「こうやって枕を並べて寝ることになるなんて……」
大広間に並べられた布団を見て、由佳が感想を述べる。十三人分ともなれば、並んだだけで壮観なものがあった。賑やかな宴席が終わり、部屋へと戻ってきたガーディアンたちはすっかりリラックスしきっている。
「まあ、いつものことじゃないの」
「確かにそうだけどね」
早苗の指摘に由佳は苦笑する。唯と過ごすための巨大なベッドで、ガーディアン一同寝ることが多いので、普段と変わらないと言えばそうであった。全員寝相は悪くない方で、寝付きも問題無い。
「そういえば、唯殿は何処に行ったんだ?」
「お風呂に行ってたわよ。そのうち帰ってくるでしょう」
キョロキョロと周囲を見回すエリザヴェータに、京が教える。田舎ではあるが、温泉宿では無いのでガーディアン達は早々に引き上げたが、唯はゆっくりと風呂に侵かっているらしい。ガーディアン達はそれぞれ自分達の寝床を決めると、横になったり、座って隣の者達と喋り始める。十二人も女性が居ると、随分と賑やかなものだ。
「何だか修学旅行みたいね」
「まあ、確かにそうね」
麗の感想に、ミシェルが苦笑する。言われてみれば、こうやって一つの部屋に押し込められて、整然と寝るのは学生の旅行に近いものがある。一応現代の日本人に転生しているので、エリザヴェータ以外の全員は修学旅行がどんなものかを知っていた。ミシェルも引率で、修学旅行の経験があった。
「お待たせ」
やがて部屋の襖を開けて、唯が寝所へと戻ってくる。ゆっくりと入っただけあり、リラックスしたのかさっぱりとした表情だ。
「それじゃ、電気を消しましょうか」
唯が戻ってきたので、芽衣が電気のスイッチに手をかけて、消灯する。全員が布団に包まり、早々に寝るかと思えたのだが、
「ゆ、唯様!?」
唯の隣に寝ていた静香の布団に、唯がいきなり潜りこんできた。突然の出来事に静香は泡を食うが、唯の行動を止めることも出来ない。
「凄い静香さん達が抱きたくなっちゃったんだけど、いいかな?」
「は、はい……って、んんっ!」
唯の一言が、静香の胸をカッと熱くする。唯が最近ではあまり強く使わなくなった言霊を言葉に乗せて、静香に囁いたからだ。唯の強い性的興奮が静香の脳に染み込むように流れ込んできて、彼女は思わず力が抜けてしまう。その間に唯は静香の巨大な胸に顔を埋め込んでしまう。
「ちょっと、何やってんのよ!」
「わわっ、唯君とお姉さまだけずるいよ」
近くで寝ていた京と早苗が気づかないはずもなく、薄暗い照明の下、唯と静香に近寄ってくる。
「みんなのことが凄く抱きたい。家じゃないけど、いいかな?」
「う、ああ……ちょ、ちょっと」
「うん……い、いいよ」
唯の力が乗った強力な言葉に、京と早苗が強く欲情してしまう。唯がここまで強い言霊の力を使ったのは久しぶりで、それだけでも少年が強い想いで二人を抱きたがっているのがわかる。唯に腕を引っ張られると京も早苗もあっさりと布団の上に倒れこむ。
「ん、ああ……」
「んんっ!」
「唯くん……やだぁ……」
唯は三人を細い腕で抱え込むように上から抱きつくと、片端からキスの雨を降らせていく。腕、肩、胸、首筋、鎖骨、頬、額と所かまわずキスしていき、強く接吻の音を立てる。その間にも三人の柔肌に手の平を這わせて、胸や脇腹、肩や腕をいっぱいタッチする。少年の小さな手が肌を這う度に皮膚が神経へと心地よい感覚を生み出し、京、早苗、静香は身を捩じらせた。
「ずるいずるい。三人とも抱いて貰ってるなんて」
「急かすのはやめなさいよ。順番ってものがあるでしょ」
目ざとくミシェルが唯達の布団へと近づくと、麗が彼女を抑えようとする。
「構わないよ、今日はみんなと激しくエッチしたい」
ストレートで強烈な主の言霊に、ミシェルと麗は全身が身震いするような衝撃が走った。唯の声を聞く前と後では、全く気分が変わっていた。
「う、ああっ! いや……これって凄い……」
「ちょっと、唯……ど、どうなっても知らないわよ」
体温が瞬間的に上昇し、胸の鼓動が高まる。股間がじんわりと濡れてきて、ミシェルと麗の二人は発情した自分達が主のために雌と化すのがわかってしまう。よろよろと二人の美女は唯へと近づくと、ゆっくりと抱きつく。
「唯……」
「唯さま……はぁん……」
静香、京、早苗などの胸を触って愛撫していた唯に、麗とミシェルが抱きつく。二人の柔らかな肢体と、巨大な胸に少年はもみくちゃにされる。柔らかく弾力のある乳房が唯の身体のあちこちに押し当てられる。そんな中でも、唯は静香達に対する愛撫の手を緩めない。それどころか、麗やミシェルに対しても胸や腹を触ったり、顔や身体にキスを浴びせたりする。何よりも唯の言葉が五人を責め立てる。
「みんな愛してる……大好きだよ」
「ああっ!」
「やぁん……」
「うああああぁ、身体の力が……抜けちゃう」
唯の声が耳へと届く度に、五人の美女達は身震いして悶える。全身に言葉で説明できないような甘い痺れが走り、女性器全体が子宮と共に甘美な快感を生み出す。唯の言霊に晒されて、全員の感度が限界まで高まり、少年の手が軽く触れるだけで肌からビリビリするような刺激が脳へと走る。唯は海千山千の女性達に囲まれているというのに、全員を言葉と愛撫で翻弄していた。
「やだ……あ、そんなところ触られると私……」
「はぁ、ああん、そんな凄い……久々にこんなのおかしくなる……」
「は、恥ずかしい……」
唯の手がショーツで隠された部位へと伸びると、麗、京、静香が揃って困惑したように喘ぎを漏らす。薄い下着はそれぞれの愛液を吸って、ぐっしょりと濡れていた。唯が軽くショーツを引っ張ると、五人は自分達からもどかしげに下着を脱ぎ捨てた。
「ふあ、あ、ああっ!」
「や、やだ……んんっ、あ、あん……」
「は、はぁ、あ、あう……んん」
唯はミシェルの腰を上げさせると、性器に直接を口づけして舌で舐め始める。彼は同時に京と早苗のヴァギナも、左右の手でそれぞれを優しく触れる。
「う、うあぁ、今日は凄い……刺激が強い」
柔らかな舌が陰唇を押し広げ、膣内へと割って入ると、ミシェルは愉悦に染まったような小さい悲鳴をあげる。中からドロリとした濃い愛液が漏れだし、唯の口内に体液特有の味が広がった。
「ふあああああぁ、唯さま、あ、ああっ!」
軽く舌を上下させるだけで、ミシェルは豊満な身体をビクビクと震えさせて、悶絶してしまう。美女が身体をくねらせるので、シーツに皺ができ、布団全体へと広がっていく。
「唯、ストップ! あ、ああっ、ダメ!」
「触っちゃダメ、凄く敏感になってるから……うあああぁ!」
性器を弄られている京と早苗も、軽く陰唇を広げられるだけで、熱い体液が膣内から漏れ出す。指が優しくヴァギナの入り口を撫でているだけなのに、尻まで液体を漏らして、シーツに染みを広げていく。
「ひゃああああっ! だ、だめ……」
「力を抜いて、受け入れて……僕からの感謝の気持ちだよ」
「ひぐっ! あ、あ、あああっ! きちゃう、きちゃう……はうぅ!」
