いものが溜まっていく。

「ふ、ふあ……あ、ああっ……あく……や、や……」

 括約筋が勝手に収縮し、ペニスを締め上げる。余計にシャフトがヴァギナに擦れてしまい、ウィスは快楽にますます捉われていく。

「う、うあ……は、ハルカ……お、俺、怖い……」

 ウィスはハルカの小さな背に腕を回し、必死に抱き締める。まるで自分の身体が自分のものではなくなってしまったようだ。

「大丈夫……受け入れればいいんだよ」
「そ、そんなこと言ったって……あ、あああっ、あん!」

 未体験の快感はあまりにも凄く、どんどんその濁流にウィスは流されていく。抱きついているハルカが持つ温もりだけが、理性を繋ぎとめてくれている。

「ふあ、ああっ、お、俺もう……だ、だめ、限界……」
「合わせるよ、一緒にイこう」
「ふ、ふあ、ああっ、あん、やん、あ、あ」

 ピッチを徐々に上げるハルカに、ウィスの身体が絶頂へと駆け上っていく。その動きに精神が揺さぶられて、おかしくなってしまうような錯覚を覚える。このままウィスは頂点まで駆け抜けると思われたのだが、

「中で出すね」
「え、あっ……な、中でって……あん、だ、ダメだって」
「何でダメなのかな? セックスしてるんだから、中に出すのは普通だよ」

 ハルカの言葉にウィスは総毛立つ。快楽に溺れている体でも、避妊せずに中で精液を出されたらどうなるかわかる。

「ば、バカぁ! 赤ちゃん出来ちゃうだろう!」
「ウィスの赤ちゃん欲しい。だから奴隷にしたんだよ」
「な、何言ってるんだよ、やめろよ、やめろ……中に出したらダメだってぇ。妊娠しちゃうだろ」

 ハルカの告白に、ウィスが涙目になる。赤ちゃんが欲しいと言われて、頭が真っ白にんなってしまった。意味はわかるのだが、何でそんなことをハルカが言うのかわからない。

「赤ちゃん作ろう。ウィスと僕との赤ちゃん」
「やだ、やだ、やだ……離せ、そんなの嫌だって……な、何考えてるんだよぉ。妊娠するなんて……」

 恐怖心で身体が強張る。それでもハルカの一突きごとに、全身は否応無しに高まっていく。イクと同時にハルカは精子をウィスに注ぎ込むだろう。だが耐えようとする意思は、強烈な快感によってズタズタにされていく。

「あ、ああっ、イク、イク……や、や、あ、イクぅぅぅぅぅ!」

 ウィスがエクスタシーへと到達する。ペニスを膣が咥え込み、胸の高まりが弾ける。脳内がスパークして、景色がホワイトアウトする。

「ん……僕もイクね」
「ぬ、抜いて! 妊娠しちゃう、妊娠しちゃう、やだ、嫌だ……あ、赤ちゃん嫌だ!」

びゅる、びゅる、びゅる、びゅる、びゅっ、びゅっ、どくどくどく

 ハルカのペニスがビクビク動き、精液を吐き出す。大量に流し込まれる白濁液に、ウィスは自分の中が精子入りのエキスで満たされていくのがわかった。

「う、うあぁ……孕んじゃう……や、やめて……抜いて……」

 エクスタシーと恐怖を同時に感じて、ウィスの頭がぐちゃぐちゃになっていく。最早自分が気持ちいいのか、震えているのかもわからない。

「あ、ああっ、中に出されている……やだよぉ……抜いてくれよぉ」

 ただ身体は正直に反応して、膣壁が動いて精液を子宮の中へと送りこもうとする。大量の精液を授けて貰ったことに感謝するように、子宮口が亀頭にキスして、その口から精子入りのジュースを飲み込む。

「ば、バカぁ……どうするんだよ……こんなことされたら……」
「赤ちゃん作ろう、ウィス」
「な、何でだよ……何でそんなに拘るんだよ……」

 グスグスと泣いてしまったウィスの頭をハルカが優しく撫でる。子宮は精液で満たされており、もしウィスが排卵日なら確実に妊娠しているだろう。ウィスはハルカの意図がわからず、ただただ怖かった。

「ウィスが……とっても可愛かったから。出会ってこうやってセックスしただけで、どんどんはまっちゃったから」
「だ、だからって……何で子供作るんだよ……」
「好きな人には自分の赤ちゃんを産んで欲しいから。ウィスの赤ちゃんが欲しいからだよ」

