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■ウォースラ×アーシェ


──ダルマスカ王国 [ラバナスタ王宮]──

窓に手をあて眺める景色は変わらない。今夜は薄い雲が星空を覆いつくしている。
ただ見えないのは星ではなく、自分の心の中なのかもしれない。
「…ラスラ」
葬儀を終えてから、独りこうする時間が増えた。
街も皆も全てが平和への一歩を踏み出そうとしているのに。私の時間は止まってしまった。

ドンッ!!
静寂を打破るドアの音。ジャカジャカと鎧姿の男が駆け込んで来た、ウォースラだ。
普段は声も掛けずに入って来る事はない、これは何か起きたのだと悟った。
「何事ですか アズラス将軍」
「殿下!……ラミナス陛下が 御亡くなりになりました」
思いもしなかった言葉に血の気が引いていく。
和平調印の為にナルビアに向かったはずではなかったか。
「父が!……なぜ…」
「我々が着いた時には既に」
彼の握り拳にからは悔しさが伝わる。
「帝国はこの混乱に乗じて我が国へ攻め入る気であります 危険です!一刻も早くここを出ましょう」
「私に城を捨てろと言うの!?この国や民を!最善を尽すのが王族として義務 逃げる訳には行きません!」
「しかしアーシェ殿下なくして王国は有り得ません まずは御自分の身の安全を最優先に御考え下さい」
「嫌です!父やラスラの仇を…!」
例え一人になったとしてもここで逃げるよりはいい。
「私は行きません!」
仕方なくウォースラは強行に出た。間近に迫まり口を塞ぐ。
「失礼します!」
「何を…!…」
手の中に薬品付きの布が仕込れていた。
徐々に視界は狭ばまって行き、アーシェは深い眠りに落ちていった。


肌寒い…
吸い込む空気がひんやりしている。水や人の声も微かに聞こえる。
時折慌ただしい足音も混ざるが、何故か静かな時間が流れているように感じていた。

「気がつかれましたか」
「…ここは?」
聞き馴れた声に目を開ける。薄暗い空間は、水色のタイルに囲まれているようだ。
「地下のダウンタウンであります 地上は帝国兵がうろついますが ここならば見つかりはしないでしょう」
"帝国"と言葉に瞬時に記憶が蘇る。
「城は!?どうなったのですか!?」
「先ほど帝国の戦艦及びジャッジの入国を確認致しました 既に占領された模様です」
「…卑怯だわ! 自分達から和平を掲げておきながら 騙し打ちなんて…!」
黙っていられる訳もなく、アーシェは立ち上がる。
「御待ち下さい!」
「なぜ戦わせてくれないの!兄もラスラも最後まで勇敢に立ち向かっていったと言うのに!」
「陛下亡き今 殿下までを失ってはダルマスカの未来は絶たれましょう 自分とて悔しい気持ちは同じ どうかお許し下さい」
ウォースラの深々と頭を下げた。抑えようのない怒りはつい身近な人へ向いてしまう。
彼を責めても状況は変わらない。飛び出してしまいそうな衝動をぐっと呑みこみ 「……いつか…必ず」
そう誓った。

その瞳が潤んでいる事にウォースラは気付かないフリをした。




混乱の一夜が明けダルマスカは落ち着きを取り戻していた。
一つの話題を除いては…

「アズラス…」
飲みかけのグラスを眺めながらアーシェは問掛けた。
狭い部屋には椅子すらなく床に敷いた布だけが温かさを感じさせる。
「どうされましたか」
「噂を耳にしたの……本当なのですか?」
それは国王暗殺の首謀者はローゼンバーグ将軍であるという、生き残った兵の話。
ウォースラの表情が曇る。
「自分は陛下の元へ向かう道中 将軍と別れてから姿を見ておりません 真相はわかり兼ねます」
とは言ったものの、バッシュが国王暗殺などするはずがない。絶対にない。信じている。
しかしそれを証明出来る証拠などは何もなかった。

「そう…」
アーシェは再びグラスを口に運んだ。
彼の言葉が嘘でないのは分かる、だが本心を話してくれない事が少しだけ寂しかった。


数時間後、帝国及びオンドール侯爵からの正式発表がなされた。
兵の証言を裏付けるような内容に怒りが込み上げてくる。

「やはりあの男が父を…!」
それに加え自分が死んだと言う話はアーシェを酷く傷つけた。
国も、地位も、何もなくなった…どうして私だけ生き残っているのだろう…
倒れそうな自分を支えるはすべは、もはや帝国に対する憎しみだけとなっていた。
「私だけでも…」"戦い続ける"