唯の優しい声と共に、硬くなった小さな突起を柔らかな舌で舐められて、ミシェルの身体が大きく跳ねる。電気ショックでも食らったかのように、その極上のプロポーションが痙攣を続けた。ミシェルの豊満な体が唯の下で悶え動く。
「もう我慢できない……麗、いい?」
「うん……別にいいけど……」
言葉とは裏腹に、麗は肩で大きく息をしながら唯の傍へと寄る。コロリと布団の上で横になると、彼女は自ら股を開いてみせる。非常にはしたないとも言える行為だが、麗の心中は唯に抱かれたいという一点のみだった。
「唯……」
唯が上に覆いかぶさると、麗は期待で甘い吐息を吐く。そしてその期待は裏切られなかった。
「ん、んん、あああっ!」
唯のペニスが膣口を押し広げると、麗は布団の上で大きく身を捩る。小さな膣口が押し広げられ、ヴァギナの中を肉棒が押し広げるように入り込む。それは普段と同じ行為のはずだった。
「あああ、な、何これ……う、ひっ! あっ、唯、待って、待っ……ふあああ!」
麗は全身を大きく逸らして、悶え叫ぶ。唯の亀頭が膣壁を擦ると、性器全体から強烈な刺激が駆け上がり、脳に許容以上の電気信号を送り込んだのだ。
「ひ、ひぎいいいい、は、ああっ、唯! ゆぅいぃ……ひぐううううう!」
男根から強烈な電撃が発せられて、脳を焼き焦がすような刺激を受けているような錯覚を麗は覚える。それでいてこれだけの刺激なのに、不快感や苦痛が一切無いのだ。頭の中が快楽に満たされる感覚に、麗の体は耐えられなかった。
「や、イク、イク、イ……ふあああああ、ひぎいいいい、いいの、唯……あああああっ!」
唯の言霊は想像以上に麗の身体を敏感にしていた、挿入の一突きだけで麗が絶頂に駆け上がってしまう程に。麗の小柄な身体に見合った小さな膣は、唯のシャフト全体をギュッときつく締め上げる。
「うううぅ、あああっ! うう……」
狭く弾力のある膣内は心地よく、唯はこのまま腰を振って、エクスタシーのまっただ中に居る麗の肉体を貪りたかった。だがシーツを掴んで、いつも以上に淫らに乱れる麗を犯すのは気が引けた。唯はぐっと腰に力を入れると、麗の中からペニスを引き抜いた。
「ふ、はぁぁ、あ、あぁ……」
唯が胎内から出て行くと、麗は大きく息を吐いて身体を弛緩させた。強烈すぎる刺激から解放され、程よい余韻に浸れたからだ。だが膣への一突きだけでは、唯は到底満たされなかった。
「静香さん、一つになりたい」
「は、はい」
唯はもどかしげに静香をうつぶせに麗の上へと押し倒すと、腰を掴む。肉付きのいい尻を上げさせて、程よく開いた柔らかそうなヴァギナへとペニスの先端をゆっくりと差し込む。唯は静香の中へとずぶずぶと入っていった。
「ふ、ううううう、ああああっ! 唯さま……ひゃああああ!」
ドロドロの愛液に満たされた膣内は男性器が侵入すると同時に、絡みつくようにシャフトをくわえ込む。愛する唯の進入を待ち構えていたヴァギナは凄まじいばかりの性感を、静香へと与えた。
「は、ああ、何これ……う、うう、唯さま、気持ち良すぎて頭が……ふ、ふああ!」
唯の亀頭が柔らかく心地よい膣壁をかき分けていく。挿入されただけで、脳が溶けるかのような快楽を静香は味わう。やはり言霊の魔力を浴びすぎて、麗同様に膣が敏感になりすぎたらしい。やがてペニスの先端が子宮口をノックすると、限界まで高まっていた身体があっさりと絶頂へと押しやられる。
「唯さまああああぁ、あ、あ、ああっ!」
静香は甲高い叫びをあげて、全身をガクガクと痙攣させた。余韻に浸かっている麗の小柄な身体にしがみついて、意識を飛ばすような強烈なエクスタシーを耐えようとする。
「し、静香、だ、ダメ……う、うくっ……」
「ご、ごめんなさ……ひぐう、う、う」
豊満な静香の身体に埋もれて、麗が苦しそうな表情を見せる。だが身体が震える勢いで、子宮口を亀頭で擦られた静香は、ますます強く麗の身体を抱き締めてしまう。さすがにまずいと感じた唯は、静香の尻を押すと、ヴァギナから腰を引いた。人の手で握るような強い膣圧で男根を圧迫している膣内から、性器が何とかズルリと抜ける。
「は、はふっ! あ、はぁはぁ、う、う……」
「はぁはぁ……けほっ……はぁはぁ……」
唯のペニスから解放されて崩れ落ちる静香がのし掛かり、麗は苦しそうに喘ぐ。だが静香の身体が弛緩したことで、麗はしがみつきからは解放されて若干楽になった。二人のガーディアンは絶頂に達して気持ち良さそうだが、唯としては挿入してすぐにイッてしまうのでは全然満足出来ない。
「京さん、早苗さん!」
「な、何!?」
「うう、嫌な予感がするんだけど……」
静香と麗が一突きで絶頂に達したのを見て、京と早苗は半ば顔を引き攣らせて唯に答える。唯に挿入されたら、二人とも無事では居られないだろう。自分達の身体が限界まで火照っているのならば、尚更だ。
「二人の大事なところを使わせて欲しい……お願い」
「うう、断れないわよ」
「いいけど、優しくしてね、唯くん」
いやな予感がしても、唯が言霊を全開にして感情を乗せて頼むと、京と早苗は断ることなどできない。結果がどうなるか分かっていても、二人は唯のこういう誘いは全く拒否できないのだ。
「それじゃ、二人とも股をこうやって……」
唯は京と早苗の股を開かせて、ピタリと性器を合わせさせる。俗に言う貝合わせという体勢だ。柔らかな陰唇同士がキスして、二人とも自然に声が漏れる。
「んん……」
「ちょっと、変な声出さないで……ん、あっ!」
「まあ、それはちょっと無理でしょ」
女同士で性器を合わせるという淫猥な行為に、早苗と京は顔を赤らめた。早苗は静香と何度もこの行為に経験はあったが、恋人ではなく仲間となると、話は大きく違ってくる。唯と性行するならともかく、他の女性では静香に隠れて浮気しているように感じてしまう。おまけにたっぷりと濡れた陰唇同士がくっついて、気持ち良いのだから、尚更早苗は困惑してしまう。
「それじゃ、入れるよ。少し身体を起こして」
「ちょ、ちょっと待って! あ、ああっ!」
「唯くん、いきなりなんて……う、うぅ、あ!」
京と早苗に下半身を持ち上げさせると、唯は合わさったヴァギナの間に自分のペニスを差し込む。元から二人分の愛液で濡れた股間の隙間に、ペニスはズルリと入り込んだ。
「あ、熱い! 待って、唯……クリトリスに当たってて」
「こ、これ……挿入してないけど、これはこれで……き……きつい」
「はぁ、凄い気持ちいいよ、これ」
京と早苗は挿入とは違うダブルの素股の感触に、戸惑いを覚える。愛する者の性器が強く密着し、陰唇に沿って当たって居るのだ。京の言うとおり、陰核が亀頭で圧迫され、強い刺激を感じる。普段行っているヴァギナへの挿入とは全く違う味わいで、唯もついつい頬を緩めてしまう。
「京さんと早苗さんの感触がすごいするよ……とってもいい」
「ひ、ひあっ! 唯、動かないで!」
「待って、唯くん! う、うう、これって、今のボクには刺激が強すぎて」