 抜かれていないペニスはまだ熱く、たっぷりと出した精液を逃さないように蓋をする。頂点へと登りつめて、素晴らしかった快楽の余韻を感じながらも、ウィスは泣きじゃくる。

「わかんねぇよ……ハルカ、俺、おまえがわかんねぇよ」
「怖いのは分かるよ、ウィス。レイプしてごめんね」
「バカヤロウ、バカヤロウ……」

 ウィスは怖かった。これから自分がどうなるかわからなかったからだ。今はただ髪を撫でるウィスの優しい手つきと、慰める言葉を信じるしかなかった。






「で、本当にどうするんだよ。さっきので妊娠しちまったら」

 ベッドの上で上半身を起こして腕を組み、ウィスが憮然とした声を出す。一時間近くハルカに優しくあやしてもらって、ウィスはようやく立ち直ることができた。泣いていたのが恥ずかしいのか、居丈高な態度を取る。

「え、妊娠したら、そりゃ産んで貰いたいけど……」
「バカヤロウ! ガキが出来たら、どうするんだよ! おまえ、ちゃんと責任持てるのかよ!?」
「ああ、そういうことか。その点については全く心配無いから」

 ウィスの肩に手を回したハルカが、あっさりと彼女に答える。

「本当かよ? デタラメ言ってるんじゃないか?」
「いや、本当だよ。嘘ついても仕方ないでしょ」

 軽く微笑むハルカに、ウィスはたじろぐ。その顔を見る限りは適当に嘘でごまかそうとしているようには見えなかった。

「大地母神イシュラって知ってるかな?」
「イシュラ? ああ、あの邪神の……」

 ウィスの言葉に、ハルカは顔を曇らせて目を逸らす。

「あ、悪い……何か悪いこと言っちまったか?」
「まあ、大神ユーガードの教義が広まってからは、そう思われるようになっちゃったからね」

 悲しそうに顔を背けるハルカに、ウィスは自分でも驚いたことに胸が痛んだ。

「それで、そのイシュラがどうしたんだ?」
「僕は彼女の信者なんだ。彼女の教義は、性の交わりをもって子を成せ……なんだ」
「へえ、そうなのか……って、おまえ、それだから俺を妊娠させようとしたのか」

 頭痛がしたかのようにウィスは頭を押さえる。どうやら知らない宗教のためだけに、中に子種を注ぎ込まれたようだ。

「じゃあ、俺を奴隷にしたのも、単に孕ませたかったからか?」
「それは順番が逆だよ。可愛かったから妊娠させて僕の子供を産んで欲しかったんだ。好きでもない相手を孕ませようとは思わないよ」
「あ、あう……」

 無邪気なハルカに、ウィスはますます混乱する。そこまで女を妊娠させるのに執着する価値が分からない。ウィスにはまったくもって理解できなかった。

「まあイシュラの教義が教義だから、育児については任せといて。ちゃんと育てる場所も人も揃ってるから」
「はぁ……だからって……ああ、もう! 一応はおまえの考えはわかったよ! で、これからどうするんだ!?」
「ウィスが良ければ冒険者を続けたいけど?」
「本当か?」

 ウィスがハルカの言葉に食いつく。賞金を稼ぐためにハルカの命を狙ったが、ウィスの本業はダンジョンの宝を探し、モンスターと戦う冒険者が本業だ。自分でも性に合っていると思っている。奴隷になっても、それが出来るというのなら、隷属生活も多少はマシには違いない。

「まあ、それならいいけどよ……なあ、奴隷って言うからには何かしなくちゃいけないのか?」
「うーん、エッチと妊娠」
「あ、あのな……いい加減、それから離れろよ」
「まあ、それ以外は普通に冒険者やろうよ。楽しいと思うし」

 明るく言うハルカにウィスは溜息をつく。高額賞金に釣られたがために、とんでもない相手に捕まってしまった。一見すると少年なのに、彼にはウィスの知らない何かが確実にあった。

「それじゃ、一緒になった記念にもう一回エッチする? 今度はちゃんと抜いてあげてもいいよ。セックスだけ楽しもう」
「ば、バカ! 一回中に出しただろう、意味無いだろうが!」
「じゃあ、一杯中に注いでいい?」
「う……や、やっぱり外にしてくれ……」

 ウィスはハルカに再び押し倒されると、彼のキスを受ける。子宮にたっぷりと詰まった精液の感触に、ハルカは多大な不安と、女としての期待をちょっぴり感じていた。










































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