無料エロ同人






 廃ビルの一角、塵とコンクリート片で汚れたフロアで対峙する者達があった。片方はヤギの顔と下半身、そして人間の上半身をしている妖物だ。指からは長い爪が伸びて地面についている。中級に分類される悪魔の一体だ。
 そしてそれを挟むように由佳と雛菊は位置を取っている。由佳は仁王立ちで両手を腰の辺りに構え、正面の敵を注視している。そのポーズは西部劇のガンマンのようだ。雛菊は片膝をつき、自分の背より高い巨大な偃月刀を構えていた。白い刀身は斜めに伸びていて、カーブを描いている。その常人には持つことも困難な刀を彼女はいとも容易く腕で支えていた。
 先に動いたのは悪魔の方だった。非武装の由佳を組しやすいと思ったのか、風の如く突進する。だがそれより速く雛菊が踏み込んだ。剣の一閃が悪魔の胴体を真っ二つに断ち割る。

「ゴッォ」

 由佳が半円を描くように腕を上げると同時に、床から立ち上がった炎が妖魔を飲み込む。豪炎は二つの肉塊を焼き消し、怪物の残した短い声だけが後に残った。

「中級程度の悪魔に随分と二人がかりで手間取ったじゃない」

 ひび割れた柱の影から芽衣が現れる。

「冗談じゃないわ。わざとよ、わざと」
「あまりにも早く消したら、唯様にお見せできないだろう」

 由佳も雛菊も余裕の表情を見せる。雛菊が刀を体内に仕舞いながら、芽衣が来た方向に目を向ける。

「唯様、もう出てきてもよろしいかと」
「凄かった……びっくりしちゃったよ」

 柱の後ろに隠れていた唯が三人の元へとやって来る。さっきの戦闘を見た興奮冷めやらぬ感じだ。そんな唯に雛菊が声をかける。

「あのような輩を見て驚かれましたか?」
「いや、あの怪物も怖かったけど、それ以上に二人に驚いちゃった」
「そうなの?」

 唯の言葉に首を傾げる由佳に、彼は笑いかける。

「だって、あんなのを一瞬で倒しちゃうんだよ。凄いって」
「いや、それほど褒めなくとも……」
「みんな凄いんだな。主になったの責任感じちゃうよ」

 うんうんと一人で感心している唯に、三人は顔を見合わせて苦笑する。芽衣が唯に歩み寄る。

「まあ、我々にあのくらいの力はあるということだけ覚えて頂ければいいですわ。妖魔退治は我々の仕事ですので、唯様を煩わせることは無いでしょう」
「うーん、確かに僕が手伝えることは無さそう……」
「唯様は今のままで十分ですわ。さっ、参りましょう。これ以上の長居は無用ですわ」

 芽衣に促されて唯は荒廃した部屋から、ごみが散らかる廊下へと出る。雛菊が唯の先に立ち、芽衣と由佳が唯の後に続く。郊外の廃屋は荒れ放題で、人の気配はさっぱり無い。昼の日の光がわずかに差し込み、廊下は薄暗いだけで済んでいる。

「ところであの悪魔って何処から現れてるの?」
「奈落……とある者達が作り出したという異空間ですわ」
「まあ私達もよくわかってないんだけどね」
「たまにそことこの次元の入り口が綻び、あのような輩が人間界に紛れ込むということです」

 唯の質問に芽衣と由佳、それに雛菊が答える。

「ああいうのってその……一杯いるの?」
「一杯……か知りませんが、そこそこの数は東京に居ますわ」
「それじゃあ……」
「まあ、人に直接危害を加えることは稀です。そういう規律があるらしいので」

 芽衣の説明を補足しながら、雛菊が鉄の棒のようなもので廊下の邪魔なごみを脇に移動する。そうやって四人の通路を作りながら移動していく。

「彼らは人を直接害するより人に紛れ、麻薬や賭け事、色事など悪への誘惑などで人間を堕落させます」
「人を殺したりと直接的じゃ無い分、陰湿よね。あ、唯様そこ気をつけて下さい」

 由佳の注意を受けて、壊れた自転車を唯は避ける。薄暗い通路は注意しないと見えない障害も多い。なかなかに大きい廃ビルなのもあって、唯には廊下がやたらと長く感じられる。
 そろそろ階段という時点で、

「相変わらず群れてるのね……」

 突然かけられた言葉に、全員がその方向に顔を向ける。戸が開いた一室からするりと一人の女が現れる。

「それだからいつまでたっても効率の良い狩りが出来ないのよ」
「あなたは……」

 女は引き締まった体をパンツルックのスーツにゆったりと包んでいる。ただ胸だけが上着とシャツを大きく盛り上げている。長い緑がかった黒髪を持つその顔はかなりの美女と言えるだろう。だが細いその目は剣呑な光を帯びており、唯の背が言い知れぬ圧迫感にぞくりとする。
 主を背に庇い芽衣が一歩前に踏み出る。

