ガーディアン裏設定　とある悪魔の覚え書き

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ガーディアン誕生の経緯について

ガーディアンの発祥は紀元前ギリシャへと遡る。古代ギリシャにおいては、怪物などが跋扈しており、一般の人間による対処は非常に困難だったらしい。（一説によれば、オリュンポスの神々と、それに選ばれし英雄によって退治が成されていたとのことだが、確証は無い）そこで人為的に能力者を作り、怪物達に当たることにした。これがガーディアンの発祥である。

能力の選別

彼女達を作り出した最初の主、創造主については不明な点が非常に多く、もはや真実を知るのはガーディアン達のみかもしれない。ただわかっているのは、能力の選別の過程である。最初に作り出されたのは地、水、火、風の力を操る四体だった。後の時代において四大元素と呼ばれる力を、最初に作り出したことになる。次に四大元素の副次的な力、重力、氷、衝撃、雷の能力が選ばれることになる。そして更に光と闇という新たな二体をもって、一旦ガーディアンの製造は終わった。

十人の能力者は強力な力を操り、魔物退治に力を発揮したが幾つかの問題が発生した。闇は一種の危険な能力で、ガーディアン達が退治する者達に通ずる力だった。制御が非常に難しく、下手をすれば能力者自身が魔物などに変わる可能性もある。そこで能力の抑制を決定して、闇の能力者は影の力へと能力を落とすことになった。また強力な力とはいえ、生まれたばかりの能力者達は必ずしも戦闘に慣れておらず、特に接近戦で苦戦することが多かった。そこで対策として肉体、剣などの近接戦用の能力者が作られた。（肉体の能力者は後に血を操る能力へと先鋭化する）創造主は状況に柔軟に対応して、能力者を作ったことがここからわかる。

転生について

能力者達は死ぬと転生する。これは人間の寿命から考えれば、かなりの長期間人を守ることを想定している。創造主は人造能力者を作るに留まらず、転生の秘術にも通じていたことからも、かなりの力を持った神官や魔術師、または研究者だったらしい。

死んでから転生するまでの期間は不定である。ただ人に敵対する超常生物、魔物などの大量出現に対応して、それより僅かに早く生誕する。どのように予測しているかわからないが、確実に人を守るための措置だ。これは古代ギリシャの怪物が絶滅し、悪魔や妖怪と呼ばれる者達が跋扈するようになった後も続いた。彼女達は現在においても戦いを続けている。

転生する場所も魔物達が増える場所を確実に予測して転生を行っている。その範囲は世界中へと広がっている。我々悪魔がポータルを開いた場所や、妖魔が増えすぎた場所などだ。このこともあって、我々とはかなりの長期間抗争が続いている。悪魔が現れるところに必ず彼女達はやって来る。

主について

主はガーディアンを命令できる唯一の存在である。（追記、近年においてそれを覆す者が現れた。別の報告書を参照せよ）その時代によって人の中から選ばれているが、その選定方法には疑問が残る。職業、思想、年齢がバラバラで一定しないからだ。ただ傾向としては主に選ばれる者は、欲が強い場合が多い。権力に執着する者、金を好む者、肉欲に溺れる者。彼らはガーディアンを使い、自分達が望む物を得ようとした。主にとってガーディアンは下僕や駒でしかない。

それもあり、ガーディアン自体が逆に主の統制をする方法を学んだ。彼女達自身が主を操作するのだ。仕えると見せかけ、常人より遥かに長い経験を積んだ彼女達が主を手の内で操るのは容易だった。ガーディアンにとって魔物退治が先に来て、主は常に二の次なのだ。ただ主の存在が発覚すると、少なくとも必ず誰かがコンタクトを取ることは怠らない。

このようなこともあり、主の存在には疑問が残る。仮定として、ガーディアン達の抑止機構では無いかと私は見ている。多数の能力者（魔術や信仰の力を持った者達）が居た古代、高度に科学が進んだ現代においても人よりも遥かに強力な力をガーディアン達は持っている。それは人類への脅威とも成りうる。その力が人間へと向かうことを創造主が恐れたと思えば、説明がつく。

（追記）
ただ主については二人例外が存在する。千年前と現在において、ガーディアンを完全に統率する主が現れた。この二人は人格者と言ってもいいだろう。二人が現れたのは西暦千年、そして二千年となっており、キリスト教が関係するとは思えないが千年という数字に関係がすると思われる。ただ千年（ミレニアム）は我々悪魔が地上へと大量に尖兵を送り込み、人類を手中へと収めようとする時期でもあり、これの対策のために強力な指導者が必要だったのかもしれない。

千年前は初めて女の主が生まれ、ガーディアンを率いて見事に我々を打ち破った。今回においても、少年が見事に彼女達を統率している。これを利用し、悪魔内での権力構造の変化を私は計画している。そのためにも、今後もガーディアンと共に主への情報収集は欠かせないだろう。何かわかり次第、今後も書き記すことにする。

（とあるパソコンにハッキングをかけた人物がハードディスク内で見つけた文書。この直後、モニターから悪魔が現れてその人物が閲覧した情報と記憶は完全に消去された）

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