唯が腰を上に突き上げ始めると、京と早苗は慌てて止めようとする。だが唯は二人の懇願を無視する。
「もっと感じたい、もっと二人を感じさせて」
「ひあああああああ!」
「やっ、あああああ!」
言霊に強い想いを乗せて、唯は二人を感じさせようとする。陰唇を硬い肉の棒に擦られ、カリでクリトリスを突かれると京と早苗は自分の腰が火を内包したかのような錯覚を覚えた。性器自体が尋常でなく敏感になっているようだ。京と早苗は腰を離して密着を解こうとするが、唯が背中に手を回してなかなか許そうとしない。
「あ、うう、ああん、う……」
「ゆ、唯くん……ああ、気持ち良すぎるって……」
陰唇を擦る動きに、挿入していないのにそれと同等の快感を得て、京と早苗は大きな声で喘ぐ。愛液がたっぷりと塗されたヴァギナの上でペニスがスムーズに動き、予想よりも早いピッチで上下する。おまけに互いの陰唇が触れ合うという予想もしない刺激に、京と早苗は翻弄されてしまう。
「ひ、う……うう……凄すぎる……だめ……」
「は、ああ、やん……ん、ん……ああ……」
京と早苗は必死に酸素を取り込むように、喘ぎと共に浅く早く呼吸をする。既に何度か他の女性に挿入している唯がイク様子が無いのに対し、二人はすぐにでもエクスタシーに達してしまいそうだった。だが唯の従者として、主がイッていないのに、自分達だけがイクのは到底容認できるものではなかった。
「ちょっと失礼するわね」
「み、ミシェル……」
「な、何をするの?」
京と早苗が股間を組み合わせている上に、ミシェルが乗っかってくる。意図を図りかねている二人の承諾も得ずに、ミシェルが腰を下ろしてしまう。
「う……これは……凄いかも」
唯が上下させているペニスの先端を、ミシェルの陰唇がするりと飲み込む。熱く火照った愛液にまみれた金髪美女のヴァギナはとても熱く火照っており、亀頭の先をその熱さで温める。
「ん、唯様の先っちょだけなのに、これ……凄い。あ……はぁ、あぁん……」
いつもの深い挿入と違い、先端が軽く入っただけなのに、ミシェルはうっとりと恍惚とした表情を浮かべる。愛液まみれのヴァギナは、言霊の影響で恋人のペニスを強く求めており、軽く入っただけでも驚くような快感をミシェルに与えていた。ミシェル自身の性器も熱を帯びていたが、唯のペニスはそれ以上の熱さで彼女の女陰を焼くかのように錯覚を覚えるくらいだ。
「ああ、これ……凄い、いいよ、三人とも」
シャフトを早苗と京の陰唇でサンドイッチされ、亀頭をカリ首までミシェルの膣口に飲み込まれた唯は相好を崩す。美女三人のプライベートな場所で、男性器に奉仕して貰っているのだから、気分が悪いわけがなかった。微妙に違うそれぞれの体温や、ヴァギナの柔らかさの違いが何とも心地良く、唯の腰は無意識に再び動き始める。
「んあ、唯さまぁ! 凄く気持ちいいです、これ」
浅く早いストロークで出し入れされる感触に、ミシェルが歓喜の声をあげる。深いところに入れられる方が彼女も好きだが、ときにはこうやって浅いところで、大好きな肉棒を抜き差しされるのもミシェルは悪くないと感じている。4Pで二人の友人が重ねている性器の上に乗っているという、変わったシチュエーションならば、彼女はますます興奮してしまう。
「ふあああぁ、いつもと全然違う。もうイっちゃいそう!」
「うう、こんな凄いなんて」
「ぼ、ボク、もうダメぇ……あ、ああっ、ひぐっ!」
少年が持つ一人の肉棒に、三人の美女が翻弄されて、絶頂へと導かれていく。互いの性器が擦れ、お互いの嬌声で高まっていく。やがて唯に限界が訪れる。
「う……出るよ!」
どびゅ、ぶびゅ、どびゅるるるる、びゅっ、びゅっ、びゅるる
「ひあああああああ、あ、熱い! ふああああああっ!」
唯が射精すると、真っ先に絶叫したのはミシェルだった。浅くしか挿入していなかったのに、少年の精液は勢いが強く、子宮口に盛大に粘液がかかる。そのあまりの熱さにミシェルは耐えられなかった。
「ふあ、熱い……あ、ああ、う、ああっ!」
「ひぐぅ、あ、あああ、唯くん……ボク……ああっ、イク!」
ビクビクと射精するため動く唯の陰茎に合わせて、京と早苗も絶頂へと達した。ミシェルの中から盛大に逆流してこぼれ落ちた精子が、二人の性器を熱く焼く。ドロドロの精が身体にかかる感触に、京と早苗は震える程に感動する。
「うう、ああ……熱い……先っぽしか入ってないのに、奥まで熱い……」
「はぁはぁ、う、ああ……や、ああぁ……」
「凄い……ふぅ、あ……うう、凄かった」
ミシェルと京、早苗は筋肉を強張らせて、強烈なエクスタシーの波に打ち震える。強く深い絶頂の刺激は、気を緩めると意識ごと刈り取ってしまいそうだ。唯がペニスを抜き取って、身体をずらすと三人ともずるずると布団の上に崩れ落ちた。身体についた唯の精液がやけに熱く感じられる。恋人を満足させた証として、白濁液が持つ熱は深い満足感をミシェル、京、早苗に与えた。
「三人とも、ありがとう」
「聞こえてないみたいですよ、唯様」
口元を緩めて惚けている三人の美女を見ながら、円が唯に囁く。久しぶりの性交とはいえ、あっという間に五人が倒れている姿に、残りの女性達は戦慄する。だがそんな惨状に恐れを抱かない者達も居る。
「唯さま……」
「どうぞ、無茶苦茶に抱いて下さい」
楓と芽衣が左右から少年の腕に抱きつく。唯に心酔している楓と、マゾ気質の芽衣は見ているだけでは我慢できなくなったのだろう。だがその二人を出し抜いて、百合とエリザヴェータが唯の股間に蹲る。
「ん、唯どの……」
「あは、ボウヤ……綺麗にしてあげるわね」
エリザヴェータと百合は何度も射精して柔らかくなったペニスに口をつける。幾多の美女による淫液と自らの精子で汚れた肉棒に何の躊躇も無く舌を這わせ、丁寧に掃除を始める。
「ちょっと、二人とも!」
「……ずるい」
「あら、こういうのは早い者勝ちでしょう」
抗議する芽衣と楓の言葉に、百合が口元を緩めてにやりと笑う。その間にもエリザヴェータが唯のペニスを口に含み、その肉棒を口の奥まで含む。
「ん、ん、んぐ……ん、はむ……ん……」
他人の愛液まみれのペニスはしょっぱいが、エリザヴェータは何の躊躇も無く、シャフトを舌で舐る。そして陰茎の先っぽを舌先で圧迫して、唯が分泌するカウパー氏線液を味わおうとする。
「じゅぼ、じゅっぷ……あむ、はむ、れろ……ぴちゃ、じゅぶ、ぶちゅ、ちゅっ……」
激しい水音が銀髪の美女から響き、性器を熱くする。こんなにも唯の性器にがっつくとは、エリザヴェータも自分の痴態に心の中で苦笑するが、熱くなった身体が理性を完全にぬぐい去っていた。じゅぷじゅぷと口の中から漏れる唾液を垂らしながら、エリザヴェータは主のペニスを懸命に味わう。
「ん、んん……もうエリザヴェータもずるいわね……んん……」
若干出遅れた百合が、エリザヴェータに占有されているペニスの代わりに、睾丸へと口をつける。
「れろ、ぺろっ……ん、れろれろ、ぴちゃ、れろ……ぺろ、はむ、れろ……」