「京……久しぶりね」
「ええ。中級悪魔を追ってきたら、三人も仲間がいるとはね……」

 京はちらりと唯を見やる。

「そのガキは誰?」
「麻生唯様。新たな主よ」
「そう……」

 ふっと京が目を瞑った転瞬、彼女が腕を振りかぶる。京の腕全体から伸びた巨大な赤い陰が、爪のような姿をかたどって天井付近まで吹き上がった。そしてそれは唯目掛けてまっすぐに振り下ろされる。
京の一撃から庇うように芽衣と雛菊が二人の間に瞬時に分け入る。雛菊は巨大な剣を呼び出して構え、芽衣はその背後で全員の前に分厚い氷壁を作り出す。そして由佳が召還した火炎の渦が唯を守るように湧き上がった。

「す、ストップ!」

 女戦士達が激突する直前、間一髪で唯の言葉が間に合う。少年が放った力を持った言葉は四人の力をかき消し、爪や剣、氷壁と炎を霧散させる。彼の命令は戦士全員を縛り、その場に止まらせた。
 京は悔しげに唇を噛む。

「くっ、主の拘束力は健在ね」
「京、これはどういうこと?」

 しくじった京に芽衣達は厳しい視線を送る。

「主と言っても名ばかりでいつも私達の邪魔ばかり。今のうちに殺しておくのがいいと思っただけよ」
「馬鹿なことを! 唯様には指一本触れさせませんわ」

 怒りを押し殺すように芽衣、由佳、それに雛菊がじりじりと京へと近づく。殺意を放ちながらも、京は三人と間合いを開こうとさっと後ずさる。

「く、暴れたいだけだったのに、言霊の拘束力は続いている……退かせてもらうわ」
「あ……待って」

 踵を返して逃げようとした京の足が唯の言葉で完全に止まる。彼の言霊に京の足は地面に固定したように動かなくなってしまう。それを見逃すわけもなく、すかさず近づいた雛菊が背後から首に腕を回し、芽衣が片腕を背に回して京の動きを封じた。
 雛菊は渾身の力で京の細首を締め上げる。

「ぐっ、ああ!」
「このまま殺させて貰う。次の転生までさらばだ」
「ちょ、待って。ストップストップ」

 唯の言葉に雛菊と芽衣の力が緩み、京の体が崩れ落ちる。苦しそうにえづく京を無視し、三人は唯に食ってかかる。

「何故ですか!? 京は唯様のことを殺そうとなさったのですよ」
「同情の余地はありませんわ」
「唯様、甘いわよ」
「で、でも……人殺しはダメだよ」

 凄い剣幕の三人に唯は一歩も退かない。

「それに皆の仲間なんでしょ。そんなのをいきなり殺すなんておかしいよ」
「しかし……京は唯様の身を……」
「京さんは色々と前の主に嫌な思いをしたんじゃないかな。それでついカッとなっちゃっただけだって」
「唯様、彼女に情けをかけなくとも……」

 咳きこむ京の近くにしゃがみ込み、唯は彼女の背中を撫でてやる。そんな彼を京は悔しげに見返す。

「くっ、殺す」
「うう、それはちょっと困るなあ」

 ギロッと睨みつけてくる京に、唯は思わずたじろぐ。その目はまるで追い詰められた野獣だ。そんな唯の傍に芽衣が来て囁く。

「唯様、やはり京はここで処分した方がよろしいかと思いますわ。たとえここで身が朽ちても、我々はまた転生することができます」
「ダメ、ダメ、絶対にダメ」
「はあ、唯様は甘いですわ」

 唯の言葉に芽衣は首を振る。ただでさえ問題が多い京なのだ、これ以上主人の命を狙われたら堪らなかった。しかし、唯の言葉には絶対に逆らえない。
 芽衣は京の前に立ちはだかって、冷たく見下ろす。

「こうなっては仕方ないですわ」
「何をするつもりだ……」
「あなたには唯様に罰を与えてもらいます」

 芽衣は京が着ているスーツの下のシャツを掴むと、がっと横に大きく広げた。ボタンが弾けとび、京のブラジャーが露になる。あまりにも大きな胸を包む特注と思われるブラジャーは、黒一色で飾り気は何も無い。

「く、犯すなら犯しなさい」
「ふふっ、お望みどおりにしますわ」
「ちょっと芽衣さん、乱暴なのはダメだよ」

 今まで見たことの無いようなサディスティックな笑みを浮かべる芽衣を、唯は慌てて制止する。

「由佳さん、雛菊さん、何か言ってよ」
「自業自得です、唯様」
「そういうこと、京のことやっちゃえ」

 うんうんと頷く雛菊と笑顔の由佳に、唯は深くため息をつく。由佳の目は笑っておらず、雛菊は虫けらのように京を見ている。どうも唯はこのまま京を見逃すことは出来なさそうだった。

「どうします、唯様? 抱くほどの価値が無いというなら、我らがここで……」
「いや、やります。だから芽衣さんも落ち着いてね」

 唯の言葉に芽衣は満足そうに京から離れる。仕方なく唯は京を立ち上がらせた。
服を破かれた京のシャツの合間からはブラジャーが見えており、大きく作り出された胸の谷間が見える。綺麗なフォルムを描く体とは反対に、胸だけが大きく体から迫り出していた。