その様子を何も言わずにウォースラは見ていた。
自分を頼って貰えない事が少しだけ寂しかった。




「只今帰りました」
ある日、ウォースラの大量の荷物を抱えて帰宅した。
これからの潜伏活動において必要なものは沢山あると買い物に行ったのだ。
日常品や食料に混ざってアーシェはあるものを見つけた。
「これは?」
「いつまでもドレス姿では人目を引くかと思いまして」
そういって差し出した袋は洋品店のものだった。
「ありがとう 着替えてみます」

ウォースラが部屋の外で待っていると中から"いいわよ"と呼ぶ声がした。
「失礼しま………っ!!」
その格好を見て驚いた。いや、ドキドキしたのかもしれない。
なぜなら白いレースもピンクのスカートも、これほど露出が高いとは思っていなかったからだ。
そもそも女の服など何を選べばいいのか分からず、店員に任せたのがまずかった。
「…直ぐに買い換えて参ります」
「どうして?大丈夫よ これで構わないわ」
にこりと穏やかな表情を見せた、あの日以来久しぶりに見る笑顔。
ウォースラは安堵した。
「殿下がよろしいのであれば」
「ありがとう アズラス」

程なくして二人は解放軍を結成した。
アーシェ存在を知る者は極一部限られ、表向きはウォースラが指揮を執った。



「私の相手をしてくれないかしら」
剣を手に取りウォースラに差し出す。
殺風景だった部屋も今ではすっかり解放軍本部。
日を増すごとに武器や防具が増えていく。
「まだまだ貴方の様にはいかなけど 足手纏いにはなりたくないの」
この場合下手に手加減するのは逆効果、彼女の気を逆撫てしまうだけ。
やるからには本気で、そういうお方だ。
「分かりました」

キィィン!キン
剣と剣のぶつかり合う音がこだまする。二人の額からは汗が滲み出ていた。

「痛っ!」
しまったと思った時には既に遅い。アーシェの脚に赤い筋をつけた後だった。
「申し訳ありません!」
「これくらい…大丈夫よ」
ウォースラは傷口に手を当てた、ケアルを唱えると見るみるうちに塞がって行く。
白く美しい太股。
その脚線見ているとつい触れてみたくなる…きっと滑らかな触り心地。

傷痕が消えた後も暫く手を置き続けていた。本人は気付いていなかったのだろうか。

そんな彼をアーシェはただ眺めていた。



時の流れは早いもので、大戦から一年が経過しようとしている。

これを期にある作戦が水面下で進行していた。
ところが一部の者の勝手な行動が帝国側に伝わってしまい、計画は断念せざる終えなくなった。
解放軍の士気は一気に下がり、脱退を申し出る者が相次いだ。
残ったのは結成時の3分の1。
その事でアーシェは力無い自分に失望してしまっていた。


夜になると嫌な事ばかり思い出す。
なかなか寝つけずに、手元のランプをつけたり消したり。
今日は何回繰り返しただろう。あれもこれもと頭をよぎる。
また今夜も眠れない。
私がやっている事は本当に正しいのだろうか…
いえ…しなければいけないの…義務だから…
分からない…どうしたらいいの…
私は…私は……

過去を断ち切れば自由
全てを断ち切れば………


「やめろ!!!」
何かを制止しようとする声にハッとした。
自分の手からナイフが滑り落ちていく。
私は何を……
「お独りで悩むのはお止め下さい」
アーシェの手を優しく包み込んでくる、一回りも大きい掌。
哀しい顔をしてこちらを見ている。
「自分がいるではありませんか! 殿下は独りではないのです」
「……でも貴方まで…いなくなってしまったら 私は…」
本当に独りなってしまう…そう言おうとしたが声にはならなかった。
こみ上げてくる想いが涙となって溢れ出す。
「いつまでも殿下の側に居ります その事を忘れないで頂きたいのです」
彼女の為だけではない。自分自信の希望でもある。
国に対する忠義だけで出来るものではないとウォースラは気付いてしまったのだ。
死ぬまで御一緒します、と強くアーシェを抱き締めた。
とても暖かく、懐かしい匂いに包まれる。
「……ウォースラ」
久々にその名を口にした。
婚約発表後、上下関係を明白にする為に名前で呼ぶ事はなくなっていたからだ。
「またそう呼んで頂けるとは思いませんでした」
彼の声は嬉しそうだった。
昔から一番近くで見守っていてくれて、居る事が当たり前になっていた。だからなかなか気付かない。
でも今は分かる。

「…私には…もう貴方しかいない」

二人は瞳を合わせた。そしてどちらともなく唇を重ねていった。


ぷっくりと柔らかいアーシェの唇。
その甘い香りに誘われて、中へと舌を踏み入れる。絡みつく唾液は水飴のように。

クチュ…チュピ…
もっと、もっとと激しさを増す口の動きに息が熱くなる。
「はぁ…ちゅ…ん」
そのままゆっくりと横たわる。仰向けになったアーシェの姿はいやらしくも艶麗で。
「御美しい…」
手の甲にチュッと口付け、この手をいつまでも離すまいと…指を絡ませる。