少年の小柄ながらも、大量の精子を保有している玉袋を口に含み、百合は優しく愛撫する。彼女は熟女の容姿に相応しい、とても熟練した動きで唯の大事な場所を巧みに奉仕する。唯は自分の睾丸全体から、脊髄を痺れさせるような快感を身体に受ける。
「唯さま……」
「我慢出来ません」
性器を占有されてしまった芽衣と楓は、唯の顔にキスの雨を降らせ始める。
「ちゅ、ちゅ……ちゅっ、ちゅっ!」
「ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……」
頬、額、眉、瞼、鼻、そして口など、芽衣と楓は柔らかな唇を接触させて、愛情を示す。芽衣は柔らかく技量のあるキスで、楓は未成熟ながら情熱的な口づけだ。唯もそれに合わせて芽衣と楓の顔にキスを返す。
「ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……」
「あ、唯さまぁ……」
「優しい……嬉しい」
唯からの接吻に、芽衣と楓も愛情を感じてゾクゾクとした興奮を覚えていた。ただのキスなのに、主の唇は驚くほど熱く感じられ、身体の芯がヒートアップしてくる。芽衣と楓が心底、少年に心酔している証拠だろう。
「好き、二人とも大好き」
「ああっ!」
「ん、んうぅ!」
更に唯が言葉で愛情を示すと、芽衣と楓の身体が電撃が奔ったかのように、ビクンと蠢く。心からの親愛を示す言霊を無防備に浴びてしまい、途方も無い甘い刺激が、二人のガーディアンを襲う。それはまるで高純度の麻薬のようで、たちまち芽衣と楓の心を甘く溶かしていく。
「はぁ、唯さま……」
「す、凄いです」
「二人とも、もっと感じて……愛してるよ……こんなに、こんなに大好き」
「ああっ!」
唯は力を緩めることなく、言霊で愛の囁きを繰り返す。久しく感じて居なかった、激しい快感に芽衣と楓は翻弄されてしまう。胸の突起はこれ以上に無いほど硬くなり、自分でも分かるくらいに陰部が濡れている。唯に触れられている場所がひたすら熱を持ち続け、太ももに垂れた自らの愛液が恐ろしく熱く感じられる。
「エリザヴェータさんと百合さんも大好き……愛してるよ」
「ふああああっ!」
「う、ああ、い、いきなりなんて……」
唯の性器を口淫で貪るエリザヴェータと百合も言霊の洗礼を受けて、思わず身悶えしてしまう。それ程に唯から送られる愛の囁きは強烈なものであった。子宮から甘い痺れが奔り、自分たちの膣がキュッと引き締まるのが自分でもわかる。
「ん、ああ、あむ……ん……ぴちゃぴちゃ……れろ」
「んん、ん、んう、ん……ボウヤ、素敵……はむ、ん、れろ、じゅぶじゅぶ」
身体の芯から燃え上がるような熱に侵されて、エリザヴェータと百合はますます熱心にフェラチオに励む。唯の硬い性器を舐めれば舐めるほど、自分達が興奮していくのが、二人には分かる。エリザヴェータと百合は競い合うように肉棒を交互に口へと含んで、唾液まみれの舌で懸命に奉仕する。
「ん、ん……ちゅ、ちゅっ、唯さまぁ」
「あむ、ん、ちゅ……んん……」
「んう、硬い……はぁ、あ、ん、んぅ……」
「ボウヤのとってもたくましい……はぁ、あ、ん、ん……」
芽衣と楓が唯の顔や首筋に何度もキスをして、エリザヴェータと百合が口で懸命にペニスへと奉仕する。四人の美女が一人の少年に奉仕する姿は、男ならば誰でも羨むシチュエーションに見えただろう。だが驚異的なことに、実際にはより深い快感を得ているのは奉仕に回っているはずの女性達だった。
「大好き、愛してる」
「あ、あぁぁ、唯さま……」
「ん、んぅ……唯どの……あ、ああっ!」
唯の言霊が耳元に運ばれ、その度に全身を震わせるほどの快感が彼女達を襲い、生きていることを心底喜ばせるような愉悦に四人は身悶えする。唯の発する声の能力を前にしては、人を超越しているガーディアン達も恋人を愛する女でしかない。愛する少年を口で奉仕することに、ひたすら夢中になってしまう。
「そろそろ出そうだけど……そのまま出すのも勿体ないよね」
「えっ……あぁ!」
「あっ!」
二人のフェラチオを受けていた唯は、自分がもうあまりもたないと見るや、芽衣と楓、百合、エリザヴェータを押し倒す。四人の美女達は唯の力に逆らわず、いともあっさりと布団の上へと横たわる。
「芽衣さん、ごめんね」
「ゆ、唯さま……」
唯は芽衣の両足を持ち上げると、エム字に開脚させる。芽衣が自分から膝裏を抱えて、股間を晒しだすと、唯が未だにピンク色を保っているヴァギナに自分のペニスを押し当てた。亀頭が膣口を押し広げ、大量の蜜があふれ出した花園へとズブリと侵入する。
「あ、ああっ!」
唯が胎内に入ってくると、芽衣はめくるめく快感で蕩けた表情を見せた。唯による言霊で、既に全身が絶頂寸前まで押し上げられていたのだ。肉棒を挿入されただけで、芽衣はこの世の物とは思えない快楽で精神を溶かされた。
「う、ああ、ふあああああ、ひあああ……い、いくううううううう!」
亀頭の先がちょこんと子宮口に接触しただけで、芽衣の背が大きく反り返り、全身が持ち上がった。主が生殖器で自分の小袋に触れている、そのちょっとした刺激で芽衣は限界だった。頭の中が爆発したような錯覚を受け、唯の下でバタバタともがいてしまう。
「は、はあああああ、あ、はひぃ、あっ……ああぁ……」
会社の社長だとか、年上の美女だとか、そういうことを全て忘れさせられ、芽衣は単に雌になりさがる。絶頂の余波を必死に体から追い出そうと、自分でもとんでもないと思うくらいに声をあげ、しまいには息が苦しくなったほどだ。それほどまでに唯の男根による一突きが、気持ちよかった。
「芽衣さん、大丈夫?」
「は、はいぃ……」
「すぐに抜いてあげるから」
あまりにも激しくエクスタシーに達した芽衣の姿に驚いた唯は、すぐに腰を引こうとする。だがそんな少年の腕を芽衣は掴んだ。
「だ、大丈夫です……せ、せめて唯さまが満足するまでは……」
「う、うん……」
「ひぐううううう! あ、ああっ、ああぅ……ひぃ、はぁ……」
芽衣の言葉に甘えて、唯は再び彼女のヴァギナの中でペニスを動かし始める。未だに小さな絶頂の波が押し寄せる芽衣の膣内は、手で握りこむかのように媚肉が締まり、心地よい。逆に芽衣は許容量以上の刺激を脳が受けて、気がおかしくなりそうだった。人が受けてはいけない重度の快楽によって、精神が壊れるかと錯覚するほどだ。だがそれでも、マゾな気質か主への忠誠心か、芽衣は自分の性器を差し出したのだ。
「芽衣さん、で、出るよ……」
「は、はぃ……う、うううぅ……ああっ!」
びゅる、びゅっ、びゅく
唯は勢い良く芽衣の中に射精する。先ほどまで丹念にダブルフェラをされていたので、快感が高まっていた唯は、長くはもたなかった。芽衣にとって、それは幸いだった。
「うっ、あああ、ま、また、い、いくうううううう!」