「………」
「そんなに睨まないで下さい。精一杯やりますんで」

 視線だけで人を殺そうという勢いの京に唯は苦笑する。壁に京の体をもたれさせ、少年はそっと胸に手を這わせる。

「……殺さないと後悔するわよ」
「そんなに嫌わないで、僕は京さんと仲良くなりたいと思ってるから」
「無駄よ」
「だって、京さんってこんなに綺麗なんだもん」

 唯の言葉が耳に入った瞬間、京の体が総毛立つ。それは今までに感じたことの無い感覚だった。

「お、おまえ……」
「唯って呼んで下さい。京さんって笑ったらもっと素敵だと思うんだけど」
「あ、あぁ……ひあぁ」

 また唯の言葉が体が京の体に違和感を与える。今度は、はっきりと快感だと捉えられるものだった。先ほどまでは何も感じなかった胸の愛撫が、ピリピリとした刺激を起こすようになっている。唯の手がブラジャー越しに触る度に皮膚が胸の奥へとパルスを送るのだ。

「な、なに、これは……」
「京さん、落ち着いて。僕を受け入れて……大丈夫だから」
「あ、あくっ、おまえの言葉が……」

 唯の言葉だけで胸に暖かさが広がり、下腹部がギュンと反応してしまうような刺激がある。それだけでも腰が砕けそうな快感なのに、ブラジャーを外されて乳首を弄られると頭の奥まで染み入りそうな衝撃が走った。

「ひあ、あ、ああっ、やめろ、やめ……やぁぁ」

 ビリビリした快感が乳首を指先で摘んで捻られる度に体に流される。京の乳首が電流のダイヤルになったかのように。胸をくにくにと揉まれると、体全体を撫でられるような錯覚がする。

「あ、あう、こ、こんなの……やめて、やめ、ひゃぁぁあ」
「京さん、凄い可愛いよ。とっても可愛い」
「ひゃん、いあぁぁ、ん、んぐ、んむ……んく」

 唇を奪われ、優しく吸われると心臓がバクバクと自分自身で聞こえるような強烈な鼓動を刻む。『可愛い』という単語が京の体を駆け巡り、体内に反響する。耐え切れずに彼女は嫌っていた主に夢中でしがみつく。

「壁に手をついて」
「はぁはぁ……うっ、うう……」

 言われるがままに劣化したコンクリートの壁に手をつく。腰を突き出すような格好になり、京の心が羞恥心に染まる。頭が必死に拒否しているのに、体は唯の言葉を拒否できずに喜びさえ感じている。言霊の命令とは明らかに違う何かが京の心を揺さぶっている。

「わ、私に、な、何をしたの……」
「ごめん、僕ってこういう力があるみたいで」

 唯が京のズボンのベルトを外し、ズボンを地面へと下げる。嫌だ、悔しいと頭は思っているはずなのに、体は微動だにできない。べっとりと濡れたショーツが外気に触れた冷たい感触が、ますます京に屈辱を与える。

「ゆ、許さない……絶対に殺す」
「やっぱり嫌かな……やめる?」
「うっ……それは……」
「ごめん、無理やりしちゃって」

 ピタッと唯の動きが止まり、心配そうに京のことを見つめている。甘い坊やのことだ、「やめろ」と言えば多分彼は自分を解放してくれるだろう。だがその一言が咽喉の奥から出てこない。

「あらあら、京ったら。どうしたのかしら?」
「ちょ、ちょっと芽衣さん。苛めちゃ駄目ですよ。京さん、無理しなくていいからね」

 芽衣の小馬鹿にしたような笑みに屈辱を覚える。それでも京は声が出なくて、押し黙ったままだ。

「それじゃ、もう少ししますね。嫌だったら言って」
「………」

 京の心情を察した唯の言葉に彼女はつい頷いてしまう。唯は京の後ろから圧し掛かり、胸に手を回す。大きく競りあがった両胸に手を伸ばし、形の良い胸を変形させる。

「は、はぁ、やぁ……ああ、くっ」

 再び豊かな胸を揉まれて、京は強烈な快感に意識を混濁させる。胸は熱を帯びているようで、手の平で変形させられる度に息が荒くなっていく。

「京さんのおっぱい、気持ちいいよ」
「あ、あぁ、言わないで……ふぁあ、おかしくなるぅ……あく」

 後ろから愛撫されている京のヒップが唯の股間に当たる。ズボンをテントのように押し上げているペニスに太ももや尻の肉を幾度か突かれると、雄を意識して愛液が溢れ出てしまう。たまらず京は割れ目を唯の硬くなった股間に擦りつける。