ウォースラは胸に顔を埋めた。
気持いい感触だ。頬で擦ればムニュムニュ乳が揺れ動く。
「…ぁん」
レースを捲るとプルンッと2つ、顔を見せた。
白く綺麗な丸みは柔らかくも張りがある。視られている恥ずかしさにアーシェは股を濡らしていた。
「…ぅ…あぁ!」
乳首に吸い付かれると快感が全身を巡った。あそこがムズムズしているのは自分が一番よく分かる。
脚をよじらせ耐えていてもウォースラなかなか止めてはくれない。
「ダメ…よ……はっ…ん」
「ならば こちらはどうでしょう」
そう言いながらスカートを脱がす。
股を開かされウォースラにいじられる事を期待している、自分はこんなに淫らなんて…
「…ん!…ぅん…」
割れ目に指が侵入してくる。
クリトリスが擦れると思わず反応してしまう。

ヌチュヌチュ…ヌチュッ
「!…ん」
「殿下…自分はその…」
彼の表情をみてどうしたいのかは直ぐにわかった。ただその前に
「待ぁって…」
アーシェはウォースラのベルトを抜きとった。
「…!」
「動かないで…」


はち切れんばかりに膨らんだズボンから硬直したモノを取り出した。
まさかアーシェがこんなに積極的とは思いもしなかった。
ウォースラが驚いているのも気に留めず、先をくわえて舐めている。
筋に沿って蛇行していく滑らかな舌先。
「はぁ…いい…ぃ」
小さな口一杯に膨張したモノが行き来している。
アーシェの口内にヌメった液体が広がっていく。亀頭から滲み出る液は全て呑み込んだ。

チュプッングッ
こんな事するのは貴方にだけよ…
と上目遣いでウォースラを見つめる。
それに応えるように彼はアーシェの頭を撫でた。
「殿下ぁ…もぅ…」
「ぅん…お願…ぃ…」
口の辺りに付着したものが、ちゅるんと糸を引いていく。
下の口も待ちきれずに溢れた汁でぐっちゅりとしていた。

「あなたが…欲しいの…」
淫欲をそそるアーシェの言葉に彼の興奮は最高潮に達した。
ウォースラは脚を持ち上げると流れ出す蜜を貪る。
その奥とクリトリスを交互にいじくると、アーシェは堪らずに声を上げた。
「ぁん…あ!ぁあ!んっ!」
その反応を堪能すると溢れる秘部へと挿入した。一瞬体がのけ反る。
締め付けられていく肉の中をぐいぐいと突き進む。
やがて行き止まりにたどり着くと、アーシェの全身はビクッと痙攣した。
ズプッ…ジュプ…
「んぁ!んっ…あ!」
何度も何度も突き上げる。グヂュっと膣内を掻き回す。
腰の動きに同調して内側はヒクヒク脈打っている。
アーシェを抱き寄せるとその肌がうっすら汗ばんでいた。
「…はぁ!ぁん…熱…ぃ」
激しくなるウォースラに大人の男とはこんなにも濃厚なものなのかと感じた。
王女とはいえまだ10代なのだから。

ウォースラが唇や胸にキスを繰り返す。
素直にアーシェも受け入れる。
口付けられた道筋には、髭がザリっと余韻を残した。
次第に互いを求める気持ちは強くなっていく。


「ぅん…やぁ!ん!ウォ…ス…ラ」
「…いい…あっ!」
アーシェの全身に力が入る。根本をぎゅぃぎゅい締め付け離さない。
負けずにウォースラも奥まで押し込んでいく。

ヂュッポ!ズプッ!
「もぅイッ…!ます」
先に我慢できなくなったのはウォースラだった。絡みつく粘膜を突き破る。

ズポッ!ヂュプッ!!ヂュプ!!!
摩擦による快感にとうとうアーシェも限界にきた。
「…ぃあっ!…き…て!!」

ドクッ!
「んぁぁぁぁ!!」

「あ!あっ!あぁぁはぁああぁぁっ!!!」

ドピュ!!!ビュッ…!ッ……

最後の一突きと同時に熱いものが飛び出した。
ドロりと流れる液体は白く濁り、卵の白身のようなものも混ざっている。
それが膣に満ちていくのをアーシェは感じていた。


「風邪をひかれますよ」
力が抜けてぐったりとしていると彼は毛布を掛てくれた。
アーシェの頬を撫でながら優しく微笑んでくれている。

「殿下の御側に居られて 自分は幸せです」
「ウォースラ……」

"私も……貴方だけを信じてる"



──end──



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