唯が放ったザーメンの熱さに芽衣が再び激しい絶頂へと追いやられる。唯は精液を少し注ぎ込んだだけで、すぐに陰茎を中から抜いてしまうが、それでも芽衣にとっては十分だった。愛するご主人様に頂く子種から、暴力的なほどに悦楽を感じてしまうほどに、彼女の体はプログラムされているのだ。
「エリザヴェータさん、注ぐよ」
「えっ、唯どの!? あ、ああっ!」
唯はエリザヴェータの腰を掴んで尻を向けさせると、亀頭を陰唇に押し当てた。唯のペニスを舐めてたうえに、彼の言霊で散々に愛を囁かれたエリザヴェータのヴァギナは愛液で既に潤っていた。膣口がうっすらと開いていて、唯の亀頭はほとんど抵抗なくスルリと入り込んでしまう。
「ああああああああっ! ゆ、唯ど……ふああああっ!」
びゅ、びゅるるる、どぴゅ、ぴゅ、ぴゅるるる
唯のペニスが射精しながら膣内に入ってくる。暖かな粘液がヴァギナの襞に当たりながら、溜まっていく感触にエリザヴェータは目を見開いて身体を硬くする。
「うっ……ああああっ! 唯……唯どの……はふん! ん、ん!」
ドロドロとした子種を吐き出し続けている亀頭がコツンと子宮口に当たる感触に、エリザヴェータは思いっきり敷布団を掴んで大声をあげた。
「ああ、入ってる! わ、私の中に唯どののぉ精子がぁ……ああああっ、ひ、ひぃいいい!」
子宮口をグリグリと男性器で押される感触に、エリザヴェータは唯の精液が自分の子宮に注ぎ込まれているのを実感する。避妊用のピルを飲んでいるとはいえ、恋人に精子を注ぎ込まれるという行為はエリザヴェータの心も身体も満たしていく。
「は、ひぅぅぅ、い、イきます……う、ううっ!」
すでに散々に言葉で愛撫されて濡れていたエリザヴェータにとって、子宮に響くピストン運動は最後の止めとなった。四つん這いになった尻を獣のように少年に押し付け、エリザヴェータは歯を食い縛ってエクスタシーに耐えようとする。脳内の神経を焦がすような快楽の信号が走りまわり、銀髪のガーディアンは唯のペニスをギュウギュウと絞りあげる。それに呼応するかのように、唯の陰茎は犯している膣内に最後の一滴まで注ぎ込んだ。
「はぁぁ、あぁ……」
「ん……あぁ……」
長い長いエクスタシーの波が去ると、芽衣とエリザヴェータは身体を弛緩させて布団に崩れる。普段はプライドが高そうな二人の唇から、涎が垂れて線が出来ているのを見ると、どれほど強烈なエクスタシーだったか、窺い知れる。そんな二人の痴態に、残った円や由佳、雛菊が思わず生唾を飲み込んで緊張してしまう。逆に楓は積極的に唯へと身を寄せる。
「唯さま……中におちんちん入れて、かき回して下さい」
「うん、もちろん」
唯は柔らかな尻に手を置くと、熱くぬれたエリザヴェータの膣内からペニスを引き抜く。まだピンクの肉棒が白い粘液で包まれているのを見ると、どれだけ大量にエリザヴェータの体内に発射したのかがよく分かる。現に栓をしていた陰茎を抜かれたエリザヴェータのヴァギナからは大量の精子が零れ落ちて、太ももを濡らす。
「楓さん、乗って」
「はい」
唯の誘いに、楓はいつもの無表情とは程遠い、嬉しそうな表情を僅かに見せた。足を投げ出して座り込んだ唯の上に、楓は背を向けて嬉々としてまたがる。楓は唯のまだ硬度を失っていないペニスを優しく手で握って角度を調整し、膣に入りやすいようにする。
「入れま……はぐううううううっ!」
唯の挿入を待ちわびていた楓は、亀頭の先端が入ると同時に、腰を落として一気に陰茎を受け入れた。彼女にとって大誤算であったのは、ペニスを待ちわびていた楓の身体が、既に限界へと達していたことだ。
「ひ、ひあ、あああああ、ゆ、唯さまぁ……」
楓が構える暇も無く、一瞬で目の前が真っ白になるくらい激しいエクスタシーが訪れる。楓の野球で鍛えている筋肉が硬直し、唯のペニスを膣が握りこむようにぐっと締まる。大好きな唯の男根によって絶頂に達して、楓はいつものように深い幸福感を得る。しかし、唯は先ほど射精したばかりなので、入れてすぐに出すということはない。
「う、動きま……あひ、ああああ、ひ、ふあ、あああ!」
楓は主を悦ばせようとして、自ら腰を振り始める。絶頂直後の敏感な膣の粘膜には刺激が強すぎて、楓は思わず普段のクールさからは想像がつかない、大きな嬌声をあげてしまう。唯のカリ首がヴァギナの襞を擦るたびに、先ほど得た強烈な感覚がフラッシュバックする。まるで身体の中に入り込んだ唯の情熱が、反響して何度も脳を焼いているかのようだ。
「うああ、あああっ! あ、あ、唯さまあああ! あああああ!」
尋常ではない快感に絶叫しつつも、楓は腰を動かすのを止めない。唯に気持ち良くなって欲しいという気持ちもあるだろうが、あまりの快感に脳を焼かれて、自分の動きをストップするという考えが出てこないのだ。
「ひぐっ、う……うぐ、あ、ああっ! は、はひっ、ひ、ひぃぃ!」
楓の嬌声は、最早呻きに近くなっていく。楓の脳がエクスタシーに達したと感じる間も無く、細かな絶頂に襲われているのだから、身体も心もついていっていないのだろう。この光景を見ていない者が彼女の声だけ聞いたのならば、電流でも身体に流されているのだろうかと間違えるかもしれない。だがそんな状態でも、楓の唯に対する恋心は留まるところを知らない。
「う、うあぁ、あっく、く、唯さまぁ、き、気持ち……いいでぇす……ひ、ひい、気持ちいいですか?」
「うん、凄いよ、楓さん」
「それは、よ、よか……あ、あああああぅ!」
楓は唯の満足そうな顔に一瞬微笑むと、再び快楽の強烈な火に焼かれて、悲鳴をあげる。現に楓の膣は括約筋をフルに使って、唯のペニスをギュッと締め上げていて、少年にとっては非常に心地よい。おまけに楓自体が動いてくれているので、動くことに意識を割かずに、性器のシャフトを擦り上げる膣壁を味わうだけでいいのだ。唯としては、ずっと楓の動きを楽しみたいぐらいだ。だがこのまま放っておくのは、楓の精神がもたないだろう。
「楓さん!」
「ひぎっ! い、あああああああっ!」
唯が楓の手首を掴むと、ぐっと身体を引っ張る。唯の陰茎に子宮口を貫かれるように串刺しになり、楓はクールビューティーとは思えない、獣のような声をあげた。快感の爆発で達して、楓の全身から筋肉が浮き上がる。
どびゅ、びゅ、ぶびゅ、びゅっ、びゅ、どぴゅぴゅ
「……っ! あ、あ、あぁ……う……」
膣内に射精されて、楓の目がグルリと裏返り、気を失って横に倒れる。相当に無理していたのだろう。子宮内に射精されたと感じた途端に、楓の許容範囲を超えたに違いない。唯はこれ以上、楓に無理をさせてはいけないと考えたのか、ペニスを無理矢理彼女の膣内から抜いた。
「うぅ……」
呻く楓の中から、ドロリと白い子種が漏れて、尻へと流れる。だが唯は射精し終わったわけではない、そうなるとやることは一つだった。
「百合さん!」
「ああ、何となくこうなるような気がしたのよね」
妖艶な美女は、何処か諦めたかのように、唯に股を開いて差し出した。スムーズに見せたその動きは、はしたない行為だというのに、百合がやると艶っぽかった。