「ひぃ、はっ、はぁ……ふあ、おっぱいがあそこが……ひゃん」
「京さん、気持ちよくなってね」
「あぁぁぁぁああ、気持ちよすぎるのぉ。もう、もう充分よ」

 ぐりぐりと割れ目を擦りつける腰の運動を京は止められない。唯のズボンをベトベトにして、陰唇をなぞられる度に快感を貪る。胸の愛撫もとても甘美で、脳を蕩けさせるが京は物足りなさを感じていた。
 辺り構わず嬌声をあげる京の姿を見て、由佳が芽衣と雛菊に小声で囁きかける。

「あれって拷問よね」
「だな……」
「挿入してあげないなんて、唯様も意地悪なお方だわ」
「でも、多分無意識よね」

 芽衣は心底面白そうに主と京を見やり、由佳は唯の無意識のサドっぷりに少し恐怖を覚えた。
 京の体はどんどん高ぶる。だがその快感は絶頂に向かわず、ひたすら体に溜まってその身を苛むだけだった。

「ひ、ああ、あん、おかしくなるぅ、ううっ……ああん」
「京さん、綺麗だよ。もっとおかしくなっていいよ」
「こ、これ以上はだめぇ、言わないでぇ……無理、無理、無理なのおぉぉぉお、助けて、もう止めて」

 身を捩じらせ、必死に彼女は耐えしのぐ。だが溜まりに溜まった欲求に、京は自分を繋ぎとめていたプライドの糸がはっきりと切れるのを感じた。

「唯さまぁ、おちんちん欲しいのぉ! 入れて、入れて、おまんこに入れてぇぇえ、お願い!」
「うん、わかった。ごめんね焦らして」

 絶叫する京に唯は愛しげに頬にキスする。ズボンを下ろし、ペニスを取り出し膣口へと当てる。京の膣口は愛液を出して、亀頭を今や遅しと待ちわびる。唯は先端が入るのを確認すると、一挙動で膣内へと入れた。

「ふぁ、ああぁあん……」

ペニスを阻む処女膜を押し広げて破り、中へとずぶずぶ沈む。京にも自分の処女が失われたというのがはっきりと分かる。自分より一回り以上も年下の少年に処女を奪われたのだ。

「あ、痛い、痛いのぉ、あ、ああっ」
「京さん、素敵だよ」
「ひああ、何これ、ひゃぁぁぁああ、気持ちいいの、いいのぉ」

 処女を無理やり奪われた痛みが、唯の一言で瞬時に快感へと変えられてしまう。膣全体から噴出するような強烈な感覚が体の隅々に広がり、気持ちいいとしか考えられなくなってしまう。それほどに快楽に溺れているのに、膣壁はペニスを咥え込んで更に刺激を得ようとする。
 唯は痛く感じる程のヴァギナによる締め付けに唇を噛んで耐える。恐ろしくキツイ膣内を掻き分け、腰を強引に動かし始める。絡みつく膣壁をいきり立ったペニスで擦り、カリ首で引っかく。

「うあぁ、動かさないで、頭が焼けちゃう! いいの、いいのよ、おちんちんがいい」
「京さん、僕もいいよ」
「唯さまも気持ちよくなって、わ、私、もう耐えられないのぉ……あ、あぁ、はぁぁん、ふあ、ふあ」

 もっとペニスで子宮口を抉り、ずぶずぶと淫らな膣を蹂躙して欲しいのに、京の体は既に悦楽に耐えられなかった。感じる悦びにひたすら翻弄され、ペニスから受ける快感に流される。そして快楽中枢がスパークして、一気に絶頂へと駆け上る。愛液が際限無くあふれ出て、破瓜の血と共に太ももを伝ってコンクリートの床を汚す。

「イク、イクの、もう無理。ああ……ふあ、ああああ、イク、イクぅ」
「くっ、京さん」

 腰を振りたて、唯も京に合わせようとする。膣の締まりから来る快感で、強引に自分を高めていく。

「うっ、くっ……あ、あ、あふっ……ふあく、あ、ああっ、あん……イク、イクぅぅう」
「出すよ!」

びゅる、びゅっ、びゅっ、びゅっ、どくん

 繋がったまま京の膣内に精液が出される。意識を一気に飛ばされるような絶頂に、京は体をガクガクと小刻みに震わす。子宮に流し込まれる精子の熱さに、下腹部を焼かれるような錯覚さえ受けてしまう。

「ひぁあ、ああぁ……ふあ……」
「ん、京さん、気持ちいいよ」

 唯は射精の快感に眩暈がしそうだった。自分を憎む女をいかせたという満足感は何処か背徳感があり、余計に彼を興奮させたのかもしれない。京の腰を掴んでペニスを突き上げながら、何度も何度も精液を子宮口にかける。

「唯さまぁ……わたし、おかしくなる……こんなのって……」
「いいんだよ、たっぷり楽しんで」
「うん……おかしくなってもいいのね」

 そこには先ほどまで全身で殺気を放っていた凶獣の面影は無く、甘く蕩けた雌猫がいるだけだ。全身を貫いたエクスタシーも凄かったが、絶頂の余韻も全身を暖かい温もりに包まれている。こんな快楽を京は感じたことがない。

「あ、あふっ……唯さま……まだこんなに硬い……おちんちんが」
「あはは、京さんがかわいくて収まらないや」
「ふああぁ、か、感じるぅ……」

 唯の言葉に京の胸がキュンと、ときめく。年甲斐も無くても性格に似合わなくても、その感情を止められなかった。
 一度射精してもまだ物足りず、唯は再び腰を動かし始める。激しいストロークではなく、今度は奥まで入れてゆっくりグラインドさせていく。

「あぁん……気持ちいい……はぁ……」

 先ほどまでの強烈な快感とはうってかわって、柔らかな快楽が膣から子宮に広がる。膣内の熱い精液をかき混ぜられ、それだけで膣への刺激へと変わる。ゆっくりとした動きは胸の奥へとゆっくりと愉悦の美酒を流し込む。京の顔は悦楽でうっとりと夢見るような感じへと変わっている。

「あぁ……蕩けちゃいそう……おちんちんであそこが……溶かして、唯さま、私をたっぷりと……」
「うん、ゆっくりとイかせてあげる」
「はうん……イかせて……京をイカせて……」

 唯の硬いペニスがグラインドで膣をかき混ぜ、軽いストロークで子宮口をノックする。そのリズムと共に京の心が満たされ、体が熱を帯びていく。

「唯さまぁ、唯さまぁ……唯さまぁ」
「京さん、可愛いよ。一杯甘えて」
「いっぱいあまえますぅ……はあぁ、気持ちいい……」

 ペニスに体全体をかき混ぜられるような気分に、緩やかな心地よさを感じる。甘い甘い気持ち良さと、唯に包まれるような感覚が京の心を満たしていく。唯の一言一言が暖かく感じられる。
 京の中は緩く、そして柔らかく唯のシャフトを愛撫する。先ほどまで処女だったのに、時たまきゅっと締めたり、緩めて優しく包んだりと恐ろしく熟練したような動きを見せる。その動きに漏らしそうになるのを我慢して、唯は京の中をかき回す。

「あぁ、イキます……ふわぁ……イっちゃう……」
「イって、京さん」
「あ、ああっ……はん……イク……気持ちいい」
「で、出る!」

びゅるびゅる、びゅっ、びゅく、どびゅ

 唯の射精と共に京の意識がふわりと浮き上がる。上下に震えて膣壁を叩きながら精子を吐き出す唯のペニスが堪らなく心地よい。

「あん、おちんちん……ピクピクして……」

 二回目の射精はシャフトを膣が適度な柔らかさと膣圧で包んでくれたので、唯は先ほどよりも良い射精感が味わえた。やはり自分に甘えきっている女性の中で溢れんばかりの精子を出すのは何にも変えがたい楽しみだ。男としての満足感があるのだろう。
 胸一杯の幸福感に包まれ、京のコンクリート壁についた腕がズルズルとずり下がる。骨の髄までふにゃふにゃに変えられてしまったような感じだ。膣に感じるペニスが何とも心地よく、唯が愛しかった。

「ん、唯さま」
「んっ」
 
 振り向いた京の唇に唯は唇を重ねる。それだけで京の心は隅から隅まで暖かな気持ちで溢れる。それはとてもとても甘美なもので、いつまでも感じていたいと思ってしまった。

「ふふっ、京ったら随分良かったみたいですのね」
「なっ」

 唐突な芽衣のからかいの言葉に悦楽に深く身を委ねていた意識がはっきりと戻る。半裸で少年に犯されて甘い甘い嬌声をあげていた自分に気づいて、頭に血がかっと昇った。
芽衣に続いて雛菊も京に笑いかける。だがその笑みは冷たい。

「さっきまで殺そうとしてた相手にいかされて……いい身分だな」
「わ、私は……」
「おちんちん入れて……でしたっけ」

 由佳の言葉に京はぐうの音も出ない。確かに先ほど何の躊躇も無く唯を殺そうとした京に激怒するのはもっともだ。京も今は唯が攻撃されたら、その相手を文字通り八つ裂きにするだろう。だから、三人の皮肉に嬲られても仕方なかった。

「その……悪かったわよ……」
「悪かった? 悪かったですって? あなた自分がしたことを……」
「待って!」

 食ってかかる芽衣の言葉を唯が遮る。

「誤解が解けたからもういいでしょ。確かに殺されそうにもなったけど……こうして謝ってくれてるし、僕はもう許してるよ」
「唯様……」

 唯がぎゅっと京の体を抱き締めて弁護する。唯に守られたことに思わず胸をうたれて、京はつい嬉しそうに身を委ねてしまう。その姿に嫉妬にかられて芽衣は目を吊り上げて抗議する。

「ですが、それでは私達の気持ちが収まりませんわ」
「それじゃ、もっと苛めるの?」
「ええ、もちろん。一生償っても償いきれない罪を犯したの……ですから……」

 芽衣の言葉が途中で途切れた。
 唯が笑っている。それも満面の笑みで。だがとても嬉しそうには見えない。その目は完全に据わっており、芽衣達の毛筋が思わず全て逆立つような感覚が走った。