「う、ああああっ! 熱い……う、うう……」
どぴゅ、びゅる、びゅ、びゅ、びゅく
膣に挿入された直後に、胎内で射精された百合はうめき声を漏らす。唯が出す精液の勢いは、楓に射精した直後の残りを放出しているようにはとても思えない。子宮の隅々まで熱い体液に襲われるのが、百合には十分感じられた。
「それじゃ、動くよ」
「ちょ、ちょっとボウヤ……ま、待ってって……ああああっ!」
射精の鼓動が収まる間も無く、唯は百合の中で陰茎を動かし始める。たっぷりと溜まった愛液に白い精液が混じった百合の膣内は、十分な潤滑油で潤っていた。
「ひやああああ、熱いのをかき回さないで!」
「百合さん、いいでしょ」
「ま、待って……うぐぅぅう」
唯の強い言霊を浴びながら、百合が胎内の愛液と精液をペニスで撹拌させられる。精子が熱を持っているとはいえ、そんなに高温なわけはないのだが、百合にはマグマを膣内に注入されてかき回されているように感じる。身体の中が焼き付き、焦がされるような錯覚に百合は悩まされた。
「ひぐうううう、ひ、あああああ、熱い、熱い……ボウヤ、止めてぇ!」
百合は唯の下で懇願するように泣き叫ぶ。ただ自分では必死に唯へと助けを求めているつもりだったのだが、その声には隠しきれない甘い響きがあった。陰部からは絶え間なく愛液が漏れており、口元が緩むのを止められない。百合の言葉は、より強く唯を求めているようにしか、聞こえないのだ。
「ふあ、熱いぃぃぃ、何これ、おかしいわよ……あああっ、いやぁ」
精子まみれの自分の膣内が、百合には燃やされているように感じられる。体温より高くて熱く感じられた精子が、いつまで経っても冷めないような感覚が百合の中に沸き上がる。熱い精が胎内に溜まっているせいだろうか、快楽を感じている身体からは玉のような汗が噴き出す。クーラーで涼しいはずの部屋の中で、熟女の肌から水滴がポタポタと垂れてしまう。
「はぐ、熱い、あつ……ううううぅ、ああぁ、ボウヤ、はぁぁぁ、身体が熱くて堪らない」
全身が汗だくになるような衝撃なのに、百合は甘い声が止まらない。唯の男根がヤキゴテに感じられるくらい熱く、百合は心臓がバクバクと大きな音を立てる。それなのに全く苦しくなく、ひたすら気持ちいいのだ。
「ふぐはあ、あぐあ、ひぐう……ぼ、ボウヤ……ゆい……熱いぃ、はあああ」
大人の女性という唯に対するポーズをかなぐり捨てて、百合は少年の下でよがり狂う。少年を豊満な身体で優しく包み、百合は彼の身体を抱き締める。唯は熱く火照った熟女の身体をある程度愉しむと、腰を動かすペースを上げた。
「ああああああ、だめ、ま、待って……やああああ、あっ、ふあっ、あああ!」
自分の身体と比較すると半分くらいの唯に突かれる度に、百合の五体が大きく揺れる。軽く膣壁を擦られるだけで、百合は全身を大きく反らして過敏に反応した。女性器全体がキュッと締まり、唯の男根を柔らかなヒダで圧迫する。それを唯は愉しむために硬いペニスをピストン運動で動かし続ける。
「う、うぐうううう、も、もう無理、い、イクううううううぅ!」
百合は限界まで我慢していたが、唯の激しい前後運動に最早耐えられなかった。全身の筋肉が収縮すると同時に百合の膣が収縮する。百合は口の端から涎を垂らしつつ、いつもより遥かに強力なエクスタシーに悶絶する。
びゅる、びゅ、びゅ、びゅうううう、どぴゅぴゅ
「ふぐうううう、ぼ、ボウヤ……ひぐっ! あ、あぐっ!」
唯は百合の膣内運動で満足し、自分自身も射精した。二度目の精液を胎内に受けて百合は、くぐもった悲鳴をあげる。強力な脳の化学反応に、百合は最早ひたすら身体の反応に任せるしかない。陸に打ち上げられた魚のように百合はビクビクと痙攣する。
「……っ……だ、だめっ……ぬ、抜いて……」
麻薬中毒にも似た激しいオーガズムを受けた百合が声を絞り出すように懇願する。唯としては百合の中で余韻を味わいたかったが、妖艶な美女が気絶寸前なのでは仕方が無かった。唯がペニスをヴァギナから引き抜くと、百合は体を弛緩させて大きく息をする。唯の強烈な愛を伴った性交には、彼女も形無しだった。
「ちょっとやりすぎちゃったかな?」
百合まで抱いたところで、唯は周囲を見回す。気がつけば膣内を白濁液で染めた美女と美少女達が、死屍累々という形で、布団に倒れ伏している。そして、残るのは三人の美女。
「何と申しますか……」
「凄すぎる」
「やり過ぎね、これは……」
雛菊、円、由佳は周囲の惨状に息を呑む。ほとんど時間が経過していないというのに、九人の同僚が性的快楽でノックアウトされたのを見て、ただただ唖然とするばかりだ。だが自分達の末路も当然だが分かっていた。
「唯くん、もしかして……まだ全然満足出来てないんでしょ」
「あ、うん……何でだろう。何て言うか、久々にいっぱいエッチしたくて仕方なくて……でも、みんなにはきついよね」
「まあ、確かにね」
唯の正直な言葉に、由佳は苦笑する。いつもセックスで翻弄されている唯が全力で求めていて、おまけに言霊の力を全開にしているとなれば、ガーディアンの従者としてはひとたまりもない。だがそれでも由佳達に拒むという選択肢は無かった。
「それなら、こうするしかないわね。円、雛菊、手伝って」
「はいはい」
「わ、わかった」
由佳の言葉に、円と雛菊は大人しく従う。彼女達は服を脱ぐと、由佳が仰向けになって寝転がり、何をすればよいか察した円と雛菊が彼女の上へと順番に俯せに乗っかった。
「ま、毎度のことだが、は、恥ずかしいなこれは」
「そんなこともすぐに忘れると思うわよ」
「でも唯くんはこれが大好きだから。ね、唯くん」
「うん、ありがとう」
美女の三段重ねで誘惑されて、唯は性癖を見透かされて恥ずかしがると同時に、非常に興奮していた。折角その身を捧げてくれるというのだから、据え膳を食うしかない。唯は三人が開いた股の間に入り込み、由佳へとペニスを突き込んだ。
「ひゃあ! い、いきなりお姉さんのとこに来た……わね……って、う、ああ! や、これ、うう、凄い……ううう」
亀頭が小陰唇を押し広げて、ズブズブと入り込むと、由佳が堪らずに悲鳴をあげる。他の者へと向けられたはずの言霊だったが、思った以上に自分も興奮していたようだ。
「ふっ、ひう……あ、ああああぁ! や、やっぱり、何か今日は凄い! ゆ、唯くん、や、優しく……お願い」
たっぷりと濡れた膣内はペニスの挿入に対して抵抗が少ないのだが、膣壁は強力な圧力で唯を包もうとする。自然と男性器による刺激が強くなり、由佳はその快感に身を焼かれる。膣のヒダを力強く硬い亀頭で押し潰されると、全身へと快楽が溢れ出す。
「由佳さん、凄い気持ちいい……ありがとう。愛してる」
「ひっ! ふあああああ、や、いきなりそんな……あああああぁ、ひっ、はああああん!」
唯の言霊が耳に入ると同時に、由佳が絶叫する。全身がカッと熱くなり、快感のパルスが五体の神経全てを焼くかのように駆け巡った。火を司る能力者なのに、全身が一瞬火に包まれたと錯覚したほどだ。