「苛めはいけないことだよ」
「お、仰る通りですわ」
「は、はい。そうです、唯様のおおせの通りです」
「う、うん。こういう風に苛めるってのは大人気なかったわよね」

 芽衣、雛菊、由佳は慌てて主の言葉に不自然ながらも必死に同意する。唯が怒っている……その事実が世界の中で何よりも恐ろしかった。全員がびっしょりと嫌な汗をかく、守ってもらっている京も含めて。

「わかってくれて嬉しいよ」
「そ、それじゃ……」
「うん。お・し・お・き」

 唯の言葉に彼を除いた全員の全身から油汗が流れ落ちる。怒りはさっぱり解けていないようだった。

「全員、壁に手をついてお尻を向けて」
「あ、あのぅ……唯様それは私達も京と同じようになれと……」
「うん、お仕置きだもんね」

 恐る恐る三人は並んで壁に手をつき、腰を突き出す。唯が芽衣の後ろに立つと、彼女の体が恐怖で強張る。

「まずは芽衣さんだよね。京さんのこと嫌い?」
「いや、そ、そんなことはありませんわ」
「うん、そうだよね」

 芽衣のタイトスカートを捲りあげ、唯は黒いショーツを露にする。そしてそれを引っ張ると強引に破った。

「ひあぁ! ゆ、唯さま?」
「芽衣さん、大好きだよ」
「は、はぁん、ダメですわ」

 唯の甘い言葉が芽衣に快感を与える。そしてすぐに肉棒が芽衣の膣口を押し広げ、中へと分け入る。

「見てるだけで濡れちゃったんでしょ。興奮した?」
「は、はいぃ……わたし、やきもち焼いちゃって」

ショーツが濡れていたので、唯は芽衣がもう準備オーケーだと知っていた。愛液が絡みつき、芽衣は痛みを感じることなく中にペニスを受け入れることができた。すぐに肉棒を抜き差しして、唯は芽衣を犯し始める。

「芽衣さん、好きだよ、とても」
「はい、あぁん、わ、わたしもお慕いしてますわ」

 唯の心のこもった言葉に芽衣は天にも昇るような快感を得る。膣は優しくペニスのシャフトを抱き締め、子宮口がノックされる度にきゅーんと肉を四方から圧迫した。

「でも、芽衣さんが京さんを好きになってくれたら、僕はもっと芽衣さんに惚れちゃうんだけどな」
「はい、ふぁあ、わたし、頑張りますわ。京さんと、あっ……なかよくなります……ふあん」

 芽衣を悦楽にまみれさせ、陰茎を抜いて唯は次は雛菊の背後へと移る。

「雛菊さん」
「は、はい!」
「可愛がってあげるから」

 ジーパンを脱がすと、紐パンの水色のショーツをむしり取り投げ捨てる。そしてまだ濡れきっていない膣へと無理矢理ペニスを押し込む。まだ準備が整っていない膣口はざらりとした感触でカリ首を飲み込んだ。

「ああっ、唯さま! わ、私はまだ準備ができてません、う、動くと痛みが……」
「じゃあ、こうすればいいでしょ」

どぴゅ、ぴゅっ、ぴゅっ、びゅびゅ

 精液を射精され、雄の体液で雛菊の膣が濡れる。主の精子を受けて、条件反射で雛菊の体に強烈な快感が訪れる。それに乗じて、白濁液を流し込みながら唯がピストン運動を始めた。精子でベトベトになった膣内はスムーズに陰茎が動いた。

「ああっ、ひあ、こ、こんないきなり……ふあ、ああっ、でももう気持ちいい」
「雛菊さんも好き、大好き」
「あん、そんなに言わないで……あ、ああ、気持ちよくて、気持ちよくて雛菊は……」

 雛菊をバックから犯し、唯は腰をリズミカルに彼女の尻にぶつける。精液が泡立ち、ぐしょぐしょになって太ももを零れ落ちる。普段とは違う屋外のセックスに、雛菊は異常に興奮してしまう。

「ゆ、許して下さい、雛菊は悪い娘です……ひゃ、あぁ、あっ、あっ、どうか許してぇ」
「わかってるって、雛菊さんを嫌ったりしないから」
「ふぁあ、雛菊、イッちゃう、イキます……嬉しい、雛菊は嬉しいです」

 いつもとは違い何処か冷たい唯に、何故か恐怖と共に雛菊は言い知れぬ快感を感じてしまう。大和撫子は甘い声をあげながら、あっという間に達してしまった。

「ひああぁぁぁぁああ、イクぅぅぅうううう」

背を反らし、雛菊はエクスタシーに意識を呑まれる。しかし、ペニスを美味しそうに頬張るヴァギナをずずっと擦り立て、唯は強引に自分のモノを抜き取ってしまう。

「最後は由佳さんだよね」
「う、うん。唯様、もういいでしょ。私も充分反省したから」
「だーめ、幾ら僕よりお姉さんでも、ちゃんとお仕置きしないと」

 タイトスカートをまくりあげ、赤い薄めのショーツを露にする。股間のスリット部分に指をいれ、そして強引に引きちぎる。そのまま無言で陰唇を指で開き、ペニスを膣へと強引にぶち込んだ。

「あぁあん、いや、いや……強引だよ、唯さまぁ」
「由佳さんなら許してくれるよね」
「ゆ、許してあげる、あげる……ひゃん、ひゃん……ふひゃぁぁあ」

 ぐいぐいと唯に突き上げられ、由佳が甘え声を漏らす。愛液が膣内から溢れて、コンクリートの染みとなる。前後に腰を自ら振り、由佳はもう外聞もなく愉しみを貪る。

「僕を許してくれるなら、京さんも許して」
「うん、許す、許してあげる。だから、おちんちんで突いて、お姉さんを突いて!」
「満足するまで突いてあげる」

 長い髪を振り乱し、由佳が悶える。そこには美人女秘書も気さくな優しいお姉さんの姿もない。一人の雌が男の性器を絞って精液を受け取ろうとする姿だけだった。
 そんな浅ましい姿を続けて見て、京が隣の芽衣に耳打ちする。

「唯さまとのセックスっていつもあんな感じなの?」
「え? うーん、火がつくとね……」
「何か凄い……あの由佳があんな大声あげて……」
「何いってるの。さっきまであなたもあんな感じだったのよ」
「その話はやめて」
「二人して内緒話?」

 いつの間にか唯が芽衣と京の後ろに回っており、二人は思わずギョッとする。快楽の余韻が抜けきれていないとはいえ、百戦錬磨の能力者二人に僅かな気配も感じさせなかった。

「え、えっと……由佳は?」
「ん、また後で」

 見れば唯に置いていかれた由佳は物足りなさそうに自分を慰めていた。二本の指で全身が震えるくらい膣内をかき回しているのに、全然満足できていないようだ。その姿にさっきまでいがみ合っていた二人はぎょっとする。

「二人の仲が戻って良かった。嬉しいな」
「は、はい」
「すっかり元の鞘ですわ」

 笑顔で応える芽衣と京に、唯も笑顔を返す。

「それじゃ、京さん……また可愛がってあげるから」
「ひゃっ。唯さま、わ、私は」
「連帯責任。我慢してね」
「ああぁぁあ! もう無理、無理なのぉぉ、やぁぁあ……あふ、ふぁぁぁ」

 京の膣内を再びペニスが蹂躙する。燃え盛っていた情欲の残り火に油が注がれ、再び燃え上がる。きゅんきゅん処女の膣が締まり、腕では体を支えきれずに首を壁につけてしまう。腰の筋肉全体がペニスに痺れさせられたようだ。体がずり落ちないように京は必死に壁にすがりつく。

「ふあ、ああっ、おかしい、おかしいの、唯さまのおちんちんこんなに気持ちいいの! 何でこんなに……あ、ああん」
「京、諦めて快楽に溺れなさい。唯様がこうなったら止まらないわ」
「もう、芽衣さんったら、他人事みたいに」

 京からペニスを抜くと、ごく自然な動作で芽衣の中へと突き入れる。予想していなかった唯の動きに、芽衣は腰が崩れ落ちそうになってしまう。

「あぁん、ひぁあぁ、お、おちんちんが……あ、そんないきなり」

唯はスムーズな動きで順番に並んだ四つの女性器に突き入れて回る。

「ああ、はぁぁん、あ、あっ、あくっ……私、おかしくなります。京、おかしくなります」
「わたし、きもちいいんです。いいですわ……いやらしい私におちんちんいっぱい下さい」
「あふっ、あ、あぁん、雛菊は雛菊は……唯さまぁ、精液一杯ください。精子が欲しいの」
「あぁぁぁぁあああ、唯さま、由佳さみしいの。唯さまのおちんちんで満たして、唯さまの精液で満たして、唯さまの愛で満たして」

 何度も絶頂を与えられ、廃墟で四人の美女は悦びに溺れた。ペニスを膣に欲して、精液を子宮に飲み込んで、堕ちていく。唯に尻を差し出し、芽衣は、京は、雛菊は、由佳は女を捨てて、男に犯されるだけの雌にしてもらったことに至上の喜びを感じていた。






「あはは、ごめんね。ちょ、ちょっとやり過ぎちゃった」
「い、いえ、た、大したことはありませんわ」

 芽衣が生気の薄れた顔で応える。四人はボロボロの服装を何とか繕い、フラフラと立っている。廃墟の埃と飛んだ精液の染みにまみれて、酷い格好だった。芽衣と由佳は愛液と精液まみれになったストッキングをとっくに脱ぎ捨てている。匂いつきの液体で湿ったズボンを履いている京と雛菊は酷く気持ち悪そうにしている。
この姿を十人が見たら九人はレイプされたのではないかと思うだろう。おまけに三人はショーツを破られたので、膣内の精液が漏れ出さないように懸命だ。