「は、は、はぁ……う、うう、い、いっちゃうって、だ、だめ……だめ……だめええええ!」
甘く、それでいて強烈な刺激に由佳は軽く絶頂に押し上げられる。背が大きく反れて、雛菊と円が自分の上に乗っているのに、身体がぐっと持ち上がる。
「わわっ!」
「お、おい……大丈夫か?」
「い、いくうううううううう! やっ、もう動かさないで! ひ、ひふううううう!」
由佳が襲われたのは比較的あっさりとしたエクスタシーのはずなのだが、ヴァギナの中で唯のペニスが前後していて、その快感を増幅しようとする。その迸る性感の奔流に身を任せて、意識を飛ばしたいという誘惑に由佳は誘われる。だがそれでは、三人で重なった意味が無い。次々と性行する相手を代えて、唯を楽しませるために連なったからだ。
「ゆ、唯くん、抜いてええええ! お姉さん、このままだとし、死んじゃ……じゃなくて、気絶しちゃう! 長続きしないから!」
「わかった」
「う、ああああ!」
キュンと締まっていた由佳の膣内から唯は男根を引き抜くと、そのまま円の胎内へと続いて突き込む。由佳の中はドロドロに熱くて名残惜しかったのだが、円も負けないくらいに熱を持っており、柔らかな膣のヒダがペニスを包み込もうとする。
「た、確かに、こ、これはきつい……ゆ、唯さまのおちんちんが、やばいくらい熱く感じるかも」
「そうかな?」
「ひゃん! あ、ああっ、ふぁ、あ、う、動いちゃだめぇ……は、あ、ああっ! いやぁ!」
円は腰を動かし始めた唯に合わせて、悲鳴のような嬌声をあげる。唯の硬くなった男根が、熱した棒のように感じられて、鋭敏な膣壁の神経を強烈に刺激してくる。由佳や他の者達が見せた反応も無理のない話しだと、円は意識の片隅で納得する。
「ひぎっ、ふ、ふああああ、や、ああ! ひゃん、ああ、あ、あ、ああ、ううぅ……き、きっついぃ」
美女二人にサンドイッチされている形の円は、ピストン運動を受けて全身から汗を噴出しながら喘ぐ。非常に敏感になっている身体に合わせてか、ヴァギナの膣圧も始めから上がっていて、中に入っている唯の性器をグイグイと締め上げてきている。普段ならばゆっくりと時間をかけて膣が締まるのだが、今回は最初から限界まで括約筋に力が入っていた。
「も、もうだめぇぇぇぇぇ、ひ、ひゃああああん、はひゅ、ひ、ふああああ、唯さまぁん、こ、このままだと……」
「わかった」
「ふぐっ……ううううぅ」
円の焦燥感にまみれた懇願に、唯は彼女の中からペニスを引き抜く。絶頂寸前であった円は、硬く尖った性器を自分の体内から引き抜かれて、大きく息を吐いた。唯は間髪入れず、最後に残った膣穴へと陰茎を突き込んだ。
「唯さま……う、あああああっ!」
唯の性器が、雛菊のヴァギナへといともあっさりと入り込む。挿入自体はスムーズであったが、ペニスを挿入された雛菊の感覚は全く違った。
「ひぐ、あああっ、い、いつもよりずっとき、きつい……な、何だ、これ……ううううぅ」
膣を中心に全身へとぞわぞわするような感覚が、四肢の先にまで広がり、雛菊は戦慄する。普段の唯とする性行とは全く違う感覚に、驚愕の呻き声が漏れた。
「は、ああぁ、唯さま……もっとゆっくりしてくださ……あ、ああっ、ひ、ああん、あ、あぁ」
決して不快な感覚ではないが、余りにも深い快感に、身を委ねたら二度と戻れないような気がして雛菊は身を震わせる。雛菊は何故他のガーディアン達が唯に翻弄されたのか、身を持って知らされた。だが哀願する雛菊を無視して、唯は腰をいつも通りに動かし始めた。
「ふひゃっ、ああああぁ、へ、変な声がで、で、出ます……ゆ、ゆ、許してぇ……ひあああん」
少女のような声が雛菊の口から漏れる。唯は熱く、鍛えられた筋肉で締まる膣内で陰茎を動かし続ける。雛菊の甘い声と共にペニスを締め付けるヴァギナは心地よく、唯は幾らでも味わっていたいぐらいだ。女剣士の内部はその器官の能力を全て使って、少年に応えようとする。
「は、はぁ、はっ……だ、ダメです、あ、あまり持たないで、です……」
「えっ、もう? それじゃ、このまま一気に」
「だ、ダメです。唯くん、次は私に……」
力が入り、身体を硬直させはじめた雛菊の姿に唯は一気にフィニッシュまで持ち込もうとするが、由佳が彼を制する。
「ひっ! はああああぁん!」
即座に唯は雛菊の中から男根を抜き、由佳の中へと突き入れる。三人の力を合わせて、少しでも唯を愉しませようとする由佳の意を汲んだからだ。
「ひぐうっ! ゆ、ゆいくん、す、凄いぃぃぃぃ!」
由佳は唯の怒張が身体の中に押し入る感触に、大声を出して喘ぐ。ペニスがヴァギナの中から愛液を押し出し、尻の方まで垂れて流れ落ちる。火で加熱された巨大な棒を突き込まれているような衝撃を由佳は受けて、必死にもがく。二人の友を身体に乗せたまま、美女はその下でもがく。
「は、は、ひっ、あ、あっ、あぁん、ふあ、あう」
「はぁはぁ、ひゃあん、きゃ、うぅん……ふぐぅ……か、かき回さないで」
「う、うぅ、あぁん、あっ! ひゃん! つ、つ、突かないで!」
唯は由佳の言う通り、由佳、円、雛菊を次々と突いていく。縦に重なっている美女の中に、思うがままに自分のペニスを挿入し、彼女達の肉体を存分に貪る。
「こ、こんな……突かれてるわけでないのに……」
「あ、あああぅ……気持ちいい、いい……あ、ああぅ、ふう……」
「ふあああん、あん、あんっ! はぁん……も、もうだめだ……だめぇん……」
三者三様の膣内を唯は楽しみ、それぞれの感触を楽しむ。雛菊の膣内は鍛えられた筋肉できつく締まり、円の膣壁は柔らかく男性器全体を圧迫し、由佳の胎内は高い体温で熱く男根を熱する。恋人それぞれが全く違う身体の感触を持っており、唯はそれを何より楽しんでいた。おまけに三人があげる嬌声の響きが唯を高める。唯はこのままずっと三人と交わい続けたいと思った程だ。
「も、もうダメぇ」
「ゆ、唯さまぁ」
「すみません……あ、あっ、あああああ!」
だが唯の動きに、由佳達は耐えられなかった。元から唯とたっぷりと性行しているので、すっかり彼のペニスにフィットするようにガーディアンはヴァギナが調教されている。セックスの相性は抜群になっている上に、今日はいつも以上にガーディアン達の痴態で興奮を煽られているのだ。三人交互に犯されているというのに、全員が絶頂寸前へと追い詰められた。
「ひ、ひぎっ……うう……唯くんのおちんちん凄すぎる」
「い、いっちゃう、いっちゃうよぉ」
「ご、ごめんなさい……で、ですがぁ……い、いくぅ」
由佳の手がシーツを掴んでぐちゃぐちゃにして、円の身体がビクビクと幾度も痙攣する。一番上に乗った雛菊は下の二人へと必死にしがみつき、壊してしまうのではないかと思うほど強く抱きつく。これ以上、恋人達に我慢させるのは無理なのがわかる。
「三人とも、愛してる。大好きだよ」
「ふああああああ、やっ、あ、わ、私も愛してるうううう!」