「本当にごめんね」
「いえ、私たちもたっぷり楽しんだしね……つ、次はちゃんとベッドの上がいいけど」
「そうですね。寝床の上でお願いします」

 由佳の言葉に雛菊も同意し、乾いた笑いを発する。
 間を置いて、京が言うことをきかない足を引きずって前に出る。その顔は先ほどの甘えていた姿と違い、くっと引き締まっている。

「あ、あの唯さま、わ、私はまだあなたを主と認めていないわ」
「そうなの……まだ僕達、わかりあえなかったんだ……」
「それに私は群れるのが嫌いよ……もしかしたらいつかあなたの前に立ちはだかるかもしれない」

 京は唯に指をつきつける。唯はその宣言をきっと真剣な表情で見返す。だが他の三人は呆れ顔だ。

「京……膝が笑ってるわよ」
「顔、涎が流れた跡が酷いわよ」
「髪に少し精液かかってるぞ」

 三人の突っ込みに京は顔が真っ赤になる。だが重箱の隅に残ったおかずのカスにも満たないようなプライドを守るため、言葉を続ける。

「とにかく、私は一匹狼。干渉はやめてもらうわよ」
「わかった……いつかわかりあえる日が来ることを僕は信じてるから」
「では、さようなら」
「京さん、僕忘れないよ、今日のこと」

 踵を返す京に唯は熱い視線を送る。

「あの、唯さま。水を注すようですが……あまり真面目に京の言うことを聞く必要はありませんわ」
「え、でも……」
「だってほら」

 芽衣の指摘するように後ろを向いたのはいいが、京は一向に去ろうとしない。首を傾げる唯の前で、雛菊が京に近づく。

「大丈夫か? 私はまだマシだから肩貸すぞ」
「す、済まないわ。足腰が言うことを利かないのよ」

 それから十二分。五人の男女はボロボロになりながら(一人は除く)、ようやく廃屋から抜け出す。悪魔との戦いではかすり傷一つ負っていないはずなのに、満身創痍だ。

「京さん、大丈夫? ほら、もうすぐ駐車した車に辿りつくから」
「唯様、すまないわね」

 日はとっくに暮れており、月明かりと由佳の炎だけを頼りに五人は荒れ果てたビルから歩み去った。







「二人とも今日は早く帰れたんだな」
「ええ、仕事が一段落したから」
「そうね、これでゆっくり料理ができるわ」

 マンションのエレベーター内に雛菊、芽衣、由佳の姿があった。月曜の夕方なのに、三人は五時半には家へと辿りつけていた。極めて珍しいことだ。特に芽衣や由佳は残業が多く、雛菊も時たまかなり遅くに戻ることがあった。
 エレベーターを降りると、由佳がカードキーでマンションのロックを開く。

「唯様、ただいまー」
「ただいま戻りました」

 芽衣と由佳の声にも返事は無い。いつもは玄関で迎えてくれるのだが、一向に来る様子が無い。三人は僅かに変だと思いながらも、唯が部屋で何かしているかもしれないと思いなおした。靴を脱いで三人は玄関を上がり、そのままリビングへと向かう。

「おかえりなさい」
「遅かったわね」

 リビングで三人を迎えたのは自分の主と、それを殺そうとした同僚の姿だった。唖然とする三人の前で、京はコーヒーを悠然と啜っている。コーヒーは間違いなく唯が淹れたものだろう。
 思わず固まってしまっていた三人だったが、由佳が最初に気を取り戻した。床にバッグを放り出し、京に食ってかかる。

「ちょっと、あなた群れるの嫌いじゃなかったの?」
「別に群れていないわよ。唯を訪ねてここに来ただけよ」
「唯様を主と認めないって」
「それを見極めに来たのよ」
「こ、この……」
「やるの?」

 唇をちろりと舐めて京が立ち上がる。由佳も腕をあげ、ファイティングポーズを取って対峙する。

「ちょっと二人とも止めてよ。喧嘩はダメだよ」
「わ、わかったわよ」
「は、はい。そうね、ちょっと大人気無かったかしら」

 唯が間に入ると殺気をあっさりと収めて由佳はキッチンに向かい、京はソファに座り直す。まるで何事も無かったかのように。二人ともまだ先日のあの出来事を忘れるほど馬鹿では無かった。
 それを見ながら雛菊と芽衣が目を合わせる。

「……さすが、唯様」
「主の資質十分ですわね」
「でも……これからどうする?」
「京のために一部屋用意しなくてはいけないわね」

 芽衣は頭を押さえて首を振る。本人は否定するかもしれないが、間違いなく京はこの家に居座る気だ。芽衣にとって、京のような凶暴な能力者に持ち家の部屋を貸すのは甚だ不本意だ。だが唯なら上手くコントロールできるだろうという確信はある。
 何より、京と仲良くしないと唯の怒りがまた炸裂するかもしれない。それに比べれば京と一緒に暮らすのは何でもなかった。
















    



































画像掲示板レンタルアダルト無料ホームページ