「私も……ひぐっ、い、いくうううううう、うう、あああっ……」
「はひゃああああ、唯さまあああ! あ、あっ、うああ……ふあああああああ、いくぅ!」
唯が放った一際強烈な言霊に合わせて、由佳、円、雛菊が一斉にエクスタシーへと達した。目を見開いて、口から泡を飛ばしながら、絶叫する。
どぷっ、びゅ、びゅるるる、ぶびゅ、ぴゅっ、ぴゅ
由佳達の絶頂に合わせて、唯もようやく射精した。一番下の由佳に軽く射精したあとに、円に突き込んで延々と射精する。そして雛菊の中に最後に突き入れて、唯は残った残滓を吐き出した。
「あ、熱い…ああああっ、はぁはぁ、あぁ……」
「つっ……う、う、うぅ……ああああぁ」
「ひあああああ、い、い、いくぅ、う、うっ、うう、う」
由佳は胎内の精子の熱さに呆然となり、大量のザーメンを注入された円は声も出ないくらいに激しく痙攣を起こす。雛菊はまだ硬さの残るペニスを膣全体で締め上げて、少年の尿道に残った体液を貪る。最後の一滴まで雛菊の胎内に放出して、唯はようやく一息ついた。
両親への想いを墓前に告げることができた唯は、胸のつかえが取れて元の快活さを取り戻した。思わぬことから自分達への好意を聞いたガーディアン達も、より深く彼への愛を感じることが出来た。彼らは深く交じりあい、より絆を強めたと言える。普通ならば、これでめでたしめでたしなのだが、思わぬ余波をガーディアン達は食うこととなる。
一晩泊まった後に親戚に別れを告げて、田舎から帰宅の途についた唯達は自宅へと戻ってきていた。世間ではお盆休みは続いており、ガーディアン達はまだしばらく休暇を楽しむことができた。そんな日のこと。
「由佳さん」
「きゃっ!」
自宅の廊下で由佳を見かけた唯は、背後から彼女の両肩に手をかけた。驚かそうと直前まで音を消していた唯に、由佳は思わず大きな声を出してしまった。唯の思惑通りといったところか。
「もう、唯君ったら……驚いたわ」
「ははは、ごめん」
大きく息を吐いた由佳に、唯はおかしそうに笑った。いつもは大人顔負けの冷静さを見せる唯にしては子供っぽい行動だ。
「ところで由佳さん、いま暇してる?」
「えっ……ええと、何でかな?」
「いや、昨日の晩しなかったから、たまにはお昼からどうかなって思って」
唯が若干小声で由佳に尋ねる。少年から特に何もないのにガーディアンをこうやって誘惑するのは、珍しいことだった。墓参り以降、どことなく唯が高揚しているのも理由だろう。だが折角の唯からのお誘いに、由佳は困ったような表情を浮かべた。
「ご、ごめん、唯君。ちょっと……しばらくしたらご飯の材料を買いに行かないといけないから」
由佳は唯の誘いをおどおどと断ってしまう。返事をすることでさえ、どことなく腰が引けているようだ。
「そうなんだ。それなら、仕方ないよね」
「うん、ごめんなさい」
「それなら、今晩はいいよね」
「えっと……考えておくわね」
唯の誘いを振り切るように、由佳はそそくさと廊下を進んでいってしまう。取り残された唯は釈然としない様子だったが、いつまでも廊下に立っているわけにもいかず、リビングへと向かう。リビングルームには、いつものごとく数人のガーディアン達が寛いでいて、めいめいにテレビを見たり雑誌などを読んでいたりした。
「ねえ、みんな。暇してるかな?」
「うん……暇してるわよ」
「特に何してるわけでもないからね」
ソファに座った唯の言葉に、京と早苗がテレビから視線を外し、彼を見て答える。二人とも特に見たい番組の前に居たわけではないようだ。
「何かしら、急に。デートのお誘いかしら?」
「えっと……デリカシーに欠けるかもしれないけど、良ければベッドに誘いたいなって」
からかうような百合に対し、唯は照れながらも素直に自分の意図を語る。普段ならばガーディアン達もよろこんで食いついただろう。だが今日は全員が凍り付いたように固まると、軽くパニックになったかのように喋り始めた。
「え、えっと、その昼間からでしょうか……」
「お誘いは凄く嬉しいんだけど……その……日が悪くて」
「そうそう、日が悪い」
「ごめんね、ちょっと気が乗らないというか……そういう気分になりにくくて」
「決して、前回ので嫌になったっていうわけじゃないんだけど」
芽衣、静香、麗、ミシェル、円という順で、一気にまくしたててくる。全員が言い訳で必死になるというのは酷く珍しい。しかし、唯はセックスを断られている理由が、いまいち理解できなかった。こういうときは一番わかりやすい相手に聞くのが一番だ。
「エリザヴェータさんと楓さんは?」
「すまないな、唯殿。今日は気が乗らない」
「………」
「楓さん?」
「唯様、私も正直に言えば興奮しにくいです」
エリザヴェータと楓も同様に断るというのならば、何か原因がしっかりあるのだろう。だが、どうもガーディアン達は口にして出したくないようだ。普段ならば正直に想いを口に出すエリザヴェータと楓も説明しないというのならば、よっぽどのことかもしれない。
「分かった。また今度にするね」
「すみません。数日後には大丈夫だと思いますので」
「そっか。じゃあ、ちょっと雑誌でも買ってくるから、帰ってきたらのんびりするよ」
雛菊の心底申し訳無さそうな謝罪に対しても、唯は軽い調子で返すと、リビングを出て行った。性行を断られたことを驚いていたが、唯はあまり気にしていない様子だ。唯が理解してくれたことによって、リビングの緊張が明らかに緩んだ。
「ふう……唯様が優しくて助かったわ」
「全くね」
安堵する円に、麗が同調する。
「しかし……これは困ったわね」
ミシェルが部屋の一点に視線を投げかける。釣られるように、その場に居たガーディアン達全員の視線が集まった。常人には何も感じられないが、霊的な力をかなり備えるガーディアンにはぼんやりと蜃気楼のような影が見える。彼女達には、それが唯の両親だと分かっていた。霊視能力に長けているわけではないガーディアンでも、ときおりぼんやり見える影が、唯の部屋に飾ってある両親の写真と同じ像を見せるのを目撃していた。日本の風習通り、お盆に唯を見守りに戻ってきたに違いない。強い力を持つ霊ではなく、ガーディアンも交霊の力は弱いため、互いに意志疎通はできない。そのため、ガーディアンも唯には知らさずに居た。唯の現状については両親も墓前で聞いたに違いなく、霊達も現状に満足しているのか、メッセージを託して来なかった。
「しかし参ったな」
「まさかご両親の前で、唯様を押し倒すわけにはいかないしね」
エリザヴェータとミシェルがひそひそと言葉を交わす。ミシェルの言うように、唯がニ千歳以上年上の女性にベッドへと誘惑されていると知れば、二親は心配するに違いない。或いは既に察しているかもしれない。だがそれでも、主人の両親を前にして醜態は晒せない。
「うう、唯君に誘われて嬉しいのに……」
「我慢するしかないわね」
苦悩する早苗に、京がため息をつく。ぼんやりと霞んで見える霊達は、苦笑しているかのように揺らめいていた。